JPH06126760A - 吸音成形体及びその製造方法 - Google Patents

吸音成形体及びその製造方法

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JPH06126760A
JPH06126760A JP30817692A JP30817692A JPH06126760A JP H06126760 A JPH06126760 A JP H06126760A JP 30817692 A JP30817692 A JP 30817692A JP 30817692 A JP30817692 A JP 30817692A JP H06126760 A JPH06126760 A JP H06126760A
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cloth
resin
sound absorbing
cloth material
stabilizer
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JP30817692A
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Kaneo Hoshino
星野金男
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い吸音効果を有し、軽量で機械強度の大き
い成形体を安価かつ簡単に得る。 【構成】 ポリエステル不織布1bに不飽和ポリエステ
ル樹脂1cを塗布し、型内で押圧成形した後、乾燥、硬
化してなり、多数の連通した空隙を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は家庭用空気調和機、車両
用空気調和機等に使用する吸音成形体及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、家庭用、車両用の空気調和機
の吹出口の内部に取付けられているスタビライザは貫流
ファンと対向して配設され、貫流ファンとの間で空気流
を形成する。このとき、貫流ファンとスタビライザとの
間には空気流によって騒音が発生する。空気調和機で発
生した騒音は室内、車内に逸散し、室内、車内の人に不
快感を与える。このため、空気調和機内部の空気の流路
にあるスタビライザ、エアガイダ、吹出グリルなどの構
成部品に対して騒音低減対策を講じることが望まれてい
る。
【0003】騒音低減は構成部品を吸音材で形成した
り、部品の表面にグラスウール、ロックウールなどの繊
維からなるシート材を貼着することによって実現するこ
とが可能であり、例えば、合成樹脂に発泡剤を添加して
発泡体とする、或いは、近年では、樹脂ペレットを型内
で加熱し、樹脂ペレット相互の接触面を溶融、接合させ
て多孔質の粒子結合体を形成することも行なわれてい
る。これらの吸音材を使用して所定形状に形成した成形
体は内部に空気層或いは空隙を有するので、一方の表面
から侵入した騒音は前記空気層或いは空隙を通過する間
に多孔質の壁との衝突によりエネルギーが奪われて減衰
し、他方の表面から逸散したときに音圧レベルが低下す
る。これによって吸音効果を得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、空気調和機
のスタビライザ等を発泡体で形成した場合、独立発泡の
ものは連通した気泡を形成していないので、騒音はほと
んど表面で反射してしまい、充分な吸音効果を得られな
かった。また、ガスを揮散させたり、樹脂ペレットを粒
の状態で固結させたものは連通した空隙を有するので、
独立発泡の場合に比べて効果は高いが、成形において金
型温度、成形圧等の諸条件管理を徹底しないと良好な多
孔質を形成できず、したがって、所要の吸音効果が得ら
れないことがあるとともに、操作が面倒で、コストも高
いなどの不具合があった。そして、これらの吸音材では
板厚が小さいときは、所要の機械的強度、剛性を得るこ
とができないため、構造上軽量を要求され、薄肉化され
たスタビライザなどへの適用は困難であった。更に、こ
れらの吸音材では、適用部位に対応させて吸音効果を高
めるために、特定領域の周波数を選択的に吸収したり、
巾広く周波数を吸収する操作が一般に困難であった。
【0005】このようなことから、従来より、空気調和
機のスタビライザ等の板状部品については、多孔質構造
とはなっておらず、格別の騒音対策は講じられていない
のが実情である。
【0006】そこで、本発明は、高い吸音効果を有し、
軽量で機械強度が大きく、安価かつ簡単に得ることがで
きる吸音成形体及びその製造方法の提供を課題とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる吸音成形
体は、布材に熱硬化性樹脂を塗布し、型内で押圧成形し
た後、乾燥、硬化してなり、多数の連通した空隙を有す
るものである。
【0008】また、本発明にかかる吸音成形体の製造方
法は、布材を所定寸法に裁断する裁断工程と、裁断した
