JP2004055672A - 化学気相成長装置および化学気相成長方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シート抵抗またはキャリア濃度について優れた均一性を有する(レンジで10%以下)InP系HEMT構造を再現性良く作製できるMOCVD装置を提供する。
【解決手段】反応炉と、該反応炉内に設置された回転式サセプタからなる基板保持部(40)と、前記基板保持部の所定の位置に基板を配置するために該基板を収容する基板収容部(51)と、前記基板に向けて原料ガスを供給するためのガス供給手段(20)と、前記基板を加熱するための加熱手段(70)と、前記基板収容部に収容された基板に前記加熱手段からの熱を伝導する熱伝導部(54)と、を備えた化学気相成長装置において、前記熱伝導部を前記基板と全面で接触する平面を有する部材で構成し、さらに前記基板との実効接触面積が90%以上となるようにして、基板全面からの熱伝導により基板を加熱するようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】反応炉と、該反応炉内に設置された回転式サセプタからなる基板保持部(40)と、前記基板保持部の所定の位置に基板を配置するために該基板を収容する基板収容部(51)と、前記基板に向けて原料ガスを供給するためのガス供給手段(20)と、前記基板を加熱するための加熱手段(70)と、前記基板収容部に収容された基板に前記加熱手段からの熱を伝導する熱伝導部(54)と、を備えた化学気相成長装置において、前記熱伝導部を前記基板と全面で接触する平面を有する部材で構成し、さらに前記基板との実効接触面積が90%以上となるようにして、基板全面からの熱伝導により基板を加熱するようにした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜を気相成長させるための化学気相成長装置に関し、特に、InP等の化合物半導体膜を成長させる有機金属化学気相成長(MOCVD)装置に適用して好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、InP基板を用いた電子デバイス(HEMTやHBT)は、その最大の特徴である高速応答性と低雑音特性を活かして、次世代高速光通信(40GHzまたはそれ以降)、ミリ波応用デバイス(ITSや軍需用途)や超高速計測用に利用されている。このInP系電子デバイスのエピタキシャル基板は、有機金属化学気相成長法(MOCVD)を用いて製造されるのが一般的である。
また現在では、一度で多数枚の基板上にエピタキシャル成長を行うことのできるMOCVD装置が市販されており、この多数枚基板対応のMOCVD装置の要素技術においても様々な方式が提案されている。
【0003】
その一つとして、原料ガスの濃度や流れが複数の基板表面で均一となるように、反応炉内に回転機構を有する回転式サセプタを設け、このサセプタ上に複数の基板を載置して、回転させながら均質なエピタキシャル膜を成長させるようにしたMOCVD装置が広く使用されている。特に、サセプタの内側に基板の成長面をガスに露出させるための開口部を設け、その開口部に成長面を下側に向けて基板を載置し、基板をガス流の上に配置する、いわゆるフェースダウン方式のMOCVD装置が熱対流によるガス流の不均一性を防ぐのに有効である。
【0004】
従来のフェースダウン方式のMOCVD装置について、図1および図4を参照して説明する。
図1はフェースダウン方式のMOCVD装置の概略構成を示す断面図である。図1に示すように、フェースダウン方式のMOCVD装置100は、全体として高さの低い円筒形をなしており、下側壁体(対向板)10、ガス供給手段20、回転軸(回転駆動系)30、基板保持部(サセプタ)40、基板載置部50(基板トレイ51,熱伝導部52)、天板60、加熱手段(加熱ヒータ)70、ガス排気口80等で構成される。
【0005】
このMOCVD装置100の各壁体は例えばステンレスで構成され、下側壁体10は反応生成物が析出しにくいように厚さ3mm程度のステンレス製または石英製の内壁部材11でカバーされている。
また、ガス導入管20は下側壁体中央部に設置され、例えば、第13(3B)族元素や第15(5B)族元素などの原料ガスおよび不活性ガスなどのキャリアガスを反応炉内に供給する。
【0006】
基板保持部40は、円盤状に成型されたカーボンディスクからなり、回転軸30により回転可能に吊設されている。また、該基板保持部40の内側には、複数の基板を載置できるように、同一円周上に円形の開口部41が複数(例えば5個)設けられている。
また、反応炉の外側には天板60を介して基板を加熱するための加熱ヒータ70が同心円状に配設されている。
【0007】
次に、図4を参照して基板の載置状態について詳細に説明する。図4は、図1における基板載置部50の拡大図である。
基板載置部50は、基板トレイ(基板収容部)51上に、基板90、裏面保護板52、均熱板53が順次載置されてなる。なお、裏面保護板52および均熱板53を合わせて熱伝導部と称する。
【0008】
基板トレイ51は、基板保持部40に設けられた開口部41とほぼ同径の円盤状トレイで、底面には載置される基板90の内径より若干大きい径の円形開口部51cが設けられている。また、基板トレイ51の下部には、開口部51cにはみ出たフック51aが例えば円周を5分割する位置5カ所に設けられており、これらのフック51aによって開口部51cの位置に基板90を露出可能に保持することができる。また、基板トレイ51の上部円周には外側に向けて鍔51bが設けられており、鍔51bを基板保持部40に引っかけることによって、基板トレイ51をサセプタ40の開口部41に設置する。
【0009】
裏面保護板52は、基板90の裏面を保護するために挿入される円盤状の板で、基板裏面と全面で密着する。この裏面保護板52には、例えば、グラファイト等の材質が用いられる。
均熱板53は、加熱ヒータ70の熱が均一に伝わる板で、底面に凹部が形成されており、裏面保護板52と周縁部で接触する。この均熱板には、例えば、グラファイト等の材質が用いられる。
【0010】
上述した構成により、均熱板53および裏面保護板52からの熱伝導を利用して基板90を加熱する。すなわち、加熱ヒータ70からの熱が、均熱板53を介して裏面保護板52の周縁部に伝導され、裏面保護板52の周縁部から中心に向かって熱が伝導されるとともに、基板90が加熱される。
【0011】
