JPH0613328A - 化合物半導体薄膜の成長方法 - Google Patents

化合物半導体薄膜の成長方法

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JPH0613328A
JPH0613328A JP4170604A JP17060492A JPH0613328A JP H0613328 A JPH0613328 A JP H0613328A JP 4170604 A JP4170604 A JP 4170604A JP 17060492 A JP17060492 A JP 17060492A JP H0613328 A JPH0613328 A JP H0613328A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、化合物半導体薄膜の成長方法に関
し、シリコン基板上に3−5族化合物半導体薄膜を成長
する際、結晶性及び表面モホロジーに十分優れた膜質の
3−5族化合物半導体薄膜を得ることができる化合物半
導体薄膜の成長方法を提供することを目的とする。 【構成】 シリコン基板上に3−5族化合物半導体薄膜
を成長する方法において、該シリコン基板を高温熱処理
して表面処理した後、該シリコン基板を150℃以上4
00℃以下の低温まで降温し、降温し終わったと同時に
該シリコン基板表面に5族源ガスを導入することによ
り、該シリコン基板上に第1の3−5族化合物半導体薄
膜を成長し、次いで、該5族源ガスをそのまま導入した
状態あるいは該5族源ガスを別の5族源ガスに切り換え
た状態で該第1の3−5族化合物半導体薄膜を成長した
温度よりも昇温して更に該第1の3−5族化合物半導体
薄膜上に第2の3−5族化合物半導体薄膜を成長するよ
うに構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコン基板上への3
−5族化合物半導体薄膜の成長方法に係り、特に、結晶
性及び表面モホロジーが良好な3−5族化合物半導体薄
膜を得ることができる化合物半導体薄膜の成長方法に関
する。近年、GaAs等の3−5族化合物半導体薄膜に
おいては、高速FET等の高速デバイスに利用され注目
されている。そして、シリコン基板上に3−5族化合物
半導体薄膜を成長する場合においては、結晶性及び表面
モホロジーが良好な3−5族化合物半導体薄膜を得るこ
とができる化合物半導体薄膜の成長方法が要求されてい
る。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン基板上にGaAs等の3
−5族化合物薄膜を成長する方法については、次のよう
に行っていた。まず、図3のAに示す如く、水素ガスと
5族源ガスを導入して水素ガスと5族源ガスの雰囲気に
するとともに、シリコン基板を1000℃程度まで昇温
し、この高温下でシリコン基板を高温熱処理(プリベー
ク)して、自然酸化膜等の汚染除去のための表面処理を
行う。その後、5族源ガスを導入した状態でシリコン基
板を450℃の低温まで降温することにより、シリコン
基板上に初期層となる3−5族化合物半導体薄膜を成長
する。そして、5族源ガスを導入した状態でシリコン基
板を600〜750℃まで昇温して上記初期層上に更に
エピ層となる3−5族化合物半導体薄膜を成長する。以
上の工程を通すことによりシリコン基板上に3−5族化
合物半導体薄膜を成長していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の化合物半導体薄膜の成長方法では、図3のAに
示すように、初期層の3−5族化合物半導体薄膜の成長
前の高温処理全工程中に水素ガス以外に5族源ガスも導
入していたため、水素ガスの還元反応が進む以外に高温
下のため5族源ガスも分解反応してしまい、活性水素が
シリコン基板をアタックする等して、シリコン基板の表
面モホロジーが悪化してしまっていた。このため、表面
モホロジーが悪化した状態で初期層、エピ層の3−5族
化合物半導体薄膜を成長していたため、得られる3−5
族化合物半導体薄膜の結晶性、表面モホロジーは著しく
悪化してしまうという問題があった。
【0004】このため、上記したシリコン基板の表面モ
ホロジーが悪化するという問題を改善するために、例え
ば特開平2−175690号公報で報告された従来の化
合物半導体薄膜の成長方法では、5族源ガスの導入を初
期層前の高温熱処理の全工程中に行ってしまうのではな
く、図3のBに示すように、プリベーク後の降温中にお
いて、600〜750℃のエピ層成長温度以下に達した
時点から5族源ガスを導入している。
【0005】この化合物半導体薄膜の成長方法では、初
期層成長前の5族源ガスの導入を図3のAの場合よりも
遅らせ、しかも図3のAの場合よりも導入後の最高温度
を低温にしているため、図3のAの場合よりもシリコン
基板の表面モホロジーがある程度改善され、これによ
り、得られる3−5族化合物半導体薄膜の結晶性がある
