JP2016221736A - 表面に静電植毛加工が施された発泡成形製品とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量で機械的強度に優れており、また擦れ音や軋み音の発生も減少することができ、更には風合いにも優れている表面に静電植毛加工が施された発泡成形体とその製造方法を提供する。【解決手段】発泡性樹脂粒子を金型内で加熱発泡して得られる無数の発泡セルが接触面において相互に融着され、かつ発泡セル間に連通気孔が形成されて通気性を有している発泡成形体の表面に、静電植毛加工によりパイルが前記表面に沿って接着されている表面に静電植毛加工が施された発泡成形製品と、前記発泡成形体の表面に接着層を形成した後、電植毛加工を施してパイルを前記発泡成形体の表面に沿って接着する発泡成形製品の製造方法。【選択図】図2
Description
本発明は、軽量で機械的強度に優れており、また擦れ音や軋み音の発生も減少することができ、更には風合いにも優れている表面に静電植毛加工が施された発泡成形製品とその製造方法に関するものである。
従来から、発泡ポリスチレン樹脂や発泡ポリオレフィン樹脂は、魚箱と称される生鮮食品の保管、運搬用ボックス等に多く使用されている。このような魚箱は、水分や臭い等を外部に漏らさないようにする必要があるため、非通気性の構造となっていた。また、通気性が必要な場合には製品に穴を開けることにより通気性を確保していた。
一方、本件出願人はこのような発泡樹脂成形製品に通気性を持たせることで、より軽量かつ機械的強度にも優れた吸音材や壁材等として使用できることに着目し、新たに通気性を有する発泡成形製品を開発し、発泡成形吸音体として先に特許出願している(特許文献1を参照)。
また、通気性を有する発泡成形製品は軽量性及び吸音性に優れているため、軽量化を図る自動車用の内装材や床下充填材としての利用が検討されている。しかしながら、自動車の場合は振動や熱など使用環境が苛酷であり、特許文献1の発泡成形体を、例えば床下充填材として用いた場合、製品の破損に加え、共材または異種材と接触して擦れ音や軋み音を発し、車内環境を低下するという問題が生じた。また近年、住宅は高機密化により住宅内部で発生する音が外に漏れにくくなっており、このため生活音が響いて家中に聞こえやすくなっているので、建築材料には更に高い吸音性が求められるようになってきた。また、発泡成形体からなる製品は魚箱に見られるように装飾が施されておらず素材自体の表面模様を呈するため美感に欠けるという指摘もあった。
従って、軽量かつ機械的強度に優れており、また擦れ音や軋み音の発生も防止することができ、更には優れた外観も呈しており、自動車の内装材や床下充填材、あるいは建築用吸音材や住宅用吸音材等のあらゆる場所に使用することが可能な新たなタイプの発泡成形製品の開発が望まれていた。
従って、軽量かつ機械的強度に優れており、また擦れ音や軋み音の発生も防止することができ、更には優れた外観も呈しており、自動車の内装材や床下充填材、あるいは建築用吸音材や住宅用吸音材等のあらゆる場所に使用することが可能な新たなタイプの発泡成形製品の開発が望まれていた。
本発明は上記のような問題点を解決して、軽量かつ機械的強度に優れており、また擦れ音や軋み音の発生を極力少なくし、また吸音性にも優れており、更には植毛加工が施されて外観性にも優れている表面に静電植毛加工が施された発泡成形製品とその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る発明は、発泡性樹脂粒子を金型内で加熱発泡して得られる無数の発泡セルが接触面において相互に融着され、かつ発泡セル間に連通気孔が形成されて通気性を有している発泡成形体の表面に、静電植毛加工によりパイルが前記表面に沿って接着されていることを特徴とする表面に静電植毛加工が施された発泡成形製品である。
前記発泡成形体およびパイルの外表面には、バインダー噴霧処理によりコーティング膜が形成されているものが好ましく、これを請求項2に係る発明とする。
一方、請求項3に係る発明は前記請求項1〜2に記載の発泡成形製品の製造方法に関するもので、発泡性樹脂粒子を金型内で加熱発泡して得られる無数の発泡セルが接触面において相互に融着され、かつ発泡セル間に連通気孔が形成されて通気性を有している発泡成形体の表面に接着層を形成した後、電植毛加工を施してパイルを前記発泡成形体の表面に沿って接着することを特徴とする発泡成形製品の製造方法である。
