JP2007211336A - 気相成長装置および気相成長方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理基板の温度分布の均一化を図ることが可能な気相成長装置を提供する。
【解決手段】気相成長装置のチャンバー内には、被処理基板11を保持する基板保持部材12と、基板保持部材12の下面に接する熱伝達部材9と、被処理基板11を加熱するための基板ヒータ15が設けられている。基板ヒータ15が発した熱は、熱伝達部材9および基板保持部材12を介して、被処理基板11へ伝達される。また、熱伝達部材9の外周部が回転伝達部材16の支持部17によって支持されている。回転伝達部材16は、熱伝達部材9および基板保持部材12を介して被処理基板11へ回転力を伝達する。
【選択図】図2

Description

本発明は、被処理基板上に薄膜を形成する気相成長装置および気相成長方法に関するものである。
近年、半導体装置の製造技術の分野においては、所望の組成を有する薄膜を形成する成膜処理技術の開発が行なわれている。特に、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相蒸着)法は、光デバイスまたは高速デバイス等に適した化
合物半導体の薄膜を形成する成膜処理技術として注目されている。
まず、図11を用いて、従来のMOCVD法を実行するための気相成長装置を説明する。図11に示すように、従来の気相成長装置においては、チャンバー1を貫通する流路構成部材7が設置されている。流路構成部材7の一方端には、ガス供給口3が設けられている。流路構成部材7の他方端には、ガス排出口4が設けられている。
また、流路構成部材7の底板部のほぼ中央には、円形の開口部10が設けられている。開口部10内には、被処理基板11を保持する基板保持部材12と基板保持部材12を支持するサセプタ13とが設けられている。流路構成部材7の底板部の下表面と基板保持部材12の上表面とはほぼ同一平面内に位置している。また、サセプタ13の下側には、被処理基板11を所定温度に加熱する基板ヒータ15が設置されている。
また、原料ガス(以下、単に、「ガス」と称する。)は、外部からガス供給口3を介して流路構成部材7へ導入される。そのガスは、流路構成部材7内において、被処理基板11の主表面に接触する。それによって、被処理基板11の主表面上に薄膜が形成される。その後、ガスは、流路構成部材7からガス排出口4を介して外部へ排出される。
また、サセプタ13の中央部が、回転軸14によって支持されている。したがって、被処理基板11は、サセプタ13および基板保持部材12とともに回転軸14の回転によって回転させられる。回転軸14の内部の上部には、サセプタ13の中心部の温度を測定する熱電対25が設けられている。
特開2000−114180号公報
上記従来の気相成長装置においては、サセプタ13の中央部が細長い回転軸14によって支持されている。そのため、回転軸14に大きな回転力が加わると、回転軸14が振動する。そのため、サセプタ13の回転の安定性が悪い。したがって、被処理基板11上に均質な薄膜を形成することができない。
本発明は、上述の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、被処理基板上に均質な薄膜を形成し得る気相成長装置および気相成長方法を提供することである。
本発明の気相成長装置は、被処理基板を加熱するための基板ヒータと、基板ヒータが発した熱を被処理基板へ伝達するための熱伝達部材と、熱伝達部材を介して被処理基板へ回転力を伝達する回転伝達部材とを備えている。熱伝達部材の外周部が回転伝達部材の支持部によって支持されている。
上記の構造によれば、熱伝達部材の中央部が回転伝達部材の支持部によって支持されている構造に比較して、熱伝達部材および被処理基板の回転が安定する。その結果、被処理基板上に形成される薄膜の膜質が均一化される。
また、支持部が熱伝導率が低い石英を含んでいれば、熱伝達部材から支持部への熱の移動が抑制される。そのため、支持部の近傍の熱伝達部材の温度の低下が抑制される。その結果、熱伝達部材の温度分布の均一化を図ることができる。したがって、被処理基板上に形成される薄膜の膜質が均一化される。
