JPH06126872A - フッ素樹脂複合フォームシート - Google Patents

フッ素樹脂複合フォームシート

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JPH06126872A
JPH06126872A JP27584292A JP27584292A JPH06126872A JP H06126872 A JPH06126872 A JP H06126872A JP 27584292 A JP27584292 A JP 27584292A JP 27584292 A JP27584292 A JP 27584292A JP H06126872 A JPH06126872 A JP H06126872A
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JP
Japan
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sheet
foam
layer
metal
composite foam
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JP27584292A
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English (en)
Inventor
Shunko Hane
俊興 羽根
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/032Organic insulating material consisting of one material
    • H05K1/034Organic insulating material consisting of one material containing halogen

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  • Tents Or Canopies (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱線反射性、断熱性、軽量性、防汚性、難燃
性、耐候性に富んだ膜構造建築物用膜材料、幌、テント
生地、バックリット看板等や低誘電率性を活した回路基
板等に有用な複合フォームシートを提供する。 【構成】 結晶性熱可塑性フッ素樹脂からなる発泡倍率
が少なくとも1.5倍のシート状発泡体の少なくとも片
側表層に金属及び/または金属酸化物の層が形成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は軽量性及び断熱性に優れ
た構造部材として広範な用途、特に膜構造建築物用膜材
料、トラック幌、テント生地、バックリット看板等に用
いられる基材に有用な複合フォームシートに関する。ま
た低誘電率で耐熱性に優れた基材としてプリント基板等
電気、電子分野で有用な複合フォームシートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建築物のデザイン自由度が大きい
こと、施工が容易であること等を特徴として膜構造建築
物が注目されている。膜構造建築物に使用される膜構造
材としては従来ガラス繊維織物にポリテトラフルオロエ
チレンディスバージョンを含浸、焼結したものがよく知
られている。該構造材は耐久性、耐候性、難燃性の点で
優れたものがあるが断熱性という点で満足の行くもので
はなかった。特に、膜構造建築物においてはその内部は
空調して使用されるため建築物全体の断熱性を如何に保
持するかはエネルギー効率の観点から極めて重要な問題
である。屋外建築物として直射日光を受ける屋根部材か
らのエネルギーロスを低減するには当該素材は不十分と
いわざるを得なかった。
【0003】このようなエネルギーロスを低減する目的
で特開平4−115069号公報には含フッ素樹脂系フ
ィルムの少なくとも片面に金属薄膜層を有するものを被
覆材として用いた膜構造物、特開平4−173332号
公報には片面または両面にガラス繊維布が形成された金
属、さらに、合金またはセラミックスからなる薄膜の少
なくとも片面にフッ素樹脂層を形成したフッ素樹脂複合
シートが提案されている。また膜構造建築物として使用
する場合には接合部を如何に信頼性高く施工するかが重
要な問題であるが、ポリテトラフルオロエチレンではそ
れ自体の結晶融解温度が極めて高いため、加熱溶着する
ことは困難であり通常熱可塑性のフッ素系樹脂フィルム
をホットメルト接着剤として挟み、上下から熱圧着させ
る等煩雑な工程をとっている。
【0004】一方、電気、電子分野においては特にプリ