本発明者等は、上述した構成のフェイスダウン方式のMOCVD装置を用いて、HEMT用エピタキシャル基板の研究開発を行っている。開発の対象としては、例えば、Feを添加した半絶縁性InP基板上に、InAlAsバッファ層、InGaAsチャネル層、InAlAsスペーサ層、InAlAs電子供給層、InAlAsショットキー層、InGaAsコンタクト層、を順次積層したInP系HEMT構造等がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、高速ICを設計する上では、InP系HEMT構造において、ドレイン電流や閾値電圧等の電気的特性を満足するために、電子供給層のキャリア濃度またはシート抵抗の均一性に関して、レンジで5%以下であることが要求されている。ここで、レンジとは(最大値−最小値)/平均値×100から求められるパーセンテージである。
【0013】
しかし、本発明者等が上述したMOCVD装置を用いて作製したInP系HEMT構造についてその特性を調査したところ、InAlAs単層および3インチ径のInP系HEMT構造のInAlAs電子供給層ではレンジで15%以上となった。また、4インチ径のInP系HEMT構造のInAlAs電子供給層に関してはレンジで20%以上となり、要求されている値に大きく及ばなかった。
【0014】
本発明は、上記問題点を解決するために、シート抵抗またはキャリア濃度について均一な特性を有する(レンジで5%以下)InP系HEMT構造を再現性良く作製できる化学気相成長装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたもので、反応炉と、該反応炉内に設置された回転式サセプタからなる基板保持部と、前記基板保持部の所定の位置に基板を配置するための基板収容部と、前記基板に向けて原料ガスを供給するためのガス供給手段と、前記基板を加熱するための加熱手段と、前記基板収容部に収容された基板に前記加熱手段からの熱を伝導する熱伝導部と、を備えた有機金属原料を用いる化学気相成長装置において、前記熱伝導部は、前記基板と全面で接触する平面を有する部材で構成され、前記基板との実効接触面積が90%以上であるようにしたものである。ここで、実効接触面積とは、見かけ上の接触面積(例えば平面で接触する場合は基板面積)に対して、実質的に接触している面積のことを意味する(基板及び熱伝導部の互いに接触する面の表面粗さが全接触部分にわたって0のときに100%となる)。
【0016】
本発明に係る化学気相成長装置では、熱伝導部の底面で基板裏面を保護するとともに、基板を全面から加熱できるので、基板の面内温度分布のばらつきを抑えることができる。具体的には、基板の面内温度分布を1℃以内とすることができる。したがって、例えばSiを添加するInAlAs層のように温度依存性が大きい半導体層を成長させる場合でも、シート抵抗またはキャリア濃度の均一性をレンジで5%以下にすることができるので、優れた特性を有するInP系HEMT構造の作製が可能となる。
【0017】
ただし、前記熱伝導部が基板裏面全面と接触しても、基板及び熱伝導部の表面粗さ及び平坦度によっては、部分的に点接触となる場合がある。そこで、適切な平坦度を決定するため、熱伝導部の基板と接触する部分の平坦度を1,5,10,30μmとした気相成長装置を用いてHEMT構造を作製した。その結果、熱伝導部の平坦度を5μm以下としたときにシート抵抗またはキャリア濃度の均一性はレンジで10%以下となり、その他の場合はレンジで15%以上となった。なお、このときの熱伝導部の表面粗さは、平坦度とほぼ同じ程度であった。
これにより、前記熱伝導部の前記基板と接触する部分の表面粗さおよび平坦度を5μm以下とすれば、基板と熱伝導部との実効接触面積は確実に90%以上とすることができる。
【0018】
実際に、基板温度をパイロメータ(熱輻射温度計)で観察したところ、熱伝導部の平坦度が5μm以下のときには基板表面温度は640℃であったのに対し、平坦度が10μm以上のときには630℃以下に低下したことからも、熱伝導部の基板裏面と接触する面の表面状態(表面粗さ、平坦度)が基板表面温度に大きく影響していたことがわかった。
【0019】
また、前記熱伝導部を、前記基板収容部に収容された基板に裏面側で接触して保護する板状部材からなる裏面保護部と、前記裏面保護部と略全面で接触する平面部を有し前記加熱手段からの熱を均一に伝導する均熱部と、で構成し、前記裏面保護部と前記基板との実効接触面積が90%以上となるようにしてもよい。
この場合、前記均熱部の前記裏面保護部と接触する面の表面粗さおよび平坦度は5μm以下とし、前記裏面保護部の基板に接する面の表面粗さは1μm以上5μm以下とするのが望ましい。
【0020】
裏面保護部の表面粗さが1μm未満では、成長したエピタキシャル膜の均一性が悪くなったり、基板温度をパイロメータで測定しようとするとノイズがのった状況になり測定できなくなったりするという現象が生じてしまい、また5μmを超えるとエピタキシャル膜の均一性が悪くなってしまうために、裏面保護部の表面粗さを上記範囲とした。なお、裏面保護部は均熱部に押さえられるため、その平坦性は特に制限されず、例えば反りが100μm以下であればよい。
【0021】
また、前記熱伝導部を熱伝導率が50〜200W/cmKである材質、例えば、グラファイトやモリブデンとすることにより、基板に効率よく熱を伝導できるので、基板の面内温度分布のばらつきを効果的に抑えることができる。
また、上述した気相成長装置を用いて、基板の面内温度分布を1℃以下として半導体層、特に砒化インジウムアルミニウム層を含む半導体層を気相成長させることで、シート抵抗またはキャリア濃度について均一な特性を有する半導体層を作製することができる。
【0022】
以下に本発明を完成するに至った経緯について簡単に説明する。
まず、本発明者等は、InP系HEMT構造の各層について、キャリア濃度およびシート抵抗の均一性を調査した。図1および図4に示したMOCVD装置を用いて、Siを添加しながらInAlAs層を成長させる実験を行った。その結果、InAlAs層では1℃の違いで添加効率が約3.5%変化することが分かった。これより、Si2H6ガスを用いてInAlAs中にSiを添加する場合、温度依存性が比較的大きいために、基板の面内温度分布のばらつきが小さくなければ均一性が悪くなりやすいことが予想できた。
【0023】
したがって、基板の面内温度分布のばらつきが小さくなるようにMOCVD装置を改善することにより、InAlAs層のシート抵抗またはキャリア濃度の均一性を向上できると考えた。つまり、現状で得られているInAlAs層の均一性はレンジで約15%であることから成長面では約4℃の面内温度分布がある計算になるが、基板の面内温度分布を2℃以内にすれば均一性をレンジで7%以下にできると考えた。
【0024】
次に、本発明者等は、従来のMOCVD装置では基板の面内温度分布が均一にならない原因について検討を行った。そして、図1および図4に示したMOCVD装置に、異なる径のInP基板を載置して、該基板上にInAlAs層を気相成長させる実験を行ったところ、2インチ径の基板を利用した時のInAlAs層のキャリア濃度は高めに出て、4インチ径の基板を利用したときのInAlAs層のキャリア濃度は低めに出る傾向が得られた。これより、キャリア濃度は基板の直径に強く依存することが確認できた。
