JPS6119126Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、直方体状定形物品を棚小間に安定し
て格納することができ、かつ、搬出の際には容易
に取出すことができる直方体状定形物品格納装置
の改良に関するものである。

従来、この種の定形物品格納装置においては、
棚小間等に定置された定形物品は搬出入時に生ず
る衝撃や地震等により、間口面側へ滑出すことが
あり、その滑り出し量が或る程度大きい場合に
は、搬送機による定形物品の掴持が円滑に遂行さ
れえないことがあつた。

本考案はこのような欠点を除去した直方体状定
形物品格納装置の改良に係り、上下水平方向に亘
り多数の棚小間が設けられた立体棚の間口面に沿
い形成された通路に直方体状定形物品搬送機を配
設した定形物品格納装置において、直方体状定形
物品の両下側縁近傍を支持するＬ型横断面形状の
受部材が棚鉛直部材に上下方向へ亘り所要間隔毎
に取付けられて前記各棚小間が構成され、前記受
部材は、前記直方体状定形物品の下側縁近傍の下
面を支持する支持部片と、同支持部片の外側縁に
直角上方に立上つて前記定形物品の側面を案内す
るガイド部片とよりなり、前記支持部片の上方に
前記直方体状定形物品の高さに略相当する間隔を
存して前記受部材の後部より該支持部片と略平行
に前方へ指向した係止部片を備え、該係止部片の
前端下面に前記直方体状定形物品の前方上端縁と
弾性変形により係脱自在に係合しうる係止段部
と、これより前方に向つて斜上方に傾斜した傾斜
面とが形成され、前記受部材はプラスチツクで一
体成形されたことを特徴とするもので、その目的
とする処は、直方体状定形物品を安定して確実に
格納できるとともに、搬出の際には容易に取出す
ことができる安価な直方体状定形物品格納装置を
供する点にある。

本考案は実用新案登録請求の範囲に記載された
ように構成されているため、所要の棚小間に格納
されて前記受部材の支持部片とガイド部片とに支
持された定形物品は、直方体状定形物品の前方上
端縁が係止部片の係止段部に係止されているの
で、搬送機の走行、定形物品の搬出入の際に生ず
る衝撃や振動または地震等によつて、前記直方体
状定形物品が位置を変えようとしても、前記支持
部片とガイド部片と係止部片とで同定形物品は立
体棚の一定の位置に確固と固定され、定形物品の
落下が防止される。

しかも本考案においては、前記直方体状定形物
品の搬出の際には、搬送機に装着された係止解除
部材が前記係止部片の前方傾斜面に接触し、同係
止解除部材の前進に対応して同係止部片が上方へ
押圧げられ、同係止部片による前記定形物品の係
止が解除される。この状態で前記搬送機による定
形物品の取出しが円滑に行われる。

さらに本考案では、係止部片は支持部片の上方
に位置し受部材の後部より支持部片と略平行に前
方へ指向しているため、定形物品の上面を押える
ように係止し小さな係止段部で確実に係合した状
態を保持でき、確実に定形物品を格納することが
できる。

また本考案では、直方体状定形物品に比べて巾
の狭に受部材をプラスチツクで一体に成形したた
め、比較的小さな成形装置により簡単に寸法精度
が正確にかつ安価に受部材を生産することができ
る。

さらに本考案においては、係止部片を一体に備
えたプラスチツク製の受部材を棚鉛直部材に直接
取付けるだけでよいため、立体棚を頗る容易に能
率よく安くする製造することができる。

以下第１図ないし第６図に図示された本考案の
一実施例について説明すると、１は上下左右方向
に沿う鉛直面に亘りカセツト式磁気テープの如き
偏平な直方体状定形物品１４を格納しうる多数の
棚小間２よりなる棚小間群を２個背中合せに配設
した１連の立体棚で、同立体棚１の棚小間２は、
第６図に図示するように、中空棚支柱３の側面に
上下方向に亘り一定間隔毎に水平部片４を棚小間
２の中央に向けて切起し、この水平部片４にＬ型
横断面形状の受部材５の支持部片６の下方嵌合部
７を嵌装することによつて、構成される。

