JPH06136619A - 導電性複合繊維 - Google Patents

導電性複合繊維

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JPH06136619A
JPH06136619A JP28613092A JP28613092A JPH06136619A JP H06136619 A JPH06136619 A JP H06136619A JP 28613092 A JP28613092 A JP 28613092A JP 28613092 A JP28613092 A JP 28613092A JP H06136619 A JPH06136619 A JP H06136619A
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JP
Japan
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cuprous iodide
conductive
fiber
component
electrically conductive
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JP28613092A
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English (en)
Inventor
Munemitsu Kamiyama
統光 神山
Hironori Yamada
裕憲 山田
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 導電性能及びその耐久性に優れ、且つ白度の
良好な導電性複合繊維を提供すること。 【構成】 導電性物質として、平均粒径1.25〜1.
60μm、粗大粒子数が5ケ以下(1500倍写真10
0cm2 当り)、粒子表面のヨウ化第二銅含有量が2モル
%以下のヨウ化第一銅を混合した熱可塑性樹脂と、繊維
形成性重合体とから構成される導電性複合繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電性能及びその耐久性
に優れ且つ白度の良好な導電性繊維に関し、特に導電性
物質として特定のヨウ化第一銅粉体を含有する導電性繊
維に関する。
【0002】
【従来の技術】合成繊維、例えばポリエステル系繊維、
ポリアミド系繊維等は導電性が低いため、摩擦により静
電気が発生し、塵埃の付着、放電に伴う各種の障害が発
生する。
【0003】かかる問題を解決し、且つ白度の高い導電
性繊維を得るべく、各種白色の導電性物質を配合する方
法が提案されており、なかでも平均粒径が0.6〜1.
2μmのヨウ化第一銅粒子を含有させた導電性繊維は、
白度が高く物性面でも優れていることが知られている
(特開平1―306616号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者の検討によれば、このようなヨウ化第一銅粒子含有繊
維は平均粒径が同一であっても用いるヨウ化第一銅の種
類によっては導電性能が低下したり、製糸直後では良好
な導電性を示しても後加工工程、例えば乾熱処理で導電
性能が低下したりする場合のあることが判明した。
【0005】かかる問題点を解決するために、本発明者
は、先にヨウ化第一銅粒子の粗大粒子量によっては導電
性能の安定性が大きく変化することを見い出し、粒径が
2μm以上の粗大粒子含有量が特性値以下のものを用い
ることを提案した(特願平4―128823号)。確か
にかかる方法によれば導電性能の耐久性は向上するもの
の、得られる導電性能のレベルや白度が大きく変動した
り、後加工工程で導電性能が著しく低下する場合があっ
た。
【0006】本発明は、上記を背景になされたもので、
その目的は、導電性能のレベル及びその耐久性に優れ且
つ白度の良好な導電性繊維を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、ヨウ化第一銅粒子表
面に含まれるヨウ化第二銅の量によっては導電性能が大
きく変化することを見出だし、かかる知見を基にさらに
検討を重ねた結果本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明によれば、繊維形成性重
合体よりなるA成分と、導電性物質と熱可塑性重合体と
の混合物よりなるB成分とから構成される複合繊維にお
いて、前記導電性物質が下記及びを同時に満足す
るヨウ化第一銅粉体であることを特徴とする導電性複合
繊維が提供される。 1.25≦R≦1.60 S≦5 M≦2 (但し、Rはヨウ化第一銅粉体の平均粒径(μm)、S
はヨウ化第一銅粉体の1500倍走査型電子顕微鏡写真
における100cm2 あたりの径2μm以上の粗大粒子
数、MはX線光電子分光法により求めたヨウ化第一銅粉
体表面に存在するヨウ化第2銅の含有量(モル%)を示
す)
【0009】本発明の導電性複合繊維の一部を構成する
(A)成分となる重合体は溶融紡糸可能な繊維形成性重
合体であればよい。かかる重合体の具体例としてはポリ
エチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート
等のポリエステル、ナイロン6やナイロン6,6等のポ
リアミド、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレ
フィン等があげられる。また、これらを主成分とする共
重合体又は混合重合体をあげることができる。かかる
(A)成分を構成する重合体には、必要に応じて任意の
添加剤、例えば艶消剤、着色剤、酸化安定剤、染色性向
上剤等を含有させてもよい。
【0010】本発明の導電性複合繊維の導電部を構成す
る(B)成分は、ヨウ化第一銅粉体と熱可塑性重合体と
からなる。ここで使用される熱可塑性重合体としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブ
タジエン、ポリイソプレン、ナイロン6、ナイロン6,
6、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等を主たる対象とするが、これらの一部を共重
合で置きかえたものでもよく、また熱可塑性重合体であ
れば目的に応じ上記以外の重合体を使用してもよく、更
に必要に応じてそれらの2種以上を混合したものであっ
てもよい。
【0011】ヨウ化第一銅粉体は、その平均粒径が1.