また、熱伝達部材は、外周部に突起部を有し、突起部が支持部によって支持されていれば、熱伝達部材と支持部との接触面積が小さくなる。そのため、熱伝達部材から支持部へ移動する熱の量を低減することが可能になる。その結果、支持部の近傍の熱伝達部材の温度が低下することを抑制することができる。したがって、熱伝達部材の温度分布の均一化を図ることができる。故に、被処理基板上に形成される薄膜の膜質が均一化される。
また、熱伝達部材の中央部の極近傍に熱伝達部材の温度を測定する熱電対の先端部が設けられていることが望ましい。これによれば、熱伝達部材の中央部の極近傍以外の位置に熱電対の先端部が設けられている場合に比較して、熱電対は、温度の変動が小さい部分の温度を測定することができる。そのため、熱電対によって得られた熱伝達部材の温度の測定値が安定する。
また、先端部が円柱形状を有していれば、熱電対と均等熱部材との間の距離を極力小さくし、かつ、熱電対の先端部の表面積を極力大きくすることができる。そのため、熱電対の応答性がさらに向上する。その結果、熱伝達部材の温度が所定値で安定するまでの時間が短縮される。
また、熱伝達部材が、先端部が挿入された挿入部を含んでいても、熱電対の応答性が向上するため、気相成長装置の制御性が向上する。
また、先端部がシールド部材内に挿入されていれば、反応ガスと熱電対との接触に起因した熱電対の腐食が抑制される。その結果、熱電対の先端部の劣化を抑制することができる。
また、挿入部が先端部に沿って延びる突出部を有していれば、熱伝達部材の厚さに関わらず、熱電対を囲むことができる。したがって、熱伝達部材を薄くすることが可能になる。その結果、基板ヒータの負担を軽減することができる。
また、突出部が熱伝達部材から分離され得る独立した構造体であれば、突出部が熱伝達部材の一部として熱伝達部材と一体的に形成された構造に比較して、熱伝達部材および突出部のそれぞれの特性に応じた部材および製法を用いることが可能になる。
また、突出部がシールド部材内に挿入されていれば、突出部から外部への熱の移動がシールド部材によって抑制される。そのため、熱電対の応答性が向上するため、気相成長装置の制御性が向上する。
また、シールド部材が光学的に透明な材料を含んでいれば、突出部がシールド部材によって囲まれていても、基板ヒータの輻射熱は、シールド部材によって遮断されることなく、突出部まで到達する。そのため、熱伝達部材の突出部の温度が他の部分の温度よりも低くなってしまうという不具合の発生が抑制される。
また、光学的に透明な材料がサファイアであれば、1200℃程度の高温雰囲気中で気相成長が行なわれても、透明な材料の変形および破損が抑制される。
本発明の気相成長方法は、前述の気相成長装置を用いて所望の薄膜を形成するものである。
前述の気相成長装置を用いることで、熱伝達部材の温度の安定性および応答性を向上させることができる。それにより、熱伝達部材の昇降温の安定化時間の短縮および熱伝達部材の降温速度の向上を図ることができる。これにより、被処理基板上に膜質が均一な薄膜を形成することが可能となるだけでなく、膜質を低下させることなく、スループットの向上を図ることが可能となる。その結果、薄膜の生産性を向上することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の気相成長装置を説明する。
まず、図1および図2を用いて、本発明の実施の形態の気相成長装置の概要を説明する。
本実施の形態の気相成長装置は、反応室2を備えている。反応室2は、気密状態になっている内部空間を有するチャンバー1を貫通する筒状の流路構成部材7によって構成されている。
流路構成部材7は、中央流路構成部材8を有している。中央流路構成部材8の一方端および他方端は、それぞれ、上流側流路構成部材5および下流側流路構成部材6に接続されている。上流側流路構成部材5の端部は、ガス供給口3を構成している。下流側流路構成部材6の端部は、ガス排出口4を構成している。また、中央流路構成部材8の底面部には、円形の開口部10が形成されている。開口部10内には、基板保持部材12が設置されている。気相成長装置の使用時には、基板保持部材12の主表面上に被処理基板11が載置される。
