JPH0613228Y2 - ガラス繊維巻取機のトラバース装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ．産業上の利用分野 本考案はガラス繊維巻取機のトラバース装置に関する。

Ｂ．従来の技術 ガラス繊維の巻取に際しては、糸に物体をできるだけ接
触させない状態で巻取るのが望ましい。従来のガラス繊
維巻取りにおいてはトラバースガイドそのものがパッ
ケージ表面を走る方法、タッチローラ方式の２つの方
法がある。

Ｃ．考案が解決しようとする課題 においてはトラバースガイドの質量が大きくなり高速
化が困難である。においてはタッチローラ表面を糸が
接触しながら走る。またタッチローラを高速で回転させ
ることが周囲環境から難しいためタッチローラ上を滑り
ながら走る。このため糸ケバ発生による糸品質に問題が
でる。

本考案は上記問題を解決し、スピンドルドライブ方式
（パッケージ自体が回転）でトラバースガイドを往復さ
せるものにおいて、パッケージ端面を形成する接触部材
の表面を走る糸のケバ発生を少なくすることを目的とす
る。

Ｄ．課題を解決するための手段 上記目的を達成するため、本考案の構成は次のとおりと
する。即ち、巻取スピンドルに巻取コレットが着脱自在
に嵌挿されて回転され、前記スピンドルの軸方向に平行
にトラバースガイドが往復動されて、ガラス繊維が綾振
りされて前記コレットに巻取られるようにしたガラス繊
維巻取機のトラバース装置において、前記トラバースガ
イドの折返し部において、ガラス繊維に対し摩擦接触す
る糸道ガイドが前記トラバースガイド本体側に設けら
れ、前記糸道ガイドは、トラバース方向に平行で長い面
と、該面にスムーズに導くように、折返し部方向に昇る
傾斜案内面を持つことである。

Ｅ．作用 トラバースガイドが往復運動の折り返し点に達したと
き、繊維は糸道ガイドに接触し、それらの摩擦力により
トラバース方向への滑りが阻止され、糸道ガイド表面の
一定位置を定める。

Ｆ．実施例 次に本考案の実施態様を図面に示す一実施例にもとづき
説明する。

第１、２図において、巻取コレット１の軸方向に平行に
長い円筒カムケース２がトラバースアーム３を介して巻
取コレット１に接近離反可能とされている。カムケース
２内にカム軸４が回転自在に設けられ、これの外周にス
クロールカム５が嵌挿固定される。スクロールカム５に
トラバースガイド７が連結部材（図示略）で連結され、
往復動可能とされている。カム軸４は駆動ギヤ６を介し
て図外のモータにより回転される。

さてここで、トラバースガイド７の往復運動の折返し部
においてガラス繊維Ａに対し摩擦接触する糸道ガイド８
がカムケース２の巻取コレット１側面に設けられる。

糸道ガイド８は、トラバース方向に長い棒片からなり、
そのトラバース方向に平行な定置面８ａに繊維Ａが接触
したとき、その位置で瞬間的に繊維Ａのトラバース方向
への滑りを阻止するに適した摩擦係数を持ち、かつ、繊
維に傷を与えないような例えば真ちゅうなどの材料から
成る。そして、折返し部に近づいて来た繊維Ａがスムー
ズに定置面８ａの一定位置に導くように、折返し部方向
に昇る傾斜案内面８ｂが設けられる。

以上において作動状態を説明する。駆動ギヤ６を介して
カム軸４が回転されると、スクロールカム５と共にトラ
バースガイド７がカム軸４の軸方向に沿って往復し、繊
維Ａを綾振りさせる。

トラバースガイド７が往復運動の折り返し部に近付く
と、繊維Ａは糸道ガイド８の案内面８ｂに案内されて斜
面を昇る。トラバースガイド７が折り返し点に達したと
き、摩擦力でトラバース方向へ滑りを阻止されて、繊維
Ａは糸道ガイド８定置面８ａの一定位置を定める。

糸道ガイド８１は、第３、４図のごとく、トラバース方
向に平行な軸回りに自由回転可能にカムケース２に支持
されたものも適用される。ガイド８１は互いに同心なる
円柱部８１ａと円錐部８１ｂとからなり、前者が定置
面、後者が案内面となる。

また、ガイド８１の直上に板カバー８２が設けられる。
ガイド円柱部８１ａと円錐部８１ｂの表面が、平面視に
おいて、僅かにカバー８２から巻取コレット側に露出す
るように、カバー８２には切欠８２ａが設けられ、その
トラバース方向両側は反巻取コレット側へ傾斜してい
る。

本考案は前記した実施例や実施態様に限定されず実用新
案登録請求の範囲の精神および範囲を逸脱しないで種々
の変形を含む。

Ｇ．考案の効果 本考案の構成により、糸はトラバースガイド部折り返し
部だけ糸道ガイドに接触し、糸の接触部が少ないため、
糸ケバの発生が格段に減少して高品質のガラス繊維が巻
取れることとなった。また、高速巻取が可能となった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の正面図、第２図は、そのII
−II断面図、第３図は糸道ガイドの他の実施例の正面
図、第４図はその平面図である。 Ａ……ガラス繊維、１……巻取コレット、２……カムケ
ース、３……トラバースアーム、４……カム軸、５……
スクロールカム、６……駆動ギヤ、７……トラバースガ
イド、８……糸道ガイド、８ａ……定置面、８ｂ……案
内面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】巻取スピンドルに巻取コレットが着脱自在
   に嵌挿されて回転され、前記スピンドルの軸方向に平行
   にトラバースガイドが往復動されて、ガラス繊維が綾振
   りされて前記コレットに巻取られるようにしたガラス繊
   維巻取機のトラバース装置において、前記トラバースガ
   イドの折返し部において、ガラス繊維に対し摩擦接触す
   る糸道ガイドが前記トラバースガイド本体側に設けら
   れ、前記糸道ガイドは、トラバース方向に平行で長い面
   と該面にスムーズに導くように、折返し部方向に昇る傾
   斜案内面を持つことを特徴とするガラス繊維巻取機のト
   ラバース装置。