JP4494024B2 - 自動車内装材用積層シート及びその製造方法並びに自動車内装材 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車天井材、ドア部材などの自動車内装材に用いられる自動車内装材用積層シート及びその製造方法並びに自動車内装材用積層シートを用いた自動車内装材に関する。
従来から自動車内装材が種々、提案されており、このような自動車内装材としては、例えば、特許文献1に、表皮材と発泡積層体からなる自動車内装材において、発泡積層体が変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする発泡層の両面に、熱可塑性樹脂からなる非発泡層を積層した構造を有し、且つ発泡層の発泡倍率が20倍を超え、100倍以下であることを特徴とする自動車内装材が提案されている。
しかしながら、上記自動車内装材は、その発泡層を高発泡化させることで、発泡層に積層された非発泡層の振動の自由度を高め、非発泡層の振動による音の干渉効果を利用することで吸音性能を発揮させていることから、自動車内装材の成形形状によって非発泡層の振動の自由度が影響を受け、自動車内装材の成形形状によって吸音性能が変化してしまい、自動車内装材に一定の吸音性能を保持させることができないか、或いは、一定の吸音性能を保持させようとすると、自動車内装材の成形形状が限定されるといった問題点があった。
特開2000−283482号公報
本発明は、優れた吸音性を維持しつつ所望形状に成形することができ且つ優れた寸法安定性を有する自動車内装材用積層シート及びその製造方法並びに上記自動車内装材用積層シートを用いた自動車内装材を提供する。
本発明の自動車内装材用積層シートAの変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1を構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、特に限定されず、下記化1で表されるポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂との混合物、上記ポリフェニレンエーテルにスチレン系モノマーをグラフト共重合してなる変性ポリフェニレンエーテル、この変性ポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂との混合物、下記化2で表されるフェノール系モノマーとスチレン系モノマーとを銅(II) のアミン錯体などの触媒存在下で酸化重合させて得られるブロック共重合体、このブロック共重合体とポリスチレン系樹脂との混合物などが挙げられる。なお、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂は単独で用いられても併用されてもよい。
Figure 0004494024
(R1 、R2 は炭素数が1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を示し、nは重合度を示す。)
上記化1で表されるポリフェニレンエーテルとしては、例えば、ポリ(2、6−ジメチルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2、6−ジエチルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2、6−ジクロロフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2、6−ジブロモフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−メチルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−イソプロピルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2、6−ジ−n−プロピルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2−ブロモ−6−メチルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−ブロモフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−エチルフェニレン−1、4−エーテル)などが挙げられ、これらは単独で用いられても併用されてもよく、又、上記重合度nは、通常、10〜5000のものが用いられる。
Figure 0004494024
(R3 、R4 は炭素数が1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を示す。)
上記化2で表されるフェノール系モノマーとしては、例えば、2、6−ジメチルフェノール、2、6−ジエチルフェニノール、2、6−ジクロロフェノール、2、6−ジブロモフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2−クロロ−6−メチルフェノール、2−メチル−6−イソプロピルフェノール、2、6−ジ−n−プロピルフェノール、2−ブロモ−6−メチルフェノール、2−クロロ−6−ブロモフェノール、2−クロロ−6−エチルフェノールなどが挙げられ、これらは単独で用いられても併用されてもよい。
そして、上記ポリフェニレンエーテル、上記変性ポリフェニレンエーテル又は上記ブロック共重合体に混合されるポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレンとこれと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体、ハイインパクトポリスチレンなどが挙げられ、ポリスチレンが好ましい。又、ポリスチレン系樹脂は、単独で用いられても併用されてもよい。
なお、上記ビニルモノマーとしては、例えば、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブチルアクリレートなどが挙げられる。又、ハイインパクトポリスチレンとしては、ポリスチレンや、上記スチレンとこれと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体に、スチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体などのゴム成分を1〜20重量%添加してなるものが挙げられる。
又、ポリフェニレンエーテルにグラフト共重合され或いはフェノール系モノマーとブロック共重合するスチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン;α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなどのアルキル化スチレン;モノクロロスチレン、ジクロロスチレンなどのハロゲン化スチレンなどが挙げられる。