【0025】
さらに、このときの各基板の面内温度分布を調査したところ、2インチの基板では周辺部より中心部の方がやや高めとなるのに対して、3〜4インチの基板では中心部が低くなる傾向にあることが分かった。つまり、基板径が大きくなるに伴い基板表面からの輻射による熱流出が多くなるために、基板中心部と周辺部の温度に差が生じたと考えられた。
そこで、上述したような基板中心部の温度が低下するという現象を定性的に解釈するために、本発明者等は簡単なモデル計算を行った(図5参照)。
【0026】
図5は、図4の均熱板53、裏面保護板51、基板90において、基板表面からの(縦方向の)熱の出入りを示したモデルである。このモデルでは、均熱板53の温度をT1(=一定)とし、裏面保護板52およびInP基板90の温度をT2とした。また、裏面保護板52とInP基板90には周辺部から熱伝導QLで熱が伝わるとともに、均熱板53から空隙を通して輻射熱QR1が流入するものとした。また、基板90の表面から対向板(下側壁体10)側へ輻射熱εQR2が流出し、裏面保護板52の表面から均熱板53側へ輻射熱QR2が流出するものとした。
【0027】
ここで、対向板10は100〜200℃と温度が低いので対向板から基板90への熱流入は無視した。また、グラファイト上では輻射率は1.0に近いと予想されるので、簡便のため裏面保護板52の輻射率は1.0とした。
【0028】
基板周辺部の接触位置をx=0として基板の直径方向の変位をxとすると、このモデルにおける熱の収支は、
【数式1】
と表すことができる。これより、一次元での微分方程式は、
【0029】
【数式2】
と与えられる。ここで、
s:シュテファンボルツマン定数 (=5.7×10−8W/m2K4)
λ:熱伝導率(グラファイト=60(at600K),InP基板=34(at600K,推定値))
h:部材の高さ(グラファイト1mm,InP基板600μm)
ε:輻射率(基板90上の輻射率ε(射出率や形状係数)は未知であるが、ポリッシュした金属表面からの射出率は、一般に0.1より小さい。)
である。
【0030】
式(2)のままでは非線形となるので、温度の4次の項を二項展開し、1次項のみに近似して線形化した。また、基板内の温度降下は均熱板53の温度よりも充分に小さいと仮定した。
そして、境界条件としてx=r0でdT/dx=0(T2=T1)とおいて、解析解T2を求めた。
【0031】
【数式3】
(3)式において、x=r0(基板半径)を代入することにより、基板中心部における温度低下の最大値Tmを計算することができる。
例えば、3インチ径のInP基板(r0=3.7cm)の場合は、ε=0.05のときTm=6.6℃、ε=0.1のときTm=13℃になり、4インチ径のInP基板(r0=5.0cm)の場合は、ε=0.05のときTm=8.2℃、ε=0.1のときTm=16℃になると推定される。
【0032】
この結果から、均熱板53により周辺部で裏面保護板52を押さえ、内側に熱伝導させながら基板90を加熱する従来の方式では、基板表面からの輻射により中心部の温度が低くなることが理論的に明らかになった。
【0033】
そこで、本発明者等は、基板の面内温度分布を改善する方法について検討した。その結果、均熱板53から基板90に熱を一様に伝える構造とするため、周辺部から熱伝導させて基板90を加熱する従来の方式から、基板90の裏面全面から加熱する方式が有効であるという知見を得て、本発明を完成するに至った。
具体的には、均熱板53の底面を平坦にすることにより裏面保護板52を全面から加熱できる、つまり基板90を裏面全面から加熱できるようにしたものである。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる有機金属気相成長装置(MOCVD装置)の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のMOCVD装置(フェースダウン方式)の概略構成を示す断面図である。従来技術で示したMOCVD装置と概略構成は同じであるが、基板載置部50の構成が異なっている(図2,図4参照)。
【0035】
図1に示すように、フェースダウン方式のMOCVD装置100は、全体として高さの低い円筒形をなしており、下側壁体10、ガス供給手段(導入管)20、回転軸(回転駆動系)30、基板保持部(サセプタ)40、基板載置部50、天板60、加熱手段(加熱ヒータ)70、ガス排気口80等で構成される。
【0036】
このMOCVD装置100の各壁体は例えばステンレスで構成され、下側壁体(対向板)10は反応生成物が析出しにくいように厚さ3mm程度のステンレス製または石英製の内壁部材11でカバーされている。
【0037】
また、ガス導入管20は下側壁体中央部に設置され、例えば、トリメチルインジウム(TMI)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチルガリウム(TMG)等の第13(3B)族原料ガスと、アルシン(AsH3)、ホスフィン(PH3)等の第15(5B)族原料ガスと、キャリアガスとしての水素(H2)等の不活性ガスと、を反応炉内に導入する。
【0038】
基板保持部40は、円盤状に成型されたカーボンディスクからなり、回転軸30により回転可能に吊設されている。また、該基板保持部40の内側には、複数の基板を載置できるように、同一円周上に円形の開口部41が複数(例えば5個)設けられている。
【0039】
また、反応炉の側面には排気口80が形成されている。ガス導入管20を介して導入口より反応炉内に導入された原料ガスは、反応炉の上流側で分解され、下流側に流れて基板90上に薄膜を形成し、残った原料ガスはキャリアガスと共に排気口80から外部へ排出される。
また、反応炉の外側には天板60を介して基板を加熱するための加熱ヒータ70が同心円状に配設されている。
【0040】
図2は、図1の基板載置部50の拡大図であり、これを参照して、本実施形態における基板の載置状態について詳細に説明する。
基板載置部50は、基板トレイ(基板収容部)51上に、基板90、裏面保護板52、均熱板53’が順次載置されて構成される。本実施形態では、均熱板53’の底面で裏面保護板52の全面を押さえるようにした点で従来の構成と異なる。
【0041】
基板トレイ51は、基板保持部40の開口部41とほぼ同径の円盤状トレイで、底面には載置される基板90の内径より若干大きい径の円形開口部51cが設けられている。また、基板トレイ51の下部には、開口部にはみ出たフック51aが例えば5カ所に設けられており、これらのフック51aによって開口部の位置に基板90を露出可能に保持する。また、基板トレイ51の上部円周には外側に向けて鍔51bが設けられており、鍔51bを基板保持部40に引っかけることによって、基板トレイ51を基板保持部40の開口部41に設置する。