25〜1.60μmであることが必要である。ヨウ化第
一銅粉体の平均粒径が1.2μm未満になると、二次凝
集がおこり易くなり、二次凝集粒子の中にとりこまれた
不純物は洗浄によっても容易に除去されないため、粉体
白度が急激に悪くなる。また、製糸時、特に紡糸時にお
いてパック圧上昇速度が大きくなる等、工程安定性が極
端に悪くなる。一方平均粒径が1.6μmを越えると、
複合繊維中での粒子の連続性の効率が悪くなり、特に延
伸後の導電性能の低下をひきおこしたり、紡糸、延伸時
の断糸率が大きくなるなど製糸パフォーマンスが悪くな
ったりする。
【0012】またヨウ化第一銅粉体は、1500倍の走
査型電子顕微鏡写真における100cm2 あたりの径2μ
m以上の粗大粒子数Sが5以下である必要がある。Sが
5を超える場合には、導電性能が低下するだけでなく、
その安定性も低下するので好ましくない。その詳細な理
由は未だ解明されていないが、複合繊維中でのヨウ化第
一銅粒子の連続性効率が低下して特に延伸後の繊維の導
電性能が大きく低下するものと考えられる。さらに得ら
れた複合繊維を乾熱処理等の熱処理を施した際に、熱可
塑性重合体内に分散せしめているヨウ化第一銅粒子が粗
大粒子を核として凝集し易く、その結果ヨウ化第一銅粒
子の連続性が損なわれて導電性能が低下するものと考え
られる。
【0013】本発明においては、上記条件に加えて、X
線光電子分光法(ESCA)により求めたヨウ化第一銅
粉体表面のヨウ化第二銅含有量M(Cu/I存在比より
産出)が2モル%以下である点に最大の特徴を有する。
Mが2モル%を越える場合には、熱可塑性重合体中に混
合する際、複合紡糸延伸する際、さらには熱処理等が施
される後加工工程で導電性能低下、色相低下、工程通過
性低下等が多発するので好ましくない。
【0014】なお、従来用いられていたヨウ化第一銅粉
体は、Cu/I(モル比)はほぼ一であるが、ESCA
による表面分析ではヨウ化第二銅の含有量は多く、上記
の如くそのままでは使用できない。したがって、例えば
ヨウ化第一銅粒子製造時に使用する還元剤の量を増やし
たり還元力の強いものを使用したりして、粒子表面にヨ
ウ化第二銅が共折出しないようにした均質なものを用い
ることが大切である。
【0015】上記(B)成分中の重合体とヨウ化第一銅
粉体とを混合するには、良好に分散混合できるものであ
れば任意の方法が採用される。ヨウ化第一銅粉体の混合
量は、導電性能と成型性とのかねあいから、(B)成分
中の重合体の重量の1.0〜4.0倍が適当である。ま
た、(B)成分中には必要に応じて任意の添加剤、例え
ばカップリング剤、艶消剤、着色剤、酸化安定剤等を含
有させることができる。
【0016】上記(A)成分と(B)成分とによって構
成される複合繊維の形状はサイド・バイ・サイド型、芯
―鞘型のいずれでもよく、また導電性成分である(B)
成分の断面形状は任意の形をとることができ、その数も
1以上の任意の数をとることができる。
【0017】繊維横断面における(A)成分と(B)成
分の割合は、広い範囲にすることができるが、(B)成
分の割合があまりに大きくなると得られる導電性繊維の
強度が低下するようになるので、繊維横断面における
(B)成分の占める割合は50%以下が好ましい。ま
た、この(B)成分の下限は、(B)成分が繊維軸方向
に沿って連続しさえすればよく、通常繊維横断面積の1
%以上、特に3%以上にするのが好ましい。
【0018】かかる導電性複合繊維を製造するには格別
の方法、条件を採用する必要はなく、二成分よりなる複
合繊維を製造する溶融紡糸方法及び条件を(A)成分に
応じて任意に適用することができる。また、本発明にあ
っては紡糸して得られた繊維は充分な強度を得るために
延伸する。この延伸方法及び条件についても任意の方法
が適宜採用される。
【0019】
【発明の作用・効果】本発明にかかる導電性複合繊維
は、導電性物質として特定範囲の平均粒径を有すると同
時に径2μm以上の粗大粒子が少ないものを用いている
ので、粗大粒子に起因すると推定される繊維形成時の導
電性粒子の連続配列性のバラ付きが抑制されて、安定し
た導電性能が得られる。また、乾熱処理等の熱処理が施
される際に、粗大粒子が核となってヨウ化第一銅粒子の
凝集再配列が発生し、連続配列性が損なわれて導電性能
が悪化するといったことも抑制される。
【0020】さらにヨウ化第一銅粒子表面におけるヨウ
化第二銅の含有量が少ないものを用いているので、重合
体中への練込み、溶融紡糸、後加工工程等において高温
