JPH0628487Y2 - 搬送機構付貨物収納棚 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はトラックの荷台や、倉庫等の棚に使用し、パレ
ットに載せた貨物（以下パレット貨物と記す）を細長い
基台の長手方向側の一端からフォークリフトによって収
納、取り出しができるようにした搬送機構付貨物収納棚
に関する。

（従来の技術） 従来、パレット貨物を多数並べて収納する多段状のパレ
ット貨物収納棚としては、縦長の傾斜棚部と、当該棚部
の幅方向の両側に長手方向に間隔を置きそれぞれ並設さ
れ、パレット貨物が移動自在に載置されるローラー列と
を備え、当該ローラー列中にブレーキローラーを設けて
おき、貨物の重量に応じてブレーキローラーのブレーキ
作用を調整し、貨物を載せたパレットを、傾斜棚部の上
端側からローラー列上に載せて搬入し、傾斜棚部の下端
側から搬出するようにしたものが使用されていた。

このような従来の棚では、傾斜棚部を備えているので、
長手方向に長さを伸ばそうとすると、上端の高さが高く
なり、長さの制限を受けるという欠点がある。また貨物
の重量によりブレーキローラーの調整をする作業が煩わ
しい。更に棚部の一方側からのみ貨物を搬入し、棚部の
他方側からのみ貨物の搬出を行わなければならないた
め、倉庫の棚に使用する場合には、棚の長手方向の両端
側に荷扱いスペースが必要となり、倉庫の使用効率が未
だ充分とはいえず、しかも、トラックの荷台のように長
手方向の一端側からしか荷扱いができないものには使用
できない等の問題があった。

このような問題を解決するため本考案者は、第８図、第
９図に示すように、多段に設けた水平配置の棚部１の長
手方向に向けて複数のローラー列２、２を設け、そのロ
ーラー列２、２上にパレット貨物Ａを滑らせることがで
きるようにし、そのローラー列２、２と平行配置に上面
にパレットフック３、３……が突出される搬送台車４を
備え、棚部１の一端側にフォークリフトのフォークによ
って押し込まれることにより前記搬送台車４がこれと逆
向きに移動されるようにしたプッシュ駒５を備え、パレ
ット貨物Ａを棚部１の一端側からフォークリフトによっ
て順次押し込んで積み込み、同じ側からフォークリフト
のフォークによってプッシュ駒５を押し込むことによ
り、奥側のパレット貨物が順次押し戻されてフォークリ
フトにより取り出せるようにしたパレット貨物収納台を
開発した。

（考案が解決しようとする課題） このような従来の装置では、プッシュ駒を各棚部１毎
に、その上面に位置させていたため、フォークリフトの
フォークで押す際に、フォークを高い位置まで持ち上げ
た状態で操作する必要があった。

一方、通常使用されているフォークリフトは貨物をフォ
ークによって持ち上げて移動させることを主たる目的を
しており、フォークに対する下向きの力に対する耐荷重
は大きく作られているが、高い位置での水平方向の耐荷
重はあまり考慮されてなく、しかも、フォークを高く上
昇させた状態では安定性が悪く、上下、左右の揺れが大
きい。このため前述した高い位置でのプッシュ駒操作に
技術を要するという問題があった。

本考案はこのような従来の問題を解決するとともに、プ
ッシュ駒の支持が各部において同一部品にてでき、量産
が容易で経済性の高い搬送機構付貨物収納棚の提供を目
的としたものである。