ント基板等の素材で耐熱、低誘電率の素材が要望されて
いる。例えば、通信分野では衛星放送、移動無線で高周
波帯域を利用するため信号の誘電損失を如何に小さく抑
えるかが重要であり、そのためには素材として誘電率を
小さくする必要がある。またコンピューターでの信号伝
播の高速化が求められているがそのためにも誘電率の小
さな素材が必要である。
【0005】これらの要求に対応するため、誘電率の小
さな素材としてポリテトラフルオロエチレンを基材とす
るものが主として使用されている。更に、低誘電率化す
るためにポリテトラフルオロエチレンを多孔質化したも
のが提案されている。該多孔質化ポリテトラフルオロエ
チレンは回路を構成するため金属箔と接着剤を介して積
層されているが,多孔質であるが故に接着剤が孔の中に
侵入して孔を埋める傾向にあり、充分な低誘電率性を発
現し難いという難点や表層にも連通孔が形成されている
ため、蒸着などにより均一な薄層が形成し得ないという
問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の膜構造建築物用膜材料としては断熱性の面で必ずしも
満足の行くものではなく、特開平4−115069号公
報、特開平4−173332号公報に見られる如く直射
日光を反射することによる輻射伝熱を遮断するのみであ
り、基材そのものの熱伝導性を低下させるものではなか
った。
【0007】また従来の低誘電率素材としての多孔質化
ポリテトラフルオロエチレンが連通構造の多孔質形状を
とるため、上述の如く金属箔との接着時に充分な性能を
発現し難く、また蒸着等の技術で均一な薄層を形成する
ことが困難という課題を抱えていた。本発明者は上記の
問題を解決するため鋭意検討した結果、輻射熱の遮断性
や断熱性、軽量性に優れまた低誘電率素材として今まで
になかった、結晶性熱可塑性フッ素樹脂発泡体と金属又
は金属酸化物層との組合せからなる極めて有用な複合フ
ォームシートを開発し本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は結晶性熱
可塑性フッ素樹脂シートの少なくとも片側表層に金属及
び/または金属酸化物の層を含む複合フォームシートに
おいて、上記結晶性熱可塑性フッ素樹脂シートが発泡倍
率が少なくとも1.5倍のシート状発泡体であることを
特徴とするフッ素樹脂複合フォームシートである。
【0009】本発明の複合フォームシートは全体として
の厚みが少なくとも0.01mmであり該シートの少な
くとも片側表層に少なくとも10オングストロームの厚
みの金属及び/または金属酸化物の層が形成されてい
る。複合フォームシート全体としての厚みは該シートの
強度、断熱性、発泡倍率、経済性、用途等を勘案して適
宜選択されるものであるが、0.01mm未満では機械
的強度の点で難点がある。全体の厚みの上限は強度、耐
久性、経済性の観点から適宜決められるが、好ましくは
5mmである。
【0010】該シートの発泡体層は少なくとも1.5倍
の発泡倍率を有し、独立気泡率が50%以上、好ましく
は70%以上、更に好ましくは80%以上の気泡構造を
有していることが好ましい。該発泡体層においては該発
泡体層の表面に平行に発泡倍率の低い層または未発泡層
を含んでいてもよく、発泡体層全体として所定の発泡倍
率を保持していれば何等差し支えない。この発泡倍率の
低い層または未発泡層は上記のように発泡体層の表層に
存在していてもよく、また内部層として存在していても
よい。該発泡体層の発泡倍率は強度、断熱性、誘電特
性、経済性等を考慮して決められるが少なくとも1.5
倍である。1.5倍未満では元来比重の大きなフッ素樹
脂の軽量効果を期待することが出来ないし、未発泡樹脂
に対する誘電率の低下が顕著でなく、断熱性の点からも
不十分である。発泡倍率の上限は特に制限されるもので
はなく、複合フォームシートとしての強度、耐久性等を
勘案して適宜きめられる。
【0011】該発泡体層は50%以上の独立気泡率を有
するが50%未満では断熱性、圧縮特性が低下する傾向
にあり、また発泡体層の表層付近にある気泡が発泡する
傾向が見られ、蒸着などで均一な金属薄層を形成するこ
とが困難になり好ましくない。該発泡体層は好ましくは
平均気泡径の10倍以上の空洞を実質的に含まない均一
な気泡で構成される。大きな空洞を含むことは複合フォ
ームシートとしての強度欠陥になり易く、耐久性の面で
ピンホールにつながる恐れがあり更に電気的絶縁素材と
して用いる場合絶縁破壊電圧の低下を来す恐れがあり好
ましくない。
【0012】本発明の複合フォームシートは少なくとも
片側表層に金属及び/または金属酸化物の層を含む。該
層は少なくとも10オングストロームの厚みを有する。
10オングストローム未満では均一な層が形成され難く
該層としてのピンホールが生じ易くなる傾向にあり、好