また、基板保持部材12の下面には熱伝達部材9が接している。熱伝達部材9は、その外周部が回転伝達部材16の支持部17によって支持されている。回転伝達部材16は、図示しない回転機構によって、熱電対25が延びる方向に沿って延びる中心軸周りに回転することが可能である。回転伝達部材16が回転すると、熱伝達部材9、基板保持部材12、および被処理基板11が、矢印で示すように回転する。ただし、熱伝達部材9の荷重は、支持部17を介して、回転伝達部材16に伝達される。支持部17は、回転伝達部材16の一部であって、熱伝達部材9の外周部を支持している。したがって、本実施の形態の気相成長装置によれば、熱伝達部材9の中央部が回転軸によって支持されている従来の気相成長装置に比較して、被処理基板11の回転の安定性が向上している。その結果、被処理基板11上に薄膜が均質に形成される。
また、気相成長装置の使用時には、基板ヒータ15が発した熱は、熱伝達部材9および基板保持部材12を介して、被処理基板11に伝達される。熱伝達部材9は、被処理基板11の主表面とほぼ平行に延びており、平面的に見て、被処理基板11よりも大きい。そのため、熱伝達部材9の温度分布が均一であれば、被処理基板11の温度分布も均一になる。熱伝達部材9は、熱伝導率が高い材料からなっていることが望ましい。なお、熱伝達部材9が被処理基板11に直接接触していてもよい。
また、基板ヒータ15は、平面視において、略ドーナツ形状を有している。また、基板ヒータ15の外径および内径の大きさは、被処理基板11のサイズおよび枚数によって異なるが、被処理基板11の温度分布が均一化されるように決定されている。また、基板ヒータ15は、縦方向に延びる棒状材を介して、ベース板21によって支持されている。また、電力は、電力導入ロッド22を介して、基板ヒータ15に導入される。それにより、基板ヒータ15は熱を発する。
ベース板21は、非回転支持柱23によって、支持されている。非回転支持柱23は、図示しない回転機構から分離されている。したがって、回転伝達部材16が回転しても、非回転支持柱23は回転しない。そのため、ベース板21および基板ヒータ15も回転しない。
また、基板ヒータ15の外周面および下面は、熱を反射するリフレクタ18によって対向している。逆に言うと、熱伝達部材9の上面だけが、リフレクタ18に対向していない。そのため、熱伝達部材9以外の部品の温度の上昇が抑制される。また、熱伝達部材9は、効率的に加熱される。リフレクタ18は、支持棒24によってベース板21の所定位置に固定されている。したがって、回転伝達部材16が回転しても、リフレクタ18および支持棒24は回転しない。
被処理基板11の主表面に薄膜が形成されるときには、ガスがガス供給口3から流路構成部材7内へ導入される。このとき、基板ヒータ15が発した熱が、熱伝達部材9および基板保持部材12を介して、被処理基板11に伝達される。それにより、被処理基板11上での成膜化学反応が促進される。その結果、被処理基板11上に薄膜が形成される。なお、被処理基板11上を通過したガスは、ガス排出口4から外部空間へ排出される。
次に、図2を用いて、被処理基板11、熱伝達部材9、基板保持部材12、および回転伝達部材16の詳細な構成を説明する。
熱伝達部材9の中心部の極近傍には熱電対25の先端部26が設けられている。一般に、熱伝達部材9の中心部の温度は、熱伝達部材9の中心部以外の部分の温度よりも変動し難い。したがって、この構造によれば、熱伝達部材9の中心部以外の部分の近傍に熱電対25が設けられる場合に比較して、熱電対25の測定値が安定する。
また、熱伝達部材9と熱電対25の先端部26とは極めて小さなクリアランスを介して設けられている。そのため、熱電対25の応答性が向上する。その結果、気相成長装置の制御性が向上する。このような構成が採用されている理由は、熱伝達部材9と熱電対25の先端部26の間のクリアランスが小さいほど、正確に熱伝達部材9の温度を測定することが可能であるが、回転する熱伝達部材9と回転しない熱電対25の先端部26とが接触してしまうと、熱伝達部材9の回転に支障が生じるためである。なお、熱伝達部材9および熱電対25が熱膨張しても、熱電対25の先端部26と熱伝達部材9とが接触しないように、熱伝達部材9と熱電対25との間の距離が決定されている。