（課題を解決するための手段） 上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成する
ための本考案の特徴は、上下に多段状に配置され、各々
の上面に貨物が載荷される複数の棚部と、その各棚部に
その長手方向に向けて配置され上面にパレットが移動自
在に載置される複数の搬送ローラー列と、前記棚部上に
前記ローラー列と平行配置に設けられたガイドレールに
沿って往復動自在で、かつ常時は前記棚部の後端側に附
勢されている搬送台車と、前記棚部の前端部にその長手
方向に向けたプッシュ駒ガイドと、該プッシュ駒ガイド
にその長手方向に往復動自在に支持され、かつ常時は前
端側に附勢されていてフォークリフトのフォークによっ
て押し込み自在なプッシュ駒と、前記プッシュ駒の押し
込みにより、前記搬送台車が前端側に駆動される連動機
構とを備え、前記搬送台車にはその前端側への駆動時に
のみ前記ローラー列上のパレットに係合するパレットフ
ックを備えてなる搬送機構付貨物収納棚において、前記
各プッシュ駒ガイドは幅方向の両側部に樋状をした一対
のレール部を互いに対向させて有し、前記プッシュ駒に
は両側面に前記レール部内に嵌り合った転動ローラーを
設け、該転動ローラーを介して前記プッシュ駒をプッシ
ュ駒ガイドに支持させ、かつ、前記各プッシュ駒ガイド
の内、中間高さ位置より高い位置の棚部の搬送台車を動
作させるプッシュ駒用のプッシュ駒ガイドを、前記中間
高さ位置より低い位置の棚部の下面に固定したことにあ
る。

（作用） この搬送機構付貨物収納棚は、各棚部において通常時は
搬送台車が後端側に後退され、パレットフックは搬送ロ
ーラー列の上面より低い位置に退避されている。この状
態でパレット貨物をフォークリフトによって棚部の前端
部よりローラー列上に載せて押し、順次移動させて積み
込む。そして積み込まれたパレット貨物の取り出しは最
前端部のものはフォークリフトによって普通に取り出
し、その後方にあってフォークリフトのフォークの届か
ないものは、フォークによってプッシュ駒を押すことに
より搬送台車が前進し、パレットフックがパレットに係
合する向きに突出され、そのパレットフックにパレット
が係合して搬送台車とともに前進される。

プッシュ駒はフォークによって押されることによりその
両側面のローラーがレール部内を転動し、プッシュ駒ガ
イドから脱落することなく押し込まれる。またプッシュ
駒ガイドは、フォーク挿入部分の棚部上にあるものはフ
ォーク挿入部分の上側が、また棚部下にあるものはその
下側が開放された構造にできるため、フォーク挿入時に
フォーク高さが正確でなくとも破壊されることがなく、
また棚部上下に同じ形状のものを逆向きにして使用でき
る。

（実施例） 次に本考案を多段状のパレット貨物保管棚に実施した例
を第１図〜第７図について説明する。

この保管棚は多数の支柱１１、１１……に支持させて三
段配置に棚部１２、１２、１２がそれぞれ略水平に設け
られている。

この各棚部１２には、幅方向の両棚部上面に二列配置に
搬送ローラー列１３、１３が設けられている。各搬送ロ
ーラー列１３には多数のローラー１４、１４……が互い
に平行位置に回転自在に支持されており、その各ローラ
ー１４の頂部にてパレット貨物Ａが支持されるようにし
ている。

棚部１２の中央には、両搬送ローラー列１３、１３と平
行に棚部１２の略全長にわたる長さの搬送台車ガイド１
５が設置されている。搬送台車ガイド１５内には、長手
方向に摺動自在に搬送台車１６が収容されている。搬送
台車１６はガイド１５内にてスプリング１７をもって棚
部１２の後方側（第２図において右側）に附勢されてお
り、上面にパレットフック１８が突出し、前方側の動作
時にパレット貨物Ａのパレットａを係止して移動させる
ようにしている。

棚部１２の前端部には、プッシュ駒ガイド２０が備えら
れ、プッシュ駒ガイド２０は一端が棚部１２の前端部に
開放されており、その内部にプッシュ駒２１が収容され
ている。プッシュ駒ガイド２０は、第３図、第４図に示
すように、断面がコ字状の樋状をしたレール部２２、２
２を有する一対のガイド金具２３、２３を平行に配置
し、これを滑車収容箱２４及び連結金具２５によって互
いに固定して構成されている。またレール部２２、２２
は樋状の開放部を互いに対向させている。滑車収容箱２
４は左右が開放した角筒状に形成され、その角筒状の背
面板２６の中央にロープ挿通孔２７が開口され、上下板
２８、２８間に滑車２８が軸支されている。なお、この
滑車２８の取付孔２９は、ロープ挿通孔２７に通した引
張ロープ３０を左右のいずれにも導出できるように互い
に対象位置に一対設けられ、そのいずれかを選択して使
用できるようにしている。

