JP2009231535A - 気相成長装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体ウェーハ表面にエピタキシャル膜を均一な膜厚分布で成膜することが可能な気相成長装置を提供する。
【解決手段】成膜室18のガス噴出口11の近傍には、半導体ウェーハ10の外周縁の外側を加熱する副加熱手段7が形成されている。この副加熱手段7は、例えばサセプタ9の周縁に対して所定の間隔を開けて、サセプタ9を取り巻くように配されたリング状の発熱媒体である。発熱媒体としては、例えば、電磁波を発生させるコイルと、このコイルの近傍に配された金属との組み合わせによる電磁誘導加熱、あるいは、ニクロム線などの抵抗加熱などであればよい。
【選択図】図1
【解決手段】成膜室18のガス噴出口11の近傍には、半導体ウェーハ10の外周縁の外側を加熱する副加熱手段7が形成されている。この副加熱手段7は、例えばサセプタ9の周縁に対して所定の間隔を開けて、サセプタ9を取り巻くように配されたリング状の発熱媒体である。発熱媒体としては、例えば、電磁波を発生させるコイルと、このコイルの近傍に配された金属との組み合わせによる電磁誘導加熱、あるいは、ニクロム線などの抵抗加熱などであればよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体ウェーハにエピタキシャル膜を成膜するための気相成長装置に関する。
半導体製造分野において、シリコンウェーハ基板上にエピタキシャル膜を成長させたエピタキシャルウェーハが従来から知られている。エピタキシャルウェーハは基板上に任意の厚さ、抵抗をもったエピタキシャル膜を形成でき、デバイス製作において障害となるgrow−in欠陥問題の解消もできる為、その使用範囲は広がっている。
また、半導体デバイスは年々、微細化の要求が高くなっており、それに伴い使用されるエピタキシャルウェーハの品質向上も求められている。エピタキシャル膜の抵抗率の均一性と、厚みの均一性は重要な要求事項である。特に、1枚のエピタキシャルウェーハで周縁部分まで有効に利用して、多数のデバイスを製作する場合、ウェーハの中心から周縁に至るまで全面に渡ってその品質を維持させることが重要であり、近年ではウェーハ周縁領域(ウェーハ側面より約3〜5mm)まで、抵抗率の均一性を含めた管理が必要となってきている。
このような、半導体ウェーハの表面に高品質なエピタキシャル膜を成長させる気相成長装置として、枚葉型の気相成長装置が知られている。枚葉型の気相成長装置は、耐熱性のチャンバー内に円盤状のサセプタを備えている。このサセプタに半導体ウェーハを載置し、ヒータなどの加熱手段によって半導体ウェーハを加熱させつつチャンバー内に各種原料ガスを流す。そして、半導体ウェーハと原料ガスとを反応させることによって、ウェーハ表面にエピタキシャル膜を成長させる。
従来、枚葉型の気相成長装置においては、サセプタに載置された半導体ウェーハを加熱する加熱手段として、サセプタの上側や下側に配置された赤外線による加熱ランプを備えている。しかしながら、このような加熱ランプによる加熱手段だけでは、チャンバー内温度よりも低温の反応ガスが流入する、半導体ウェーハの外周縁部が十分に加熱されず、半導体ウェーハの外周縁部と中央部とで、成膜したエピタキシャル膜の膜厚が不均一になってしまうことがあった。このため、上述した赤外線による加熱ランプなどの主加熱手段に加えて、半導体ウェーハを載置するサセプターの外周縁部に、反応ガスの予備加熱用に、加熱ランプにより輻射加熱される被加熱リングを設置したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上述した被加熱リングは、チャンバー外部の上部、または下部に配された加熱ランプにより輻射加熱される構造であるため、この被加熱リングに加熱ランプからのランプ光が十分に届かず、半導体ウェーハの外周縁部を十分に加熱できないという課題があった。また、チャンバーの上部および下部の壁面は透明石英部材を用いているが、反応ガスがこのチャンバーの壁面と反応を起こし、副生成物が透明石英部材の表面に付着し、ランプ光が十分に被加熱リングまで届かないこともある。
こうしたチャンバー内に流入する反応ガスの予備加熱の目的は、反応ガスの温度を上げて、ウェーハ面上でのガス温度を上げ、反応を促進させる為のものである。しかし、この反応ガスの予備加熱が十分に行われないと、熱膨張・熱拡散が十分に起こらず、エピタキシャル膜の膜厚分布の均一性に影響を与える。また、反応ガスは常温で導入されるため、反応ガスと接する入口の被加熱リングは温度低下を起こしやすい。このため、サセプターの外周縁部の外側において、チャンバー内に流入する反応ガスを効率的に昇温させ、半導体ウェーハの外周縁部の反応温度低下を確実に防止できる気相成長装置が望まれていた。
