JPH0218003Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、多数種の物品を種類ごとに収納し
得、そして収納状態で水平方向（横方向）に回転
移動させて、物品のオーダピツキングを行うとき
などに採用される回転式棚設備に関するものであ
る。

従来の技術 従来では、たとえば実開昭58−71011号公報に
見られるように、一対のスプロケツトを水平方向
（横方向）に適当間隔を置いて配設し、これらス
プロケツト間にチエンを巻回し、このチエンに複
数の台車を取付け、これら台車を支持案内する無
端状の軌道をチエンに沿つて配設することにより
構成していた。この従来形式によると、制御装置
を操作して台車群を移動させ、目的とする物品を
収納してなる台車を制御装置の近くに停止させ、
そして作業者がオーダに基づいて台車から物品を
取出すことによつて所期のオーダピツキング作業
を行つていた。また台車群への物品の補充（収
納）は、物品を載置してなる搬送台車を制御装置
の近くに停止させ、そして搬送台車上の物品を台
車上に移し替えることにより行つていた。

考案が解決しようとする問題点 上記のような従来形式によると、物品の補充は
移し替えにより行うことから、容易にかつ迅速に
行えず、また移し替えの間は所期のオーダピツキ
ングが行えないことになる。これに対しては、た
とえば特開昭52−31472号公報に見られるように、
台車上に走行自在なパレツトを乗り移つらせる形
式が考えられるが、このような台車を無端経路上
で間欠的に移動させたときにはパレツト側のガタ
付きが激しく、騒音の発生とともに物品の損傷や
脱落を招くことになる。

本考案の目的とするところは、オーダピツキン
グ作業に使用する際に物品の補充を迅速に行える
だけでなく、仕分け作業や台車整理などに有効に
採用し得、しかも所定の位置にガタ付くことなく
位置決めし得る回転式棚設備を提供する点にあ
る。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために本考案における回転
式棚設備は、平面視で無端状のレールと、このレ
ールに案内され無端経路上で移動自在な多数の枠
台車と、これら枠台車を一体的に正逆移動させる
駆動装置とにより回転式棚を構成し、前記枠台車
の支持面上で無端経路方向の中央部に、無端経路
方向とは直交方向に長く、かつ外端を外広がり面
に形成したガイド部を設け、前記枠台車の支持面
上に乗り移り自在な棚台車を設け、この棚台車の
後部側に前記ガイド部に案内される被ガイド体を
乗設するとともに、前部側には前記外広がり面で
受け止められる位置決め体を垂設し、両台車の前
部間に係脱自在なロツク装置を設けている。

作 用 かかる本考案の構成によると、ロツク装置を解
除することにより、枠台車の支持面上から棚台車
を引き出し状に降ろし得る。また空の枠台車に対
して別の棚台車を押し込み状に移らせたとき、ま
ず被ガイド体がガイド部に案内されて棚台車の横
方向のフラ付きが防止され、そして位置決め体が
外広がり面間で受け止められることによつて、押
込み量が規制されるとともに位置決めされる。そ
の後にロツク装置を作動させることにより、この
棚台車を枠台車と一体化して回転移動させ得る。