また受部材５は、直方体状定形物品１４の下側
縁１５近傍の下面を支持する支持部片６と、同支
持部片６の外側縁に直角上方に立上つて定形物品
１４の側面を案内するガイド部片８と、支持部片
６の後端に直角上方に定形物品１４の高さに略相
当する高さに立上つた立上り部片９と、同立上り
部片９より支持部片６と略平行に前方へ指向した
係止部片１０とよりなり、係止部片１０の前端下
面には、前記直方体状定形物品１４の前方上端縁
１６と係脱自在に係合しうる係止段部１１と、こ
の係止段部１１より前方に向つて斜上方に傾斜し
た傾斜面１２とが形成され、受部材５はプラスチ
ツクで一体成形されており、定形物品１４が棚間
口面１３から後方へ向つて移動すると、係止部片
１０の傾斜面１２に定形物品１４の後方上端縁１
７が接し、定形物品１４の後方上端縁１７の後方
移動に伴つて係止部片１０の係止段部１１が上方
へ押圧げられ、定形物品１４が立上り部片９に接
した時、定形物品１４の前方上端縁１６が係止部
片１０の係止段部１１に係止されるようになつて
いる。

また棚小間２と略同様に形成された受渡しステ
ーシヨン１８（その具体的構造は棚小間２と同様
に定形物品１４を収納しうるので省略）が前記格
納棚１のいずれか一方の側部に配設されている。

さらに前記格納棚１の間口面１３および前記受
渡しステーシヨン１８の間口面１９に亘り搬送機
２０がそれぞれ１台ずつ計２台設けられ、同搬送
機２０は上下のガイドレール２１および走行レー
ル２２に支持されながら走行モータ２３で駆動さ
れる走行車輪２４により自由に自走しうるように
なつている。

さらにまた搬送機２０のマスト２５に昇降自在
に設けられた昇降テーブル２６は、マスト２５の
上下両端に枢支されているスプロケツト２７，２
８に架渡されたチエン２９に結着され、上方スプ
ロケツト２７は昇降モータ３０に連結されてお
り、昇降モータ３０の駆動で昇降テーブル２６は
上下に昇降されるようになつている。

さらにまた第１図ないし第６図に図示されるよ
うに、昇降テーブル２６に定形物品掴持装置３１
（以下、単に掴持装置と称す）が設けられ、同掴
持装置３１は下記のように構成されている。

即ち昇降テーブル２６には、前記間口面１３，
１９に対して直角方向に１対のガイドレール３２
が配設され、同ガイドレール３２にガイドローラ
３３を介して前後に移動自在に移動台車３４が装
架されている。

また前後に枢支された１対のチエンホイール３
５にチエン３６が架渡され、該１対のチエンホイ
ール３５の一方に図示されない前後進モータが連
結され、移動台車３４に突起３８が一体に突設さ
れており、前記チエン３６の両端は前記突起３８
に固着されている。

さらに前記移動台車３４より上方へ一体に左右
１対の支持片３９が突設され、さらに前記左右１
対の支持片３９に係止解除部材４０がそれぞれ一
体に固着されている。

そして昇降テーブル２６の前方両側にアングル
状の定形物品案内支持部材４１が配設されてい
る。

掴持部分は前記移動台車３４より上方へ一体に
左右一対の支持片３７が突設され、同支持片３７
に軸４２を介して板状の掴持アーム４３が上下に
開閉自在に枢支され、同掴持アーム４３の先端に
掴持片４４が付設され、同掴持片４４より軸４２
に寄り隣接して突片４５が一体に突設され、同突
片４５に案内ローラ４６が枢着されている。

さらにまた掴持アーム４３の基部にピン４７に
て一端を枢支された１対のリンク４８の他端が、
ピン４９を介してイコライザー５０に枢着され、
同イコライザー５０の中央を直角に貫通してロツ
ド５１が遊嵌され、同ロツド５１の基端は移動台
車３４と一体のソレノイド５２の可動片５３に連
結されている。