ましくは少なくとも50オングストロームの厚みを有す
る。該層の厚みの上限は特に限定されず、複合フォーム
シートとしての軽量性、断熱性、経済性等を考慮して適
宜決定される。
【0013】金属及び/または金属酸化物の層は発泡体
層の表層に直接または接着剤などを介して間接的に形成
されている。両層の密着性を向上させるため発泡体層の
表層をスパッタリングや化学処理により物理的に粗面化
したり、官能基を形成させたりする場合がある。金属及
び/または金属酸化物の層は種々の金属元素から形成さ
れる。それらの種類の一例を挙げれば金、銀、銅、鉄、
白金、クロム、スズ、ニッケル、アルミニウム、インジ
ウム、珪素、コバルト、ガリウム、マグネシウム、モリ
ブデン、マンガン、パラジウム、タンタル、チタン、亜
鉛、タングステン等の金属単体、アルミナ、酸化珪素、
酸化鉄、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化モリ
ブデン、酸化スズ、酸化チタン、酸化タングステン、酸
化ジルコニウム、酸化タンタル等の金属酸化物である。
【0014】金属や金属酸化物の層は単独で形成されて
いてもよいし、混合された形態で形成されていてもよ
い。金属及び金属酸化物が混合された形態においてはそ
の混合割合や混合形態は何等限定されない。それらは本
発明の複合フォームシートの適用される用途における必
要な機能、例えば熱線反射性、電気伝導性等を勘案して
最適な形状、形態が適宜選択される。
【0015】本発明の複合フォームシートを構成する発
泡体層は結晶性熱可塑性フッ素樹脂からなる。熱可塑性
フッ素樹脂はそれ自体加熱溶融するため該樹脂を使用す
ることで加熱融着でき、例えば膜構造建築物用膜材料と
して接合加工する際に極めて容易に行えるという利点を
有する。本発明で用いられる結晶性熱可塑性フッ素樹脂
は非晶性のエラストマーとは異なり融点を有するもので
あり、モノフルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチ
レン、1,1,2−トリフルオロエチレン、モノクロロ
トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどの
フルオロエチレン類、ペンタフルオロプロピレン、ヘキ
サフルオロプロピレン、パーフルオロペンテン−1など
のフルオロ−α−オレフィン類、トリフルオロメチルパ
ーフルオロビニルエーテル、パーフルオロエチルパーフ
ルオロビニルエーテル、パーフルオロプロピルパーフル
オロビニルエーテルなどのフルオロアルキルフルオロビ
ニルエーテル類、トリフルオロメチルビニルエーテル、
パーフルオロエチルビニルエーテル、パーフルオロプロ
ピルビニルエーテルなどのフルオロアルキルビニルエー
テル類などの中から選ばれた少なくとも1種のモノマー
を主成分として得られた含フッ素重合体が挙げられる。
【0016】また、該結晶性熱可塑性フッ素樹脂には所
望に応じてその好ましい特性を損なわない範囲で例えば
エチレン、プロピレン、ブテンなどのオレフィン、アル
キルビニルエーテル、アクリル酸エステル、メタクリル
酸エステルなどの共重合可能なモノマーの単位を含ませ
ることができる。更に、該結晶性熱可塑性フッ素樹脂に
は必要に応じ、−SO2 F、−COF、−COOH、−
COOR、−CNなどの官能基を有する共重合可能なモ
ノマーを含むことが出来る。
【0017】本発明で使用される結晶性熱可塑性フッ素
樹脂の一例を挙げれば、ポリビニルフルオリド、ポリビ
ニリデンフルオリド、エチレン−テトラフルオロエチレ
ン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重
合体、ビニリデンフルオリド−テトラフルオロエチレン
共重合体、ビニリデンフルオリド−ペンタフルオロプロ
ピレン共重合体、ビニリデンフルオリド−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ビニ
リデンフルオリド−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体、ビニリデンフルオリドーパーフルオロアルキルパー
フルオロビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフル
オロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合
体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル−ビニリデンフルオリド共重合体などのフ
ッ素樹脂が挙げられる。