また、熱伝達部材9の形状は薄板状である。したがって、熱伝達部材9の熱容量は小さい。このように、熱伝達部材9の熱容量が小さければ、昇温および降温に要する時間が低減される。また、基板ヒータ15の負担が軽減される。
また、熱伝達部材9の外周部は、回転伝達部材16の支持部17によって支持されている。そのため、熱伝達部材9の外周部から支持部17を介して回転伝達部材16へ熱が移動してしまう。したがって、熱伝達部材9の外周部の温度が低下し易くなる。
そのため、本実施の形態の気相成長装置においては、支持部17が、熱伝導率が低い石英からなっている。一般に、支持部17の材料としては、熱伝達部材9から支持部17への熱の移動を抑制する断熱材料を用いることが望ましいと考えられる。本実施の形態の気相成長装置においては、使用温度および使用ガスに対する耐食性の観点からの制約を考慮すると、支持部17の材料としては、石英、サファイア、グラファイト、SiCコート、ポラロイパイロリティックボロンナイトライド(PBN)コートが施されたグラファイト、SiC、アルミナ等のセラミック材料、モリブデン、またはタングステン等が適している。このような材料のうち、最も熱伝導率が低い材料が石英である。なお、石英の熱伝導率は、他の部材の熱伝導率の1/10〜1/100以下である。
このような構成によれば、熱伝達部材9から支持部17へ移動する熱の量を低減することが可能になる。そのため、熱伝達部材9の外周部の温度の低下が防止され、熱伝達部材
9の温度分布は、その全面にわたって均一になる。
また、熱伝達部材9の中央部には、下方に向かって延びる筒状の突出部30が設けられている。また、突出部30の外周を囲むように、上端および下端のそれぞれに開口部を有するシールド部材35が設置されている。シールド部材35の一方端は、ベース板21に固定されている。シールド部材35内には、突出部30および熱電対25の先端部26のそれぞれが挿入されている。熱伝達部材9、シールド部材35、およびベース板21の熱膨張を考慮して、熱伝達部材9とシールド部材35とは、高温時においても、接触しないように、互いに距離を置いて設けられている。
上記構成によれば、シールド部材35が、突出部30を囲むため、突出部29から外部へ熱が逃げることが抑制される。その結果、熱伝達部材9の実際の温度と熱電対25の測定値との間の差が速く小さくなる。つまり、熱電対25の応答性が向上している。また、反応室2内のガスが熱電対25の先端部26に到達するまでの流路抵抗が増加する。そのため、反応室2内のガスが先端部26に接触することが抑制される。その結果、熱電対25の腐食が低減される。したがって、熱電対25の寿命を長くすることが可能になる。
また、シールド部材35は、光学的に透明な材料からなっている。これによれば、平面視において、突出部30がシールド部材35によって囲まれていても、基板ヒータ15が発した輻射熱が、シールド部材35によって遮断されることなく、熱伝達部材9へ到達する。そのため、熱伝達部材9の中心部の温度が他の部分に比較して低くなることが防止される。つまり、熱伝達部材9の温度分布の均一性の低下が抑制される。
さらに、シールド部材35を構成する光学的に透明な材料は、サファイアであることが望ましい。シールド部材35が耐熱性に優れたサファイアからなっていれば、1200℃程度の高温で気相成長が行なわれても、シールド部材35の変形および破損が生じることが抑制される。