布材に熱硬化性樹脂を塗布する塗布工程と、熱硬化性樹
脂を塗布した布材を型内で押圧成形する成形工程と、成
形した布材を乾燥、硬化する硬化工程とからなるもので
ある。
【0009】
【作用】本発明においては、成形体が表面に開口する多
数の連続した空隙を有しているので、表面での音の反射
が少なく、かつ、空隙内に侵入した音波はランダムな多
孔質の壁に衝突しながらエネルギーが吸収されて減衰す
る。また、布材を芯材とし、熱硬化性樹脂で結合させた
構造となっているので、薄肉であっても機械的強度が大
きく、軽量である。なお、布材として、各種の不織布ま
たは不織布と織布との複合材を選定し、或いは、布材に
対する熱硬化性樹脂の配合比率、型内の容積及び押圧力
との関係による樹脂密度等を変えることによって任意の
空隙率を得ることが可能であり、これによって、特定領
域の周波数及び巾広い周波数を選択的に吸収することが
可能となり、使用する部品に適合した、高い吸音効果を
得ることができる。
【0010】そして、本発明の吸音成形体の製造方法
は、裁断工程、塗布工程、成形工程、硬化工程の簡単な
工程からなるので、吸音成形体を安価かつ簡単に製造で
きる。
【0011】ここで、布材としては、不織布を使用で
き、或いは、不織布に織布を複合した複合材を使用する
こともできる。前記不織布及び織布としては、天然繊
維、ポリエステル等の化学繊維、グラスウール、ロック
ウール等の無機繊維、ステンレス繊維等の金属繊維など
を使用できる。そして、布材に塗布する熱硬化性樹脂は
不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹
脂、フェノール樹脂その他各種の熱硬化性樹脂を使用す
ることができる。熱硬化性樹脂を塗布するには、スプレ
ー、フローコーター、ディッピングなど周知の手段を用
いることができる。なお、ディッピングの場合には、布
材をディッピングした後、その端部を掴んで上方に引上
げながら布材を両側から一対のローラで圧搾することに
より、熱硬化性樹脂を適量に含浸させることができる。
そして、圧搾のとき、余剰の絞り出された熱硬化性樹脂
は下方のディッピング槽に滴下して戻されるので、材料
ロスを防ぐことができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1は本
発明の実施例の吸音成形体を示す斜視図である。図にお
いて、1は本発明の吸音成形体の一例を示すものであ
り、自動車用空気調和機の吹出口部の内部側に取付けら
れ、空気調和機の内部に配設された貫流ファンとの作用
で空気流を形成するとともに、その空気流を吹出方向に
導くスタビライザであり、不織布に熱硬化性樹脂を含浸
させた材質で形成されている。このスタビライザ1は肉
厚が2mmの板材を所定の形状に成形したものであり、断
面形状は全長に至って略一定で、内部には表面と連通す
る多数の空隙が形成されている。なお、スタビライザ1
の芯材となる不織布には呼び3tのポリエステル不織布
を使用し、熱硬化性樹脂には不飽和ポリエステル樹脂を
使用した。
【0013】この実施例の吸音成形体の製造は以下のよ
うにして行なった。図2は本発明の実施例の吸音成形体
の製造工程を示す工程図、図3は本発明の実施例による
吸音成形体の成形前の状態を示す正面図、図4は本発明
の実施例による吸音成形体の成形時の状態を示す正面図
である。図において、1aはポリエステル不織布1bに
不飽和ポリエステル樹脂1cを含浸させた塗布シート
材、2は周知の押圧成形機に取付けられた上型、3は同
じく下型である。上型2、下型3は公知のNC加工、ワ
イヤーカット、放電加工などの加工によって製作され
る。なお、本実施例では、吸音成形体としてのスタビラ
イザ1の成形における押圧力は小さくてよいので、上型
2及び下型3は、例えば、スタビライザ1をマスタモデ
ルとし、これにニッケル電鋳加工によって成形面を形成
し、他の型材料で裏打ちして安価に製作することもでき
る。
【0014】今、スタビライザ1を製造するには、予
め、裁断工程Aで芯材となるポリエステル不織布1bを
所定寸法に裁断しておき、次に、塗布工程Bでこのポリ
エステル不織布1bの表裏両面に熱硬化性樹脂である不
飽和ポリエステル樹脂1cをスプレーにより塗布して含
浸させ、塗布シート材1aを形成する。次いで、成形工
程Cでこの塗布シート材1aを、図3に示す如く、下型
3に載置し、上型2を下降させて押圧し、図4に示す形
状に成形する。そして、硬化工程Dにおいて、押圧した
状態で塗布シート材1aを予備加熱し、或いは、脱型し
てから、約−−−℃で−時間加熱し、硬化させる。な
お、必要に応じて、加熱、硬化の前または後に、成形体
の縁部をトリム加工する。以上によって、スタビライザ
1の成形が完了する。
【0015】成形が完了した後のスタビライザ1は見掛
け比重が0.5で、内部には表面と連通した空隙が形成
されている。スタビライザ1内にこの空隙が形成される
のは液状の不飽和ポリエステル樹脂1cをスプレーで塗
布することにより、不飽和ポリエステル樹脂1cがポリ
