JPH06132221A - 分子線結晶成長用基板ホルダ - Google Patents

分子線結晶成長用基板ホルダ

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JPH06132221A
JPH06132221A JP27761392A JP27761392A JPH06132221A JP H06132221 A JPH06132221 A JP H06132221A JP 27761392 A JP27761392 A JP 27761392A JP 27761392 A JP27761392 A JP 27761392A JP H06132221 A JPH06132221 A JP H06132221A
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JP
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substrate
block
back surface
molecular beam
crystal growth
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JP27761392A
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Toshihiro Nakamura
智弘 中村
Takeshi Igarashi
武司 五十嵐
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Fujitsu Ltd
Fujitsu Quantum Devices Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Fujitsu Quantum Devices Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶欠陥導入の少ないソルダフリー基板ホル
ダに関し,裏面からの揮発性元素の蒸発の防止と共に,
基板の温度分布を均一にすることを目的とする。 【構成】 MBE装置内に,ヒータ4の熱輻射により裏
面から加熱される基板1を水平に保持するための基板ホ
ルダにおいて,MBE装置内に水平に保持された金属環
板状のブロック5と,ブロック5内に表面を下にして水
平に緩挿された基板1を支持するため,ブロック5の下
面に環内側に突設された爪6と,ヒータ4の熱輻射を透
過する材料からなり,周辺をブロック5に保持され基板
1裏面と平行に近設された蒸発防止板2とを有して構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は分子線結晶成長の際の結
晶欠陥導入を防止する基板ホルダに関する。分子線結晶
成長(以下MBEという。)は,高真空中で金属ソース
を加熱して発生した分子線を加熱された基板表面に照射
して基板表面に結晶を成長する技術であり,衛星放送を
初めとするマイクロ波通信装置に広く使用されているH
EMT(高電子易動度トランジスタ),及び高速情報処
理装置に使用されつつあるHEMT集積回路やGaAs
集積回路に用いられる化合物半導体の製造に利用されて
いる。 かかる集積回路に使用される化合物半導体は,
集積回路の製造歩留りを向上するために特に小さな欠陥
密度が要求される。
【0002】しかし,MBEでは基板ホルダによっては
結晶成長中に,基板の温度分布を生じ,あるいは基板か
らの揮発性元素が昇華して容易に結晶欠陥が導入され
る。このため,結晶欠陥の少ない化合物半導体結晶を成
長できる分子線結晶成長装置用基板ホルダの開発が強く
要請されている。
【0003】
【従来の技術】通常のMBE装置では,基板は結晶が成
長する表面を下方にして基板ホルダに保持され,下方に
配設された分子線源から原料ガスの分子線が基板表面へ
照射され結晶が成長する。
【0004】基板ホルダは,成長時の基板の保持と真空
中での基板搬送のために用いられる。以下従来の基板ホ
ルダについて実施例を参照して説明する。図6は従来の
初期の実施例断面図であり,分子線結晶成長装置用基板
ホルダの断面を表している。
【0005】図6(a)は初期のInソルダを利用した
基板ホルダであって,MBE装置内上方に水平に保持さ
れた金属円板状のブロック5の下面に,基板1の裏面を
Inソルダ9を用いて貼付することにより,基板1は表
面を下方にして水平に保持される。
【0006】なお,基板1の加熱は,金属のブロック5
の直上に近設するヒータ4によりブロックを加熱し,ブ
ロック5内の熱伝導を通してなされる。この金属ブロッ