また、静電植毛加工を施した後、更にバインダー噴霧処理を施して、発泡成形体およびパイルの外表面にコーティング膜を形成することが好ましく、これを請求項4に係る発明とする。
請求項1に係る発明では、通気性を有している発泡成形体の表面に、静電植毛加工によりパイルが前記表面に沿って接着されているので、軽量性及び吸音性に優れているという通気性を有する発泡成形体の特性はそのまま維持しつつ、表面に設けたパイルにより擦れ音や軋み音の発生を極力防止することができ、また優れた外観性を呈することができる。
また、請求項2に係る発明では、発泡成形体およびパイルの外表面には、バインダー噴霧処理によりコーティング膜が形成されているものとしたので、前記パイルの接着強度をより向上させることができ、また水濡れ等によるパイルの脱落もしっかりと防止することができる。
一方、請求項3に係る発明では、発泡成形体の表面に接着層を形成した後、電植毛加工を施してパイルを前記発泡成形体の表面に沿って接着するので、表面に静電植毛加工が施された発泡成形製品を簡単かつ連続的に製造することができる。
また、請求項4に係る発明では、静電植毛加工を施した後、更にバインダー噴霧処理を施して、発泡成形体およびパイルの外表面にコーティング膜を形成するので、前記パイルの接着強度をより向上させることができ、また水濡れ等によるパイルの脱落もしっかりと防止することができる。
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図1は、本発明に係る発泡成形製品を示す斜視図であり、図において1は発泡成形体、3はこの発泡成形体1の上に接着されたパイルである。
前記発泡成形体1は、発泡ポリスチレン樹脂や発泡ポリオレフィン樹脂などの発泡性樹脂粒子を、型内に充填して加熱発泡して得られる無数の発泡セルで構成されたものである。また、前記パイル3は、静電植毛加工によって接着されるものであり、これらについては以下に詳述する。
図1は、本発明に係る発泡成形製品を示す斜視図であり、図において1は発泡成形体、3はこの発泡成形体1の上に接着されたパイルである。
前記発泡成形体1は、発泡ポリスチレン樹脂や発泡ポリオレフィン樹脂などの発泡性樹脂粒子を、型内に充填して加熱発泡して得られる無数の発泡セルで構成されたものである。また、前記パイル3は、静電植毛加工によって接着されるものであり、これらについては以下に詳述する。
先ず、前記発泡成形体1について説明する。
図2に示すように、本発明の発泡成形体1は、型内において発泡性樹脂粒子が加熱発泡して得られる無数の発泡セル11で構成されており、隣接する発泡セル11、11は、接触面11a、11aにおいてそれ自体が軟化溶融して結合している。即ち、その融着結合部は文字通り発泡樹脂素材が融合しているので、発泡樹脂素材と全く同一の物性を持っている。また、この発泡成形体1は、少なくとも3個の発泡セル11に囲まれる空間12aが連なって形成される連通気孔からなる3次元細気孔12を備えていて、通気性を有するとともに、次の物性を有するものである。
図2に示すように、本発明の発泡成形体1は、型内において発泡性樹脂粒子が加熱発泡して得られる無数の発泡セル11で構成されており、隣接する発泡セル11、11は、接触面11a、11aにおいてそれ自体が軟化溶融して結合している。即ち、その融着結合部は文字通り発泡樹脂素材が融合しているので、発泡樹脂素材と全く同一の物性を持っている。また、この発泡成形体1は、少なくとも3個の発泡セル11に囲まれる空間12aが連なって形成される連通気孔からなる3次元細気孔12を備えていて、通気性を有するとともに、次の物性を有するものである。
前記発泡成形体1内に微細な通路を形成する3次元細気孔12(発泡セル内の気孔は除く)の、発泡成形体全体の容積中に占める容積割合(%)を示す容積気孔率は、10〜40%であって、かつ発泡成形体自身としては、0.25MPa以上の曲げ応力値を有するものである。なお、この3次元細気孔12は、多数に枝分かれしてジグザグに曲がりくねり、その内径は拡大・縮小の変化を不規則に繰り返すという複雑な空間経路を持っているので、進入した音波に対し、反射、干渉、共振などの減衰効果を発揮し、優れた吸音機能を発揮することができる。
前記容積気孔率が10%を下回ると、強度は増加するが吸音効果が不足するので吸音体としては好ましくない。一方、容積気孔率が40%を超える場合は、吸音効果が低下する傾向を示すうえ、機械的強度が得られ難いという構造上の理由からも好ましくない。更には、本発明の吸音体の強度としては、ハンドリングに耐えるだけの最低限の形状保持強度も必要である。