またソレノイド５２内には可動片５３が常時突
出するようにコルスプリング（図示されず）が内
装されるとともに、可動片５３の先端と固着され
たストツパ（図示されず）とイコライザ５０とに
図示されない定圧コイルスプリングが介装されて
おり、ソレノイド非動作状態では、定圧コイルス
プリングのばね力で、定形物品１４を掴持する掴
持片４４に一定の掴持力が付加されるようになつ
ている。

第１図ないし第６図に図示の実施例は前記した
ように構成されているので、搬送機２０による荷
取出し動作は、次のように行われる。取出し指令
が発せられると、搬送機２０が目的棚小間２また
は受渡しステーシヨン１８に向つて自走するとと
もに、昇降テーブル２６が昇降し同昇降テーブル
２６が目的の棚小間２または受渡しステーシヨン
１８の正面に相対してから、図示されない前後進
モータが正転し、移動台車３４が棚小間２または
受渡しステーシヨン１８の間口面１９に向つて移
動し、その際、第５図に図示されるように前記係
止解除部材４０の先端上部が係止部片１０の前端
傾斜面１２に接し、係止部片１０が上方へ傾動し
て、係止段部１１が定形物品１４の前方上端縁１
６より外されて、掴持装置により掴持され、所定
時間経過後、図示されない前後進モータが逆転さ
れ、移動台車３４が後退され、かくして定形物品
１４は棚小間２または受渡しステーシヨン１８よ
り取出される。

またこのように目的の棚小間２または受渡しス
テーシヨン１８より取出された定形物品１４を受
渡しステーシヨン１８または棚小間２に戻す動作
は、次のように行われる。

即ち押込み指令が発せられると、押込みの条件
がそろえば、掴持装置３１は非動作状態となり、
定形物品１４は案内支持部材４１に支持される。
この状態で図示されない前後進モータが正転さ
れ、移動台車３４が棚小間２または受渡しステー
シヨン１８に向つて前進されるが、定形物品１４
は案内支持部材４１に案内支持されながら、目的
の棚小間２または受渡しステーシヨン１８に向つ
て進み、定形物品１４の後方上端縁１７が係止部
片１０の傾斜面１２に沿い係止段部１１を押上げ
て受け部材５に納まり、定形物品１４の前方上端
縁１６が係止部片１０の係止段部１１に接して係
止される。所定時間経過後、図示されない前後進
モータが逆転されて移動台車が当初の位置に戻
り、定形物品１４を戻す動作は完了する。

このように第１図ないし第６図に図示の実施例
では目的の棚小間２または受渡しステーシヨン１
８へ押込む場合に、支持部片６の先端傾斜面１２
斜上方へ傾斜しているため、昇降テーブル２６の
左右停止位置が不正確であつても、定形物品１４
はこの支持部片６およびガイド部片８に案内され
て確実に収納される。

前記実施例によれば、収納棚１の製作精度や目
的の棚小間２あるいは受渡しステーシヨン１８へ
の昇降テーブル２６の停止精度を不必要に高く設
定する必要がないため、これらのコストを大巾に
低下させることができる。

さらに前記実施例によれば、同一寸法の受部材
５をプラスチツク成形で大量生産することがで
き、しかも成形された受部材５を中空棚支柱３に
取りつける構造となつているので、棚支柱、棚
受、棚板等によりなる普通の格納棚に比べて構造
が頗る簡単となつて生産コストが著しく安くな
る。

また前記実施例においては定形物品１４が棚小
間２または受渡しステーシヨン１８に収納された
場合には、係止部片１０の弾性および自重により
係止段部１１が定形物品１４の前方上端縁１６に
係合されているので、搬送機２０による棚小間２
または受渡しステーシヨン１８への定形物品１４
の搬出入に伴う衝撃等を受けても、同定形物品１
４の脱落が阻止される。