【0042】
裏面保護板52は、基板90の裏面を保護するために挿入される円盤状の板で、基板裏面と全面で密着する。ここで、裏面保護板52の両面は、平坦度が10μm以下となるように表面加工され、さらに表面粗さが1μm以上5μm以下となるように研磨加工されている。このように表面加工することにより、裏面保護板52と基板90との実効接触面積は90%以上になる。
【0043】
均熱板53’は、加熱ヒータ70の熱が均一に伝わる板で、底面は平坦で裏面保護板52の全面と接触する。この均熱板53’の裏面保護板52と接触する面は、平坦度が5μm以下となるように表面加工され、さらに表面粗さが5μm以下となるように研磨加工されている。このように表面加工することにより裏面保護板52の全面に均等に熱を伝えることができる。
【0044】
上述した構成により、加熱ヒータ70からの熱が均熱板53’および裏面保護板52を介して基板全面にわたってほぼ一様に伝導されて、基板が加熱される。したがって、基板の面内温度分布のばらつきを小さくすることができる。
なお、回転駆動系30により基板保持部40が回転軸を中心に公転されるとともに、基板載置部50が自転可能に構成することもできる。例えば、基板トレイ51に自転用歯車等の自転機構を設け、回転駆動系に連動させることにより実現できる。
【0045】
以上が本実施形態のMOCVD装置の概略構成である。
次に、図1および図2に示すMOCVD装置を用いて、例えば図3に示すInP系HEMT構造を作製する手順について説明する。図3のInP系HEMT構造は、直径4インチのInP基板101上に、InAlAsバッファ層102、InGaAsチャネル層103、InAlAs電子供給層104、InAlAsショットキー層106、InPストッパー層107、InGaAsコンタクト層108を順次エピタキシャル成長させて、作製される。
【0046】
なお、本実施形態の気相成長において、反応炉内の圧力は30〜70torrとなるように制御し、パージガスとして45〜60slm(standard litter per minute)の流量で水素(H2)を導入した。また、基板保持部40の公転回転数は3rpmとし、基板載置部50の自転回転数は10rpmとした。
【0047】
まず、4インチ径で厚さ0.6mmのInP基板の裏面を基板トレイ51に成長面を下側に向けて載置した。そして、基板90の上から裏面保護板52および均熱板53’を載置して基板載置部50を構成した。なお、基板トレイ51は、基板保持部40の所定の開口部41に自転可能に設置されている。
【0048】
基板90、裏面保護板52および均熱板53’を所定の基板トレイ51に配置した後、反応炉内の真空度が2×10−5Torr以上となるまで真空排気して成長準備を行った。
次に、反応炉の多段ヒータ70に通電を開始すると共に、各水冷ジャケットにおける冷却水の循環を開始した。
【0049】
そして、670℃〜720℃の設定温度で、ホスフィン(100%PH3)を0.45slmの流量で導入し、300秒間サーマルエッチングを行った。このとき、基板温度は設定温度±1℃であり、面内温度分布は2℃以下であった。また、半導体層の成長工程においても、同様に基板の面内温度分布は2℃以下であった。なお、成長中においても自公転する基板の温度をモニターすることで、面内温度均一性を確認した。
成長終了後、加熱ヒータ70による加熱を停止し、冷却して、図3に示すInP系HEMT構造を作製した。
【0050】
本実施形態では、基板を成長温度で加熱するに当たり、基板裏面を裏面保護板52で保護し、該裏面保護板52の全面を均熱板53’で押さえるようにしたので、裏面保護板52を一様に加熱でき、基板全面を一様に加熱することができた。したがって、基板の面内温度分布のばらつきを1℃以下に抑えることができ、温度依存性の比較的大きいSiを添加したInAlAsを成長させる場合でもシート抵抗またはキャリア濃度の均一性をレンジで5%以下とすることができた。
【0051】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
本実施形態では、裏面保護板52と均熱板53’の2つの部材で熱伝導部を構成するようにしたが、例えば、裏面保護板52を省略して均熱板53’だけで熱伝導部を構成することもできる。この場合、均熱板53’に基板を保護する機能を持たせるようにするのが望ましい。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、反応炉と、該反応炉内に設置された回転式サセプタからなる基板保持部と、前記基板保持部の所定の位置に基板を配置するための基板収容部と、前記基板に向けて原料ガスを供給するためのガス供給手段と、前記基板を加熱するための加熱手段と、前記基板収容部に収容された基板に前記加熱手段からの熱を伝導する熱伝導部と、を備えた有機金属原料を用いる化学気相成長装置において、前記熱伝導部は、前記基板と全面で接触する平面を有する部材で構成され、前記基板との実効接触面積が90%以上となるようにし、基板全面からの熱伝導により基板を加熱するようにしたので、基板の面内温度分布のばらつきを抑えることができる。したがって、Siを添加したInAlAs層を成長させる場合でも、シート抵抗またはキャリア濃度の均一性をレンジで5%以下にすることができるので、均一な特性を有するInP系HEMT構造を作製できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、フェースダウン方式のMOCVD装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】本実施形態のMOCVD装置の基板載置部50の構成を示す説明図である。
【図3】本実施形態のMOCVD装置により作製したInP系HEMT構造の説明図である。
【図4】従来のMOCVD装置の基板載置部50の構成を示す説明図である。
【図5】基板載置部における熱輻射を説明するためのモデル図である。
【符号の説明】
10 下側壁体(対向板)
20 ガス導入口(ガス導入手段)
30 回転軸(回転駆動系)
40 基板保持部(サセプタ)
50 基板載置部
51 基板トレイ
52 裏面保護板
53 均熱板(従来例)
53’ 均熱板(実施例)
54 熱伝導部
60 天板
70 加熱ヒータ(加熱手段)
80 ガス排気口
90 InP基板