また、前記発泡成形体1は3次元細気孔12を有し、通気性を有している。例えば、発泡成形体1を構成する発泡セル11の形状は、その中央縦断面が、略円形ないし長円形断面を持つ粒体であって、その大きさは長径基準で1.5〜5.5mmのものとなっている。これにより、吸音作用に必要な細気孔容積を得ることができる。また、個々の発泡セル11は、その長径/短径の範囲を、3.0以下の略長円形断面粒体としておけば、吸音作用に必要な細気孔容積がより得られ易くなる。
勿論、発泡セルの形状としては円形の粒体に限られることなく、多角状の粒体や、円筒状あるいは多角形筒状の棒状体でもよく、要は通気性を有する発泡成形体を構成するものであればよい。
勿論、発泡セルの形状としては円形の粒体に限られることなく、多角状の粒体や、円筒状あるいは多角形筒状の棒状体でもよく、要は通気性を有する発泡成形体を構成するものであればよい。
次に、前記発泡成形体1の上に静電植毛加工によって接着されるパイル3について説明する。
この静電植毛加工は、高圧静電界における静電吸引力を利用して、接着剤を塗布した基材にパイル(短繊維)を垂直に投錨させ、その後、前記接着剤を乾燥(キュアリング)させることにより投錨したパイルを接着固定させる加工方法である。図2に示すように、前記発泡成形体1の表面には予め接着剤層4が塗布成形されており、この接着剤層4にパイル3の基部が投錨されることでパイル3がしっかりと接着固定されている。
この静電植毛加工は、高圧静電界における静電吸引力を利用して、接着剤を塗布した基材にパイル(短繊維)を垂直に投錨させ、その後、前記接着剤を乾燥(キュアリング)させることにより投錨したパイルを接着固定させる加工方法である。図2に示すように、前記発泡成形体1の表面には予め接着剤層4が塗布成形されており、この接着剤層4にパイル3の基部が投錨されることでパイル3がしっかりと接着固定されている。
前記接着剤層4は、発泡成形体1の表面に沿って塗布成形されており、3次元細気孔12が表面において開口している凹部では接着剤層4が凹部内に僅かに入り込んだ状態となっている。従って、この接着剤層4に投錨されるパイル3も発泡成形体1の表面に沿って、前記凹部ではパイル3も凹部内に僅かに入り込んだ状態で均一に接着固定されることとなる。
なお前記パイル3は、植毛製品のパイル密集度不足および斑点が生じる問題をなくすために、電着処理剤によって電着処理(パイル処理ともいう)を施し、パイルに電気的に作用する薬品を吸着せしめて良好な飛昇効果を得るようにするのが好ましい。
なお前記パイル3は、植毛製品のパイル密集度不足および斑点が生じる問題をなくすために、電着処理剤によって電着処理(パイル処理ともいう)を施し、パイルに電気的に作用する薬品を吸着せしめて良好な飛昇効果を得るようにするのが好ましい。
更に、前記発泡成形体1およびパイル3の外表面には、バインダー噴霧処理によりコーティング膜5が形成されている構造とすることができる。このバインダー噴霧処理は、発泡成形体1およびパイル3の外表面にコーティング膜5を形成することにより、植毛表面の強度向上および水濡れ等によるパイル3の脱落防止を図るものである。
噴霧するバインダー液は、例えば発泡樹脂と付着しやすいアクリル系樹脂材やSBR系樹脂材を、発泡成形体の樹脂を溶かさないように水やアルコール等の溶剤で希釈したものを用いることができる。
噴霧するバインダー液は、例えば発泡樹脂と付着しやすいアクリル系樹脂材やSBR系樹脂材を、発泡成形体の樹脂を溶かさないように水やアルコール等の溶剤で希釈したものを用いることができる。
図3は、繊維層2の表面に塗布した接着層4にパイル3を接着してある発泡成形体1の表面にバインダー噴霧処理を施してコーティング膜5を形成した場合を示している。この図から明らかなように、発泡成形体1およびパイル3の外表面にはコーティング膜5が均一に形成されており、植毛表面の強度向上および水濡れ等によるパイル3の脱落防止が図られている。
次に、本発明の発泡成形製品の製造方法につき説明する。
本発明では、通気性を有している発泡成形体1の表面に接着層4を形成した後、電植毛加工を施してパイル3を前記発泡成形体1の表面に沿って均一に接着する。
このパイル3が緩衝材となって擦れ音や軋み音の発生を極力防止することができ、また接着層4の存在により機械的強度を向上させることができる。また、前記パイル3によって着色を施すこともできるため、優れた外観性も発揮することができる。なお、通気性を有しているので優れた吸音効果を発揮することは勿論である。