そして、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、フェニレンエーテル成分(ポリフェニレンエーテル成分)が15〜60重量%で且つスチレン成分(ポリスチレン系樹脂成分)が85〜40重量%である変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が好ましく、フェニレンエーテル成分(ポリフェニレンエーテル成分)が20〜60重量%で且つスチレン成分(ポリスチレン系樹脂成分)が80〜40重量%である変性ポリフェニレンエーテル系樹脂がより好ましく、フェニレンエーテル成分(ポリフェニレンエーテル成分)が25〜50重量%で且つスチレン成分(ポリスチレン系樹脂成分)が75〜50重量%である変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が特に好ましい。
これは、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂中のフェニレンエーテル成分(ポリフェニレンエーテル成分)は、少ないと、発泡シートの耐熱性が低下することがある一方、多いと、良質の発泡シートを得ることができないことがあるからである。
そして、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1全体の連続気泡率は、低いと、自動車内装材用積層シートの吸音性が低下する虞れがあるので、50%以上に限定され、60%以上が好ましく、一方、高いと、自動車内装材用積層シートの機械的強度が低下する虞れがあるので、60〜95%がより好ましい。
なお、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の連続気泡率は、ASTM D2856−87に準拠して測定されたものをいう。具体的には、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1から該発泡シート1の厚み方向の全長に亘って切り込むことによって一辺25mmの平面正方形状のシート状試験片を複数枚切り出し、この複数枚の試験片を厚み方向に全体の厚みが25mm程度となるように重ね合わせて積層体を形成する。
次に、上記積層体の見掛け体積をノギスを用いて正確に測定した上で、空気比較式比重計を用いて1−1/2−1気圧法によって体積を測定し、下記式により連続気泡率を算出する。なお、1−1/2−1気圧法による積層体の体積は、例えば、東京サイエンス社から商品名「空気比較式比重計1000型」で市販されている空気比較式比重計を用いて測定することができる。
連続気泡率(%)=100×(見掛け体積−空気比較式比重計による積層体の体積)/ 見掛け体積
又、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の平均気泡径は、小さいと、発泡シート1が柔らかくなって機械的強度が低下することがある一方、大きいと、発泡シート1の表面平滑性が低下したり脆くなったりすることがあるので、0.2〜0.9mmが好ましく、0.3〜0.8mmがより好ましい。なお、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の平均気泡径は、ASTM D2842−69の試験方法に準拠して測定されたものをいう。
上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の密度は、小さいと、自動車内装材用積層シートの機械的強度が低下することがある一方、大きいと、自動車内装材用積層シートの可撓性が低下して曲げに対して破損するなどの問題を生じることがあるので、0.03〜0.30g/cm3 が好ましく、0.04〜0.20g/cm3 がより好ましい。なお、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の密度は、JIS K7222:1999「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」に記載の方法に準拠して測定されたものをいう。
又、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の厚みは、薄いと、自動車内装材用積層シートAを成形して得られる自動車内装材の厚みが薄くなり、自動車内装材の吸音性が低下することがある一方、厚いと、自動車内装材用積層シートAの成形性が低下することがあるので、2〜10mmが好ましく、3〜8mmがより好ましい。
そして、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1は、主として連続気泡から構成された連続気泡層を有していることが好ましく、このような変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1としては、(1)主として連続気泡から構成された連続気泡層のみからなり且つ全体の連続気泡率が50%以上である発泡シートと、(2)主として連続気泡から構成された連続気泡層11の両面に主として独立気泡から構成された独立気泡層12、12が形成されてなり且つ全体の連続気泡率が50%以上に形成されてなるものが挙げられる。
次に、上記(2)の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート、即ち、中央部に連続気泡から主として構成されてなる連続気泡層11を有していると共に、この連続気泡層11の両面に独立気泡から主として構成されてなる独立気泡層12、12が連続的に一体的に形成されてなり且つ全体の連続気泡率が50%以上に形成されてなる変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートについて説明する。なお、連続気泡層11と独立気泡層12とは、その界面において、明確な境界があるのではなく、連続気泡層11と独立気泡層12とが混在した状態となっている。上記独立気泡層12、12の表面全面には、非発泡層13、13、所謂、スキン層が形成されている
この変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートは、全体的に連続気泡から構成されていることから、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートは全体的に略均質なものとなっている。
従って、自動車内装材用積層シートを自動車内装材に成形加工するにあたって圧縮成形させる場合にあっても、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1は、その厚み方向に略均一に圧縮されながら所望形状に成形されることから、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の強度が部分的に低下するといったことはなく所定の強度を維持する。