100 有機金属気相成長(MOCVD)装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜を気相成長させるための化学気相成長装置に関し、特に、InP等の化合物半導体膜を成長させる有機金属化学気相成長(MOCVD)装置に適用して好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、InP基板を用いた電子デバイス(HEMTやHBT)は、その最大の特徴である高速応答性と低雑音特性を活かして、次世代高速光通信(40GHzまたはそれ以降)、ミリ波応用デバイス(ITSや軍需用途)や超高速計測用に利用されている。このInP系電子デバイスのエピタキシャル基板は、有機金属化学気相成長法(MOCVD)を用いて製造されるのが一般的である。
また現在では、一度で多数枚の基板上にエピタキシャル成長を行うことのできるMOCVD装置が市販されており、この多数枚基板対応のMOCVD装置の要素技術においても様々な方式が提案されている。
【0003】
その一つとして、原料ガスの濃度や流れが複数の基板表面で均一となるように、反応炉内に回転機構を有する回転式サセプタを設け、このサセプタ上に複数の基板を載置して、回転させながら均質なエピタキシャル膜を成長させるようにしたMOCVD装置が広く使用されている。特に、サセプタの内側に基板の成長面をガスに露出させるための開口部を設け、その開口部に成長面を下側に向けて基板を載置し、基板をガス流の上に配置する、いわゆるフェースダウン方式のMOCVD装置が熱対流によるガス流の不均一性を防ぐのに有効である。
【0004】
従来のフェースダウン方式のMOCVD装置について、図1および図4を参照して説明する。
図1はフェースダウン方式のMOCVD装置の概略構成を示す断面図である。図1に示すように、フェースダウン方式のMOCVD装置100は、全体として高さの低い円筒形をなしており、下側壁体(対向板)10、ガス供給手段20、回転軸(回転駆動系)30、基板保持部(サセプタ)40、基板載置部50(基板トレイ51,熱伝導部52)、天板60、加熱手段(加熱ヒータ)70、ガス排気口80等で構成される。
【0005】
このMOCVD装置100の各壁体は例えばステンレスで構成され、下側壁体10は反応生成物が析出しにくいように厚さ3mm程度のステンレス製または石英製の内壁部材11でカバーされている。
また、ガス導入管20は下側壁体中央部に設置され、例えば、第13(3B)族元素や第15(5B)族元素などの原料ガスおよび不活性ガスなどのキャリアガスを反応炉内に供給する。
【0006】
基板保持部40は、円盤状に成型されたカーボンディスクからなり、回転軸30により回転可能に吊設されている。また、該基板保持部40の内側には、複数の基板を載置できるように、同一円周上に円形の開口部41が複数(例えば5個)設けられている。
また、反応炉の外側には天板60を介して基板を加熱するための加熱ヒータ70が同心円状に配設されている。
【0007】
次に、図4を参照して基板の載置状態について詳細に説明する。図4は、図1における基板載置部50の拡大図である。
基板載置部50は、基板トレイ(基板収容部)51上に、基板90、裏面保護板52、均熱板53が順次載置されてなる。なお、裏面保護板52および均熱板53を合わせて熱伝導部と称する。
【0008】
基板トレイ51は、基板保持部40に設けられた開口部41とほぼ同径の円盤状トレイで、底面には載置される基板90の内径より若干大きい径の円形開口部51cが設けられている。また、基板トレイ51の下部には、開口部51cにはみ出たフック51aが例えば円周を5分割する位置5カ所に設けられており、これらのフック51aによって開口部51cの位置に基板90を露出可能に保持することができる。また、基板トレイ51の上部円周には外側に向けて鍔51bが設けられており、鍔51bを基板保持部40に引っかけることによって、基板トレイ51をサセプタ40の開口部41に設置する。
【0009】
裏面保護板52は、基板90の裏面を保護するために挿入される円盤状の板で、基板裏面と全面で密着する。この裏面保護板52には、例えば、グラファイト等の材質が用いられる。
均熱板53は、加熱ヒータ70の熱が均一に伝わる板で、底面に凹部が形成されており、裏面保護板52と周縁部で接触する。この均熱板には、例えば、グラファイト等の材質が用いられる。
【0010】
上述した構成により、均熱板53および裏面保護板52からの熱伝導を利用して基板90を加熱する。すなわち、加熱ヒータ70からの熱が、均熱板53を介して裏面保護板52の周縁部に伝導され、裏面保護板52の周縁部から中心に向かって熱が伝導されるとともに、基板90が加熱される。
【0011】
本発明者等は、上述した構成のフェイスダウン方式のMOCVD装置を用いて、HEMT用エピタキシャル基板の研究開発を行っている。開発の対象としては、例えば、Feを添加した半絶縁性InP基板上に、InAlAsバッファ層、InGaAsチャネル層、InAlAsスペーサ層、InAlAs電子供給層、InAlAsショットキー層、InGaAsコンタクト層、を順次積層したInP系HEMT構造等がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、高速ICを設計する上では、InP系HEMT構造において、ドレイン電流や閾値電圧等の電気的特性を満足するために、電子供給層のキャリア濃度またはシート抵抗の均一性に関して、レンジで5%以下であることが要求されている。ここで、レンジとは(最大値−最小値)/平均値×100から求められるパーセンテージである。
【0013】
しかし、本発明者等が上述したMOCVD装置を用いて作製したInP系HEMT構造についてその特性を調査したところ、InAlAs単層および3インチ径のInP系HEMT構造のInAlAs電子供給層ではレンジで15%以上となった。また、4インチ径のInP系HEMT構造のInAlAs電子供給層に関してはレンジで20%以上となり、要求されている値に大きく及ばなかった。
【0014】
本発明は、上記問題点を解決するために、シート抵抗またはキャリア濃度について均一な特性を有する(レンジで5%以下)InP系HEMT構造を再現性良く作製できる化学気相成長装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたもので、反応炉と、該反応炉内に設置された回転式サセプタからなる基板保持部と、前記基板保持部の所定の位置に基板を配置するための基板収容部と、前記基板に向けて原料ガスを供給するためのガス供給手段と、前記基板を加熱するための加熱手段と、前記基板収容部に収容された基板に前記加熱手段からの熱を伝導する熱伝導部と、を備えた有機金属原料を用いる化学気相成長装置において、前記熱伝導部は、前記基板と全面で接触する平面を有する部材で構成され、前記基板との実効接触面積が90%以上であるようにしたものである。ここで、実効接触面積とは、見かけ上の接触面積(例えば平面で接触する場合は基板面積)に対して、実質的に接触している面積のことを意味する(基板及び熱伝導部の互いに接触する面の表面粗さが全接触部分にわたって0のときに100%となる)。
