JP3038637B2 - フェノール樹脂積層体、及びこれを用いたフェノール樹脂成形体の製造方法 - Google Patents
フェノール樹脂積層体、及びこれを用いたフェノール樹脂成形体の製造方法Info
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Description
ー等の自動車部品、浴室内壁パネル、天井材等の住宅部
品、OA機器カバー等の各種カバー等に用いられるフェ
ノール樹脂積層体とこれを用いて得られるフェノール樹
脂成形体の製造方法に関するものである。
なるSMC(シートモールディングコンパウンド)を加
熱加圧成形して所望の形状に形成して得られるフェノー
ル樹脂成形体が、自動車外板、スポイラー等の自動車部
品、浴室内壁パネル、天井材等の住宅部品、OA機器カ
バー等の各種カバー等に用いられている。このフェノー
ル樹脂成形体は、耐熱性に優れているという利点がある
が、耐衝撃性に難点があり、すなわち該成形体の局部に
集中して加わる衝撃には弱いという欠点があった。
を除去するためになされたもので、その目的とするとこ
ろは、耐衝撃性が向上した成形体が得られるフェノール
樹脂積層体と、このフェノール樹脂積層体を用いて得ら
れるフェノール樹脂成形体の製造方法を提供するもので
ある。
積層体は、合成樹脂繊維からなる不織布の層の上下に、
フェノール樹脂初期縮合物とガラス繊維からなるSMC
(シートモ−ルディングコンパウンド)の層を形成して
なり、上記SMCは、フェノール樹脂組成物に、繊維繊
維長が0.5〜300mmのガラス繊維を、散布して得
られたものである。
製造方法は、フェノール樹脂積層体を加熱加圧成形して
得られることを特徴とする。
Cは、ガラス繊維を含有したBステージ状態のフェノー
ル樹脂初期縮合物のシートである。上記SMCを構成す
るフェノール樹脂としては、フェノール、アルキルフェ
ノール、ビフェノール、ビスフェノールA,ビスフェノ
ールF等の各種フェノール化合物とホルムアルデヒドと
の反応によって得られるノボラック型あるいはレゾール
型のフェノール樹脂を用いることができる。さらに、こ
のフェノール樹脂には、硬化剤、硬化促進剤、難燃剤、
粘度調整剤、着色剤等の添加剤を適宜加えてもよい。上
記ガラス繊維としては、繊維長が0.5〜300mmの
ものを用いるのが好ましい。このガラス繊維は、SMC
の繊維比率が5〜80重量%(樹脂比率が95〜20重
量%)の範囲が好ましい。さらに、上記SMCは、目付
量が500〜2000g/m2 の範囲のものを用いるの
が好ましい。上記SMCは、例えば、ポリプロピレン、
ポリエステル、ビニール等からなる離型フィルムの上に
上記フェノール樹脂に添加剤を加えてなるフェノール樹
脂組成物を塗布し、このフェノール樹脂組成物の上に上
記ガラス繊維を散布し、さらにその上に上記離型フィル
ムを載せたものを、室温〜70℃、好ましくは30〜5
0℃の範囲で1〜7日間一次硬化させて上記フェノール
樹脂組成物がBステージ状態のフェノール樹脂初期縮合
物となった、離型フィルム付きのSMCを得る方法で製
造できる。上記SMCは、上記離型フィルムを剥離して
使用されるものである。
ポリアミド繊維、ポリアラミド繊維、ポリイミド繊維等
からなるものを用いることができ、目付量が10〜30
0g/m2 の範囲のものを用いるのが好ましい。
層体の各層を解いて示した断面図である。図1(a)に
示す如く、不織布(2)の層の上下両面には、上記SM
C(1)の層が形成されている。上記フェノール樹脂積
層体に対する上記SMC(1)の層の重量比率は、30
〜95重量%の範囲であることが好ましい。すなわち、
上記SMC(1)の層の重量比率が30重量%未満であ
ると、成形時に樹脂が不織布(2)に吸収されるために
樹脂不足となり、95重量%を越えると、十分な耐衝撃
性の向上が望めない。本発明のフェノール樹脂積層体の
形成方法としては、例えば、加熱加圧成形する前に、上
記SMC(1)の上に上記不織布(2)を積層し、さら
にこの不織布(2)の上に上記SMC(1)を積層する