特開2003−142411号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、半導体ウェーハ表面にエピタキシャル膜を均一な膜厚分布で成膜することが可能な気相成長装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は次のような気相成長装置を提供した。
すなわち、本発明の気相成長装置は、半導体ウェーハの表面にエピタキシャル膜を成膜する気相成長装置であって、
前記半導体ウェーハを支持するサセプタと、前記サセプタの上側および/または下側に配され、前記半導体ウェーハ全体を加熱する主加熱手段と、前記半導体ウェーハの外周縁の外側を加熱する副加熱手段とを備えていることを特徴とする。
すなわち、本発明の気相成長装置は、半導体ウェーハの表面にエピタキシャル膜を成膜する気相成長装置であって、
前記半導体ウェーハを支持するサセプタと、前記サセプタの上側および/または下側に配され、前記半導体ウェーハ全体を加熱する主加熱手段と、前記半導体ウェーハの外周縁の外側を加熱する副加熱手段とを備えていることを特徴とする。
このような気相成長装置によれば、副加熱手段によって、半導体ウェーハの中心部分に比べて低い外周縁領域の温度を昇温させ、ウェーハ面内における処理温度の均一化を図ることができる。
半導体ウェーハの外周縁領域は、成膜室内の温度よりも大幅に低い反応ガスのガス噴出口に近いため、成膜時の温度が半導体ウェーハの中心領域と比較して低下しやすい。また、ハロゲンランプ等の加熱ランプの光線が中心部に比べて弱い等の影響で、半導体ウェーハの外周縁領域は成膜時の温度が半導体ウェーハの中心領域と比較して低下しやすい。
半導体ウェーハの外周縁領域は、成膜室内の温度よりも大幅に低い反応ガスのガス噴出口に近いため、成膜時の温度が半導体ウェーハの中心領域と比較して低下しやすい。また、ハロゲンランプ等の加熱ランプの光線が中心部に比べて弱い等の影響で、半導体ウェーハの外周縁領域は成膜時の温度が半導体ウェーハの中心領域と比較して低下しやすい。
しかし、副加熱手段によって半導体ウェーハの外周縁領域を加熱することにより、成膜中の半導体ウェーハの外周縁領域の温度低下を防止することができる。これによって、半導体ウェーハの中心から外縁までの全面にわたって、エピタキシャル膜の成膜温度を均一に保つことが可能になる。エピタキシャル膜を面内で均一の成膜温度に保って成膜すれば、均一な膜厚のエピタキシャル膜を備えた半導体ウェーハを得ることができる。
このように、副加熱手段によって半導体ウェーハの外周縁領域を加熱して、均一な膜厚のエピタキシャル膜を成膜した半導体ウェーハは、外周縁領域まで有効に利用して、多数のデバイスを製作することができる。例えば、外周縁より約3〜5mmの範囲の半導体ウェーハの周縁領域まで、デバイスを作り込むことが可能になり、半導体デバイスを効率的、かつ低コストに製造することができる。
前記副加熱手段は、前記サセプタの周縁に対して所定の間隔を開けて、前記サセプタを取り巻くように配されたリング状の発熱媒体であればよい。また、前記副加熱手段は、前記サセプタの周縁に設けられたリング状の発熱媒体であればよい。この発熱媒体は、前記サセプタの構成材料によって、その表面が覆われているのが好ましい。具体的には、前記副加熱手段は、サセプタ上に載置されたウェーハ外周縁部の温度低下を防止できるような加熱が可能とされていればよく、この際、副加熱手段のサセプタと反対側、つまり、前記副加熱手段の外側に対しては加熱効果が弱く、エピタキシャル炉の他の構成には過度な温度上昇等の悪影響を与えないものが望ましい。
サセプタの構成材料、例えば、炭素基材の表面にSiCコーティングを施したもので覆われていれば、副加熱手段が例えば金属などから構成されていても、エピタキシャル成膜工程中など副加熱手段の加熱中や、炉内の温度が上昇している際に、この副加熱手段からエピタキシャル炉内に金属等を放出することを押さえて、エピタキシャル膜を成膜する半導体ウェーハが揮発した金属などによって汚染されるといった不具合を防止することができる。
また、前記副加熱手段は、前記サセプタの周縁に対して所定の間隔を開けて、回動するサセプタに対して、前記サセプタを取り巻くように固定状態で配されたコイルと、回動する前記サセプタの周縁に一体的に回動するように設けられ、前記コイルで発生させた電磁波を受けて加熱される被加熱体とから構成されていれば良い。また、この被加熱体は、前記サセプタの構成材料によって、その表面が覆われているのが好ましい。