又、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の連続気泡層1Aは、主として連続気泡から構成されていればよく、全ての気泡が連続気泡である必要はないが、連続気泡層に含まれる気泡のうちの70%以上の気泡が連続気泡となっていることが好ましい。なお、連続気泡層の連続気泡率は、上述の連続気泡率の測定方法によって測定されたものをいう。
次に、上記(2)の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート、即ち、中央部に連続気泡から主として構成されてなる連続気泡層11を有していると共に、この連続気泡層11の両面に独立気泡から主として構成されてなる独立気泡層12、12が連続的に一体的に形成されてなり且つ全体の連続気泡率が50%以上に形成されてなる変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートについて説明する。なお、連続気泡層11と独立気泡層12とは、その界面において、明確な境界があるのではなく、連続気泡層11と独立気泡層12とが混在した状態となっている。上記独立気泡層12、12の表面全面には、非発泡層13、13、所謂、スキン層が形成されている
又、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の連続気泡層11は、主として連続気泡から構成されていればよく、全ての気泡が連続気泡である必要はないが、連続気泡層11に含まれる気泡のうちの80%以上の気泡が連続気泡となっていることが好ましい。なお、連続気泡層11の連続気泡率は、上述の連続気泡率の測定方法によって測定されたものをいう。
同様に、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂1の独立気泡層12は、主として独立気泡から構成されていればよく、全ての気泡が独立気泡である必要はないが、独立気泡層12に含まれる気泡のうちの60%以上の気泡が独立気泡となっていることが好ましい。なお、独立気泡層12の独立気泡率は、100(%)から上述の連続気泡率の測定方法によって測定された連続気泡率及び樹脂の占める割合を引いて得られた値をいう。
独立気泡率(%)=100×〔(空気比較式比重計による積層体の体積)
−(積層体の質量/樹脂の密度)〕/見掛け体積
更に、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の各独立気泡層12の厚みは、厚いと、自動車内装材用積層シートAの吸音性が低下することがあるので、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1全体の厚みの30%以下が好ましく、薄すぎると、自動車内装材用積層シートAの空気遮断性が低下して車内側の空気が自動車内装材用積層シートを通じて車外側に通気し、空気中に含まれた汚れが自動車内装材用積層シートの表面に積層一体化した後述する表皮材6によって濾過された状態となって表皮材6の汚れが目立つといった問題点が発生したり或いは自動車内装材用積層シートAの機械的強度が低下したりするので、2〜25%がより好ましい。なお、独立気泡層12の表面全面に非発泡層(スキン層)13が形成されている場合、「独立気泡層12の厚み」とは非発泡層13の厚みを含めた厚みをいう。
ここで、本発明において、独立気泡とは、気泡壁によって全て囲まれて他の気泡と連通していない気泡のことをいう。一方、連続気泡とは、独立気泡以外の気泡の全てをいい、具体的には、気泡壁に貫通孔が形成されており、この貫通孔を通じて他の気泡と連通状態にある気泡をいう。
又、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートにおいて、主として連続気泡から構成されている連続気泡層と、主として独立気泡から構成されている独立気泡層の区別は下記の要領で決定される。
先ず、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1から該発泡シート1の厚み方向の全長に亘って切り込むことによって一辺40mmの平面正方形状のシート状試験片を切り出す。
一方、ビーカー中に蒸留水300g及び万年筆用の水性赤色インキ3cm3 を供給して赤色水溶液を作製し、この赤色水溶液中に試験片を金網で上方から押えることによって赤色水溶液中における上下方向の中央部にて完全に浸漬させた状態とする。なお、上記万年筆用の水性赤色インキとしては、例えば、パイロット社から商品名「パイロットインキ レッド」で市販されているものが挙げられる。
しかる後、上記試験片を浸漬させた状態のビーカーを減圧器内に載置して内圧5.3×104 Paに30秒間に亘って減圧する。次に、減圧器内を常圧に戻した上で減圧器内から試験片を取り出し、吸水タオルで試験片の表面に付着している赤色水溶液を除去する。
そして、試験片における全ての切断面の表面を切除することによって、即ち、試験片から平面四方外周縁部を厚み方向の全長に亘って切除、つまり、四角枠状に厚み方向の全長に亘って切除することによって、一辺が38mmの平面正方形状の着色試験片を切り出す。次に、この着色試験片の各断面の着色状態をビデオマイクロスコープを用いて倍率50倍でもって観察し、着色部分を主として連続気泡からなる連続気泡層とする一方、非着色部分を主として独立気泡からなる独立気泡層とする。
更に、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の独立気泡層12の厚みは下記の要領で測定される。即ち、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の任意の5箇所から上述と同様の要領で着色試験片を作製する。
次に、各着色試験片の断面をビデオマイクロスコープを用いて倍率50倍でもって観察して、各着色試験片毎に独立気泡層12における最大厚み及び最小厚みを測定し、それら厚みの相加平均値を算出する。そして、各着色試験片毎に算出された相加平均値を相加平均したものを変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の独立気泡層12の厚みとする。なお、ビデオマイクロスコープは、例えば、スカラ株式会社から商品名「ビデオマイクロスコープ VMS−300」で市販されている。
そして、図1及び図2に示したように、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の一面にその表面に開口する穴部2、2・・・を形成することによって自動車内装材用積層シートAが構成されている。
このように穴部2を多数、形成することによって、穴部2の開口側にて発生した音の振動エネルギーを穴部2を通じて発泡シート1内に円滑に誘導し、発泡シート1の連続気泡の気泡壁を振動させて音の振動エネルギーを熱エネルギーに変換して吸収し、自動車内装材用積層シートAによる音の反射を効果的に防止し、自動車内装材用積層シートAに優れた吸音性能を付与している。
