JP2019184798A - 吸音部材及び自動車内装品 - Google Patents

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三千也 杉江
Michiya Sugie
三千也 杉江
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Abstract

【課題】本発明は、従来に比べて、騒音の吸音特性が良好な吸音部材及び自動車内装品を提供することを目的とする。【解決手段】複数の第1凹部26と、複数の第2凹部27を有し、第1凹部26と第2凹部27は、開口形状が相違し、かつ内部空間の大きさも相違しており、JIS A 1409:1998に準ずる残響室法吸音率が1/3オクターブバンド中央周波数における1000Hz〜4000Hzの範囲において最大ピークを有し、最大ピークの残響室法吸音率が0.75以上である構成とする。【選択図】図2

Description

本発明は、吸音部材及び自動車内装品に関する。
従来から、吸音性能を有する材料として古紙を溶解して成形したパルプモールドが知られている。このパルプモールドは、古紙をリサイクルできることから安価であり、環境にも優しいという特長がある。このパルプモールドを使用した吸音部材としては、特許文献1に記載の吸音部材がある。
この特許文献1では、パルプモールド中に珪藻土を加えることによって難燃性と吸音性を持たせることが可能とされている。
特開2010−031136号公報
ところで、一般的に人間の可聴周波数は、20Hz〜20kHzであり、一般的な人間の声の周波数である120Hz〜300Hzと言われている。その一方で、人間が聞き取りやすく、騒音を感じやすい周波数は、500Hz〜4000Hzと言われている。
自動車のドアトリムやインストルメンタルパネル等の自動車内装品では、走行中の外部の騒音が自動車の室内空間に伝達を抑制しつつ、走行中での会話が聞き取れるようにするためには、人間の声の周波数よりも高周波数側の1000Hz〜4000Hzの周波数域での吸音率が重要となる。
しかしながら、特許文献1に記載のパルプモールドの吸音特性は、250Hz〜500Hzにピークがあり、人間の声の周波数域に対して吸音特性を示すものの、高周波数側である騒音を感じやすい周波数範囲に対する吸音特性が十分ではない。そのため、自動車内装品としての用途としては改良の余地があった。
そこで、本発明は、従来に比べて、騒音の吸音特性が良好な吸音部材及び自動車内装品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記した課題を解決するべく、騒音を感じやすい周波数域に吸音率の最大ピークを持たせるべく、様々な形状の凹部のパルプモールドを試作し、試作したパルプモールドに対して各周波数に対する吸音率を算出し、吸音特性を評価した。その結果、開口形状と内部空間の大きさの違いにより、同一の面積のパルプモールドでも吸音特性のピーク位置やピーク形状が異なることを発見した。例えば、円錐台形状の凹部では、四角錘台形状の凹部に比べて最大ピーク位置が高周波数側にシフトするとともに吸音率が低下していた。
そこで、本発明者は、一つのパルプモールドに対して複数種類の凹部を混在させることによって、騒音を感じやすい周波数域に最大ピークをもたせることを試みた。
本発明者が試行錯誤の末に、導きだされた請求項1に記載の発明は、複数の第1凹部と、複数の第2凹部を有し、前記第1凹部と前記第2凹部は、開口形状が相違し、かつ内部空間の大きさも相違しており、JIS A 1409:1998に準ずる残響室法吸音率が1/3オクターブバンド中央周波数における1000Hz〜4000Hzの範囲において最大ピークを有し、前記最大ピークの残響室法吸音率が0.75以上であることを特徴とする吸音部材である。
本発明の構成によれば、人が騒音を感じやすい周波数域である1000Hz〜4000Hzの範囲において残響室法吸音率が最大ピークを有し、その吸音率が0.75以上であるので、騒音等を十分に吸音することができる。
請求項2に記載の発明は、前記第1凹部は、開口形状が四角形状であり、前記第2凹部は、開口形状が円形状であり、前記第1凹部の開口面積と前記第2凹部の開口面積は、相違することを特徴とする請求項1に記載の吸音部材である。
請求項3に記載の発明は、面状に広がりをもつものであって、第1主面と、第2主面を有し、前記第1凹部は、前記第1主面から前記第2主面に向かって四角錘台状に窪んでおり、前記第2凹部は、前記第1主面から前記第2主面に向かって円錐台状に窪んでいることを特徴とする請求項2に記載の吸音部材である。