ク5への貼付により基板1の均一な温度分布が得られ,
また基板1裏面からの揮発元素の蒸発を防止することが
できる。
【0007】この基板ホルダは,簡便なため初期のMB
E装置,及び研究開発用に多用されたが,基板裏面に付
着したInが合金化するため基板に応力を生じ結晶欠陥
が導入されてクロスハッチを生ずるという問題がある。
また,基板裏面に付着したInを除去するために基板裏
面をラップする必要があり,その際,基板の破損及び基
板表面の平坦度の劣化を招来し,製造歩留りが低下す
る。
【0008】このようなInソルダの付着に関する問題
を回避するために,Inソルダを使用しないソルダフリ
ー基板ホルダが開発された。図6(b)は初期のソルダ
フリー基板ホルダであり,その主要な構造を表してい
る。
【0009】基板は,図6(b)を参照して,金属円板
のブロック5下面に止めネジ11で締着されるピン10
により例えば基板1周辺部の3〜4カ所で押止され,ブ
ロック5下面に基板1裏面を密接して保持される。
【0010】しかし,この基板1周辺をピンで押止する
基板ホルダでは,基板1裏面をブロック5下面へ完全に
密着させることができず,一部に非接触面を生ずる。こ
のため,ブロック5から基板1への熱抵抗が部分的に上
昇して基板1面内の温度分布が大きくなるのである。こ
のため,成長の際に結晶欠陥が導入されてしまう。
【0011】図7は従来の実施例構成図であり,改良さ
れた基板ホルダを表している。なお,図7(a)は断面
図,図7(b)は下方からみた平面図である。図7に示
す基板ホルダは,上記ピンで押止する方式の基板ホルダ
の温度分布の改善を目的として改良されたもので,金属
のブロック5は環状円板形に形成され,その下面に環状
円板内周に水平に突設する爪6が設けられる。基板1
は,表面を下にしてブロック5の環内に緩挿され,爪6
は,基板1の表面周辺部に当接して基板1を水平に保持
する。
【0012】さらに赤外線に対して透明な薄い蒸発防止
板2を,ブロック5内周上部と蒸発防止板2上面との間
に嵌挿された止めリング8を用いて基板1裏面に密接す
る。この方法では,基板1は透明な蒸発防止板5を透過
した赤外線により直接加熱されるから加熱は均等になさ
れる。さらに,基板1は金属ブロック5とその周に設け
られた3〜4個の爪6で接触するだけであるから,ブロ
ック5との熱伝導に起因する温度分布は少ない。従っ
て,基板1の温度分布は,当初のピンで押止する方式の
基板ホルダよりも格段に改善される。
【0013】また,基板1裏面からの揮発性元素の蒸発
は基板1裏面に密接する蒸発防止板2により抑止され
る。しかし,この改良された基板ホルダにおいても,以
下に述べるように欠陥が導入されない程に温度分布を均
一にすることは困難であった。
【0014】図8は従来例の温度分布発生を説明する図
であり,図7に示す改良された基板ホルダにおける基板
と蒸発防止板との接触の様子を断面で表している。蒸発
防止板2は通常はセラミックス材料,例えばBN等の難
加工性材料で作られるため,精密な平板に加工すること
は困難である。このため,図8を参照して,蒸発防止板
2は完全に基板1裏面に密着することなく一部剥離する
領域が生ずる。その結果,昇降温の際に赤外線の吸収及
び熱容量の相違から生ずる基板1と蒸発防止板2との温
度差のために,接触部分と剥離部分との間に基板1の温
度差を生ずるのである。
【0015】さらに,基板1周辺が環状の金属ブロック
5に近接するため,裏面に配設されたヒータ4の輻射熱
が遮蔽され,基板1周辺の温度が低下する。従って,基
板1の温度分布が生じ,結晶欠陥が導入されてしまう。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述したように,従来
のソルダフリーMBE装置用基板ホルダーでは,揮発性
元素の蒸発を防止するために基板裏面に密接して設けら
れるべき蒸発防止板を平坦に製作することができないの
で,基板裏面と蒸発防止板とが一部剥離する。このた
め,基板の温度分布を生じ,MBEで製造された化合物
半導体は結晶欠陥,例えばクロスハッチが導入されると
いう問題がある。
【0017】また,基板を保持する金属ブロックが基板
周辺へのヒータからの輻射熱を遮蔽するため,基板の温
度分布をより大きくするという欠点がある。本発明は,
蒸発防止板を基板裏面から隙間を設けて基板に触れない
ように配設することで,基板裏面からの揮発性元素の蒸
発を防止すると共に,基板の温度分布を均一にすること
により,結晶欠陥の少ない化合物半導体を製造すること
ができる分子線結晶成長用基板ホルダを提供することを