程度改善されるものの、得られる3−5族化合物半導体
薄膜の表面モホロジーについては未だ悪化しているとい
う問題があった。
【0006】そこで、本発明は、シリコン基板上に3−
5族化合物半導体薄膜を成長する際、結晶性及び表面モ
ホロジーに十分優れた膜質の3−5族化合物半導体薄膜
を得ることができる化合物半導体薄膜の成長方法を提供
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による化合物半導
体薄膜の成長方法は上記目的達成のため、シリコン基板
上に3−5族化合物半導体薄膜を成長する方法におい
て、該シリコン基板を第1の温度で熱処理して、表面処
理する工程と、該シリコン基板を150℃以上400℃
以下の第2の温度まで降温した後、該シリコン基板表面
への5族源ガスの供給を開始する工程と、該シリコン基
板上に第1の3−5族化合物半導体薄膜を成長する工程
と、該第2の温度よりも高い第3の温度にて該第1の3
−5族化合物半導体薄膜上に第2の3−5族化合物半導
体薄膜を成長するものである。
【0008】本発明に係る第1、第2の3−5族化合物
半導体薄膜の構成材料には、GaAs、AlAs、Al
GaAs、GaAsP等が挙げられ、その好ましい組み
合わせには、第2の3−5族化合物半導体(エピ層)/
第1の3−5族化合物半導体(初期層)とすると、Ga
As/GaAs、GaAs/AlAs、GaAs/Al
GaAs、GaAs/GaAsP等が挙げられる。な
お、初期層となる第1の3−5族化合物半導体として
は、Alを含有させると2次元成長を安定に行うことが
でき好ましい。また、5族源ガスには、アルシン、ター
シャリブチルアルシン、エチルアルシン等が挙げられ
る。
【0009】本発明において、第1の3−5族化合物半
導体薄膜を成長する際のシリコン基板の下限程度を15
0℃にしているのは、150℃より低温にすると、成長
速度が著しく低下してしまい実用上好ましくないからで
あり、また、シリコン基板の上限温度を400℃にして
いるのは、基板表面に凹凸が生じて表面が著しく荒れて
しまい実用上好ましくないからである。
【0010】本発明において、前記シリコン基板の高温
熱処理は水素ガス雰囲気中で行う場合が好ましく、この
場合、更に基板温度を1000℃程度の高温にすること
で基板表面に生じた自然酸化膜等の汚れを除去すること
ができる。本発明においては、5族源ガスの導入は、シ
リコン基板を1000℃程度の高温熱処理で表面処理し
た後、150℃以上400℃以下の低温にしてから行
う。高温熱処理中に5族源ガスを導入しないのは、高温
熱処理中に5族源ガスを導入してしまうと、分解して生
じた活性水素によって基板表面が荒れ、その上に成長す
る3−5族化合物半導体薄膜の結晶性、表面モホロジー
が悪化してしまうからである。
【0011】本発明においては、前記第2の3−5族化
合物半導体薄膜を成長する際の基板温度は600℃以上
750℃以下にする場合が好ましく、この場合、基板の
下限温度として600℃が好ましいのは、600℃より
低温にすると、完全に単結晶化されずに多結晶化されて
しまい、膜質の良い単結晶膜が形成し難くなり好ましく
ないからであり、また、基板の上限温度として750℃
が好ましいのは、750℃より高温にすると、成長速度
が低下するうえ、特に、表面に凹凸が生じて表面が荒れ
表面モホロジーが悪くなり好ましくないからである。
【0012】
【作用】本発明では、初期層の3−5族化合物半導体薄
膜の成長前には、5族源ガスを導入しないで水素ガス雰
囲気のみとし、水素ガスのみの雰囲気でシリコン基板を
高温処理したため、従来のような5族源ガス導入に伴う
5族源ガスの分解反応を生じさせることなく、シリコン
基板表面の表面荒れを防ぐことができる。しかも、従来
よりもシリコン基板を400℃以下の低温まで降温して
いるため、シリコン基板表面のモホロジーを良好にする
ことができる。そして、このように、400℃以下まで
低温にされた表面モホロジーが良好な状態のシリコン基
板表面に、改めて5族源ガスを導入するようにしたた
め、従来よりも初期層の成長温度及び5族源ガスの導入
温度を400℃以下という低温で行うことができ、緻密
な膜質の初期層を得ることができる。このため、緻密な
膜質のエピ層も得ることができるため、その結果、結晶
性及び表面モホロジーに十分優れた膜質の3−5族化合
物半導体薄膜を得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1は本発明の一実施例に則した化合物半導体薄膜の成長
方法における成長温度シーケンスを示す図である。本実
施例は、MOCVD法を用いてシリコン基板上にGaA
s膜を成長させる場合である。シリコン基板は(00
1)面から〔110〕方向へ2度オフしたものを用い、
3族原料にはトリメチルガリウム(TMG)、5族原料
にはアルシン(AsH3 )あるいはターシャリブチルア
ルシン(TBAs,(CH3)3 CAsH2 )を用いる。