さらに、この際、電磁波によって加熱される被加熱体における温度上昇の比率を、載置するウェーハの面内方向位置によって変化するように被加熱体の材質を設定することも可能である。これにより、コイルから発生する電磁波を変化させることなく、載置されたウェーハ面内位置に対して加熱状態を分布させるように加熱をおこなうことが可能となる。具体的には、副加熱手段のコイルに一定の電力供給をおこなった際に、非加熱体においてはウェーハ径方向最外周位置が最も温度上昇が高くなる状態に設定し、そこからウェーハ径方向内側にむけて、温度上昇が低くなるように傾斜して設定することが可能である。
本発明の気相成長装置によれば、副加熱手段によって半導体ウェーハの外周縁領域を加熱することにより、成膜中の半導体ウェーハの外周縁領域の温度低下を防止することができる。これにより、半導体ウェーハの中心から外縁までの全面にわたって、エピタキシャル膜の成膜温度を均一に保つことが可能になり、均一な膜厚のエピタキシャル膜を備えた半導体ウェーハを得ることができる。よって、外周縁領域まで有効に利用して、多数のデバイスを製作することが可能なエピタキシャルウェーハ製造することができる。
以下、本発明に係る気相成長装置の最良の形態について、図面に基づき説明する。なお、本実施形態は発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の気相成長装置の概要を示す断面図である。気相成長装置20は、上ドーム8,および下ドーム6からなるチャンバー19を有する。この上ドーム8,下ドーム6によって、区画されたエピタキシャル膜の成膜室18を構成する。上ドーム8および下ドーム6は、その一部が透明な材料、例えば石英ガラス等から形成されていれば良い。
上ドーム8および下ドーム6の外側には、成膜室18内に収容されるウェーハ10を、上ドーム8および下ドーム6をそれぞれ介して加熱するための主加熱手段17a,17bが配される。この主加熱装置17a,17bは、例えば、ハロゲンランプなど熱線を照射するものであればよい。
成膜室18の中央付近には、ウェーハ10を載置するためのサセプタ9と、このサセプタ9を支持するシャフト12が設けられている。シャフト12は、下ドーム6を貫通して回転手段(図示せず)に連結され、サセプタ9を回転可能にする。サセプタ9は、エピタキシャル膜を成長させるウェーハ10を載置するウェーハ保持具であり、全体が例えば炭素基材の表面にSiCコーティングを施したものなどから形成されている。
チャンバー19の周面には、ガス供給口1が形成されている。また、このガス供給口1に対向する位置にガス排出口13が形成されている。ガス供給口1からは、例えば、SiHCl3などのSi含有ガスを水素ガスで希釈し、さらに必要に応じてドーパントガスを加えた反応ガスGが成膜室18の上部空間15内に供給される。
ガス供給口1には、反応ガスGを整流するバッフル2が形成される。反応ガスGは、ガス供給口1から整流路3を経て、上部ライナー4及び下部ライナー5の間の流路を通って、ガス噴出口11から成膜室18の上部空間15内に噴出される。そして、反応ガスGはウェーハ10の表面にエピタキシャル膜を成長させ、ガス排出口13から成膜室18の外に排出される。
成膜室18のガス噴出口11の近傍には、半導体ウェーハ10の外周縁の外側を加熱する副加熱手段7が形成されている。この副加熱手段7は、例えばサセプタ9の周縁に対して所定の間隔を開けて、サセプタ9を取り巻くように配されたリング状の発熱媒体である。発熱媒体としては、例えば、電磁波を発生させるコイルと、このコイルの近傍に配された金属との組み合わせによる電磁誘導加熱、あるいは、ニクロム線などの抵抗加熱などであればよい。
こうした副加熱手段7は、サセプタ9を加熱することにより、半導体ウェーハ10の外周縁領域の温度を昇温させるとともに、成膜室18内の温度よりも大幅に低い、例えば常温で成膜室18内に導入される反応ガスGの温度を昇温させる。半導体ウェーハ10の外周縁領域は、成膜室18内の温度よりも大幅に低い反応ガスGのガス噴出口11に近いため、成膜時の温度が半導体ウェーハ10の中心領域と比較して低下しやすい。
しかし、この副加熱手段7によって半導体ウェーハ10の外周縁領域を加熱することにより、成膜中の半導体ウェーハ10の外周縁領域の温度低下を防止することができる。これによって、半導体ウェーハ10の中心から外縁までの全面にわたって、エピタキシャル膜の成膜温度を均一に保つことが可能になる。エピタキシャル膜を面内で均一の成膜温度に保って成膜すれば、均一な膜厚のエピタキシャル膜を備えた半導体ウェーハ10を得ることができる。