目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】図2は本発明の第一実施
例構成図であり,分子線結晶成長装置用基板ホルダの構
造を,図2(a)は断面図で,図2(b)は下方からみ
た平面図で表している。
【0019】上記課題を解決するために,図2を参照し
て,本発明の第一の構成は,分子線結晶成長装置内に,
ヒータ4の熱輻射により裏面から加熱される基板1を水
平に保持するための基板ホルダにおいて,該分子線結晶
成長装置内に水平に保持された金属環板状のブロック5
と,該ブロック5の下面又は該下面近傍に設けられ該ブ
ロック5の環内側に突出し,表面を下にして該環内に水
平に緩挿された該基板1を支持するための爪6と,該基
板1の裏面直上に配設された該ヒータ4からの熱輻射を
透過する材料からなり,周辺を該ブロック5に保持され
該基板1裏面と平行に所定の距離をおいて近設された蒸
発防止板2とを有することを特徴として構成する。
【0020】図3は本発明の第二実施例断面図,図4は
本発明の第三実施例断面図であり,分子線結晶成長装置
用基板ホルダの構造を表している。本発明の第二の構成
は,図4を参照して,前記蒸発防止板2は,下面が該基
板1中央で凹面を形成して該基板1裏面との間に隙間3
を保持し,周辺で該基板1裏面の周辺部と接触して支持
されることを特徴とする請求項1記載の分子線結晶成長
用基板ホルダとして構成し,及び,本発明の第三の構成
は,図3を参照して,前記蒸発防止板2は,周辺が該基
板1裏面上周辺に設けられたリング状スペーサ14上で
保持され,該基板1裏面と平行に近設して保持されるこ
とを特徴とする請求項1記載の分子線結晶成長用基板ホ
ルダとして構成する。
【0021】図5は本発明の第四実施例構成図であり,
分子線結晶成長装置用基板ホルダの構造を,図5(a)
は断面図で,図5(b)は下方からみた平面図で表して
いる。
【0022】本発明の第四の構成は,図5を参照して,
分子線結晶成長装置内に,ヒータ4の熱輻射により裏面
から加熱される基板1を水平に保持するための基板ホル
ダにおいて,該分子線結晶成長装置内に水平に保持され
た金属環板状のブロック5であって,該ブロック5と該
ブロック5の環内に置かれた該基板1との間に形成され
る環状の隙間7に分子線が到達するに十分な大きさの内
径を有するものと,該ブロック5の下面又は該下面近傍
に設けられ該ブロック5の環内側に突出し,表面を下に
して該環内に水平に置かれた該基板1を支持するための
爪6と,該基板1の裏面直上に配設された該ヒータ4か
らの熱輻射を透過する材料からなり,周辺が該ブロック
5に保持されて該ブロック5の環内を蓋するように覆
い,該基板1裏面と平行に所定の距離をおいて近設され
た蒸発防止板2とを有することを特徴とする分子線結晶
成長用基板ホルダとして構成する。
【0023】
【作用】図1は本発明の原理説明図であり,図1(a)
は第一〜第三の構成の基板ホルダの構成と作用の原理を
断面で表している。
【0024】本発明の第一〜第三の構成では,図1
(a)を参照して,基板1の裏面に周囲が封じられた僅
かな隙間3を形成するように蒸発防止板2が設けられ
る。従って,基板1と蒸発防止板2とが基板の中央部で
接触することはないから,熱伝導に起因する基板の温度
分布を減少することができる。
【0025】また,基板1裏面に形成される隙間3は狭
いから,容易に揮発性元素の蒸気圧が高くなり,基板裏
面からの揮発性元素の蒸発は押さえられる。即ち,本構
成により,均一な基板温度と揮発性元素の蒸発防止がな
され,結晶欠陥の少ない化合物半導体を製造することが
できる。
【0026】以下,第一〜第三の具体的構成と作用につ
いて詳細に説明する。本発明の第一の構成では,図2を
参照して,基板1は,装置内で水平に保持された環板状
のブロック5の中に僅かな隙間7を有して嵌挿され,ブ
ロック5下面に設けられた中心方向に突出する爪6によ
り支持される。さらに,蒸発防止板2は,周辺をブロッ
ク5に支持され,基板1裏面との間に僅かの隙間3を有
して略平行に置かれる。
【0027】かかる構成では,蒸発防止板2と基板とが
接触することは完全になく,これらの間に熱伝導を生ず
ることはない。従って,基板と蒸発防止板との不完全な
接触から生ずる基板の温度分布の発生を防止できるか
ら,基板の温度分布を均一にすることができる。
【0028】他方,基板1裏面と蒸発防止板2との間の
隙間3は小さく,かつ外部とは基板1周壁面とブロック
5内壁面との狭い隙間7でのみ通気するから,隙間3は
外気との換気が遅い。このため,基板裏面から微量の揮
発性元素が蒸発しただけで蒸気圧が高くなり,以後の揮
発性元素の蒸発は抑制される。従って,従来の基板ホル