請求項4に記載の発明は、前記第1凹部の深さは、0.5cm以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の吸音部材である。
請求項5に記載の発明は、面状に広がりをもつものであって、第1主面を有し、前記第1凹部と前記第2凹部は、前記第1主面に分布して設けられており、前記第1主面における前記第1凹部の総開口率と前記第2凹部の総開口率の和は、70%以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の吸音部材である。
請求項6に記載の発明は、面状に広がりをもつものであって、第1主面を有し、前記第1凹部と前記第2凹部は、前記第1主面に碁盤状に分布して設けられており、前記第2凹部は、前記第1凹部と隣接して配されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の吸音部材である。
請求項7に記載の発明は、前記第2凹部は、他の第2凹部とともに第2凹部群を形成しており、前記第1凹部は、前記第2凹部群の周囲を囲むように配されていることを特徴とする請求項6に記載の吸音部材である。
請求項8に記載の発明は、基材に取り付けられて使用する吸音部材であって、面状に広がりをもつものであって、第1主面と、第2主面を有し、前記第1凹部と前記第2凹部は、前記第1主面から前記第2主面に向かって窪んでおり、前記第2主面に前記基材を取り付けることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の吸音部材である。
請求項9に記載の発明は、前記第1凹部の底部は、前記第2主面を構成しており、前記基材に取り付ける際には、前記第1凹部の底部を前記基材に融着、接着、粘着、及び機械的嵌合の少なくとも一つによって取り付けられることを特徴とする請求項8に記載の吸音部材である。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の吸音部材と、基材と、表皮材を備え、前記基材は、片面に表皮材が積層されており、前記表皮材とは反対側の面に前記吸音部材が積層されていることを特徴とする自動車内装品である。
本発明の構成によれば、吸音特性が良好な自動車内装品となる。
本発明の吸音部材及び自動車内装品によれば、従来に比べて、騒音を感じやすい周波数域における吸音特性が良好である。
本発明の第1実施形態の自動車内装品を模式的に示した斜視図である。 図1の自動車内装品のA領域の斜視図であり、外郭形成部材を省略している。 図2の自動車内装品の正面図である。 図2の自動車内装品の断面図である。 図2の吸音部材を図2とは別の方向からみた斜視図である。 図2の吸音部材の断面斜視図である。 本発明の他の実施形態の自動車内装品の要部を模式的に示した斜視図である。 図7の自動車内装品の要部の断面図である。 本発明の実施例1及び比較例1〜3の1/3オクターブバンド中央周波数に対する残響室法吸音率を表すグラフである。 図9のB範囲のみを抜き取ったグラフである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の第1実施形態の自動車内装品1は、図1のように、自動車のドアパネルを構成するものであり、図4のように、主要構成部材として、室内空間2側から順に、表皮材10と、基材11と、外郭形成部材15を備えている。そして、自動車内装品1は、基材11と外郭形成部材15との間に室内外の音を吸音する吸音部材12をさらに備えており、この吸音部材12の構造に主な特徴を有している。
以下、このことを踏まえながら、自動車内装品1の各構成部材について説明する。
表皮材10は、熱可塑性シートであり、TPO樹脂、ABS樹脂、PVC樹脂等の公知の熱可塑性樹脂で形成されたものである。表皮材10は、単層であってもよいし、積層体であってもよい。表皮材10は発泡層を有するものであってもよい。
基材11は、吸音部材12が取り付けられる被取付部材である。
基材11は、ポリプロピレン樹脂やABS樹脂を素材とし、射出成形等の公知の方法によって別途成形されたものであり、相当の剛性を有するものである。
吸音部材12は、基材11の外面形状に沿って面状に広がりをもった板状体である。
吸音部材12は、パルプモールドで構成されたものであり、主要成分として、古紙等のセルロースを含むパルプと、紙力剤を含んでいる。
吸音部材12は、厚みが0.25cm以上3cm以下であることが好ましい。