先ず、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1が、主として連続気泡から構成された連続気泡層1Aのみからなり且つ全体の連続気泡率が50%以上である場合、上記穴部2は、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の一面1aに開口した状態で(スキン層13a が形成されている場合には、発泡シート1の一面1aに開口し且つスキン層13a を貫通して連続気泡層1Aに達した状態で)形成されておればよい。
上記穴部2の深さは特に限定されないが、穴部2の深さは、浅いと、音の振動エネルギーが効率良く連続気泡層の連続気泡内に誘導されず、自動車内装材用積層シートAの吸音性が低下することがある一方、深いと、発泡シート1に穴部2を形成する際に発泡シート1に誤って貫通孔を形成してしまう虞れや、自動車内装材用積層シートAの機械的強度が低下することがあるので、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の厚みの10〜95%であることが好ましく、30〜90%であることがより好ましい。
次に、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1が、主として連続気泡から構成された連続気泡層11の両面に主として独立気泡から構成された独立気泡層12、12が形成されてなり且つ全体の連続気泡率が50%以上に形成されてなる場合には、上記穴部2は、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の一面1aに開口した状態で、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1における一方の独立気泡層12a (及びスキン層13a )を貫通して発泡シート1の連続気泡層11に達していれば足り、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の他方の独立気泡層12b に達していても達していなくてもよい。
即ち、上記穴部2は、図2に示したように、その底部21が変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1における連続気泡層11と独立気泡層12a との界面まで達した状態で形成されているか、或いは、図3に示したように、その底部21が変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の連続気泡層11の内部まで進入した状態、好ましくは、図4に示したように、底部21が変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1における連続気泡層11と他方の独立気泡層12b との界面まで達した状態に形成されている。
そして、音の振動エネルギーを穴部2を通じて発泡シート1の連続気泡層11内に円滑に誘導できる点で、穴部2の底部21が変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の連続気泡層11内部まで進入した状態に形成されていることが好ましく、穴部2の底部21が変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1における連続気泡層11と他方の独立気泡層12b との界面まで達した状態に形成されていることがより好ましい。
上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートに形成される穴部2の開口端形状は、音の振動エネルギーを発泡シート1の連続気泡内に誘導することができれば、特に限定されず、例えば、真円形、楕円形の他に、三角形、四角形などの多角形状が挙げられ、真円形が好ましい。
又、上記穴部2における自動車内装材用積層シートAの表面に沿った断面形状は、その深さ方向の全長に亘って変化することなく同一形状であっても、或いは、その深さ方向に変化してもよい。
そして、上記穴部2の開口端面積は、小さいと、自動車内装材用積層シートAの吸音性が低下することがある一方、大きいと、自動車内装材用積層シートAの機械的強度が低下することがあるので、0.2〜40mm2 が好ましく、0.3〜30mm2 がより好ましい。
更に、上記穴部2の形成形態としては、特に限定されないが、自動車内装材用積層シート1の機械的強度が不均一となることがあるので、均一に形成されていることが好ましく、図5に示したように、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の表面1a上に描いた仮想格子3の交点31、31・・・の夫々に同一直径を有する開口端が真円形状の穴部2a、2a・・・をその中心21a 、21a を合致させた状態で形成すると共に、仮想格子3の正方形状枠部32の対角線の交点32a 、32a ・・・の夫々に、開口端が上記穴部2aと同一直径を有する真円形状の穴部2b、2b・・・をその中心21b 、21b が合致した状態に形成することによって、複数個の穴部2、2(2a、2b)・・・を千鳥格子状に形成することがより好ましい。
又、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の表面に対する穴部2の総開口面積割合は、小さいと、自動車内装材用積層シートAの吸音性が低下することがある一方、大きいと、自動車内装材用積層シートAの機械的強度が低下することがあるので、2〜50%が好ましく、3〜40%がより好ましい。
ここで、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の表面に対する穴部2の総開口面積割合は下記の要領で測定されたものをいう。即ち、自動車内装材用積層シートAにおける変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の表面1aの任意の箇所に一辺10cmの平面正方形状の測定枠を定める。
そして、この測定枠内に入っている穴部2の開口端面積の総和を求め、測定枠の面積に対する穴部2の開口端面積の総和の百分率を算出し、この百分率の値を、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の表面に対する穴部2の総開口面積割合とする。なお、穴部2の開口端の一部のみが測定枠内に入っている場合には、測定枠内に入っている穴部2の開口端部分の面積のみを対象とする。
具体的には、図6に示したように、開口端が真円形状の穴部2が千鳥格子状に形成されている場合には、例えば、複数個の穴部2が入るように仮想格子3に沿って平面正方形状の測定枠33を定め、この測定枠33内に入っている穴部2の開口端面積の総和(斜線部分)を算出し、測定枠の面積に対する穴部2の開口端面積の総和の百分率を算出すればよい。
なお、自動車内装材用積層シートを二次発泡させて成形品とする場合、二次発泡成形品における穴部2の開口端形状、開口端面積及び総開口面積割合が上述の条件を満たしていればよく、このような時、二次発泡させる前の自動車内装材用積層シートの穴部2が上述の開口端形状、開口端面積及び総開口面積割合を必ずしも満たしている必要はない。