ダのように基板裏面と蒸発防止板とを密着しなくても基
板裏面からの揮発性元素の蒸発を阻止することができ
る。
【0029】上記のように本構成によれば,揮発性元素
の蒸発を阻止し,かつ基板の温度分布を均一にすること
ができるから,結晶欠陥の少ない化合物半導体を製造す
ることができる。
【0030】本発明の第二の構成では,図3を参照し
て,下面周辺に突出したリング状スペーサ14が設けら
れた蒸発防止板2が,基板裏面上にスペーサ14が基板
1裏面の周辺部に当接するように置かれる。他の構成は
第一の構成と同様である。
【0031】なお,スペーサ14は蒸発防止板2と一体
として製作することもできる。本構成では,隙間3の周
辺はスペーサ14により気密に保持されるから,第一の
構成よりも揮発性元素の蒸発が少ない。また,ブロック
5と基板1との間隔は気密保持と関係がないため広くす
ることができるので,ブロック5による熱遮蔽を小さく
して,基板の温度分布を均一にできる。
【0032】本発明の第三の構成では,図4を参照し
て,上に凸に形成された蒸発防止板2を,基板裏面上に
その周辺が基板1裏面の周辺部に当接するように置かれ
る。本構成の作用は第二の構成と同様であるが,さらに
本構成に係る蒸発防止板2は製造が容易であるという利
点を有する。
【0033】本発明の第四実施例では,図5を参照し
て,環状のブロック5に保持された蒸発防止板2の直下
に,蒸発防止板2より小径の基板1が僅かの隙間3を設
けて略平行に支持される。
【0034】かかる構成では,基板1と蒸発防止板2と
は接触しないから,基板の温度分布の均一性がよい。ま
た,基板1はブロック5の内径よりも小さく,ブロック
5と基板1の間に十分大きな隙間7を設けることができ
るため,ヒータの輻射がブロック5により遮蔽されな
い。このため,基板1周辺の温度低下がなく,基板の温
度分布の均一性が向上する。
【0035】従って,第一実施例よりも基板の温度分布
が小さく,結晶欠陥の少ない化合物半導体を製造するこ
とができる。次に,第四実施例において揮発性元素の蒸
発が防止される原理を説明する。
【0036】図1(b)はMBE装置構成断面図であ
り,本発明の第四の構成にかかる基板ホルダを用いたと
きの主要な構成部分の位置関係を表し,図1(c)は図
1(b)の一部拡大図であり,基板周辺における揮発性
元素の運動を表している。
【0037】図1(b)を参照して,基板1は,基板1
よりも大きな直径の蒸発防止板2の直下に僅かの隙間3
を設けて配置される。この隙間3は極狭いので中央部分
で蒸発した揮発性元素はこの隙間3に滞留し,蒸気圧を
高めるため,それ以上の蒸発が抑制される。
【0038】他方,基板1には,その下方に設置された
原料を入れたるつぼ12から分子線13が照射されてい
る。図1(c)を参照して,下面になる基板1の表面
(結晶成長面)には,分子線13として揮発性元素の入
射分子13aが照射され,高い蒸気圧を生ずるため基板
表面の揮発性元素の蒸発は抑えられている。
【0039】同様に,基板1周辺外側の蒸発防止板2表
面には,揮発性元素の入射分子13aが照射されるため
揮発性元素の蒸気圧は高い。従って,基板1裏面から隙
間3内に蒸発した揮発性元素の蒸発分子13bは,隙間
3の周辺の高い蒸気圧のために拡散して周辺から逃散す
ることがない。このため,基板1裏面の蒸気圧は高く維
持され,揮発性元素の蒸発を抑制することができるので
ある。
【0040】
【実施例】本発明を実施例を参照して説明する。本発明
の第一実施例は,GaAs基板上にGaAsを堆積する
MBEに関する。
【0041】図2を参照して,ブロック5は環状のMo
板からなり,内壁に蒸発防止板2を載置するための段を
付け,内径下部は基板直径よりも1mm大きく形成され
る。また,ブロック5下面の周を4等分割する位置に内
径中心に向かって突出する4個の爪を設ける。
【0042】GaAs基板1は,ブロック5内壁に触れ
ないように爪の上に置かれる。蒸発防止板2は,厚さ
0.2mmの気相成長された窒化硼素(PBN)からな
り,ブロック5内壁に設けられた段に載置することによ
り,基板1裏面から0.5mmの隙間3を維持して保持さ
れる。さらに,止めリング8を用いて蒸発防止板2をブ
ロック5に固定する。
【0043】かかる分子線結晶成長装置用基板ホルダを
用いて,直径3インチ厚さ0.6mmのGaAs基板上に
基板温度650℃で厚さ1μmのGaAsエピタキシャ
ル層をMBEにより成長した結果,クロスハッチの発生
は認められなかった。
【0044】また,基板裏面の揮発性元素であるAsの
蒸発による裏面の荒れも観測されなかった。本発明の第
二実施例は,図3を参照して,基板1と同径の厚さ0.