この範囲であれば、十分な強度を維持しつつ、嵩張りすぎない。
吸音部材12は、図2,図5のように、両面を構成する第1主面20と第2主面21を備えている。
吸音部材12の第1主面20は、微細な凹凸が形成されており、図2のように、本体部25と、複数の第1凹部26と、複数の第2凹部27を備えている。
本体部25は、第1凹部26と第2凹部27とともに第1主面20を構成する部位であり、第1凹部26と第2凹部27を面状に支持する部位である。
第1凹部26は、図3〜図6のように、開口形状が四角形状であり、第1主面20から第2主面21(基材11側)に向かって四角錘台状に窪んだ窪みである。すなわち、第1凹部26は、内部空間の断面積が第1主面20から第2主面21に向かって漸次小さくなっている。
第1凹部26の深さ(第1主面20から底部28までの距離)は、0.5cm以上2cm以下であることが好ましい。
この範囲であれば、騒音を吸収するための内部空間を確保できる。
第2凹部27は、図3〜図6のように、開口形状が円形状であり、第1主面20から第2主面21に向かって円錐台状に窪んだ穴であり、底部29に貫通孔30を備えている。すなわち、第2凹部27は、開口の断面積が第1主面20から第2主面21に向かって漸次小さくなっており、その底部29に貫通孔30を備えている。
貫通孔30は、開口形状が円形状であって、第2凹部27の底部29を厚み方向に貫通した貫通孔である。
貫通孔30の開口面積は、第2凹部27の開口面積の1/200以上1/100以下であることが好ましい。
この範囲であれば、軽量化と吸音特性の両立が可能である。
第2凹部27の深さ(第1主面20から底部29までの距離)は、0.5cm以上2cm以下であることが好ましい。
この範囲であれば、騒音を吸収するための内部空間を確保できる。
第2凹部27の開口面積は、図3のように、第1凹部26の開口面積よりも小さいことが好ましい。本実施形態では、第1凹部26の一辺の長さは、第2凹部27の直径の長さと等しい。
第2凹部27の内部空間の大きさ(容積)は、第1凹部26の内部空間の大きさ(容積)と相違しており、第1凹部26の内部空間の大きさ(容積)よりも小さい。
別の観点から視ると、第1凹部26は、図4のように本体部25から第2主面21側に向かって突出した四角錘台状の突出部であり、第2凹部27は、本体部25から第2主面21側に向かって突出した円錐台状の突出部である。
本実施形態の吸音部材12は、図6のように、本体部25、第1凹部26、及び第2凹部27のそれぞれの厚みが一律の厚みであり、いずれも吸音部材12の全体の厚み比べて薄い。本体部25、第1凹部26、及び第2凹部27の厚みは、0.5mm以上2mm以下であることが好ましい。
この範囲であれば、十分な強度を確保しつつ、騒音を逃がしやすい。
吸音部材12は、図3のように、第1主面20における第1凹部26の総開口率と第2凹部27の総開口率の和が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
この範囲であれば、大部分に第1凹部26と第2凹部27が形成されているので、単位面積当たりの吸音率を向上できる。
ここで、吸音部材12の各部位の位置関係について説明する。
吸音部材12は、図3のように、第1凹部26及び第2凹部27が縦横碁盤状に設けられ、平面状に分布している。吸音部材12は、複数の第1凹部26が横方向X又は縦方向Yに一列に並んでおり、第1凹部群31が形成されている。また、吸音部材12は、一又は複数の第2凹部27が局所的に集中して配されており、第2凹部群32が形成されている。
第1凹部26は、第2凹部群32の周囲を囲むように並設されており、各第2凹部27は、横方向X及び/又は縦方向Yにおいて第1凹部26が隣接している。
第1凹部26の数に対する第2凹部27の数の比率は、特に限定されるものではないが、0.45以上0.65以下であることが好ましく、0.50以上0.60以下であることがより好ましい。
この範囲であれば、騒音を感じやすい周波数域である1000Hz〜4000Hzの範囲において最大ピークを設けやすい。
外郭形成部材15は、図4のように自動車の外郭を形成する部材であり、鋼材で形成されている。
続いて、第1実施形態の自動車内装品1の各部材の位置関係について説明する。
自動車内装品1は、図4のように基材11の片面(室内空間2側の面)に表皮材10が積層されており、反対面に吸音部材12が積層されている。吸音部材12は、基材11を基準として外側に外郭形成部材15が位置しており、外郭形成部材15との間には、空間が設けられている。