本発明では、通気性を有している発泡成形体1の表面に接着層4を形成した後、電植毛加工を施してパイル3を前記発泡成形体1の表面に沿って均一に接着する。
このパイル3が緩衝材となって擦れ音や軋み音の発生を極力防止することができ、また接着層4の存在により機械的強度を向上させることができる。また、前記パイル3によって着色を施すこともできるため、優れた外観性も発揮することができる。なお、通気性を有しているので優れた吸音効果を発揮することは勿論である。
次に、前記繊維層2の上に静電植毛加工を施してパイルを接着する。
この静電植毛加工は、前記繊維層2の表面に予め接着剤層4を塗布成形しておき、この接着剤層4にパイル3を接着するものである。前記接着剤層4は、発泡成形体1の表面形状に沿って塗布成形されるため、この接着剤層4に投錨されるパイル3も発泡成形体1の表面に沿って均一に接着固定されることとなる。
この静電植毛加工は、前記繊維層2の表面に予め接着剤層4を塗布成形しておき、この接着剤層4にパイル3を接着するものである。前記接着剤層4は、発泡成形体1の表面形状に沿って塗布成形されるため、この接着剤層4に投錨されるパイル3も発泡成形体1の表面に沿って均一に接着固定されることとなる。
更には、前記発泡成形体1およびパイル3の外表面に、バインダー噴霧処理を施してコーティング膜5を形成することもできる。
このバインダー噴霧処理は、発泡成形体1およびパイル3の外表面にコーティング膜5を形成することにより、植毛表面の強度向上および水濡れ等によるパイル3の脱落防止を図るものである。バインダー液としては、例えば発泡樹脂と付着しやすいアクリル系樹脂材やSBR系樹脂材を、発泡成形体の樹脂を溶かさないように水やアルコール等の溶剤で希釈したものが用いられる。
なお、前記バインダー噴霧処理は、例えば静電植毛加工を施したケース内において引き続いて行うことができる。
このバインダー噴霧処理は、発泡成形体1およびパイル3の外表面にコーティング膜5を形成することにより、植毛表面の強度向上および水濡れ等によるパイル3の脱落防止を図るものである。バインダー液としては、例えば発泡樹脂と付着しやすいアクリル系樹脂材やSBR系樹脂材を、発泡成形体の樹脂を溶かさないように水やアルコール等の溶剤で希釈したものが用いられる。
なお、前記バインダー噴霧処理は、例えば静電植毛加工を施したケース内において引き続いて行うことができる。
発泡ポリスチレン樹脂の発泡性樹脂粒子を型内で加熱発泡して、発泡倍率が40倍、容積気孔率が10%、曲げ応力が0.25MPa以上の発泡成形体を成形した。
この発泡成形体から、150×150×25mmの板状体を切り出し、この表面に接着剤層を塗布した。次いで、これを静電塗装用のボックス内にセットし、静電植毛加工を施して発泡成形体の表面にパイルを接着固定した。
この発泡成形体から、150×150×25mmの板状体を切り出し、この表面に接着剤層を塗布した。次いで、これを静電塗装用のボックス内にセットし、静電植毛加工を施して発泡成形体の表面にパイルを接着固定した。
得られた表面に静電植毛加工が施された発泡成形製品について、種々の物性評価を行った結果を以下に示す。
(1)通気性について
通気性は通気度試験機を使用して測定した。一定の流量[m3/cm2sec]のエアを通し、この時の圧力差[kPa]を測定し、通気抵抗[kPa sec/m]を求めた。本発明の発泡成形製品の通気抵抗は0.94[kPa sec/m]であり、発泡成形体単体の通気抵抗0.87[kPa sec/m]に比べて約8%抵抗値が上昇していることがわかった。しかながら、これは自動車用内装材、建築用吸音材等としては十分な通気性で何ら問題ないことが確認されている。
(1)通気性について
通気性は通気度試験機を使用して測定した。一定の流量[m3/cm2sec]のエアを通し、この時の圧力差[kPa]を測定し、通気抵抗[kPa sec/m]を求めた。本発明の発泡成形製品の通気抵抗は0.94[kPa sec/m]であり、発泡成形体単体の通気抵抗0.87[kPa sec/m]に比べて約8%抵抗値が上昇していることがわかった。しかながら、これは自動車用内装材、建築用吸音材等としては十分な通気性で何ら問題ないことが確認されている。
(2)吸音特性について
吸音性は、垂直入射吸音率測定器を使用して、JIS−A1405−1に準拠する方法で、厚さ25mmの試料に対し800〜5000Hzの周波数領域の測定を行なった。