更に、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1における少なくとも穴部形成面1aに、好ましくは両面に、形態保持繊維及び熱可塑性樹脂繊維よりなる不織布からなる表面シート4が積層一体化されている。なお、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の両面に表面シート4、4を積層一体化させる場合、両表面シート4、4の種類は同種類であっても異種類であってもよいが、自動車内装材用積層シートAにその製造時に反りが発生することがあるので、同種類の方が好ましい。
上記表面シート4を構成する形態保持繊維は、自動車内装材用積層シートAを熱成形した際に溶融することなく形態を保持する繊維をいい、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、バサルト繊維、天然繊維が挙げられる。
なお、上記天然繊維としては、特に限定されず、例えば、藁、エスパルト草、葦、竹、バガス(砂糖きびの絞り滓)、パピルス草などの草類繊維;マニラ麻、サイザル麻、パイナップル葉などの葉脈繊維;大麻、亜麻(フラックス)、黄麻、苧麻、桑、ケナフ(洋麻、紅麻)、楮、三椏、雁皮などの靱皮繊維;木綿(綿)、リンター、カボックなどの種子毛繊維;松、カラマツ、杉、檜、もみ、つが、トウヒ、ブナ、楓、カバ、ハンノキ、ニレ、キリ、クリなどの木材繊維などが挙げられ、葉脈繊維、靱皮繊維が好ましく、麻繊維がより好ましく、サイザル麻、ケナフが特に好ましい。
そして、上記形態保持繊維の長さは、長いと、熱可塑性樹脂繊維と混合して不織布とする場合に形態保持繊維の分布がまだらとなって表面シートの厚みが不均一となり、このように厚みの不均一な表面シートが積層一体化された自動車内装材用積層シートを熱成形すると、表面シートの薄い部分(形態保持繊維の不足した部分)において、発泡シートに過度の熱が加わって発泡シートの発泡セルが収縮したり或いは破泡したりして自動車内装材用積層シートの厚みが不均一となったり機械的強度が低下し、そこで、上記発泡シートの発泡セルの収縮や破泡を防止するために自動車内装材用積層シートの熱成形温度を下げると、加熱が不充分であることから得られる自動車内装材に歪みが発生して自動車内装材の寸法安定性が低下するといった問題が生じるので、200mm以下が好ましく、短すぎると、自動車内装材用積層シートの成形時に伸長される部分にて表面シートが伸長に追随できずに破断したり或いは自動車内装材用積層シートの剛性が低下して車輛への組み付け時に破損し、更に、高温における自動車内装材用積層シートの寸法安定性が低下することがあるので、20〜200mmがより好ましい。具体的には、形態保持繊維が天然繊維である場合には100mm以下が好ましく、炭素繊維である場合には200mm以下が好ましい。
又、上記形態保持繊維径は、細いと、自動車内装材用積層シートの剛性が低下することがある一方、太いと、表面シート中に形態保持繊維を均一に分布させることができないことがあるので、5〜300μmが好ましい。
更に、上記表面シート4中における形態保持繊維の含有量は、少ないと、自動車内装材用積層シートAの機械的強度が低下したり或いは寸法安定性が低下したりすることがある一方、多いと、形態保持繊維同士の結着度が低下して自動車内装材用積層シートの成形性や外観性が低下したりすることがあるので、20〜90重量%が好ましく、40〜80重量%がより好ましい。
又、上記表面シート4を構成する不織布中に含有される熱可塑性樹脂繊維としては、繊維同士を結着させることができるものであれば、特に限定されず、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリスチレン系繊維などの単層構造の繊維の他に、芯部及び鞘部の双方がポリエチレンテレフタレート系樹脂であって鞘部を構成するポリエチレンテレフタレート系樹脂の融点が芯部を構成するポリエチレンテレフタレート系樹脂の融点よりも低い芯鞘型繊維、芯部がポリエチレンテレフタレート系樹脂で且つ鞘部がポリエチレン系樹脂である芯鞘型繊維、芯部がポリエチレンテレフタレート系樹脂で且つ鞘部がポリプロピレン系樹脂である芯鞘型繊維などの二層構造の繊維などが挙げられる。
そして、上記単層構造の繊維としては、ポリエステル系繊維が好ましく、ポリエチレンテレフタレート系樹脂繊維がより好ましく、ポリエチレンテレフタレート繊維が特に好ましい。
又、上記二層構造の繊維としては、芯部及び鞘部のそれぞれが異なる樹脂から構成された芯鞘型繊維であってもよいが、芯部及び鞘部の双方がポリエチレンテレフタレート系樹脂であって鞘部を構成するポリエチレンテレフタレート系樹脂の融点が芯部を構成するポリエチレンテレフタレート系樹脂の融点よりも低い芯鞘型繊維が好ましく、芯部及び鞘部の双方がポリエチレンテレフタレートであって鞘部を構成するポリエチレンテレフタレートの融点が芯部を構成するポリエチレンテレフタレートの融点よりも低い芯鞘型繊維がより好ましい。
そして、上記熱可塑性樹脂繊維の長さは、短いと、自動車内装材用積層シートを成形する際に表面シートの追従性が低下して表面シートが伸ばされた部分において破断することがある一方、長いと、表面シートにおける形態保持繊維の分布が不均一となることがあるので、4〜80mmが好ましく、4〜60mmがより好ましい。更に、上記熱可塑性樹脂繊維径は、形態保持繊維との結着性の点で、1〜20デニールが好ましい。
又、上記熱可塑性樹脂繊維の融点Tm(℃)と、発泡シート1を構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度Tg(℃)とは、下記式1を満たすことが好ましく、下記式2を満たすことがより好ましく、下記式3を満たすことが特に好ましい。
Tg−65℃<Tm<Tg+40℃ ・・・式1
Tg−55℃<Tm<Tg+30℃ ・・・式2
Tg−45℃<Tm<Tg+20℃ ・・・式3
これは、熱可塑性樹脂繊維の融点Tmは、低いと、自動車内装材用積層シートの寸法安定性が低下して、夏季において車内が高温状態となった時に自動車内装材用積層シートが変形することがある一方、高いと、自動車内装材用積層シートの成形性が低下し、自動車内装材用積層シートを複雑な形状に成形した際に自動車内装材用積層シートに破断を生じることがあるからである。
なお、発泡シート1を構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度Tgは、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載の方法に準拠して測定されたものをいい、具体的には、セイコー電子工業社から商品名「DSC200型」で市販されている示差走査熱量計を用いて昇温速度10℃/minの条件下にて測定することができる。
更に、上記表面シート4中における熱可塑性樹脂繊維の含有量は、少ないと、形態保持繊維同士の結着度が低下して自動車内装材用積層シートAの成形性や外観性が低下したりすることがある一方、多いと、自動車内装材用積層シートAの機械的強度が低下したり或いは寸法安定性が低下したりすることがあるので、10〜80重量%が好ましく、20〜60重量%がより好ましい。