吸音部材12は、第2主面21が基材11上に載置されており、第1凹部26の底部28が基材11に超音波融着等によって融着されて取り付けられており、基材11に面接触されている。すなわち、吸音部材12は、基材11からみて、第1主面20が第2主面21の外側に位置しており、第1凹部26及び第2凹部27の開口は、共に外側を向いている。言い換えると、基材11側からみて外側(外郭形成部材15側)に各凹部26,27の内部から開放された空気層が形成されている。そのため、特に室外空間から室内空間2に進行する音波に対して優れた吸音効果を発揮できる。
続いて、第1実施形態の吸音部材12の特性について説明する。
吸音部材12は、JIS A 1409:1998に準ずる残響室法吸音率が1000Hz〜4000Hzの周波数域に最大ピークを有しており、1000Hz〜3000Hzの周波数域に最大ピークを有していることが好ましい。
この範囲であれば、人間が不快に感じやすい1000Hz〜3000Hzの範囲で吸音性能が高いので、騒音に対する吸音性能が従来に比べて向上できる。
吸音部材12は、1000Hz〜4000Hzの周波数域での残響室法吸音率の最大ピークが0.75以上であり、0.8以上であることが好ましい。
吸音部材12は、1000Hz〜4000Hzの周波数域での残響室法吸音率が0.4以上であることが好ましい。
これらの範囲であれば、騒音に対する吸音性能をより向上できる。
本実施形態の自動車内装品1によれば、第1主面20に開口形状が四角形状で低周波数側に吸音率のピークをもつ第1凹部26と、開口形状が円形状で第1凹部26と内部空間の大きさが相違し、第1凹部26に比べて高周波数側に吸音率のピークをもつ第2凹部27が混在している。そのため、第1凹部26の吸音率のピークを高周波数側にシフトすることができ、騒音を感じる周波数範囲に吸音率のピークを合わせることができる。それ故に、使用者に騒音を感じにくくできる。
本実施形態の自動車内装品1によれば、超音波融着によって平滑な第1凹部26の底部28と基材11を融着しているため、ぴったりと隙間なく融着することができる。
本実施形態の自動車内装品1によれば、吸音部材12をパルプモールドで形成しているため、フェルト等で形成された吸音部材に比べて、環境に優しく、製造コストも低減できる。また、吸音部材12をパルプモールドで形成しているため、軽量化も可能である。
本実施形態の自動車内装品1によれば、吸音部材12が紙力剤を含むため、通常のパルプモールドを使用する場合に比べて耐水性が高い。
上記した実施形態では、吸音部材12を基材11に対して融着して固定していたが、本発明はこれに限定されるものではない。基材11に対する吸音部材12の固定方法は問わない。例えば、接着剤によって吸音部材12を基材11に接着して固定してもよい。この場合、第1凹部26の底部28に塗布することが好ましい。こうすることでムラなく接着剤を塗布することができ、ピッタリと基材11に貼り付けることができる。
上記した実施形態では、吸音部材12の第1凹部26の底部28が基材11と面接触していたが、本発明はこれに限定されるものではない。第1凹部26の底部28と基材11との間に空間が形成されていてもよい。この場合、第1凹部26の底部28に基材11に対して延びる凸部等を設け、第1凹部26の底部28と基材11の間が所定の間隔となるようにすることが好ましい。
上記した実施形態では、第1凹部26は、四角錘台状であったが、本発明はこれに限定されるものではない。第1凹部26は、三角錘台状や五角錐台状、六角錘台状などの他の角錐台状であってもよい。また、第1凹部26は、三角柱状、四角柱状、五角柱状、六角柱状などの多角柱状であってもよい。
同様に、上記した実施形態では、第2凹部27は、円錐台状であったが、本発明はこれに限定されるものではない。第2凹部27は、楕円錘台であってもよいし、楕円柱状であってもよいし、半球状であってもよい。
上記した実施形態では、吸音部材12をパルプモールドで構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。吸音部材12は、樹脂やセラミック等の多孔質体で形成されていてもよい。
上記した実施形態では、底部29に貫通孔30を設けていたが、本発明はこれに限定されるものではない。底部29に貫通孔30を設けなくてもよい。
上記した実施形態では、第1凹部26及び第2凹部27の開口は、外側の室外空間側を向いていたが、本発明はこれに限定されるものではない。第1凹部26及び第2凹部27の開口は、室内空間2側を向いていてもよい。この場合、室内空間2から室外空間に進行する音波に対して優れた吸音効果を発揮できる。