さらに棚小間２または受渡しステーシヨン１８
より定形物品１４を搬出する際に、移動台車３４
の前進に対応して係止解除部材４０により係止部
片１０の前端は上方へ押圧げられ、係止段部１１
による定形物品１４の係止が自動的に解除され
る。

第７図ないし第８図に図示するように、棚支柱
３に矩形係合孔５４とその下方に円形嵌合孔５５
を設け、第６図に図示された受部材５と略同様に
形成された受部材５６のガイド部片５８の外側部
に鍵状係合部片５９と円形割れ嵌合段部片６０と
を突設し、鍵状係合部片５９を矩形係合孔５４に
嵌合し、下方へずらした後、円形先割れ嵌合段部
片６０を円形嵌合孔５５に強く押込んで嵌合させ
るようにしてもよく、このような実施例において
は定形物品１４の搬出入時の衝撃によつても棚支
柱３より離れて脱落する惧れが全くない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る定形物品の格納装置の一
実施例を図示した平面図、第２図はその正面図、
第３図は同実施例の定形物品掴持装置が格納され
た定形物品に相対した状態における要部拡大側面
図、第４図はその平面図、第５図は定形物品搬出
動作を図示した要部拡大説明図、第６図は棚小間
の要部拡大分解斜視図、第７図は他の実施例にお
ける棚小間の要部拡大分解斜視図、第８図は第７
図に図示の実施例の縦断正面図である。 １……立体棚、２……棚小間、３……中空棚支
柱、４……水平部片、５……受部材、６……支持
部片、７……嵌合部、８……ガイド部片、９……
立上り部片、１０……係止部片、１１……係止段
部、１２……傾斜面、１３……棚間口面、１４…
…定形物品、１５……下側縁、１６……前方上端
縁、１７……後方上端縁、１８……受渡しステー
シヨン、１９……間口面、２０……搬送機、２１
……ガイドレール、２２……走行レール、２３…
…走行モータ、２４……走行車輪、２５……マス
ト、２６……昇降テーブル、２７，２８……スプ
ロケツト、２９……チエン、３０……昇降モー
タ、３１……定形物品掴持装置、３２……ガイド
レール、３３……ガイドローラ、３４……移動台
車、３５……チエンホイール、３６……チエン、
３７……支持片、３８……突起、３９……支持
片、４０……係止解除部材、４１……定形物品案
内支持部材、４２……軸、４３……掴持アーム、
４４……掴持片、４５……突片、４６……案内ロ
ーラ、４７……ピン、４８……リンク、４９……
ピン、５０……イコライザー、５１……ロツド、
５２……ソレノイド、５３……可動片、５４……
矩形係合孔、５５……円形嵌合孔、５６……受部
材、５７……支持部片、５８……ガイド部片、５
９……鍵状係合部片、６０……円形先割れ嵌合段
部片、６１……立上り部片、６２……係止部片、
６３……係止段部、６４……傾斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下水平方向に亘り多数の棚小間に設けられた
   立体棚の間口面に沿い形成された通路に直方体状
   定形物品搬送機を配設した定形物品格納装置にお
   いて、直方体状定形物品の両下側縁近傍を支持す
   るＬ型横断面形状の受部材が棚鉛直部材に上下方
   向へ亘り所要間隔毎に取付けられて、前記各棚小
   間が構成され、前記受部材は、前記直方体状定形
   物品の下側縁近傍の下面を支持する支持部片と、
   同支持部片の外側縁に直角上方に立上つて前記定
   形物品の側面を案内するガイド部片とよりなり、
   前記支持部片の上方に前記直方体状定形物品の高
   さに略相当する間隔を存して前記受部材の後部よ
   り該支持部片と略平行に前方へ指向した係止部片
   を備え、該係止部片の前端下面に前記直方体状定
   形物品の前方上端縁と弾性変形により係脱自在に
   係合しうる係止段部と、これより前方に向つて斜
   上方に傾斜した傾斜面とが形成され、前記受部材
   はプラスチツクで一体成形されたことを特徴とす
   る直方体状定形物品格納装置。