一方、プッシュ駒２１は中空筒状の両側桿３１、３１の
前端にフォーク当板３２ａが、後端に連結板３２ｂがそ
れぞれ一体的に固着されて長方形の枠状に形成されてい
る。両側桿３１、３１の外側にはそれぞれ一対づつ転動
ローラー３３、３３が軸支され、その転動ローラー３
３、３３がプッシュ駒ガイド２０のレール部２２、２２
に嵌合されている。またフォーク当板３１の背面にはロ
ープ連結金具３４が突設され、このロープ連結金具３４
に搬送台車１６に後端が連結された引張ロープ３０の先
端が連緊され、その後端側が両側桿３１、３１の後端部
間に掛け渡したガイド片３５にその下側から掛け廻して
折り返し、止め金３６にて固定し、更にその後端側を滑
車収容箱２４に挿入し、滑車２８に掛け廻して側部に導
出させている。

このように構成されるプッシュ駒ガイド２０及びプッシ
ュ駒２１は、各棚部１２、１２、１２の各搬送台車１６
毎に１組づつ設けられており、下段及び中段の棚部１２
の搬送台車１６用のものは各棚部１２の上面にプッシュ
駒２１を上側に向けて設置され、また最上部の棚部１２
の搬送台車１６用のものは中段の棚部１２の下面にプッ
シュ駒２１を下側に向けて設置されている。そしてそれ
ぞれガイド滑車３７を介してワイヤーロープ３０を各棚
部１２の搬送台車１６に導いている。

搬送台車ガイド１５は断面が状をしており、その両立
上り部内面の略中間高さ位置には一対のガイドレール４
０、４０が備えられている。一方、搬送台車１６は断面
が 状をなし、両レール４０、４０間に嵌り幅に成形され、
その両側部外に複数のローラー４１、４１……が一定間
隔毎に回転自在に軸支されており、その各ローラー４１
が両レール４０、４０上を転動されるようにしている。

搬送台車１６内にはパレットフック１８が軸により回転
自在に枢支されている。そして外力が加わらない時には
第７図に示すように自重によってそのパレット係合部４
２が直立して上方に突出する向きに傾斜するようになっ
ている。

またパレットフック１８はパレットフック操作梃子４３
の回転に連動してパレット係合部４２が引き込まれる方
向に回動されるようにしている。この梃子４３は搬送台
車１６の底面を貫通した突子４４を有している。そして
搬送台車１６のローラー４１が両レール４０、４０の台
車下降部４５に落ち込んで降下することにより、突子４
４が突子当接シュー４６に当接して押し上げられ、これ
によって梃子４３が動作され、パレットフック１８が引
き込まれるようにしている。なお、台車下降部４５は、
搬送台車１６が後方側動作末端位置にあるときの各ロー
ラー４１位置に設けられている。

このように構成されるパレット貨物保管棚は、常時はス
プリング１７によって搬送台車１６が後方側に引き込ま
れた状態にあり、パレットフック１８は第６図に示すよ
うに水平にねかせられた状態にある。この状態で第６図
に示すようにフォークリフトを使用してパレット貨物Ａ
を棚部１２の前端部の搬送ローラー列１３上に載せ、順
次パレットａを押し込みながら積み込む。

一方、積み込まれているパレット貨物Ａの取り出しに際
しては、棚部１２の前端部にあってフォークリフトのフ
ォークＢの届く位置にあるものは、そのままフォークリ
フトにより取り出す。またフォークＢの届かない奥部に
あるパレット貨物Ａの取り出しには、まずフォークＢを
もってプッシュ駒２１を押す。これによって引張ロープ
３０を介して搬送台車１６が前方側に引き出され始める
と、該台車１６のローラー４１がガイドレール４０の台
車下降部４５から外れて上昇し、梃子４３が下向きに動
作され、パレットフック１８は自重によりパレット係合
部４２が直立する向きに傾斜されて搬送ローラー列１３
の上面より高い位置まで突出し、他端側が搬送台車１６
の底板上に当接する。これによって搬送ローラー１３上
にあるパレットａは、その下面にパレット係合部４２が
係合して搬送台車１６の移動とともに前方側へ押し出さ
れる。またフォークＢを引き抜くとスプリングによって
搬送台車１６が元の位置にされ、これとともにプッシュ
駒２１も元の位置まで前進される。