次に、図3および図4を用いて、熱伝達部材9の構造を説明する。図3および図4においては、温度分布の均一性を向上させるために、熱伝達部材9のうち支持部17に接触する部分が複数の突起部27からなっている。つまり、熱伝達部材9の外周部には、複数個(たとえば、4個)の突起部27が設けられている。また、突起部27のみ支持部17と接触している。一般に、熱伝達部材9から回転伝達部材16へ移動する熱の量は、熱伝達部材9と支持部17との間の接触面積に比例する。そのため、上記構成によれば、熱伝達部材9から支持部17へ移動する熱の量をさらに低減することが可能になる。その結果、熱伝達部材9の外周部の温度の低下を抑制することができる。したがって、熱伝達部材9の温度分布の均一性をさらに向上させることができる。なお、突起部27の大きさは、熱伝達部材9の自重および支持部17の強度に応じて決定されている。
また、熱伝達部材9の中心部には、突出部30が取り付けられている。突出部30は、筒状の挿入部28を有している。挿入部28内には、熱電対25の先端部26が挿入されている。挿入部28は、平面視において、少なくとも熱電対25の先端部26を囲む深さを有している。これによれば、熱電対25の先端部26は、平面視において、突出部30に囲まれているため、先端部26の近傍の空間の熱が外部へ逃げ難い。したがって、先端部26の周辺の温度は、熱伝達部材9の温度に速く近づく。そのため、熱電対25によって得られる熱伝達部材9の温度の測定値が実際の熱伝達部材9の温度に近い値になる。その結果、気相成長装置の制御性が向上する。
また、突出部30は、熱伝達部材9に嵌め込まれる部材であって、かつ、熱伝達部材9から分離され得る別体の構造物である。したがって、突出部30には、円盤状のフランジ
31が形成され、熱伝達部材9には、フランジ31が嵌め込まれる座繰り穴部32および突出部30が貫通する貫通孔部33が設けられている。座繰り穴部32、貫通孔部33、フランジ31、および突出部30の大きさは、それぞれの熱膨張を考慮して決定されている。この構成によれば、突出部と熱伝達部材とが一体的に形成されている構成に比較して、突出部および熱伝達部材のそれぞれの特性に適した材料および製法を用いることが可能になる。また、熱伝達部材の量を低減することできる。そのため、より安価に熱伝達部材9を製造することが可能になる。
ただし、図5に示すように、独立した突出部30の代わりに、突出部29が熱伝達部材9の一部として成形された構造体が用いられてもよい。この場合、部品点数を削減することができるという利点がある。
また、図3〜図5に示す突出部30または29によれば、熱伝達部材9の厚さに関わらず、平面視において、熱電対25の先端部26の周囲をより確実に囲むことができる。
なお、熱伝達部材9は、図6〜図9に示すように、突出部が設けられていない形状を有していてもよい。この場合には、熱伝達部材9の厚さがある程度大きければ、熱電対25の先端部26は、穴として設けられた挿入部28内に挿入される。これによっても、先端部26を囲むことは可能である。また、熱伝達部材9の形状がよりシンプルになる。
次に、図10を用いて、熱伝達部材9の温度を測定する熱電対25を説明する。
図10に示すように、熱電対25は、先端部26と先端部26に接続された保護管37とを有している。保護管37内において延びる2本の熱電対素線36が先端部26接続されている。先端部26は、略円柱状の金属チップからなる。つまり、熱電対25の先端部26は、その端部に平坦部34を有しており、かつ、その側面部が円柱形状の周面になっている。平坦部34は、熱伝達部材9に極めて近い位置に設置される。
また、熱電対素線36は、1200℃という高温に耐え得るように、タングステン−レニウムからなっている。熱電対素線36の先端の金属チップにはタングステンが用いられている。保護管37の材料としては、アルミナ、石英、またはサファイアなどの高温耐性材料が採用されている。
上記構成によれば、先端部26が円柱状であるため、熱電対25の先端部26が球状である構成に比較して、熱伝達部材9と先端部26との間の距離を極力小さくしながら、先端部26の表面積を極力大きくすることが可能になる。そのため、熱電対25の応答性が向上する。その結果、気相成長装置の制御性が向上する。