2mmの蒸発防止板2を用い,基板と蒸発防止板との間に
厚さ0.5mmのリング状スペーサ14を挟み,止めリン
グ8により基板1上に固定する。なお,蒸発防止板2及
びスペーサ14はPBNからなる。
【0045】本実施例では,第一実施例と同様の結果で
あり,クロスハッチ及び裏面の荒れは観測されなかっ
た。さらに,第二実施例の変形として,蒸発防止板2と
一体となった上記スペーサ14を用いた。その結果,ク
ロスハッチの発生は基板1中央部には観測されなかった
が,周辺部に発生する場合があった。この周辺部にクロ
スハッチを生ずるのは,周辺部で蒸発防止板と基板とが
密着して気密を維持しているため,熱伝導による温度分
布を生ずるためである。
【0046】なお,揮発性元素の蒸発による裏面の荒れ
は観測されなかった。本発明の第三実施例は,図4を参
照して,蒸発防止板2を凹レンズ状に形成して基板1に
載せるもので,蒸発防止板2は基板の周辺部でのみ接触
する。
【0047】蒸発防止板はPBNの球冠状の薄板からな
り,中央の凹みは0.5mm,厚さ0.2とした。かかる
形状のPBN薄板は容易に製造することができ,またス
ペーサを用いるよりも取扱に便利である。
【0048】本実施例の結果は,前記の第二実施例の変
形例と同様であった。本発明の第四実施例は,図5を参
照して,内径が基板の直径より20mm大きな環板状のブ
ロック5の下面,周辺を4等分する位置に中心方向に突
出する段付の爪6を設ける。通常,このブロック5及び
爪6は金属例えばMoからなる。
【0049】直径3インチ,厚さ0.6mmのGaAs基
板を爪6の下段の突起に載せ,ブロック5の内周に緩嵌
する厚さ0.2mmのPBN板からなる蒸発防止板2を爪
6の上段に載せる。このとき基板1裏面と蒸発防止板2
とは平行に1.0mmの隙間を保ち保持される。なお,蒸
発防止板2を止めリング8を用いてブロッツ5に固定し
てもよい。
【0050】本実施例では,基板1とブロック5間の1
0mmの隙間7には蒸発防止板2が表出して,下方から照
射される分子ビームは基板1表面とこの隙間7に表出す
る蒸発防止板2表面に衝突する。
【0051】本実施例に係る基板ホルダを使用してMB
E中の基板温度を測定した結果,基板1中心が650℃
のとき,基板1周辺部の温度は640℃であり,温度分
布は10℃であった。これは図7に示す従来のソルダフ
リー基板ホルダを用いたときの温度分布30℃の1/3
であり,温度分布の改善がされている。
【0052】また,本実施例に係る基板ホルダを使用し
て,厚さ1μmのGaAsを成長した結果,クロスハッ
チは全く観測されなかった。さらに,基板裏面の揮発性
元素の蒸発による荒れは観測されず,このことから揮発
性元素の蒸発は十分抑制されていることが明らかであ
る。
【0053】以上述べた4実施例において,GaAs基
板上にGaAs結晶を成長したのに代えて,揮発性元素
を含む基板,例えばInP,GaSb上に,揮発性元素
例えばGa,P,Sbを含む化合物結晶を成長するため
に本発明を適用することができる。
【0054】また,本実施例は基板ホルダに一枚の基板
を搭載するものに本発明を適用した例であるが,本発明
を,一つの基板ホルダに2以上の基板を搭載するいわゆ
るマルチウェハ型基板ホルダにも適用することがでの
る。
【0055】
【発明の効果】上述したように本発明によれば,基板裏
面からの揮発性元素の蒸発が防止される共に,基板と蒸
発防止板との接触部分を制限し及びヒータの輻射を均一
にすることができるので,基板の温度分布を均一にする
ことができ,結晶欠陥の少ない化合物半導体を製造する
ことができる分子線結晶成長用基板ホルダを実現するこ
とができるから,半導体装置の性能向上に寄与するとこ
ろが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理説明図
【図2】 本発明の第一実施例構成図