【0016】
本発明に係る化学気相成長装置では、熱伝導部の底面で基板裏面を保護するとともに、基板を全面から加熱できるので、基板の面内温度分布のばらつきを抑えることができる。具体的には、基板の面内温度分布を1℃以内とすることができる。したがって、例えばSiを添加するInAlAs層のように温度依存性が大きい半導体層を成長させる場合でも、シート抵抗またはキャリア濃度の均一性をレンジで5%以下にすることができるので、優れた特性を有するInP系HEMT構造の作製が可能となる。
【0017】
ただし、前記熱伝導部が基板裏面全面と接触しても、基板及び熱伝導部の表面粗さ及び平坦度によっては、部分的に点接触となる場合がある。そこで、適切な平坦度を決定するため、熱伝導部の基板と接触する部分の平坦度を1,5,10,30μmとした気相成長装置を用いてHEMT構造を作製した。その結果、熱伝導部の平坦度を5μm以下としたときにシート抵抗またはキャリア濃度の均一性はレンジで10%以下となり、その他の場合はレンジで15%以上となった。なお、このときの熱伝導部の表面粗さは、平坦度とほぼ同じ程度であった。
これにより、前記熱伝導部の前記基板と接触する部分の表面粗さおよび平坦度を5μm以下とすれば、基板と熱伝導部との実効接触面積は確実に90%以上とすることができる。
【0018】
実際に、基板温度をパイロメータ(熱輻射温度計)で観察したところ、熱伝導部の平坦度が5μm以下のときには基板表面温度は640℃であったのに対し、平坦度が10μm以上のときには630℃以下に低下したことからも、熱伝導部の基板裏面と接触する面の表面状態(表面粗さ、平坦度)が基板表面温度に大きく影響していたことがわかった。
【0019】
また、前記熱伝導部を、前記基板収容部に収容された基板に裏面側で接触して保護する板状部材からなる裏面保護部と、前記裏面保護部と略全面で接触する平面部を有し前記加熱手段からの熱を均一に伝導する均熱部と、で構成し、前記裏面保護部と前記基板との実効接触面積が90%以上となるようにしてもよい。
この場合、前記均熱部の前記裏面保護部と接触する面の表面粗さおよび平坦度は5μm以下とし、前記裏面保護部の基板に接する面の表面粗さは1μm以上5μm以下とするのが望ましい。
【0020】
裏面保護部の表面粗さが1μm未満では、成長したエピタキシャル膜の均一性が悪くなったり、基板温度をパイロメータで測定しようとするとノイズがのった状況になり測定できなくなったりするという現象が生じてしまい、また5μmを超えるとエピタキシャル膜の均一性が悪くなってしまうために、裏面保護部の表面粗さを上記範囲とした。なお、裏面保護部は均熱部に押さえられるため、その平坦性は特に制限されず、例えば反りが100μm以下であればよい。
【0021】
また、前記熱伝導部を熱伝導率が50〜200W/cmKである材質、例えば、グラファイトやモリブデンとすることにより、基板に効率よく熱を伝導できるので、基板の面内温度分布のばらつきを効果的に抑えることができる。
また、上述した気相成長装置を用いて、基板の面内温度分布を1℃以下として半導体層、特に砒化インジウムアルミニウム層を含む半導体層を気相成長させることで、シート抵抗またはキャリア濃度について均一な特性を有する半導体層を作製することができる。
【0022】
以下に本発明を完成するに至った経緯について簡単に説明する。
まず、本発明者等は、InP系HEMT構造の各層について、キャリア濃度およびシート抵抗の均一性を調査した。図1および図4に示したMOCVD装置を用いて、Siを添加しながらInAlAs層を成長させる実験を行った。その結果、InAlAs層では1℃の違いで添加効率が約3.5%変化することが分かった。これより、Si2H6ガスを用いてInAlAs中にSiを添加する場合、温度依存性が比較的大きいために、基板の面内温度分布のばらつきが小さくなければ均一性が悪くなりやすいことが予想できた。
【0023】
したがって、基板の面内温度分布のばらつきが小さくなるようにMOCVD装置を改善することにより、InAlAs層のシート抵抗またはキャリア濃度の均一性を向上できると考えた。つまり、現状で得られているInAlAs層の均一性はレンジで約15%であることから成長面では約4℃の面内温度分布がある計算になるが、基板の面内温度分布を2℃以内にすれば均一性をレンジで7%以下にできると考えた。
【0024】
次に、本発明者等は、従来のMOCVD装置では基板の面内温度分布が均一にならない原因について検討を行った。そして、図1および図4に示したMOCVD装置に、異なる径のInP基板を載置して、該基板上にInAlAs層を気相成長させる実験を行ったところ、2インチ径の基板を利用した時のInAlAs層のキャリア濃度は高めに出て、4インチ径の基板を利用したときのInAlAs層のキャリア濃度は低めに出る傾向が得られた。これより、キャリア濃度は基板の直径に強く依存することが確認できた。
【0025】
さらに、このときの各基板の面内温度分布を調査したところ、2インチの基板では周辺部より中心部の方がやや高めとなるのに対して、3〜4インチの基板では中心部が低くなる傾向にあることが分かった。つまり、基板径が大きくなるに伴い基板表面からの輻射による熱流出が多くなるために、基板中心部と周辺部の温度に差が生じたと考えられた。
そこで、上述したような基板中心部の温度が低下するという現象を定性的に解釈するために、本発明者等は簡単なモデル計算を行った(図5参照)。
【0026】
図5は、図4の均熱板53、裏面保護板51、基板90において、基板表面からの(縦方向の)熱の出入りを示したモデルである。このモデルでは、均熱板53の温度をT1(=一定)とし、裏面保護板52およびInP基板90の温度をT2とした。また、裏面保護板52とInP基板90には周辺部から熱伝導QLで熱が伝わるとともに、均熱板53から空隙を通して輻射熱QR1が流入するものとした。また、基板90の表面から対向板(下側壁体10)側へ輻射熱εQR2が流出し、裏面保護板52の表面から均熱板53側へ輻射熱QR2が流出するものとした。
【0027】
ここで、対向板10は100〜200℃と温度が低いので対向板から基板90への熱流入は無視した。また、グラファイト上では輻射率は1.0に近いと予想されるので、簡便のため裏面保護板52の輻射率は1.0とした。
【0028】
基板周辺部の接触位置をx=0として基板の直径方向の変位をxとすると、このモデルにおける熱の収支は、
【数式1】
と表すことができる。これより、一次元での微分方程式は、
【0029】
【数式2】
と与えられる。ここで、
s:シュテファンボルツマン定数 (=5.7×10−8W/m2K4)
λ:熱伝導率(グラファイト=60(at600K),InP基板=34(at600K,推定値))