実施例 以下に本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。１は回転式棚で、無端長円状に配設したロ
ツド状の下部レール２と、同様に配設した下向き
チヤンネル状の上部レール３と、前記下部レール
２に車輪４を介して支持案内され、かつ前記上部
レール３にローラ５を介して嵌合案内される複数
の枠台車６と、両レール２，３の内側において、
円弧中心近くに配設した上下方向の駆動軸７、な
らびに従動軸８と、駆動軸７に取付けた駆動輪体
９、ならびに従動軸８に取付けた従動輪体１０
と、両輪体９，１０間に巻回され、かつ枠台車６
の適所に連結した無端回動体１１と、前記駆動軸
７に連動連結した正逆駆動自在なモータ１２とか
らなり、上記７〜１２が枠台車６群を無端経路１
３上で一体的に正逆移動させる駆動装置１４の一
例となる。前記枠台車６は側面視Ｌ形であつて、
その横枠部上面である支持面１５が床面１６と面
一になるように、回転式棚１はピツト１７内に設
置してある。前記支持面１５において、無端経路
１３の方向の中央部には所定間隔を置いて一対の
ガイド板（ガイド部の一例）１８が突設され、こ
れらガイド板１８は無端経路方向とは直交方向に
長く、かつ外端は外広がり面となるラツパ状の湾
曲面１８ａに形成してある。１９は前記枠台車６
の支持面１５上に乗り移動自在な棚台車で、下面
四隔に車輪２０を取付けた下部棚２１と、この下
部棚２１の両側から連設した左右一対の側枠２２
と、同様に後部から連設した後枠２３と、これら
側枠２２と後枠２３とに亘つて離脱自在に取付け
た上下一対（なお上下の数は任意である）の中間
棚２４などから、前面ならびに上面を開放して構
成される。前記下部棚２１の下面で後部側には前
記ガイド板１８に案内される案内ピン（被ガイド
体の一例）２５が垂設され、また前部側には前記
湾曲面１８ａ間で受け止められる位置決めピン
（位置決め体の一例）２６が垂設される。また下
部棚２１の前縁には、筒部材２７に案内されて昇
降自在な受動ピン２８が配設され、この受動ピン
２８「形の長孔２９や係止ピン３０を介して上昇
位置を維持し得る。さらに受動ピン２８を下降さ
せて、床側に設けたチエン式の駆動装置（図示せ
ず）に係合させることにより、棚台車１９は別の
一定経路において走行自在となる。前記枠台車６
の前端中央部には筒体３１が立設され、この筒体
３１に対して受動ピン２８を嵌脱自在とし、以つ
て筒体３１と受動ピン２８とによりロツク装置３
２を構成する。

上記実施例においては、オーダピツキング用
棚、仕分け作業用棚、台車整理用棚として使用し
得る。

すなわちオーダピツキング用として使用すると
きには、制御装置を操作して回転式棚１を回転さ
せる。これにより枠台車６群は無端経路１３上を
一体的に正逆回転し、第３図実線に示すようにロ
ツク動しているロツク装置３２を介して棚台車１
９も一体的に回転させる。その際に案内ピン２５
が両ガイド板１８間に嵌合し、かつ位置決めピン
２６が両湾曲面１８ａに受け止められており、さ
らに前述したロツク動とによつて、回転時に棚台
車１９がガタ付いたり前方に飛び出すことはな
い。前述した回転は、無端経路１３の箇所外方に
形成した出庫部３３に、目的とする物品を収納し
てなとし、この空家対向させて停止される。次い
で作業者がオーダに基づいて目的とする物品を取
出す。このような作業の繰り返しにより所期のオ
ーダピツキングを行う。或る棚台車１９におい
て、収納している物品が少なくなつたり全くなく
なつたとき、この棚台車を出庫部３３に対向させ
る。そして先ずロツク装置３２を第３図仮想線に
示すように解除動させ、次いで棚台車１９を手前
に引き出す。これにより棚台車１９は枠台車６上
から床面１６上へと引き出される。空になつた枠
台車６は入庫部３４に対向される。そして物品を
収納してなる別の棚台車６上に押し込まれる。こ
の押し込みに際して、まず案内ピン２５が両ガイ
ド板１８に案内されて棚台車１９の横方向のフラ
付きが防止され、そして位置決めピン２６が両湾
曲面１８ａに受け止められることによつて、押し
込み量が規制されるとともに位置決めされる。そ
の後にロツク装置３２を第３図実線に示すように
ロツク動させることにより、棚台車１９を枠台車
６に一体化し得る。