【図3】 本発明の第二実施例断面図
【図4】 本発明の第三実施例断面図
【図5】 本発明の第四実施例構成図
【図6】 従来の初期の実施例断面図
【図7】 従来の実施例構成図
【図8】 従来例の温度分布発生を説明する図
【符号の説明】
1 基板 2 蒸発防止板 3,7 隙間 4 ヒータ 5 ブロック 6 爪 8 止めリング 9 ソルダ 10 ピン 11 止めネジ 12 るつぼ 13 分子線 13a 入射分子 13b 蒸発分子 14 スペーサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子線結晶成長装置内に,ヒータ(4)
    の熱輻射により裏面から加熱される基板(1)を水平に
    保持するための基板ホルダにおいて, 該分子線結晶成長装置内に水平に保持された金属環板状
    のブロック(5)と, 該ブロック(5)の下面又は該下面近傍に設けられ該ブ
    ロック(5)の環内側に突出し,表面を下にして該環内
    に水平に緩挿された該基板(1)を支持するための爪
    (6)と, 該基板(1)の裏面直上に配設された該ヒータ(4)か
    らの熱輻射を透過する材料からなり,周辺を該ブロック
    (5)に保持され該基板(1)裏面と平行に所定の距離
    をおいて近設された蒸発防止板(2)とを有することを
    特徴とする分子線結晶成長用基板ホルダ。
  2. 【請求項2】 前記蒸発防止板(2)は,下面が該基板
    (1)中央で凹面を形成して該基板(1)裏面との間に
    隙間(3)を保持し,周辺で該基板(1)裏面の周辺部
    と接触して支持されることを特徴とする請求項1記載の
    分子線結晶成長用基板ホルダ。
  3. 【請求項3】 前記蒸発防止板(2)は,周辺が該基板
    (1)裏面上周辺に設けられたリング状スペーサ(1
    4)上で保持され,該基板(1)裏面と平行に近設して
    保持されることを特徴とする請求項1記載の分子線結晶
    成長用基板ホルダ。
  4. 【請求項4】 分子線結晶成長装置内に,ヒータ(4)
    の熱輻射により裏面から加熱される基板(1)を水平に
    保持するための基板ホルダにおいて, 該分子線結晶成長装置内に水平に保持された金属環板状
    のブロック(5)であって,該ブロック(5)と該ブロ
    ック(5)の環内に置かれた該基板(1)との間に形成
    される環状の隙間(7)に分子線が到達するに十分な大
    きさの内径を有するものと, 該ブロック(5)の下面又は該下面近傍に設けられ該ブ
    ロック(5)の環内側に突出し,表面を下にして該環内
    に水平に置かれた該基板(1)を支持するための爪
    (6)と, 該基板(1)の裏面直上に配設された該ヒータ(4)か
    らの熱輻射を透過する材料からなり,周辺が該ブロック
    (5)に保持されて該ブロック(5)の環内を蓋するよ
    うに覆い,該基板(1)裏面と平行に所定の距離をおい
    て近設された蒸発防止板(2)とを有することを特徴と
    する分子線結晶成長用基板ホルダ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5584936A (en) * 1995-12-14 1996-12-17 Cvd, Incorporated Susceptor for semiconductor wafer processing
US6159301A (en) * 1997-12-17 2000-12-12 Asm Japan K.K. Substrate holding apparatus for processing semiconductor

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