JPH0613122Y2 - パレットまたはコンテナ入庫装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、立体駐車場または立
体倉庫に使用するパレットまたはコンテナ入庫装置に関
するものである。

【０００２】

【従来技術とその問題点】たとえば、複数階の入庫棚に
自動車を入庫する立体駐車場では、普通、複数対のラッ
クレールによってパレットの入庫棚が構成され、自動車
がパレットに載せられ、パレットがラックレールに沿っ
て移動し、所定位置に入庫される。図３および図４は従
来のパレット入庫装置を示す。この装置はラックレール
１および台車２を有し、複数対のラックレール１によっ
てパレット３の入庫棚が構成されており、台車２は走行
レール４に支持され、ラックレール１は走行レール４の
両側に設けられている。そして、自動車５がパレット３
に載せられ、これが台車２に載せられ、台車２が走行レ
ール４に沿って走行し、自動車５およびパレット３が特
定のラックレール１の位置に送られる。また、台車２の
両側縁に一対のチェーン６Ａ、６Ｂが装備され、各チェ
ーン６Ａ、６Ｂにそれぞれドッグ７が設けられており、
自動車５およびパレット３の搬送後、一方のチェーン６
Ａによってドッグ７が駆動され、移動し、そのドッグ７
がパレット３の一端縁に係合し、パレット３がラックレ
ール１に押し込まれる。なお、他方のチェーン６Ｂはパ
レット３を引き出すためのものであり、パレット３がラ
ックレール１に押し込まれるとき、チェーン６Ｂは駆動
されず、そのドッグ７は所定位置で待機する。そして、
パレット３がラックレール１から引き出されるとき、他
方のチェーン６Ｂによってドッグ７が駆動され、移動
し、そのドッグ７がパレット３の一端縁に係合し、ドッ
グ７によってパレット３が引き出される。

【０００３】また、図５および図６に示すように、複数
個の支持ローラ８が各ラックレール１の長さ方向に配列
され、ラックレール１の上面から突出し、水平の支ピン
９がラックレール１に設けられ、各支持ローラ８が支ピ
ン９に装備され、回転可能に案内され、Ｃピン１０によ
って支ピン９が固定されている。さらに、パレット３の
下面に支持ローラ８の溝１１が形成されており、パレッ
ト３がラックレール１に押し込まれたとき、各支持ロー
ラ８がパレット３の溝１１に係合し、各支持ローラ８に
よってパレット３が支持される。また、パレット３の一
端縁に一対のガイドローラ１２Ａ、１２Ｂが配置され、
パレット３の他端縁に同様のガイドローラ１２Ａ、１２
Ｂが配置されており、ラックレール１の側面と対応する
位置において、パレット３に水平のブラケット１３が設
けられ、垂直の支ピン１４がブラケット１３に設けら
れ、各ガイドローラ１２Ａ、１２Ｂが支ピン１４に装備
され、回転可能に案内されている。したがって、パレッ
ト３の一端縁において、チェーン６Ａのドッグ７によっ
てパレット３が押し込まれたとき、パレット３の他端縁
において、そのガイドローラ１２Ａ、１２Ｂがラックレ
ール１の側面に係合し、ガイドローラ１２Ａ、１２Ｂに
よってパレット３が案内される。したがって、自動車５
およびパレット３をラックレール１に沿って移動させ、
所定位置に入庫することができる。

【０００４】しかしながら、従来はパレット３のガイド
ローラ１２Ａ、１２Ｂにともなう問題があった。これま
で、ガイドローラ１２Ａ、１２Ｂをブラケット１３の上
側に配置し、支ピン１４をブラケット１３の上方に突出
させ、ガイドローラ１２Ａ、１２Ｂを上方に突出する垂
直の支ピン１４に装備する。そして、支持ローラ８の水
平の支ピン９よりも上方の位置において、ガイドローラ
１２Ａ、１２Ｂをラックレール１の側面に係合させてい
たが、一方のチェーン６Ａのドッグ７がパレット３の一
端縁に係合し、そのドッグ７によってパレット３が押し
込まれると、その分力によってパレット３が斜行し、パ
レット３の他端縁において、チェーン６Ａの反対側のガ
イドローラ１２Ｂがラックレール１の側面に押し付けら
れる。したがって、その反力がガイドローラ１２Ｂ、支
ピン１４およびブラケット１３に伝達され、ガイドロー
ラ１２Ｂの上向きのモーメントとして作用し、図６にお
いて、支ピン１４がその下端のまわりを時計方向に湾曲
し、ガイドローラ１２Ｂがラックレール１に沿って上昇
する傾向がある。このため、ガイドローラ１２Ｂがラッ
クレール１の側面から離脱し、その上面に乗り上げるこ
とがあり、パレット３の溝１１の壁面が支持ローラ１１
の側面に接触することもあり、これによって摩擦抵抗が
増大し、騒音および研磨が生じるという問題があったも
のである。ガイドローラ１２Ｂの下方の位置において、
パレット３がラックレール１の側面に接触することもあ
る。パレット１３によってＣピン１０がはじかれ、脱落
することもある。支ピン９がラックレール１からはみ出
すこともある。