例えば、自動車内装品がドアパネルの場合、図7,図8のように、主に室外からの衝撃を支えるドアインパクトビーム101と、室内空間2側に面するドアインナーパネル102とに跨って吸音部材12を設置することが好ましい。吸音部材12のドアインパクトビーム101やドアインナーパネル102への取付方法は特に限定されない。例えば、クリップ103,104などの固定手段で取り付けられることが好ましい。
上記した実施形態では、吸音部材をドアパネルに設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。吸音部材をインストルメンタルパネルや自動車シートなどの他の自動車内装品内に設けてもよい。
上記した実施形態では、吸音部材は、基材に取り付ける際に、第1凹部の底部が基材に融着されて取り付けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。吸音部材は、基材に取り付ける際に、第1凹部の底部が基材に融着以外の方法で取り付けられていてもよい。吸音部材は、基材に取り付ける際に、第1凹部の底部が基材に融着、接着、粘着、及び機械的嵌合の少なくとも一つの方法によって取り付けられていることが好ましい。
上記した実施形態は、本発明の技術的範囲に含まれる限り、各実施形態間で各構成部材を自由に置換や付加できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施できる。
(実施例1)
実施例1では、縦1.5m、横2m(面積が3.0m2)で厚みが1cmの長方形状の板状の試験片を使用した。また、実施例1の試験片は、一辺が2cmの正方形状の開口形状をもつ四角錘台状の第1凹部と、直径が2cmの円形状の開口形状をもつ円錐台状の第2凹部が混在したものであり、第1主面中の第1凹部の総開口率と第2凹部の総開口率の和は、70%以上であり、第1凹部と第2凹部の個数比は、35:19であった。
実施例1の試験片は、第1凹部の一辺が第2凹部の直径と同じであり、第1凹部の深さは第2凹部の深さと同じであった。すなわち、実施例1の試験片は、第1凹部の内部空間の大きさが第2凹部の内部空間の大きさよりも大きいものを使用した。
(比較例1)
参考例1の吸音部材は、実施例1において、第2凹部の代わりに第1凹部を形成し、正方形状の第1凹部のみ形成された試験片を使用した。
(比較例2)
比較例2の吸音部材は、実施例1において、第1凹部の代わりに第2凹部を形成し、第2凹部のみが形成された試験片を使用した。
(参考例1)
参考例1の吸音部材は、縦2m、横1.5m(面積が3.0m2)で厚みが1cmの凹凸がないフェルトパネルを使用した。
(残響室法吸音率測定)
実施例1、比較例1,2、及び参考例1に対し、JIS A 1409:1998に準じて1/3オクターブバンド中央周波数に対する残響室法吸音率を測定した。
測定結果を図9及び図10に示す。
実施例1は、図9,図10のように、1000Hz〜4000Hzの範囲において1600Hz付近に最大ピークがあり、最大ピークの残響室法吸音率が0.85であった。また、1000Hz〜4000Hzの全範囲において残響室法吸音率が0.4以上であり、高周波数側に向かうにつれて吸音率が緩やかに低下していた。
一方、四角錘台状の比較例1では、1000Hz〜4000Hzの範囲において1000Hz付近に最大ピークがあり、最大ピークの残響室法吸音率が0.73であった。また、比較例1では、1000Hz以下の低周波数の範囲で吸音率が高く、高周波数側に向かうにつれて吸音率が急激に低下した。
円錐台状の比較例2では、1000Hz〜4000Hzの範囲において1200Hz付近に最大ピークがあり、最大ピークの残響室法吸音率が0.54であった。また、比較例2では、比較例1に比べて高周波数側に向かうにつれて吸音率が緩やかに低下した。
フェルトを使用した参考例1では、1000Hz〜4000Hzの範囲において4000Hzに最大ピークがあり、最大ピークの残響室法吸音率が0.72であった。また、参考例1では、高周波数側に向かうにつれて吸音率が増加した。
円錐台状の第2凹部のみを形成した比較例2では、四角錘台状の第1凹部のみを形成した比較例1に比べて最大ピークが高周波数側にあり、最大ピークの吸音率が小さくなっていた。このことから、凹部の開口形状と内部空間の大きさによって最大ピークの周波数が変化することが示唆された。
第1凹部と第2凹部が混在した実施例1では、最大ピークが比較例1の最大ピークよりも高周波数側にシフトしており、比較例2よりも最大ピークの吸音率が高かった。このことから、第1凹部と第2凹部の比率により、最大ピークの周波数を調整できることが示唆された。