又、上記表面シート4を構成する不織布の目付は、小さいと、自動車内装材用積層シートの剛性が低下することがある一方、大きいと、自動車内装材用積層シートの軽量性が低下することがあるので、30〜200g/m2 が好ましく、40〜120g/m2 がより好ましい。
更に、上記表面シート4を構成する不織布の厚みは、薄いと、自動車内装材用積層シートの剛性が低下することがある一方、厚いと、自動車内装材用積層シートの成形性が低下することがあるので、0.1〜1mmが好ましく、0.2〜0.8mmがより好ましい。
なお、上記表面シート4を構成する不織布は、従来から用いられている製造方法の何れを用いて製造されたものであってもよく、このような製造方法としては、例えば、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法などの乾式方法の他に、抄造法などの湿式方法などが挙げられる。
そして、上記発泡シート1の穴部形成面1aに上記表面シート4を積層一体化させるにあたっては、発泡シート1を構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂と表面シート4を構成する熱可塑性樹脂繊維との間の熱融着力によって発泡シート1と表面シート4とを積層一体化させても、或いは、発泡シート1と表面シート4との間に両者に接着可能な接着剤層5を介在させてもよい。
なお、発泡シート1と表面シート4とを接着剤層5を介在させて一体化させる場合、発泡シート1に形成した穴部2の開口部が接着剤層5によって閉塞されないようにすることが自動車内装材用積層シートの吸音性の点から好ましい。
このような接着剤層5を構成する接着剤としては、発泡シート1と表面シート4とを一体化させることができれば、特に限定されず、例えば、酢酸ビニル系接着剤、セルロース系接着剤、アクリル系接着剤、スチレン−ブタジエン共重合ゴム系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリビニルアセテート系接着剤、ポリエステル系接着剤、アクリル系接着剤などの熱可塑性接着剤;ウレタン系接着剤、メラミン系接着剤、フェノール系接着剤、エポキシ系接着剤などの熱硬化性接着剤;クロロプレンゴム系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、シリコーンゴム系接着剤などのゴム系接着剤;澱粉、蛋白質、天然ゴムなどの天然物系接着剤;ポリオレフィン系、変性ポリオレフィン系、ポリウレタン系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ポリアミド系、ポリエステル系、熱可塑性ゴム系、スチレン−ブタジエン共重合体系、スチレン−イソプレン共重合体系などのホットメルト接着剤などが挙げられ、ホットメルト接着剤が好ましい。
そして、上記接着剤層5は、図1に示したように、少なくとも発泡シート1と表面シート4との対向面間に介在されておればよいが、図7に示したように、この接着剤層5を構成している接着剤が表面シート4内に該表面シート4の通気性を保持しつつ進入して表面シート4全体に含浸されていること、即ち、接着剤層5を構成している接着剤と同一の接着剤51が表面シート4全体に該表面シート4の通気性を保持しつつ含浸されており、この表面シート4内に含浸された接着剤51が、好ましくは表面シート4と接着剤層5との界面全面に亘って、発泡シート1と表面シート4間に介在している接着剤層5と一体化していることが好ましい。
このように、接着剤層5を構成している接着剤を表面シート4全体に含浸させることによって、表面シート4を構成している繊維同士の結着度を向上させて、自動車内装材用積層シートAの線膨張率を低下させることができると共に、自動車内装材用積層シートAの強度を向上させることができる。
更に、図8に示したように、表面シート4に含浸させた接着剤を表面シート4の外面に好ましくは表面シート4の外面全面に亘って滲出させて、表面シート4の表面に表皮接着剤層52を形成しておけば、自動車内装材用積層シートAの表面シート2上に後述する表皮材6や異音防止材7を積層一体化させる際に別途、接着剤を用意することなく積層一体化することができて作業上好ましい。
そして、上記表面シート4に含浸させる接着剤量は、少ないと、表面シート4の強度向上を図ることができないことがある一方、多いと、自動車内装材用積層シートAの軽量性が低下することがあるので、形態保持繊維及び熱可塑性樹脂繊維の総量100重量部に対して10〜100重量部が好ましい。
又、上記自動車内装材用積層シートAの線膨張率は、大きいと、自動車内の温度変化によって自動車内装材用積層シートAが撓んでしまうことがあるので、20×10-6/℃以下が好ましく、15×10-6/℃以下がより好ましく、12×10-6/℃以下が特に好ましい。
なお、自動車内装材用積層シートAの線膨張率は下記の要領で測定されたものをいう。即ち、自動車内装材用積層シートAをその表面温度が発泡シートを構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度よりも8℃だけ高い温度となるまで加熱して自由に二次発泡させる。
そして、自動車内装材用積層シートAの表面温度が発泡シートを構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度よりも8℃だけ高い温度となった時点で自動車内装材用積層シートAの加熱を終了し、二次発泡後の自動車内装材用積層シートAの厚みを測定する。なお、上記要領を3回繰り返し、3枚の自動車内装材用積層シートAの二次発泡後の厚みの相加平均を二次発泡後厚みとする。
次に、自動車内装材用積層シートAをその表面温度が発泡シートを構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度よりも8℃だけ高い温度となるまで加熱した後、この自動車内装材用積層シートAを対向面が平滑面に形成された一対の平板状金型間に配設した上で平板状金型を締めて、自動車内装材用積層シートAをその二次発泡後厚みの90%となるまで厚み方向に圧縮成形しつつ冷却し、自動車内装材用積層シートAの表面温度が発泡シートを構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度未満となった時点で一対の平板状金型を開いて、圧縮成形された自動車内装材用積層シートAを取り出す。
そして、圧縮成形された自動車内装材用積層シートAから長辺が300mmで且つ短辺が40mmの長方形状の第一、二試験片をこれらの短縁辺方向同士が互いに直交した状態に切り出す。
次に、この第一、二試験片を85℃の恒温槽中に24時間に亘って放置した後に常温に冷却した上で、各試験片の表面に長辺に沿った方向に280mmの間隔でもって一対の平行な直線を描く。
しかる後、上記各試験片を80℃の恒温槽中に6時間に亘って放置した後に恒温槽中から取り出し、直ちに各試験片の表面に描いた一対の直線間の距離L80を測定する。