【０００５】なお、図７に示すように、支持ローラ８の
水平の支ピン９よりも下方の位置において、ガイドロー
ラ１２Ａ、１２Ｂをラックレール１の側面に係合させる
ことも考えられるが、ガイドローラ１２Ｂがラックレー
ル１の側面に押し付けられたとき、支ピン１４がその下
端のまわりを時計方向に湾曲し、ガイドローラ１２Ｂが
ラックレール１に沿って上昇するのは同様である。この
ため、ガイドローラ１２ＢがＣピン１０および支ピン９
に接触し、これによって摩擦抵抗が増大し、騒音が生
じ、ガイドローラ１２ＢによってＣピン１０が脱落し、
支ピン９がはみ出すおそれがある。

【０００６】また、この装置を立体倉庫のコンテナ入庫
装置として使用し、物品を載せたコンテナをラックレー
ル１に沿って移動させることもできるが、ガイドローラ
１２Ａ、１２Ｂにともなう問題があるのは同様である。

【０００７】

【考案の目的】したがって、この考案は、パレットまた
はコンテナをラックレールに沿って移動させ、所定位置
に入庫するパレットまたはコンテナ入庫装置において、
前記従来の問題が生じず、パレットまたはコンテナが的
確に案内され、移動するようにすることを目的としてな
されたものである。

【０００８】

【考案の構成】この考案によれば、複数個の支持ローラ
がラックレールの上面から突出し、支持ローラによって
パレットまたはコンテナが支持される。さらに、ラック
レールの側面と対応する位置において、パレットまたは
コンテナに水平のブラケットが設けられ、ガイドローラ
がブラケットの下側に配置され、垂直の支ピンがブラケ
ットの下方に突出し、ガイドローラが下方に突出する垂
直の支ピンに装備される。そして、支持ローラの水平の
支ピンよりも下方の位置において、ガイドローラがラッ
クレールの側面に係合する。

【０００９】

【実施例の説明】

以下、この考案の実施例を説明する。図１および図２は
この考案の実施例を示す。この装置は立体駐車場のパレ
ット入庫装置であり、図３の装置と同様のラックレール
１によってパレット３の入庫棚が構成されており、自動
車５およびパレット３が台車２に載せられ、台車２によ
ってパレット３が送られる。その後、チェーン６Ａのド
ッグ７によってパレット３が押し込まれ、自動車５およ
びパレット３がラックレール１に沿って移動し、所定位
置に入庫される。

【００１０】さらに、図５、図６および図７の装置と同
様の支持ローラ８が各ラックレール１の長さ方向に配列
され、ラックレール１の上面から突出し、支ピン９に装
備されており、各支持ローラ８によってパレット３が支
持される。また、図５、図６および図７の装置と同様の
ガイドローラ１２Ａ、１２Ｂがパレット３の一端縁およ
び他端縁に配置され、ラックレール１の側面と対応する
位置において、パレット３に水平のブラケット１３が設
けられ、垂直の支ピン１４がブラケット１３に設けら
れ、各ガイドローラ１２Ａ、１２Ｂが支ピン１４に装備
され、回転可能に案内されており、パレット３の一端縁
において、チェーン６Ａのドッグ７によってパレット３
が押し込まれたとき、パレット３の他端縁において、そ
のガイドローラ１２Ａ、１２Ｂがラックレール１の側面
に係合し、ガイドローラ１２Ａ、１２Ｂによってパレッ
ト３が案内される。