h:部材の高さ(グラファイト1mm,InP基板600μm)
ε:輻射率(基板90上の輻射率ε(射出率や形状係数)は未知であるが、ポリッシュした金属表面からの射出率は、一般に0.1より小さい。)
である。
【0030】
式(2)のままでは非線形となるので、温度の4次の項を二項展開し、1次項のみに近似して線形化した。また、基板内の温度降下は均熱板53の温度よりも充分に小さいと仮定した。
そして、境界条件としてx=r0でdT/dx=0(T2=T1)とおいて、解析解T2を求めた。
【0031】
【数式3】
(3)式において、x=r0(基板半径)を代入することにより、基板中心部における温度低下の最大値Tmを計算することができる。
例えば、3インチ径のInP基板(r0=3.7cm)の場合は、ε=0.05のときTm=6.6℃、ε=0.1のときTm=13℃になり、4インチ径のInP基板(r0=5.0cm)の場合は、ε=0.05のときTm=8.2℃、ε=0.1のときTm=16℃になると推定される。
【0032】
この結果から、均熱板53により周辺部で裏面保護板52を押さえ、内側に熱伝導させながら基板90を加熱する従来の方式では、基板表面からの輻射により中心部の温度が低くなることが理論的に明らかになった。
【0033】
そこで、本発明者等は、基板の面内温度分布を改善する方法について検討した。その結果、均熱板53から基板90に熱を一様に伝える構造とするため、周辺部から熱伝導させて基板90を加熱する従来の方式から、基板90の裏面全面から加熱する方式が有効であるという知見を得て、本発明を完成するに至った。
具体的には、均熱板53の底面を平坦にすることにより裏面保護板52を全面から加熱できる、つまり基板90を裏面全面から加熱できるようにしたものである。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる有機金属気相成長装置(MOCVD装置)の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のMOCVD装置(フェースダウン方式)の概略構成を示す断面図である。従来技術で示したMOCVD装置と概略構成は同じであるが、基板載置部50の構成が異なっている(図2,図4参照)。
【0035】
図1に示すように、フェースダウン方式のMOCVD装置100は、全体として高さの低い円筒形をなしており、下側壁体10、ガス供給手段(導入管)20、回転軸(回転駆動系)30、基板保持部(サセプタ)40、基板載置部50、天板60、加熱手段(加熱ヒータ)70、ガス排気口80等で構成される。
【0036】
このMOCVD装置100の各壁体は例えばステンレスで構成され、下側壁体(対向板)10は反応生成物が析出しにくいように厚さ3mm程度のステンレス製または石英製の内壁部材11でカバーされている。
【0037】
また、ガス導入管20は下側壁体中央部に設置され、例えば、トリメチルインジウム(TMI)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチルガリウム(TMG)等の第13(3B)族原料ガスと、アルシン(AsH3)、ホスフィン(PH3)等の第15(5B)族原料ガスと、キャリアガスとしての水素(H2)等の不活性ガスと、を反応炉内に導入する。
【0038】
基板保持部40は、円盤状に成型されたカーボンディスクからなり、回転軸30により回転可能に吊設されている。また、該基板保持部40の内側には、複数の基板を載置できるように、同一円周上に円形の開口部41が複数(例えば5個)設けられている。
【0039】
また、反応炉の側面には排気口80が形成されている。ガス導入管20を介して導入口より反応炉内に導入された原料ガスは、反応炉の上流側で分解され、下流側に流れて基板90上に薄膜を形成し、残った原料ガスはキャリアガスと共に排気口80から外部へ排出される。
また、反応炉の外側には天板60を介して基板を加熱するための加熱ヒータ70が同心円状に配設されている。
【0040】
図2は、図1の基板載置部50の拡大図であり、これを参照して、本実施形態における基板の載置状態について詳細に説明する。
基板載置部50は、基板トレイ(基板収容部)51上に、基板90、裏面保護板52、均熱板53’が順次載置されて構成される。本実施形態では、均熱板53’の底面で裏面保護板52の全面を押さえるようにした点で従来の構成と異なる。
【0041】
基板トレイ51は、基板保持部40の開口部41とほぼ同径の円盤状トレイで、底面には載置される基板90の内径より若干大きい径の円形開口部51cが設けられている。また、基板トレイ51の下部には、開口部にはみ出たフック51aが例えば5カ所に設けられており、これらのフック51aによって開口部の位置に基板90を露出可能に保持する。また、基板トレイ51の上部円周には外側に向けて鍔51bが設けられており、鍔51bを基板保持部40に引っかけることによって、基板トレイ51を基板保持部40の開口部41に設置する。
【0042】
裏面保護板52は、基板90の裏面を保護するために挿入される円盤状の板で、基板裏面と全面で密着する。ここで、裏面保護板52の両面は、平坦度が10μm以下となるように表面加工され、さらに表面粗さが1μm以上5μm以下となるように研磨加工されている。このように表面加工することにより、裏面保護板52と基板90との実効接触面積は90%以上になる。
【0043】
均熱板53’は、加熱ヒータ70の熱が均一に伝わる板で、底面は平坦で裏面保護板52の全面と接触する。この均熱板53’の裏面保護板52と接触する面は、平坦度が5μm以下となるように表面加工され、さらに表面粗さが5μm以下となるように研磨加工されている。このように表面加工することにより裏面保護板52の全面に均等に熱を伝えることができる。
【0044】
上述した構成により、加熱ヒータ70からの熱が均熱板53’および裏面保護板52を介して基板全面にわたってほぼ一様に伝導されて、基板が加熱される。したがって、基板の面内温度分布のばらつきを小さくすることができる。
なお、回転駆動系30により基板保持部40が回転軸を中心に公転されるとともに、基板載置部50が自転可能に構成することもできる。例えば、基板トレイ51に自転用歯車等の自転機構を設け、回転駆動系に連動させることにより実現できる。
【0045】
以上が本実施形態のMOCVD装置の概略構成である。
次に、図1および図2に示すMOCVD装置を用いて、例えば図3に示すInP系HEMT構造を作製する手順について説明する。図3のInP系HEMT構造は、直径4インチのInP基板101上に、InAlAsバッファ層102、InGaAsチャネル層103、InAlAs電子供給層104、InAlAsショットキー層106、InPストッパー層107、InGaAsコンタクト層108を順次エピタキシャル成長させて、作製される。