にさらされても、熱分解ガスの発生(ヨウ化第二銅の熱
分解に起因すると考えられる)が抑制されて、該熱分解
ガスに起因すると推定される導電性能のバラツキ、色相
変化、後加工工程通過性低下といったことが抑制され
る。
【0021】したがって、本発明の導電性複合繊維は、
安定して優れた白度及び導電性能を呈し、且つその耐久
安定性にも優れているといった特徴を有する。
【0022】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明の導電性複合繊
維について、更に詳述する。実施例における導電性組成
物及び導電性複合繊維の電気抵抗値の測定条件は20
℃、30%RH、1KV直流電圧である。
【0023】ヨウ化第一銅の平均粒径測定法は遠心沈降
式光透過法による。遠心粒径測定器を用い、得られた遠
心沈降曲線を基にして算出する。すなわち、かかる遠心
沈降曲線を基にして粒径と全粒子重量に対する沈降粒子
重量を表わした累積重量粒度分布曲線から、沈降粒子重
量が全粒子重量に対して50重量%に相当する粒径を読
み取りこの値を平均粒径とする。
【0024】測定装置にCP―50(島津製作所)を使
用し、上記操作はマイコンで処理される。測定条件は下
記の通りである。 分散媒;ニューレックス (日本油脂製) 0.1重量%水溶液 回転数;600rpm 測定範囲;0〜10μm ヨウ化第一銅粒子の表面に存在するヨウ化第二銅の量M
は、X線光電子分光法(ESCA)による。すなわち、
ESCAから求められたCu/I(モル比)から算出す
る。
【0025】
【実施例1〜2及び比較例1〜9】ポリエチレン100
重量部と表1記載のヨウ化第一銅粉体350重量部とを
混練機で充分加熱混合して得られた組成物を芯部とし、
酸化チタン2.5重量%を含有するポリエチレンテレフ
タレートを鞘部として、同心円型芯鞘複合紡糸機を用い
て紡糸し、130℃で4倍に延伸後、160℃で熱固定
して複合繊維を得た。この複合繊維の横断面における芯
部、鞘部の面積比は1:6であり、繊維構成は30デニ
ール/3フィラメントであった。得られた導電性複合繊
維の白度及び断面電気抵抗値を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】上記結果から明らかなように、本発明で規
定する要件を満足するヨウ化第一銅を用いた場合、導電
性能の安定性に優れ、且つ白度の良好な導電性複合繊維
が得られる。
【0028】これに対して、ヨウ化第一銅の平均粒径が
1.25μm未満の場合(比較例2,4)白度が大きく
低下し、製糸性が不良となる。一方1.6μmを越える
場合(比較例6,8,9)には、初期の導電性能が悪化
する。
【0029】またヨウ化第1銅の粗大粒子数が5を越え
る場合(比較例5,7,8,9)乾熱処理により大きく
導電性が悪化する。
【0030】さらに、ヨウ化第一銅の表面に存在するヨ
ウ化第二銅の割合が2mol%をこえる場合には(比較
例1,3,4,7,9)、白度、初期導電性および乾熱
処理後の導電性能いずれもが悪化することがわかる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維形成性重合体よりなるA成分と、導
    電性物質と熱可塑性重合体との混合物よりなるB成分と
    から構成される複合繊維において、前記導電性物質が下
    記およびを同時に満足するヨウ化第一銅粉体であ
    ることを特徴とする導電性複合繊維。 1.25≦R≦1.60 S≦5 M≦2 (但し、Rはヨウ化第一銅粉体の平均粒径(μm)、S
    はヨウ化第一銅粉体の1500倍走査型電子顕微鏡写真
    における100cm2 あたりの径2μm以上の粗大粒子
    数、MはX線光電子分光法により求めたヨウ化第一銅粉
    体表面に存在するヨウ化第2銅の含有量(モル%)を示
    す)
JP28613092A 1992-10-23 1992-10-23 導電性複合繊維 Pending JPH06136619A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104593890A (zh) * 2015-02-06 2015-05-06 江苏盛虹科技股份有限公司 一种凹凸棒石杂化的导电纤维及其制备方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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