操作を行って形成する方法が採用できる。このとき上記
フェノール樹脂積層体のSMC(1)の層は、上記SM
C(1)を不織布(2)の層の上下両面に一枚ずつ積層
してなるものであっても、複数枚ずつ積層してなるもの
であっても構わない。或いは、上記SMC(1)を製造
する工程で同時に上記フェノール樹脂積層体を形成して
も差し支えなく、例えば、離型フィルムの上にガラス繊
維を含有したフェノール樹脂組成物の層を形成し、その
上に不織布(2)を積層し、さらにこの不織布(2)の
上に上記ガラス繊維を含有したフェノール樹脂組成物の
層を形成し、さらにはこの上に離型フィルムを載せて覆
ったものを、室温〜70℃、好ましくは30〜50℃の
範囲で1〜7日間一次硬化させて上記フェノール樹脂組
成物がBステージ状態のフェノール樹脂初期縮合物とな
った、離型フィルム付きのフェノール樹脂積層体を形成
しても構わない。
体を示す断面図である。図示の如く、上記フェノール樹
脂成形体は、不織布(2)の層とSMC(1)の層と
が、上記不織布(2)にSMC(1)の樹脂が含浸して
一体化している。上記フェノール樹脂積層体を所定形状
を有する成形金型にセットして加熱加圧成形すると、上
記フェノール樹脂初期縮合物がさらに硬化して所定形状
のフェノール樹脂成形体を得ることができる。このと
き、上記フェノール樹脂積層体は、上記フェノール樹脂
成形体の所望する厚み又は重量に応じて複数枚積層して
用いても構わない。また、このときの成形条件は、金型
温度が130〜190℃、圧力が400kg/cm2 ま
での範囲で行うと良い。
維からなる不織布の層の両面に、フェノール樹脂初期縮
合物とガラス繊維からなるSMCの層を形成してなる構
成であるので、該フェノール樹脂積層体を加熱加圧成形
して得られるフェノール樹脂成形体は、上記不織布によ
って可撓性を付与される。したがって、該フェノール樹
脂成形体の局部に集中して衝撃を加えられても、この衝
撃をフェノール樹脂成形体が撓んで吸収することができ
る。
ゾール型液状フェノール樹脂組成物を塗布し、その上面
から繊維長が平均25.4mmのガラス繊維を散布し、
さらにその上に上記離型フィルムを載せて得られた離型
フィルム付きシートを、40℃、4日間一次硬化させて
上記レゾール型液状フェノール樹脂組成物がBステージ
状態のフェノール樹脂初期縮合物となった、繊維比率が
50重量%、樹脂比率が50重量%で、目付量が700
g/m2 の離型フィルム付きSMCを得た。 (実施例1)目付量が210g/m2 の、ポリエステル
繊維からなる不織布の両面に、上記の如くして得たSM
Cを積層してフェノール樹脂積層体を形成した。このフ
ェノール樹脂積層体をプレス成形機にセットし、150
℃、80kg/cm2 の成形条件で加熱加圧成形して、
厚み1.0mm、サイズ200mm×250mmの平板
状のフェノール樹脂成形体を得た。 (比較例1)上記の如くして得たSMCを積層してプレ
ス成形機にセットし、150℃、80kg/cm2 の成
形条件で加熱加圧成形して、厚み1.0mm、サイズ2
00mm×250mmの平板状のフェノール樹脂成形体
を得た。 (性能の評価)上記実施例1及び比較例1で得られたフ
ェノール樹脂成形体の可撓性の評価としてタワミ量を測
定し、耐衝撃性の評価として落球衝撃試験を行った。上
記タワミ量の測定は、図2に示す如く、上述の実施例1
及び比較例1で得られたフェノール樹脂成形体をサイズ
50mm×25mmに切り出して形成した試験片(3)
を支持台(4)(4)上にスパン32mmに調節して載
せ、この試験片(3)の中央部に上方から進行速度2m
m/分で押圧して、試験片(3)が破断するまでの試験
片(3)の中央部が押下げられた距離をタワミ量とし
た。
述の実施例1及び比較例1で得られたフェノール樹脂成
形体を適当な大きさに切り出して形成した試験片(6)
を、上方に半径1/16インチの円形に開口した凹部
(8)を備えた支持台(7)上に載せ、図3に示す、先
端部がテーパ状となった、直径1/16インチ,長さ9
9.8mm、重量125.8gの円柱状のポンチ(5)