【００１１】しかしながら、図５、図６および図７の装
置と異なり、ガイドローラ１２Ａ、１２Ｂはブラケット
１３の上側ではなく、下側に配置されており、垂直の支
ピン１４がブラケット１３の下方に突出し、ガイドロー
ラ１２Ａ、１２Ｂは下方に突出する垂直の支ピン１４に
装備されている。そして、支持ローラ８の支ピン９より
も下方の位置において、ガイドローラ１２Ａ、１２Ｂが
ラックレール１の側面に係合する。

【００１２】したがって、この装置において、一方のチ
ェーン６Ａのドッグ７がパレット３の一端縁に係合し、
そのドッグ７によってパレット３が押し込まれたとき、
パレット３の他端縁において、チェーン６Ａの反対側の
ガイドローラ１２Ｂがラックレール１の側面に押し付け
られ、その反力がガイドローラ１２Ｂ、支ピン１４およ
びブラケット１３に伝達されても、それはガイドローラ
１２Ｂの上向きのモーメントではなく、下向きのモーメ
ントとして作用するだけである。したがって、支ピン１
４がその上端のまわりを反時計方向に湾曲し、ガイドロ
ーラ１２Ｂがラックレール１に沿って下降することはあ
っても、ガイドローラ１２Ｂが上昇することはない。し
たがって、ガイドローラ１２ＢはＣピン１０および支ピ
ン９に接触せず、摩擦抵抗は増大せず、騒音は生じな
い。Ｃピン１０が脱落するおそれもなく、支ピン９がは
み出すおそれもない。ガイドローラ１２Ｂがラックレー
ル１の側面から離脱することもなく、パレット３を的確
に案内することができる。

【００１３】立体駐車場のパレット入庫装置に限らず、
この装置を立体倉庫のコンテナ入庫装置として使用し、
物品を載せたコンテナをラックレール１に沿って移動さ
せ、所定位置に入庫することもできる。

【００１４】

【考案の効果】以上説明したように、この考案によれ
ば、ガイドローラ１２ＢがＣピン１０および支ピン９に
接触せず、摩擦抵抗は増大せず、騒音は生じない。Ｃピ
ン１０が脱落するおそれもなく、支ピン９がはみ出すお
それもない。ガイドローラ１２Ｂがラックレール１の側
面から離脱することもなく、パレット３を的確に案内す
ることができ、所期の目的を達成することができるもの
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示す斜視図である。

【図２】図１のパレットとラックレールの断面図であ
る。

【図３】従来の自動車入庫装置の平面図である。

【図４】図３の台車とパレットの側面図である。

【図５】図３のパレットとガイドローラの斜視図であ
る。

【図６】図３のパレットとラックレールの断面図であ
る。

【図７】図６のパレットとは異なる構成のパレットを示
す断面図である。

【符号の説明】

１ ラックレール ５ パレット ６ ブラケット ８ 支持ローラ ９ 水平の支ピン １２Ａ、１２Ｂ ガイドローラ １３ ブラケット １４ 垂直の支ピン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数対のラックレールによってパレット
   またはコンテナの入庫棚を構成し、前記各ラックレール
   の長さ方向に配列した複数個の支持ローラを前記ラック
   レールの上面から突出させ、前記各支持ローラを前記ラ
   ックレールに設けた水平の支ピンに回転可能に装備し、
   前記支持ローラによって前記パレットまたはコンテナを
   支持するとともに、前記ラックレールの側面と対応する
   位置で前記パレットまたはコンテナに水平のブラケット
   を設け、前記ラックレールの側面に係合させるガイドロ
   ーラを前記ブラケットに設けた垂直の支ピンに回転可能
   に装備し、前記ガイドローラによって前記パレットまた
   はコンテナを案内し、前記パレットまたはコンテナを前
   記ラックレールに沿って移動させ、所定位置に入庫する
   ようにした装置において、前記ガイドローラを前記ブラ
   ケットの下側に配置し、前記垂直の支ピンを前記ブラケ
   ットの下方に突出させ、前記ガイドローラを前記下方に
   突出する垂直の支ピンに装備し、前記支持ローラの水平
   の支ピンよりも下方の位置で前記ガイドローラを前記ラ
   ックレールの側面に係合させたことを特徴とするパレッ
   トまたはコンテナ入庫装置。