エステル不織布1bに完全に含浸されていない状態で固
結しているためであり、また、不飽和ポリエステル樹脂
1cの揮発分が飛散することにもよる。
【0016】上記によって製作されたスタビライザ1を
自動車用空気調和機に取付けて測定したところ、以下の
騒音結果となった。本実施例によるスタビライザ1を取
付けた場合の騒音は58.3dBであった。一方、比較
例として従来から使用されている空隙無しのABS樹脂
製のスタビライザを取付けた場合は60.5dBであっ
た。即ち、本実施例のスタビライザ1を取付けたことに
よって2.2dBもの騒音低減を達成することができ
た。これは、スタビライザ1の表面に衝突した騒音が表
面から内部に向かって空隙内を通過する間に、成形体の
内壁に衝突しながら次第にその音のエネルギーが吸収さ
れ、音圧が減衰するためと考えられる。
【0017】本発明の吸音成形体は、空気調和機のスタ
ビライザに限らず、吸音性を要する家電製品、自動車部
品等各種の成形体に巾広く適用することができる。
【0018】ところで、上記実施例では、ポリエステル
不織布1bに不飽和ポリエステル樹脂1cをスプレー塗
布して吸音成形体を形成しているが、本発明を実施する
場合には、これに限定されるものではなく、布材及び熱
硬化性樹脂の材質、熱硬化性樹脂の塗布量、ディッピン
グ後の圧搾における絞り圧、塗布方法等は成形体に要求
される強度、吸音効果、コスト等を勘案して最も適合す
る条件に設定すればよい。
【0019】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明の吸音成
形体は、布材に熱硬化性樹脂を塗布し、型内で押圧成形
した後、乾燥、硬化してなり、多数の連通した空隙を有
するものである。したがって、成形体の表面での音の反
射は少なく、かつ、空隙内に侵入した音波はランダムな
多孔質の壁に衝突しながらエネルギーが吸収されて減衰
するので、騒音を低減できる。そして、布材を芯材と
し、熱硬化性樹脂で結合させた構造としているので、薄
肉であっても機械的強度が大きく、軽量化が可能であ
る。
【0020】また、請求項2の発明の吸音成形体の製造
方法は、布材を所定寸法に裁断する裁断工程と、裁断し
た布材に熱硬化性樹脂を塗布する塗布工程と、熱硬化性
樹脂を塗布した布材を型内で押圧成形する成形工程と、
成形した布材を乾燥、硬化する硬化工程とからなるもの
である。したがって、裁断工程と、塗布工程、成形工
程、硬化工程の簡単な工程からなるので、安価かつ簡単
に吸音成形体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例の吸音成形体を示す斜視
図である。
【図2】図2は本発明の実施例の吸音成形体の製造工程
を示す工程図である。
【図3】図3は本発明の実施例による吸音成形体の成形
前の状態を示す正面図である。
【図4】図4は本発明の実施例による吸音成形体の成形
時の状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 スタビライザ 1a 塗布シート材 1b ポリエステル不織布 1c 不飽和ポリエステル樹脂 2 上型 3 下型 A 裁断工程 B 塗布工程 C 成形工程 D 硬化工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】布材に熱硬化性樹脂を塗布し、型内で押圧
    成形した後、乾燥、硬化してなり、多数の連通した空隙
    を有することを特徴とする吸音成形体。
  2. 【請求項2】布材を所定寸法に裁断する裁断工程と、 裁断した布材に熱硬化性樹脂を塗布する塗布工程と、 熱硬化性樹脂を塗布した布材を型内で押圧成形する成形
    工程と、 成形した布材を乾燥、硬化する硬化工程とを具備するこ
    とを特徴とする吸音成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記布材は、不織布、または、不織布に織
    布を複合した複合布であることを特徴とする請求項1に
    記載の吸音成形体。
  4. 【請求項4】前記布材は、不織布、または、不織布に織
    布を複合した複合布であることを特徴とする請求項2に
    記載の吸音成形体の製造方法。
JP30817692A 1992-10-21 1992-10-21 吸音成形体及びその製造方法 Pending JPH06126760A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004504186A (ja) * 2000-07-20 2004-02-12 ダイムラークライスラー・アクチェンゲゼルシャフト シェル型繊維強化プラスチック部品の製造方法及び製造装置
JP2021021276A (ja) * 2019-07-29 2021-02-18 積水化学工業株式会社 区画貫通処理構造及び区画貫通処理構造の施工方法

Cited By (2)

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