なお引き出した棚台車１９に物品が残つていた
とき、この少ない物品は新たな棚台車１９に移し
てもよいし、あるいは別場所の積付け場所にまで
走行させて、その次に押し込みセツトしようとす
る棚台車１９に積み付けてもよい。また回転式棚
１の枠台車６のうちのいくつかを空家とし、この
空家を利用して新たな棚台車１９を押し込み、旧
の棚台車１９は優先的にオーダピツキングして空
になり次第、引き出すように制御してもよい。

次に仕分け作業用棚としての使用状態を説明す
る。物品を収納した棚台車１９は入庫部３４から
の空の枠台車６に押し込まれ、そして枠台車番地
に対して、どの棚台車（物品）をセツトしたかが
制御装置にインプツトされる。そして取り出し
は、オーダに基づいて目的とする棚台車１９を出
庫部３３に対向させ、この棚台車１９ごとに取り
出しを行う。

なお台車整理用棚としては、前述した仕分け作
業用棚と同様の作用で使用し得ることになる。

考案の効果 上記構成の本考案によると、ロツク装置を解除
することにより、枠台車の支持面上から棚台車を
引き出し状に降ろすことができ、また空の枠台車
に対して別の棚台車を押し込み状に移らせたのち
ロツク装置を作動させることにより、この棚台車
と枠台車と一体化して回転移動させることができ
る。したがつて、オーダピツキング用の棚として
使用したときには、棚の回転によりオーダピツキ
ングを能率良く行うことができ、さらに或る物品
がなくなつたときには該当する棚台車を引き出す
とともに、当該物品を収納してなる新たな棚台車
を空の枠台車に押し込むだけでよいことから、物
品の補充を容易にかつ迅速に行うことができ、稼
動率を向上することができる。しかも棚台車ごと
の引き出し、押し込みと回転との組合わせによ
り、台車を使用しての仕分け作業や台車整理など
を能率良く行うことができる。

特に本考案によると、棚台車の押し込みは、ま
ず被ガイド体がガイド部に案内されることで横方
向のフラ付きを防止して行うことができるととも
に、位置決め体が外広がり面に受け止められるこ
とによつて、押し込み量を規制できるとともに位
置決めでき、これにより簡単な作業で常に定位置
に位置させることができる。そしてロツク装置を
作動したのち両台車を一体的に回転させたときに
は、被ガイド体がガイド部に嵌合し、かつ位置決
め体が外広がり面に受け止められていることと、
前述したロツク動とによつて、回転時に棚台車が
ガタ付いたり前方に飛び出すことを防止でき、騒
音を減少できるとともに物品の損傷や脱落をなく
すことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は平面
図、第２図は棚台車の斜視図、第３図は要部の一
部切欠き側面図、第４図は同平面図である。 １……回転式棚、２……下部レール、３……上
部レール、６……枠台車、１１……無端回動体、
１３……無端経路、１４……駆動装置、１５……
支持面、１６……床面、１８……ガイド板（ガイ
ド部）、１８ａ……湾曲面（外広がり面）、１９…
…棚台車、２１……下部棚、２４……中間棚、２
５……案内ピン（被ガイド体）、２６……位置決
めピン（位置決め体）、２８……受動ピン、３１
……筒体、３２……ロツク装置、３３……出庫
部、３４……入庫部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平面視で無端状のレールと、このレールに案内
   され無端経路上で移動自在な多数の枠台車と、こ
   れら枠台車を一体的に正逆移動させる駆動装置と
   により回転式棚を構成し、前記枠台車の支持面上
   で無端経路方向の中央部に、無端経路方向とは直
   交方向に長く、かつ外端を外広がり面に形成した
   ガイド部を設け、前記枠台車の支持面上に乗り移
   動自在な棚台車を設け、この棚台車の後部側に前
   記ガイド部に案内される被ガイド体を垂設すると
   ともに、前部側には前記外広がり面で受け止めら
   れる位置決め体を垂設し、両台車の前部間に係脱
   自在なロツク装置を設けたことを特徴とする回転
   式棚設備。