成長は図1に示す如くSi基板上への、GaAs成長等
でよく用いられている二段階成長法による。
【0014】まず、反応室内に水素ガスを12SLM程
度導入して水素ガス雰囲気にするとともに、シリコン基
板を1000℃程度の高温まで昇温し、この1000℃
程度の高温下でシリコン基板を10分間高温熱処理する
ことにより、シリコン基板表面に生じている自然酸化膜
等を除去する。この時の反応室内雰囲気は、H2 ガスの
みとし、5族源ガスの供給は行わない。次いで、シリコ
ン基板を350〜450℃の低温まで降温したところ
で、反応室内に5族源ガスを50sccm程度導入し、
5〜15分後より5族源ガスを400sccm程度まで
増加させるとともにTMGを18sccm程度更に供給
して、厚さ50〜200Å程度のGaAs初期層を低温
成長させる。続いて、TMGの供給を停止するとともに
5族源ガスを50sccm程度まで減らしシリコン基板
を650℃程度まで昇温したところで、5族源ガスを2
00sccm程度まで増加させるとともに、TMGを
2.5sccm程度供給して、厚さ3μmのGaAsエ
ピ層を成長させる。
【0015】次に、本発明と比較例の場合におけるGa
As膜の結晶性及び表面平坦性について、5族源ガス
種、その導入温度及び低温初期層の成長(基板)温度に
対する依存性を図2に示す。結晶性はX線二結晶法によ
るX線ロッキングカーブの半値幅(FWHM)で評価
し、その値が小さい程結晶性が良いことを示す。表面平
坦性は原子間力顕微鏡(AFM)による二乗平均粗さ
(視野50μm□)で評価し、その値が小さい程表面平
坦性が良いことを示す。
【0016】図2から明らかなように、450℃で低温
初期層を成長する比較例1、2では、5族源ガス導入温
度を従来の図3のAの1000℃から450℃に下げる
ことにより、結晶性は向上するものの、表面平坦性は悪
化していたのに対し、本発明1〜3では、初期層を40
0℃以下の低温で成長するとともに、5族ガスの導入温
度も400℃以下の低温にすることで、結晶性を向上さ
せつつ、表面平坦性も十分良好なものにすることができ
ることが判った。
【0017】なお、図2から使用する5族源ガスとして
は、AsH3 よりはTBAsにする方が結晶性及び表面
平坦性を更に良好にすることができ、好ましいことが判
る。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、シリコン基板上に3−
5族化合物半導体薄膜を成長する際、結晶性及び表面モ
ホロジーに十分優れた膜質の3−5族化合物半導体薄膜
を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に則した化合物半導体薄膜の
成長方法における成長温度シーケンスを示す図である。
【図2】本発明と比較例との場合における結晶性及び表
面平坦性の結果を示す図である。
【図3】従来例の化合物半導体薄膜の成長方法における
成長温度シーケンスを示す図である。
【符号の説明】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板上に3−5族化合物半導体
    薄膜を成長する方法において、該シリコン基板を第1の
    温度で熱処理して、表面処理する工程と、該シリコン基
    板を150℃以上400℃以下の第2の温度まで降温し
    た後、該シリコン基板表面への5族源ガスの供給を開始
    する工程と、該シリコン基板上に第1の3−5族化合物
    半導体薄膜を成長する工程と、該第2の温度よりも高い
    第3の温度にて該第1の3−5族化合物半導体薄膜上に
    第2の3−5族化合物半導体薄膜を成長することを特徴
    とする化合物半導体薄膜の成長方法。
  2. 【請求項2】 前記シリコン基板の第1の温度での熱処
    理は、水素ガス雰囲気中で行うことを特徴とする請求項
    1記載の化合物半導体薄膜の成長方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の3−5族化合物半導体薄膜を
    成長する際の第3の温度は、600℃以上750℃以下
    にすることを特徴とする請求項1乃至2記載の化合物半
    導体薄膜の成長方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009177169A (ja) * 2007-12-28 2009-08-06 Sumitomo Chemical Co Ltd 半導体基板および半導体基板の製造方法
JP2015512139A (ja) * 2012-01-13 2015-04-23 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated 基板上に第iii−v族層を堆積させる方法

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