を、このポンチ(5)の先端部を鉛直下向きにして上記
凹部(8)の中心の真上の試験片(6)に当接し、この
ポンチ(5)の真上からポンチ(5)の後端めがけて、
重量200gの重錘(9)を落下させた場合に、上記試
験片(6)を破壊し始める重錘(9)の落下距離(x)
を測定し、この落下距離(x)の値にて評価するとい
う、デュポン式と呼ばれる方式にて行った。
1と比較して、タワミ量が大きくなっており、したがっ
て実施例1のフェノール樹脂成形体の可撓性が増加した
と言える。また、それに伴って、落球衝撃試験における
測定値が大きくなっていることから、落下させた重錘
(9)が試験片(6)を破壊しにくくなっていることが
わかる。したがって、実施例1のフェノール樹脂成形体
の耐衝撃性が向上したと言える。
繊維を散布して得られたSMCを表面に有するフェノー
ル樹脂積層体は、合成樹脂繊維からなる不織布の層の上
下に、SMCの層を形成してなる構成なので、該フェノ
ール樹脂積層体を加熱加圧成形して得られるフェノール
樹脂成形体は、上記不織布によって、可撓性を付与され
る。したがって、該フェノール樹脂成形体の局部に集中
して衝撃を加えられても、この衝撃をフェノール樹脂成
形体が撓んで吸収できる。すなわち、該ガラス繊維を散
布して得られたSMCの層を表面に有するフェノール樹
脂成形体は優れた耐衝撃性を有しており、破損しにくい
ものである。
層を解いて示した断面図であり、(b)は、本発明のフ
ェノール樹脂成形体を示す断面図である。
示す側面図である。
る治具を示す斜視図である。
法を示す側面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 合成樹脂繊維からなる不織布の層の上下
に、フェノール樹脂初期縮合物とガラス繊維からなるS
MC(シートモ−ルディングコンパウンド)の層を形成
してなり、上記SMCは、フェノール樹脂組成物に、繊
維繊維長が0.5〜300mmのガラス繊維を、散布し
て得られたものであるフェノ−ル樹脂積層体。 - 【請求項2】 上記不織布がポリエステル繊維からなる
ことを特徴とする請求項1記載のフェノール樹脂積層
体。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のフェノール
樹脂積層体を加熱加圧成形して得られるフェノール樹脂
成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6030605A JP3038637B2 (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | フェノール樹脂積層体、及びこれを用いたフェノール樹脂成形体の製造方法 |
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JP6030605A JP3038637B2 (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | フェノール樹脂積層体、及びこれを用いたフェノール樹脂成形体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07237284A JPH07237284A (ja) | 1995-09-12 |
JP3038637B2 true JP3038637B2 (ja) | 2000-05-08 |
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JP (1) | JP3038637B2 (ja) |
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1994
- 1994-02-28 JP JP6030605A patent/JP3038637B2/ja not_active Expired - Fee Related
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