このように、副加熱手段7によって半導体ウェーハ10の外周縁領域を加熱して、均一な膜厚のエピタキシャル膜を成膜した半導体ウェーハ10は、外周縁領域まで有効に利用して、多数のデバイスを製作することができる。例えば、外周縁より約3〜5mmの範囲の半導体ウェーハの周縁領域まで、デバイスを作り込むことが可能になり、半導体デバイスを効率的、かつ低コストに製造することができる。
反応ガス、および半導体ウェーハの外周縁領域を加熱するための副加熱手段としては、上述したような、サセプタ9の周縁に対して所定の間隔を開けて、サセプタ9を取り巻くように配されたリング状の発熱媒体に限定されない。例えば、図2に示す実施形態では、副加熱手段31として、半導体ウェーハ10を支持するサセプタ32の周縁にリング状の発熱媒体を形成している。
このようなサセプタ32に設けられた副加熱手段31は、電磁波を発生させるコイルと、このコイルの近傍に配された金属との組み合わせによる電磁誘導加熱、あるいは、ニクロム線などの抵抗加熱などであればよい。また、このサセプタ32に設けられた副加熱手段31は、サセプタ32を回転自在に支持する回転軸を介して給電されればよい。
副加熱手段31は、サセプタ32の構成材料によって、その表面が覆われているのが好ましい。例えば、副加熱手段31は、炭素基材の表面にSiCコーティングを施したもので覆われていれば良い。これによって、副加熱手段31が例えば金属などから構成されていても、エピタキシャル膜を成膜する半導体ウェーハ10が揮発した金属などによって汚染されるといった不具合を防止することができる。
このような、サセプタ32の周縁に形成した副加熱手段31によって、成膜室内に導入される反応ガスGの温度を昇温させるとともに、半導体ウェーハ10の外周縁領域の温度を昇温させ、半導体ウェーハ10の中心から外縁までの全面にわたって、エピタキシャル膜の成膜温度を均一に保つことが可能になる。これにより、均一な膜厚のエピタキシャル膜を備えた半導体ウェーハ10を得ることができる。
更に別な副加熱手段として、例えば、図3に示す実施形態では、サセプタ41の周縁に対して所定の間隔を開けて、サセプタ41を取り巻くように配されたコイル42と、サセプタ41の周縁に設けられ、コイル42で発生させた電磁波を受けて加熱される被加熱体43とからなる副加熱手段44であってもよい。
このような副加熱手段44は、コイル42によって発生させた電磁波Wが、例えば、金属からなる被加熱体43を電磁誘導加熱によって発熱させる。これによって、成膜室内に導入される反応ガスGの温度を昇温させるとともに、半導体ウェーハ10の外周縁領域の温度を昇温させる。
なお、副加熱手段44を成すコイル42や被加熱体43は、サセプタ41の構成材料によって、その表面が覆われているのが好ましい。例えば、コイル42や被加熱体43は、炭素基材の表面にSiCコーティングを施したもので覆われていれば良い。これによって、副加熱手段44が例えば金属などから構成されていても、エピタキシャル膜を成膜する半導体ウェーハ10が揮発した金属などによって汚染されるといった不具合を防止することができる。
このような副加熱手段44によって、成膜室内に導入される反応ガスGの温度を昇温させるとともに、半導体ウェーハ10の外周縁領域の温度を昇温させ、半導体ウェーハ10の中心から外縁までの全面にわたって、エピタキシャル膜の成膜温度を均一に保つことが可能になる。これにより、均一な膜厚のエピタキシャル膜を備えた半導体ウェーハ10を得ることができる。
本発明の気相成長装置の効果について検証した。まず、エピタキシャル膜の成膜時における、半導体ウェーハの中心から周縁までの温度を測定した。測定にあたって、ウェーハの中心を0mmとして、この中心から周縁に向かって150mmまでの範囲で、20mm刻み(最外周部分は10mm)で温度を測定した。
なお、成膜条件は以下の通りである。
水素流量 :30〜100(sml)
SiHCL3流量(水素希釈) :5〜20(sml)
成膜温度(設定温度):950〜1170℃
なお、成膜条件は以下の通りである。
水素流量 :30〜100(sml)
SiHCL3流量(水素希釈) :5〜20(sml)
成膜温度(設定温度):950〜1170℃
本発明の実施例としては、図1に示すような、副加熱手段を備えた気相成長装置を用いた。また、従来の比較例としては、図1に示す気相成長装置から副加熱手段を取り除いた気相成長装置を用いた。表1、および図4に、実施例と比較例における成膜時のウェーハの温度分布の測定結果を示す。