【0018】更に、テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルパーフルオロビニルエーテル−(2−シア
ノテトラフルオロエチルオキシ)パーフルオロプロピル
パーフルオロビニルエーテル共重合体、テトラフルオロ
エチレン−パーフルオロアルキルパーフルオロビニルエ
ーテル−2−シアノパーフルオロエチルパーフルオロビ
ニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−パー
フルオロアルキルパーフルオロビニルエーテル−3−ク
ロロスルホニルパーフルオロプロピルパーフルオロビニ
ルエーテル共重合体など付加反応,またはアリル化合
物、硫黄、有機アミン類、メタクリレート化合物、アク
リレート化合物、ジビニル化合物、オキシム化合物など
の架橋助剤と反応して架橋するフッ素樹脂などが挙げら
れる。
【0019】本発明で使用される結晶性熱可塑性フッ素
樹脂は最適な発泡特性を発現させるために必要に応じて
架橋処理される場合がある。架橋処理は通常使用される
化学架橋剤を添加して加熱することにより、また電離性
放射線、例えばα線、β線、γ線、電子線、中性子線、
x線、加速粒子線などを空気中、真空中、あるいは不活
性ガス中などで照射することにより、更には架橋性官能
基、例えば−SO2 F、−COF、−COOH、−CO
OR、−CN等を有するモノマー単位を利用して架橋結
合を形成させることにより行われる。
【0020】架橋処理される場合の結晶性熱可塑性フッ
素樹脂の架橋度合は得られる発泡体の所望性能、倍率、
樹脂の種類などに応じて適宜選択される。その値は当該
樹脂の動的粘弾性の測定によって求めることが出来る。
一般的には当該樹脂の融点より30℃高い温度における
動的ずり貯蔵弾性率に対する動的ずり損失弾性率の比
(tanδ)が0.3〜0.9の範囲にあるのが好まし
い。0.9を越えるものは発泡体の気泡構造が不均一に
なる傾向がみられ、大きなボイドを生じ易い。0.3未
満のものは発泡倍率が著しく小さくなる傾向があり好ま
しくない。
【0021】本発明を構成するシート状発泡体層は物理
発泡剤または化学発泡剤を用いて既知の方法で発泡され
る。結晶性熱可塑性フッ素樹脂の特性を利用して、押出
機中で溶融させつつ、物理発泡剤を気体状または液体状
で注入し、ダイの出口で圧力を解放することにより発泡
させる法、該樹脂を押出機中で化学発泡剤の分解温度以
下で溶融混練しつつダイから押し出してシート状に成形
した後、化学発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させ
る法、該樹脂を押出機により溶融させつつシート状に押
し出した後、該シートに物理発泡剤を含浸保持させて加
熱発泡させる法、或いは必要により該シートに架橋処理
を施した後物理発泡剤を含浸保持させて加熱発泡させる
法、或いは該シートに物理発泡剤を含浸保持させた後必
要により架橋処理を施して加熱発泡させる法等が適宜応
用される。
【0022】気泡径の均一性及びシート状発泡体層の表
面平滑性の面から物理発泡剤が好適に使用される。物理
発泡剤としてはフッ素樹脂の特性、発泡剤の特性等を勘
案して適宜選択され、炭化水素系、塩素化炭化水素系、
フッ素化塩素化炭化水素系、フッ素化炭化水素系の化合
物が使用される。一例をあげれば、プロパン、ブタン、
ペンタン、クロロフォルム、塩化メチル、塩化メチレ
ン、四塩化炭素、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロ
フルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、トリクロ
ロトリフルオロエタン、テトラクロロジフルオロエタ
ン、ジフルオロエタン、テトラフルオロエタン等であ
る。発泡体の発泡倍率を大きくするため、一度発泡させ
た発泡シートに再度前記の物理発泡剤または無機ガス例
えば空気、窒素、酸素、炭酸ガスを含浸させて発泡させ
ることも出来る。
【0023】本発明の複合フォームシートは上述したシ
ート状発泡体の少なくとも片側表層に金属及び/または
金属酸化物の層が形成されている。該層を形成せしめる
方法は種々の既知の方法が採用される。例えばある程度
の機械的強度が有り、延展性を有する金属ではその箔を
接着剤を介して接着させることが出来るし、また発泡体
構造を破壊しない程度で加熱、圧力下で直接金属と接着
させることも出来る。
【0024】更に、金属及び/または金属酸化物を加熱
溶融して真空下で蒸着させる方法やイオンプレーティン
グ、イオンビーム蒸着で形成させる方法、その他スパッ
タリング法や気相中からの化学種の供給により基材表面
に層を形成させるいわゆるCVD法等が形成せしめる金
属及び/または金属酸化物の層の特性を勘案して適宜応
用される。金属及び/または金属酸化物の層を形成せし