この結果、本発明の発泡成形製品の吸音率は、発泡成形体単体(従来品)の吸音率とほぼ同等であることが確認できた。これは自動車用内装材、建築用吸音材等として十分な吸音率である。
吸音性は、垂直入射吸音率測定器を使用して、JIS−A1405−1に準拠する方法で、厚さ25mmの試料に対し800〜5000Hzの周波数領域の測定を行なった。
この結果、本発明の発泡成形製品の吸音率は、発泡成形体単体(従来品)の吸音率とほぼ同等であることが確認できた。これは自動車用内装材、建築用吸音材等として十分な吸音率である。
(3)曲げ強度について
曲げ強度(曲げ応力の最大値)は、JIS‐K7221‐2に準拠する方法で測定したものであり、その結果を図4に示す。本発明の発泡成形製品の曲げ応力の最大値は、0.4MPaであり、発泡成形体単体の曲げ応力の最大値(0.23MPa)に比べて70%以上向上していることが確認でき、本発明品の機械的強度が大幅に向上したことがわかった。
曲げ強度(曲げ応力の最大値)は、JIS‐K7221‐2に準拠する方法で測定したものであり、その結果を図4に示す。本発明の発泡成形製品の曲げ応力の最大値は、0.4MPaであり、発泡成形体単体の曲げ応力の最大値(0.23MPa)に比べて70%以上向上していることが確認でき、本発明品の機械的強度が大幅に向上したことがわかった。
(4)擦れ音や軋み音の発生防止について
擦れ音及び軋み音の評価は、発泡成形体をガラス板上で荷重を加えて、手動で往復回転運動させたときに音が発生するかどうか評価した。発泡成形体単体では擦れ音及び軋み音が発生したが、本発明の発泡成形製品は表面にパイルが植毛されているため、擦れ音や軋み音は全く発生しなかった。また、表面がパイルで着色されているため外観上も優れた視覚性を発揮するものであった。
擦れ音及び軋み音の評価は、発泡成形体をガラス板上で荷重を加えて、手動で往復回転運動させたときに音が発生するかどうか評価した。発泡成形体単体では擦れ音及び軋み音が発生したが、本発明の発泡成形製品は表面にパイルが植毛されているため、擦れ音や軋み音は全く発生しなかった。また、表面がパイルで着色されているため外観上も優れた視覚性を発揮するものであった。
1 発泡成形体
3 パイル
4 接着剤層
5 コーティング膜
11 発泡セル
11a 接着面
12 3次元細気孔
12a 空間
3 パイル
4 接着剤層
5 コーティング膜
11 発泡セル
11a 接着面
12 3次元細気孔
12a 空間
Claims (4)
- 発泡性樹脂粒子を金型内で加熱発泡して得られる無数の発泡セルが接触面において相互に融着され、かつ発泡セル間に連通気孔が形成されて通気性を有している発泡成形体の表面に、静電植毛加工によりパイルが前記表面に沿って接着されていることを特徴とする表面に静電植毛加工が施された発泡成形製品。
- 発泡成形体およびパイルの外表面には、バインダー噴霧処理によりコーティング膜が形成されている請求項1記載の表面に静電植毛加工が施された発泡成形製品。
- 発泡性樹脂粒子を金型内で加熱発泡して得られる無数の発泡セルが接触面において相互に融着され、かつ発泡セル間に連通気孔が形成されて通気性を有している発泡成形体の表面に接着層を形成した後、電植毛加工を施してパイルを前記発泡成形体の表面に沿って接着することを特徴とする発泡成形製品の製造方法。
- 静電植毛加工を施した後、更にバインダー噴霧処理を施して、発泡成形体およびパイルの外表面にコーティング膜を形成する請求項3に記載の発泡成形製品の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015108115A JP2016221736A (ja) | 2015-05-28 | 2015-05-28 | 表面に静電植毛加工が施された発泡成形製品とその製造方法 |
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JP (1) | JP2016221736A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018088571A1 (ja) | 2016-11-14 | 2018-05-17 | 日本精工株式会社 | 円筒ころ軸受 |
-
2015
- 2015-05-28 JP JP2015108115A patent/JP2016221736A/ja active Pending
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