次に、上記各試験片を0℃の恒温槽中に6時間に亘って放置した後に恒温槽中から取り出し、直ちに各試験片の表面に描いた一対の直線間の距離L0 を測定し、下記式により第一、二試験片の線膨張率をそれぞれ算出し、この第一、二試験片の線膨張率の相加平均を自動車内装材用積層シートの線膨張率とする。
線膨張率(/℃)=(L80−L0 )/(L0 ×80)
なお、発泡シートが押出発泡によって製造されたものである場合は、第一試験片の短片方向及び第二試験片の長辺方向を発泡シートの押出方向に合致させた状態に自動車内装材用積層シートから切り出す。
次に、自動車内装材用積層シートAの製造方法について説明する。先ず、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の製造方法としては、従来から用いられている製造方法が用いられ、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂の押出発泡温度、押出機に取付けた金型温度又はこの金型から押出された直後の発泡シートの表面冷却度合いを調整することによって、所望の連続気泡率を有する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1を得ることができる。
上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の製造方法としては、具体的には、例えば、(1) 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を押出機に供給して溶融混練すると共に押出機内に揮発性発泡剤を圧入した上で押出機に取り付けた金型から押出して発泡させる発泡シートの製造方法、(2) 予め変性ポリフェニレンエーテル系樹脂に揮発性発泡剤を含浸させた上で押出機に供給して溶融混練し、押出機に取り付けた金型から押出して発泡させる発泡シートの製造方法等が挙げられる。
上記揮発性発泡剤としては、従来から用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、エタン、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、ペンタン、ジメチルエーテルなどの有機系発泡剤、二酸化炭素、水、チッソなどの無機系発泡剤が挙げられ、これらは単独で用いられても併用されてもよい。
又、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1中に残留する残留発泡剤量が0.8〜4.0重量%となるように、上記揮発性発泡剤の種類や量を調整することが好ましい。これは、上記発泡シート1中の残留発泡剤量が少ないと、良質な発泡シート1を得ることができず、又、多いと、発泡シート1の耐熱性及び寸法安定性が低下することがあるからである。
このようにして得られた変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1に穴部2を形成する方法としては、ピンを変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の一面に突 き刺す方法であれば、特に限定されず、例えば、(1) 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1を、所定間隔を存して回転軸が互いに平行となるように並設され且つ一方のロール表面に多数のピンが植設されてなる一対のロール間に供給し、ピンを変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の一面に突き刺すことによって多数の穴部2、2・・・を形成する方法、(2) 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の一面に、多数のピンが植設されてなる平板を押圧し、ピンを変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の一面に突き刺すことによって多数の穴部2、2・・・を形成する方法が挙げられる。
そして、上記の如くして穴部2が多数、形成された発泡シート1の少なくとも穴部形成面1aに表面シート4を積層一体化して自動車内装材用積層シートAを製造する方法としては、例えば、(1) 発泡シートの少なくとも穴部形成面に接着剤層を構成する接着剤を介在させた状態で表面シートを構成する不織布を積層して積層体を製造し、この積層体をその両側から厚み方向に加熱圧縮することによって、発泡シート1の少なくとも穴部形成面1aに表面シート4を積層一体化させて自動車内装材用積層シートを製造する方法、(2) 表面シートを構成する不織布の一面に接着剤層を構成する接着剤を塗布し、上記不織布をその接着剤塗布面が発泡シート側となるように発泡シートの少なくとも穴部形成面に積層して積層体を製造し、この積層体をその両側から厚み方向に加熱圧縮することによって、発泡シート1の少なくとも穴部形成面1aに表面シート2を積層一体化させて自動車内装材用積層シートを製造する方法などが挙げられる。なお、上記(1) (2) の何れの製造方法においても、接着剤層5が発泡シート1の穴部2の開口部を閉塞しないように調整することが好ましい。
更に、接着剤層5を構成する接着剤が表面シート4全体に含浸されている自動車内装材用積層シートA(図7参照)や、接着剤層を構成する接着剤が表面シート4全体に含浸され且つ表面シート4に含浸させた接着剤を表面シート4の外面に滲出させて表面シート4の表面に表皮接着剤層52を形成してなる自動車内装材用積層シートA(図8参照)を製造するに際しては、予め、表面シート4を構成する不織布に接着剤を全面的に含浸させ、この不織布内に含浸させた接着剤を利用して発泡シート1の穴部形成面1aに表面シート4を積層一体化させればよい。なお、この製造方法においても、穴部2が外気と通気性を維持するように調整される
上記表面シート4を構成する不織布に接着剤を含浸させる方法としては、例えば、(1) 表面シート4を構成する不織布上に接着剤を配設し、この接着剤が配設された不織布を厚み方向に加熱圧縮させて接着剤を溶融させて不織布内に含浸させる方法、(2) 表面シート4を構成する不織布にスプレーコーティング法やロールコーティング法などの汎用の塗布手段によって接着剤を塗布、含浸させる方法、(3) 表面シート4を構成する不織布を接着剤を含有するエマルジョン内に浸漬させて不織布内に接着剤を含浸させる方法、(4) 表面シート4を構成する不織布が湿式法によって製造される場合にあっては、抄造時に水中に接着剤を含有させておき、不織布の製造と同時に不織布内に接着剤を含浸させる方法などが挙げられる。なお、いずれの方法にあっても、接着剤を含浸させた不織布の通気性が保持されるように調整することが好ましい。
なお、表面シート4を構成する不織布に接着剤を含浸させるに際して、不織布に含浸させた接着剤を不織布の両面に滲出させ、この滲出させた接着剤によって不織布表面を被覆した状態、即ち、不織布の両面に接着剤を層状に積層一体化させた状態となるようにするのが好ましく、このような観点から、上記(3)(4)の方法によって表面シート2を構成する不織布に接着剤を含浸させるのが好ましい。