図12は、熱電対25の温度が上昇するときの温度と時間との関係を示す。従来の気相成長装置によれば、熱電対25の温度を900℃から1090℃まで上昇させるために3.3分かかっており、熱電対25の温度の安定化時間が約2分である。一方、本実施の形態の気相成長装置によれば、熱電対25の温度を900℃から1090℃まで上昇させるために45秒かかっており、熱電対25の温度の安定化時間は約30秒である。図12から、本実施の形態の気相成長装置によれば、従来の気相成長装置に比較して、熱電対25の昇温時間および安定化時間の双方を大幅に短縮することができることが分かる。
なお、一般に、ヒータに与える電力量を増加させると、熱電対25の昇温速度は増加する。また、熱電対25の昇温速度が増加すると、微妙な温度の変化に対して熱電対25の温度が大きく変化する。そのため、熱電対25の温度が一定値で維持される状態になるまでの安定化時間は長くなる。つまり、昇温速度を増加させると、安定化時間は長くなる。
次に、図13は、熱電対25の温度が下降するときの温度と時間との関係を示す。本実施の形態の気相成長装置の降温特性および従来の気体成長装置の降温特性は、いずれも、熱電対指示温度1100℃から測定されており、それらの特性は、ヒータへ電力を供給するための電源をOFFした後の熱電対25の温度と時間との関係によって示されている。
基板を取出すことが可能な温度を150℃とした場合、従来の気相成長装置を用いれば、1090℃から150℃まで熱電対25の温度を低下させるために約43分間かかる。一方、本実施の形態の気成長装置を用いれば、1090℃から150℃まで熱電対25の温度を低下させるために約20分間かかる。つまり、本実施の形態の気相成長装置によれば、従来の気相成長装置に比べて、降温時間を大幅に短縮することが可能となる。
降温時間が短縮できる理由としては、次のことが考えられる。
従来の気相成長装置においては、図11に示すように、熱電対25は、円筒状の回転軸14内の空間に回転軸14が延びる方向に沿って挿入されており、隣接する回転軸14の内壁面によって囲まれており、回転軸14の外部のチャンバー1内の空間から隔離されている。また、サセプタの熱容量はかなり大きい。
一方、本実施の形態の気相成長装置においては、図1に示すように、熱電対25を回転軸14内に挿入する必要がなく、熱電対25の近傍にはかなり大きな空間が存在している。つまり、熱電対25は、チャンバー1内の空間に露出されている。また、サセプタ(熱伝達部材)の熱容量が小さい。
前述のような従来の気相成長装置および本実施の形態の気相成長装置のそれぞれの反応室2内に同一ガスが同一流量だけ供給された場合には、両者のサセプタ(サセプタ)の熱容量差に起因して、本実施の形態の気相成長装置の冷却効果は、従来の気相成長装置の冷却効果よりも高くなる。
また、チャンバー1内には、パージガスが供給されており、このパージガスも熱電対25の温度の低下に寄与する。従来の気相成長装置のように、熱電対25の極近傍に回転軸14の内壁が存在し、熱電対25が回転軸14の外部の空間から隔離されている状態では、パージガスによる冷却効果は小さい。一方、本実施の形態の気相成長装置のように、熱電対25がチャンバー1内の空間に露出されている場合には、パージガスによる冷却効果が高い。
以上のように、反応室2内のガスとチャンバー1内のパージガスとによる冷却効果は、本実施の形態の気相成長装置の方が従来の実施の形態の気相成長装置よりも高い。そのため、本実施の形態の熱電対25の降温速度と従来の気相成長装置の降温速度との間に図13に示すような差が生じている。
また、気相成長装置においては、形成される膜の種類毎に気相成長のために必要な温度が異なる。そのため、通常、気相成長の温度が安定してから、原料ガスをチャンバー1内へ供給し、気相成長を開始させる必要がある。したがって、気相成長のための温度の安定化までに長時間を要してしまうと、既に成長した膜の品質に悪影響を及ぼす恐れがある。そのため、昇温速度および降温速度の向上は、被処理基板上で形成される膜の品質を均一にするために大きく寄与する。