める前に、該層のシート状発泡体との密着性を向上させ
るために必要に応じて発泡体の表層を物理的または化学
的に処理して表面を粗面化したり、官能基を形成せしめ
ることがある。
【0025】本発明の複合フォームシートはその使用目
的に応じて金属及び/または金属酸化物の層を保護する
ために、透明性の樹脂などで該層のフォームシートと接
する反対側表層を被覆してもよい。本発明の複合フォー
ムシートは金属及び/または金属酸化物の層を形成せし
める前または後に該シートの機械的強度、寸法安定性を
向上せしめるため該層と反対側の発泡体層の面を必要に
より織布等で裏打ちする場合がある。該織布は例えばポ
リエステル、ポリアミド、アクリル、ポリアラミド、ポ
リビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフル
オロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、セルロース、ガ
ラス、カーボン、金属等を素材とする繊維からなる。こ
れらの繊維は単一の素材でもよいし、各素材が混紡また
は混繊されていてもよいしまた交織されていてもよい。
繊維の太さは特に限定されず、強度、寸法安定性及び軽
量性の観点から適宜選択される。織布の織り組織は特に
限定されず、平織、綾織、斜子織等の織物が使用目的に
応じて用いられる。
【0026】裏打ちは織布を発泡体の特性を損なわない
ようにして熱圧着させるか、接着剤を介して接着させ
る。発泡体の特性を勘案すれば接着剤を使用しての裏打
ちが好ましい。接着剤は織布及びシート状発泡体との接
着性を勘案して既知の中から種々の接着剤が適宜選択さ
れる。接着剤の接着性を高めるため該織布や発泡体の貼
り合わせ面を通常のスパッタエッチング処理やナフタレ
ンのテトラヒドロフラン溶液に金属ナトリウムを加えた
化学処理を施す場合もある。接着剤は2種以上のものを
使用してもよい。例えば、シート状発泡体に対する接着
性の良好なもの及び織布または編布に対する接着性の良
好なものでかつ両接着剤の接着性が良好なものをそれぞ
れの基体に塗布して貼り合わせることが出来る。接着剤
を介しての貼り合わせは既知の方法が適用出来、例えば
ロールコーターとしてコンマドクターコーター、グラビ
アコーター、オフセットコーター、ナイフコーターなど
を利用して接着剤を織布或いはシート状発泡体の両者ま
たは一方に塗布した後積層される。
【0027】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれら実施
例に限定されるものではない。なお、各測定値は次のよ
うにして求めた。 (1)フッ素樹脂の融点 ASTM D 3159−73に記載の方法で測定し
た。 (2)発泡倍率 サンプルの重量と水浸法で求めた体積とから計算した発
泡体の密度と樹脂の密度から次式により算出した。
【0028】発泡倍率={樹脂密度(g/cm3 )}/
{発泡体密度(g/cm3 )} (3)tanδ レオメトリックス社製ダイナミックスペクトロメーター
RDS−7700型を使用して、窒素雰囲気下に樹脂の
融点より30℃高い温度において、角周波数10rad
ian/sec、歪量5%の条件で動的ずり損失弾性率
(G″)と動的ずり貯蔵弾性率(G′)を測定し、それ
らの比tanδ=G″/G′を求めた。なお、測定には
パラレルプレートモードを使用し、サンプルは厚み1.
2mmで直径25mmの円盤状のものを用いた。 (4)独立気泡率 ASTM−D 2856に記載のエアピクノメーター法
による連続気泡率の差分として計算した。 (5)平均気泡径 サンプルの厚み断面を25倍に拡大し、ランダムに選ん
だ20個以上の気泡の長径及び短径を測定し、これらの
平均値で示した。 (6)熱伝導率測定 JIS A1412に記載の平板熱流量計法により測定
した。 (7)誘電率測定 横河ヒューレッドパッカー社製YHP−4192Aを使
用して、周波数1メガヘルツにて測定した。 (8)金属または金属酸化物薄層の厚み測定 サンプルの厚み断面をランダムに10箇所電子顕微鏡に
て観察し、倍率換算して厚みを求めその平均値にて示し
た。
【0029】
【実施例1】ポリビニリデンフルオライド共重合体〔三
菱油化製、KYNAR2800、密度1.75g/cm
3 、融点146℃〕をホットプレスにて厚み1.1mm
のシートに成形し、得られたシートに20Mradの電
子線を照射して架橋した。この架橋シートの176℃に
おけるtanδは0.4であった。
【0030】該シートを発泡剤としてのジクロロジフル
オロメタンと共に密閉容器に入れ、75℃で4日間放置
してジクロロジフルオロメタンを含浸させ樹脂100重
量部当たり約4.5重量部の該発泡剤を含有した発泡性
組成物を得た。該発泡性組成物を180℃のオイルバス