表1、および図4に示す結果によれば、中心から60mmの範囲までは、実施例、比較例とも成膜温度は同じであるものの、比較例においては、ウェーハの中心から80mmより外側では成膜温度が急激に低下しており、特に100mmよりも外側では、成膜温度が1000℃以下にまで低下する。一方、本発明の実施例では、副加熱手段によって、ウェーハの中心から80mmより外側でも成膜温度が下がることなく1100℃以上に維持されている。本発明の気相成長装置によれば、ウェーハの外周縁部でも成膜温度が下がることなく、ウェーハの面内でほぼ均一な高い成膜温度を保てることが確認された。
次に、本発明の気相成長装置によってエピタキシャル膜を成膜したエピタキシャルウェーハにおける、エピタキシャル膜の半導体ウェーハの中心から周縁までの膜厚分布を測定した。測定にあたって、ウェーハの中心を0mmとして、この中心から2方向の周縁に向かって、それぞれ100mm,−100mmまでの範囲で、10mm刻み(最外周部分は5mm,2mm)でエピタキシャル膜の膜厚を測定した。本発明の実施例としては、図1に示すような、副加熱手段を備えた気相成長装置によってエピタキシャル膜を成膜したエピタキシャルウェーハを用いた。また、従来の比較例としては、図1に示す気相成長装置から副加熱手段を取り除いた気相成長装置によってエピタキシャル膜を成膜したエピタキシャルウェーハを用いた。表2、および図5に、実施例と比較例におけるエピタキシャル膜を成膜分布の測定結果を示す。
表2、および図5に示す結果によれば、従来の比較例においては、ウェーハの中心から40mm付近に向かってエピタキシャル膜の膜厚が増加し、その後、ウェーハの中心から70mm付近を越えるとエピタキシャル膜の膜厚が急激に減少する。エピタキシャル膜の膜厚の最大値と最小値との差は、最大で0.3mmを越えるなど、ウェーハの面内でエピタキシャル膜の膜厚に大きなムラが生じていた。
一方、本発明の実施例では、ウェーハの中心から70mm付近を越えてもエピタキシャル膜の膜厚は大幅に低下することが無く、エピタキシャル膜の膜厚の最大値と最小値との差は、最大で0.1mm程度に抑えられている。本発明の気相成長装置によれば、ウェーハの面内で、中心から外周縁部に至るまで、均一な膜厚のエピタキシャル膜を成膜できることが確認された。
7 副加熱手段、9 サセプタ、10 半導体ウェーハ、17a,b 主加熱手段、20 気相成長装置。
Claims (6)
- 半導体ウェーハの表面にエピタキシャル膜を成膜する気相成長装置であって、
前記半導体ウェーハを支持するサセプタと、前記サセプタの上側および/または下側に配され、前記半導体ウェーハ全体を加熱する主加熱手段と、前記半導体ウェーハの外周縁の外側を加熱する副加熱手段とを備えていることを特徴とする気相成長装置。 - 前記副加熱手段は、前記サセプタの周縁に対して所定の間隔を開けて、前記サセプタを取り巻くように配されたリング状の発熱媒体であることを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
- 前記副加熱手段は、前記サセプタの周縁に設けられたリング状の発熱媒体であることを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
- 前記発熱媒体は、前記サセプタの構成材料によって、その表面が覆われていることを特徴とする請求項3に記載の気相成長装置。
- 前記副加熱手段は、前記サセプタの周縁に対して所定の間隔を開けて、前記サセプタを取り巻くように配されたコイルと、前記サセプタの周縁に設けられ、前記コイルで発生させた電磁波を受けて加熱される被加熱体とからなることを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
- 前記被加熱体は、前記サセプタの構成材料によって、その表面が覆われていることを特徴とする請求項5に記載の気相成長装置。
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JP2013533641A (ja) * | 2010-07-29 | 2013-08-22 | ローレンス アドヴァンスド セミコンダクター テクノロジーズ,エルエルシー | 基板処理装置およびシステム |
JP2014175664A (ja) * | 2013-03-11 | 2014-09-22 | Charm Engineering Co Ltd | 基板支持装置及びこれを備える基板処理装置 |
JP2018113443A (ja) * | 2017-01-10 | 2018-07-19 | アーエスエム・イーぺー・ホールディング・ベスローテン・フェンノートシャップ | 膜堆積プロセスの間の残留物蓄積を減少させるための反応器システムおよび方法 |
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