【0046】
なお、本実施形態の気相成長において、反応炉内の圧力は30〜70torrとなるように制御し、パージガスとして45〜60slm(standard litter per minute)の流量で水素(H2)を導入した。また、基板保持部40の公転回転数は3rpmとし、基板載置部50の自転回転数は10rpmとした。
【0047】
まず、4インチ径で厚さ0.6mmのInP基板の裏面を基板トレイ51に成長面を下側に向けて載置した。そして、基板90の上から裏面保護板52および均熱板53’を載置して基板載置部50を構成した。なお、基板トレイ51は、基板保持部40の所定の開口部41に自転可能に設置されている。
【0048】
基板90、裏面保護板52および均熱板53’を所定の基板トレイ51に配置した後、反応炉内の真空度が2×10−5Torr以上となるまで真空排気して成長準備を行った。
次に、反応炉の多段ヒータ70に通電を開始すると共に、各水冷ジャケットにおける冷却水の循環を開始した。
【0049】
そして、670℃〜720℃の設定温度で、ホスフィン(100%PH3)を0.45slmの流量で導入し、300秒間サーマルエッチングを行った。このとき、基板温度は設定温度±1℃であり、面内温度分布は2℃以下であった。また、半導体層の成長工程においても、同様に基板の面内温度分布は2℃以下であった。なお、成長中においても自公転する基板の温度をモニターすることで、面内温度均一性を確認した。
成長終了後、加熱ヒータ70による加熱を停止し、冷却して、図3に示すInP系HEMT構造を作製した。
【0050】
本実施形態では、基板を成長温度で加熱するに当たり、基板裏面を裏面保護板52で保護し、該裏面保護板52の全面を均熱板53’で押さえるようにしたので、裏面保護板52を一様に加熱でき、基板全面を一様に加熱することができた。したがって、基板の面内温度分布のばらつきを1℃以下に抑えることができ、温度依存性の比較的大きいSiを添加したInAlAsを成長させる場合でもシート抵抗またはキャリア濃度の均一性をレンジで5%以下とすることができた。
【0051】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
本実施形態では、裏面保護板52と均熱板53’の2つの部材で熱伝導部を構成するようにしたが、例えば、裏面保護板52を省略して均熱板53’だけで熱伝導部を構成することもできる。この場合、均熱板53’に基板を保護する機能を持たせるようにするのが望ましい。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、反応炉と、該反応炉内に設置された回転式サセプタからなる基板保持部と、前記基板保持部の所定の位置に基板を配置するための基板収容部と、前記基板に向けて原料ガスを供給するためのガス供給手段と、前記基板を加熱するための加熱手段と、前記基板収容部に収容された基板に前記加熱手段からの熱を伝導する熱伝導部と、を備えた有機金属原料を用いる化学気相成長装置において、前記熱伝導部は、前記基板と全面で接触する平面を有する部材で構成され、前記基板との実効接触面積が90%以上となるようにし、基板全面からの熱伝導により基板を加熱するようにしたので、基板の面内温度分布のばらつきを抑えることができる。したがって、Siを添加したInAlAs層を成長させる場合でも、シート抵抗またはキャリア濃度の均一性をレンジで5%以下にすることができるので、均一な特性を有するInP系HEMT構造を作製できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、フェースダウン方式のMOCVD装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】本実施形態のMOCVD装置の基板載置部50の構成を示す説明図である。
【図3】本実施形態のMOCVD装置により作製したInP系HEMT構造の説明図である。
【図4】従来のMOCVD装置の基板載置部50の構成を示す説明図である。
【図5】基板載置部における熱輻射を説明するためのモデル図である。
【符号の説明】
10 下側壁体(対向板)
20 ガス導入口(ガス導入手段)
30 回転軸(回転駆動系)
40 基板保持部(サセプタ)
50 基板載置部
51 基板トレイ
52 裏面保護板
53 均熱板(従来例)
53’ 均熱板(実施例)
54 熱伝導部
60 天板
70 加熱ヒータ(加熱手段)
80 ガス排気口
90 InP基板
100 有機金属気相成長(MOCVD)装置
Claims (7)
- 反応炉と、該反応炉内に設置された回転式サセプタからなる基板保持部と、前記基板保持部の所定の位置に基板を配置するための基板収容部と、前記基板に向けて原料ガスを供給するためのガス供給手段と、前記基板を加熱するための加熱手段と、前記基板収容部に収容された基板に前記加熱手段からの熱を伝導する熱伝導部と、を備えた有機金属原料を用いる化学気相成長装置において、
前記熱伝導部は、前記基板と全面で接触する平面を有する部材で構成され、前記基板との実効接触面積が90%以上であることを特徴とする化学気相成長装置。 - 前記熱伝導部の前記基板と接触する面の表面粗さおよび平坦度は、5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の化学気相成長装置。
- 前記熱伝導部は、前記基板収容部に収容された基板に裏面側で接触して保護する板状部材からなる裏面保護部と、前記裏面保護部と略全面で接触する平面部を有し前記加熱手段からの熱を均一に伝導する均熱部と、で構成され、
前記裏面保護部は、前記基板との実行接触面積が90%以上であることを特徴とする請求項1に記載の化学気相成長装置。 - 前記均熱部の前記裏面保護部と接触する面の表面粗さおよび平坦度は5μm以下であり、
前記裏面保護部の前記基板と接触する面の表面粗さは1μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の化学気相成長装置。 - 前記熱伝導部は、熱伝導率が50W/cmKから200W/cmKである材質からなることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の化学気相成長装置。
- 請求項1から請求項5の何れかに記載の気相成長装置を用いて、基板の面内温度分布を1℃以下として半導体層を気相成長させることを特徴とする化学気相成長方法。
- 前記半導体層として砒化インジウムアルミニウム層を含む半導体層を気相成長させることを特徴とする請求項6に記載の化学気相成長方法。
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