中で20秒間加熱して密度約0.2g/cm3 、厚み
2.2mm、平均気泡径0.01mmの均一な気泡を有
するシート状発泡体を得た。該発泡体の独立気泡率は9
5%であり、誘電率は1.3、熱伝導率は0.04kc
al/mhr℃であった。またキセノンランプを使用し
て測定した該発泡体の全光線反射率は82%であった。
該シート状発泡体の片面にシアノアクリレート系接着剤
を塗布した後、10μmの厚みのアルミニウム箔と貼り
合わせた。該複合フォームシートの金属層面の全光線反
射率は95%であった。
【0031】更に該複合フォームシートの金属層面と反
対側の面に厚さ0.28mm、単位面積当たりの重量が
380g/m2 の織布であり、ガラス繊維の糸が縦方向
インチ当たり32本、横方向インチ当たり30本で構成
された平織からなる織布を上記の接着剤を使用して積層
したところ強固に貼りあわせることが出来た。織布を貼
り合わせた複合フォームシートの熱伝導率は0.04k
cal/mhr℃であり、金属層面を外側にして使用す
れば、断熱性に優れた膜構造建築用膜材料として使用出
来る。
【0032】
【実施例2】実施例1においてアルミニウム箔の替わり
に35μmの銅箔を用いて同様に複合フォームシートを
得た。該複合フォームシートは銅張り積層板として通常
の方法で電気回路を形成することが出来る。
【0033】
【実施例3】実施例1において得られたシート状発泡体
を用いてアルミニウムを蒸着源として該金属をシート状
発泡体の片面に真空蒸着させた。該発泡体の断面を電子
顕微鏡を用いて蒸着層の厚みを測定したところ97オン
グストロームであった。該複合フォームシートの金属層
面の全光線反射率は93%であった。
【0034】
【実施例4】実施例1において厚み0.3mmのポリビ
ニリデンフルオライドのシートを成形し、該シートに1
0Mradの電子線を照射して架橋した。実施例1と同
様にして発泡剤を含浸した後、オイルバス中で発泡させ
密度約0.2g/cm3 、厚み0.6mm、平均気泡径
0.025mmの均一な気泡を有するシート状発泡体を
得た。該発泡体の独立気泡率は97%であり、誘電率は
1.3であった。該発泡体の片面に18μmの厚みの銅
箔を実施例1と同様にして貼り合わせ複合フォームシー
トを得た。該複合フォームシートはフレキシブルな銅張
り積層板として通常の方法で電気回路を形成することが
出来る。
【0035】
【実施例5】実施例1において厚み0.3mmのポリビ
ニリデンフルオライドのシートを成型し、該シートに1
0Mradの電子線を照射して架橋した。物理発泡剤と
してジクロロジフルオロメタンを含浸した後180℃に
加熱して密度約0.45g/cm3 のシート状発泡体を
得た。該発泡体の独立気泡率は97%であり、誘電率は
1.7であった。実施例4同様に該発泡体の片面に18
μmの厚みの銅箔を貼り合わせ複合フォームシートを得
た。該複合フォームシートは低誘電率基材の銅張り積層
板として通常の方法で電気回路を形成することが出来
る。
【0036】
【比較例1】実施例1で使用したガラス繊維織布にポリ
テトラフルオロエチレンを含浸・焼結処理して単位面積
当たりの重量が780g/m2 のシートを得た。該シー
トの片側表面をナフタレンと金属ナトリウムを溶かした
テトラヒドロフラン溶液にて処理した後、該面に実施例
1と同様に10μmのアルミニウム箔を貼り合わせた。
該シートの全光線反射率は95%であり熱伝導率は0.
5kcal/mhr℃であった。
【0037】
【発明の効果】本発明の複合フォームシートは結晶性熱
可塑性フッ素樹脂からなるシート状発泡体の少なくとも
片側表層に金属及び/または金属酸化物の層を含み熱線
反射性、断熱性、軽量性に優れまた発泡層を含むため電
気特性特に低誘電率性を示し、膜構造建築物用膜材料や
絶縁性を活した回路基板等の材料として極めて有効であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性熱可塑性フッ素樹脂シートの少な
    くとも片側表層に金属及び/または金属酸化物の層を含
    む複合フォームシートにおいて、上記結晶性熱可塑性フ
    ッ素樹脂シートが発泡倍率が少なくとも1.5倍のシー
    ト状発泡体であることを特徴とするフッ素樹脂複合フォ
    ームシート。
  2. 【請求項2】 シート状発泡体が平均気泡径の10倍以
    上の空洞を実質的に含まない均一な気泡で構成されてい
    る請求項1記載の複合フォームシート。
  3. 【請求項3】 シート状発泡体の独立気泡率が50%以
    上である請求項1または請求項2記載の複合フォームシ
    ート。
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