このようにしてパレット貨物Ａを棚部１２の奥部から順
次押し出し、前端位置でフォークリフトによって取り出
す。

（考案の効果） 上述の如く本考案の搬送機構付貨物収納棚は、中間高さ
位置より高い位置にある棚部の搬送台車を連動させるた
めのプッシュ駒を、前記中間高さ位置より低い位置にあ
る棚部の下面にプッシュ駒ガイドを固定して支持させて
いるため、フォークリフトによるプッシュ駒押し込み操
作が低い位置にてできることとなり、安定した押し込み
力が得られ、しかもその際のフォークリフトをコントロ
ールするための操作が容易に行えることとなったもので
ある。また本考案では、プッシュ駒ガイドを一対の樋状
レール部を対向させて構成されているため、棚部に接す
る側とは反対側の面が開放されることとなりフォークの
高さを誤っても開放部からフォークが抜け出ることとな
り、プッシュ駒ガイドを損傷することがなくなったもの
である。更に本考案では、プッシュ駒ガイドを樋状のレ
ール部を対向させて構成し、これにプッシュ駒のローラ
ーを嵌合させて支持させているため、プッシュ駒ガイド
は上向き、下向きのいずれにも使用でき、従って各段の
プッシュ駒ガイドの上下の向きを違えても同一部品を使
用することができ経済性が高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施した貨物保管棚の正面図、第２図
は同平面図、第３図は下向きのプッシュ駒及びプッシュ
駒ガイド部の平面図、第４図は第３図中のＡ−Ａ線断面
図、第５図はプッシュ駒ガイドの取付状態の部分断面
図、第６図はパレット貨物の積込状態の概略を示す縦断
面図、第７図は同取り出し状態の概略を示す縦断側面
図、第８図、第９図は従来例の平面図、同正面図であ
る。 Ａ……パレット貨物、ａ……パレット、Ｂ……フォー
ク、１１……支柱、１２……棚部、１３……搬送ローラ
ー列、１４……ローラー、１５……搬送台車ガイド、１
６……搬送台車、１７……スプリング、１８……パレッ
トフック、２０……プッシュ駒ガイド、２１……プッシ
ュ駒、２２……レール部、３０……引張ロープ、３２…
…フォーク当板、３３……転動ローラー、４０……ガイ
ドレール、４１……ローラー、４２……パレットフック
係合部、４３……パレットフック操作梃子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上下に多段状に配置され、各々の上面に貨
   物が載荷される複数の棚部と、その各棚部にその長手方
   向に向けて配置され上面にパレットが移動自在に載置さ
   れる複数の搬送ローラー列と、前記基台上に前記ローラ
   ー列と平行配置に設けられたガイドレールに沿って往復
   動自在で、かつ常時は前記基台の後端側に附勢されてい
   る搬送台車と、前記基台の前端部にその長手方向に向け
   たプッシュ駒ガイドと、該プッシュ駒ガイドにその長手
   方向に往復動自在に支持され、かつ常時は前端側に附勢
   されていてフォークリフトのフォークによって押し込み
   自在なプッシュ駒と、前記プッシュ駒の押し込みによ
   り、前記搬送台車が前端側に駆動される連動機構とを備
   え、前記搬送台車にはその前端側への駆動時にのみ前記
   ローラー列上のパレットに係合するパレットフックを備
   えてなる搬送機構付貨物収納棚において、前記各プッシ
   ュ駒ガイドは幅方向の両側部に樋状をした一対のレール
   部を互いに対向させて有し、前記プッシュ駒には両側面
   に前記レール部内に嵌り合った転動ローラーを設け、該
   転動ローラーを介して前記プッシュ駒をプッシュ駒ガイ
   ドに支持させ、かつ、前記各プッシュ駒ガイドの内、中
   間高さ位置より高い位置の棚部の搬送台車を動作させる
   プッシュ駒用のプッシュ駒ガイドを、前記中間高さ位置
   より低い位置の棚部の下面に固定したことを特徴として
   なる搬送機構付貨物収納棚。