上記したように実施例1では、騒音を感じやすい1000Hz〜4000Hzの全範囲において0.4以上の良好な吸音特性を有しており、その最大ピークは、参考例1のフェルトパネルの最大ピークよりも吸音率が高かった。
以上の結果から、第1凹部と第2凹部の開口形状を相違させ、内部空間の大きさも相違させることによって、1000Hz〜4000Hzの範囲で最大ピークを持たせることができ、当該最大ピークを0.75以上とできることがわかった。
1 自動車内装品
10 表皮材
11 基材
12 吸音部材
20 第1主面
21 第2主面
25 本体部
26 第1凹部
27 第2凹部
28,29 底部
30 貫通孔
32 第2凹部群

Claims (10)

  1. 複数の第1凹部と、複数の第2凹部を有し、
    前記第1凹部と前記第2凹部は、開口形状が相違し、かつ内部空間の大きさも相違しており、
    JIS A 1409:1998に準ずる残響室法吸音率が1/3オクターブバンド中央周波数における1000Hz〜4000Hzの範囲において最大ピークを有し、
    前記最大ピークの残響室法吸音率が0.75以上であることを特徴とする吸音部材。
  2. 前記第1凹部は、開口形状が四角形状であり、
    前記第2凹部は、開口形状が円形状であり、
    前記第1凹部の開口面積と前記第2凹部の開口面積は、相違することを特徴とする請求項1に記載の吸音部材。
  3. 面状に広がりをもつものであって、第1主面と、第2主面を有し、
    前記第1凹部は、前記第1主面から前記第2主面に向かって四角錘台状に窪んでおり、
    前記第2凹部は、前記第1主面から前記第2主面に向かって円錐台状に窪んでいることを特徴とする請求項2に記載の吸音部材。
  4. 前記第1凹部の深さは、0.5cm以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の吸音部材。
  5. 面状に広がりをもつものであって、第1主面を有し、
    前記第1凹部と前記第2凹部は、前記第1主面に分布して設けられており、
    前記第1主面における前記第1凹部の総開口率と前記第2凹部の総開口率の和は、70%以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の吸音部材。
  6. 面状に広がりをもつものであって、第1主面を有し、
    前記第1凹部と前記第2凹部は、前記第1主面に碁盤状に分布して設けられており、
    前記第2凹部は、前記第1凹部と隣接して配されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の吸音部材。
  7. 前記第2凹部は、他の第2凹部とともに第2凹部群を形成しており、
    前記第1凹部は、前記第2凹部群の周囲を囲むように配されていることを特徴とする請求項6に記載の吸音部材。
  8. 基材に取り付けられて使用する吸音部材であって、
    面状に広がりをもつものであって、第1主面と、第2主面を有し、
    前記第1凹部と前記第2凹部は、前記第1主面から前記第2主面に向かって窪んでおり、
    前記第2主面に前記基材を取り付けることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の吸音部材。
  9. 前記第1凹部の底部は、前記第2主面を構成しており、
    前記基材に取り付ける際には、前記第1凹部の底部を前記基材に融着、接着、粘着、及び機械的嵌合の少なくとも一つによって取り付けられることを特徴とする請求項8に記載の吸音部材。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の吸音部材と、基材と、表皮材を備え、
    前記基材は、片面に表皮材が積層されており、前記表皮材とは反対側の面に前記吸音部材が積層されていることを特徴とする自動車内装品。
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WO2021117901A1 (ja) * 2019-12-12 2021-06-17 旭化成株式会社 多層吸音材
JP7510455B2 (ja) 2022-03-23 2024-07-03 森六テクノロジー株式会社 車両用内装構造

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