したがって、前述の本実施の形態の気相成長装置を用いて薄膜を形成する気相成長方法を実施することにより、被処理基板上に膜質が均一な薄膜を形成することが可能となるだけでなく、膜質を損なうことなく、スループットを向上させることが可能になる。その結果、気相成長装置の生産性を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、横型でありかつフェースアップ型である気相成長装置が説明されたが、本発明の気相成長装置は、それに限定されるものではなく、一般のフェースアップ型の気相成長装置およびフェースダウン型気相成長装置のいずれにも適用され得るものである。たとえば、本発明の気成長装置は、円形横型でありかつフェースダウン型である気相成長装置(たとえば、特開平9−226173号公報参照)などにも適用され得るものである。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
実施の形態の横型でありかつフェースアップ型である気相成長装置の縦断面模式図である。 図1において参照符号Aで示される部分の拡大断面図である。 実施の形態の気相成長装置の一例の熱伝達部材の斜視図である。 実施の形態の気相成長装置の一例の熱伝達部材の断面図である。 実施の形態の気相成長装置の他の例の熱伝達部材の断面図である。 実施の形態の気相成長装置のさらに他の例の熱伝達部材の斜視図である。 実施の形態の気相成長装置のさらに他の例の熱伝達部材の平面図である。 実施の形態の気相成長装置のさらに他の例の熱伝達部材の断面図である。 実施の形態の気相成長装置の別の例の熱伝達部材の斜視図ある。 実施の形態の気相成長装置の熱電対の先端部の拡大斜視図である。 従来の気相成長装置の断面図である。 熱電対の温度が上昇するときの温度と時間との関係を示す図である。 熱電対の温度が下降するときの温度と時間との関係を示す図である。
符号の説明
1 チャンバー、2 反応室、3 ガス供給口、4 ガス排出口、5 上流側流路構成部材、6 下流側流路構成部材、7 流路構成部材、8 中央流路構成部材、9 熱伝達部材、10 開口部、11 被処理基板、12 基板保持部材、13 サセプタ、14 回転軸、15 基板ヒータ、16 回転伝達部材、17 支持部、18 リフレクタ、19 ガス噴出部、20 排気口、21 ベース板、22 電力導入ロッド、23 非回転支持柱、24 支持棒、25 熱電対、26 先端部、27 突起部、28 挿入部、29,30 突出部、31 フランジ、32 座繰り穴部、33 貫通孔部、34 平坦部、35 シールド部材、36 熱電対素線、37 保護管。

Claims (13)

  1. 被処理基板を加熱するための基板ヒータと、
    前記基板ヒータが発した熱を前記被処理基板へ伝達するための熱伝達部材と、
    前記熱伝達部材を介して前記被処理基板へ回転力を伝達する回転伝達部材とを備え、
    前記熱伝達部材の外周部が前記回転伝達部材の支持部によって支持された、気相成長装置。
  2. 前記支持部が石英を含む、請求項1に記載の気相成長装置。
  3. 前記熱伝達部材は、外周部に突起部を有し、
    前記突起部が前記支持部によって支持された、請求項1に記載の気相成長装置。
  4. 前記熱伝達部材の中央部の極近傍に前記熱伝達部材の温度を測定する熱電対の先端部が設けられた、請求項1に記載の気相成長装置。
  5. 前記先端部は、円柱形状を有する、請求項4に記載の気相成長装置。
  6. 前記熱伝達部材は、前記先端部が挿入された挿入部を含む、請求項4に記載の気相成長装置。
  7. 前記先端部は、シールド部材内に挿入されている、請求項4に記載の気相成長装置。
  8. 前記挿入部は、前記先端部に沿って延びる突出部を有する、請求項6に記載の気相成長装置。
  9. 前記突出部は、前記熱伝達部材から分離され得る独立した構造体である、請求項8に記載の気相成長装置。
  10. 前記突出部は、シールド部材内に挿入されている、請求項8に記載の気相成長装置。
  11. 前記シールド部材は、光学的に透明な材料を含む、請求項10に記載の気相成長装置。
  12. 前記光学的に透明な材料は、サファイアである、請求項11に記載の気相成長装置。
  13. 前記請求項1〜12のいずれか1項に記載の気相成長装置を用いて所望の薄膜を形成する、気相成長方法。
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