更に、上記自動車内装材用積層シートAは、通常、その一面に、好ましくは発泡シート1の穴部形成面1a側の表面シート2上に表皮材6を積層一体化する一方、その他面に必要に応じて異音防止材7を積層一体化した(図9参照)上で熱成形により所望形状に成形されて自動車内装材として用いられる。この表皮材6としては、不織布、織布、編布などが挙げられ、不織布が好ましい。更に、表皮材6に難燃性を付与するために難燃剤を含有させてもよい。
なお、表皮材6及び異音防止材7を自動車内装材用積層シートA上に積層一体化させるにあたっては、汎用の方法が用いられ、接着剤を用いてもよいし、表皮材6及び異音防止材7と、自動車内装材用積層シートAとの間の熱融着力により行なってもよいし、表面シート4の表皮接着剤層52を利用してもよい。何れの方法にあっても、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の穴部2が外気と通気性を保持するように調整することが好ましい。
そして、上記表皮材6を構成する繊維としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリルなどの合成繊維;羊毛、木綿などの天然繊維などが挙げられ、ポリエステル繊維が好ましく、耐熱性に優れている点でポリエチレンテレフタレート繊維がより好ましい。なお、上記表皮材6を構成する繊維は単独で用いられても併用されてもよい。
更に、上記表皮材6の目付は、小さいと、自動車内装材用積層シートを用いて得られた自動車内装材の触感が低下することがある一方、大きいと、自動車内装材用積層シートの軽量性が低下することがあるので、100〜300g/m2 が好ましく、120〜180g/m2 がより好ましい。
上記表皮材6及び上記異音防止材7と、上記自動車内装材用積層シートAとを一体化させる接着剤としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性接着剤、ホットメルト接着剤、ゴム系接着剤、熱硬化性接着剤、モノマー反応型接着剤、無機系接着剤、天然素材系接着剤などが挙げられるが、容易に接着させることができる点からホットメルト接着剤が好ましい。
なお、上記ホットメルト接着剤としては、例えば、ポリオレフィン系、変性ポリオレフィン系、ポリウレタン系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ポリアミド系、ポリエステル系、熱可塑性エラストマー系、スチレン−ブタジエン共重合体系、スチレン−イソプレン共重合体系などの樹脂を成分としたものが挙げられ、これらは、単独で用いられても併用されてもよい。
又、上記自動車内装材用積層シートAの他面、即ち、上記表皮材6が積層一体化されていない面に異音防止材7が積層一体化されるが、この異音防止材7は、自動車の車体を構成する鋼板に自動車内装材用積層シートAが摺接した際に発生する摩擦音を低減するためのものであり、ポリオレフィン系樹脂フィルムや不織布が好ましく用いられ、不織布がより好ましく用いられる。
上記ポリオレフィン系樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィン系樹脂フィルムが挙げられ、耐熱性に優れており周囲の温度変化にかかわらず長期間に亘って安定的に摩擦音の発生を低減させることができる点で、無延伸のポリプロピレンフィルムが好ましい。なお、上記ポリオレフィン系樹脂フィルムの厚みは、好ましくは10〜100μm、より好ましくは25〜35μmである。
更に、上記異音防止材7に用いられる不織布を構成する繊維としては、特に限定されず、例えば、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維などの合成樹脂繊維;羊毛、木綿、セルロース繊維などの天然繊維などが挙げられる。
そして、上記自動車内装材用積層シートAは所望形状に熱成形されて自動車内装材として用いられるが、この自動車内装材用積層シートAの熱成形方法としては、従来から汎用の方法が用いられ、例えば、自動車内装材用積層シートAをその両面温度が好ましくは(発泡シート1を構成している変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度)〜(変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度+40℃)、より好ましくは(発泡シート1を構成している変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度)〜(変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度+20℃)、特に好ましくは(発泡シート1を構成している変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度+5℃)〜(変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度+10℃)となるように加熱して二次発泡させた後、この二次発泡させた自動車内装材用積層シートAを真空成形や圧空成形などの汎用の成形方法を用いて熱成形すればよい。
なお、自動車内装材用積層シートAの加熱温度が上記温度範囲となるように調整するのが好ましい理由は、低いと、自動車内装材用積層シートAの熱成形時に残留歪みが発生して線膨張率が大きくなることがある一方、高いと、発泡シートに過度の熱が加わって発泡シートが収縮を起こして自動車内装材用積層シートの機械的強度が低下したり或いは形状不良を生じることがあるからである。
なお、真空成形や圧空成形としては、例えば、プラグ成形、フリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形などが挙げられる。なお、上記成形方法においては温度調節可能な金型を用いることが好ましい。
又、金型のクリアランスは、二次発泡させた自動車内装材用積層シートAの初期厚みをTとした時、下記式4を満たすことが好ましく、下記式5を満たすことがより好ましい。 0.7T≦金型のクリアランス≦0.98T・・・式4
0.8T≦金型のクリアランス≦0.95T・・・式5
これは、金型のクリアランスが、狭いと、自動車内装材用積層シートAの発泡シート1の発泡セルが圧壊してしまって自動車内装材の機械的強度が低下することがある一方、広いと、正確な形状の自動車内装材を得ることができないことがあるからである。
最後に、図2〜4及び図7〜9において、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1における連続気泡層11と独立気泡層12との界面、独立気泡層12と非発泡層(スキン層)13との界面に便宜上、理解し易いように境界線を記載したが、本発明の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1における連続気泡層11と独立気泡層12との界面及び独立気泡層12と非発泡層(スキン層)13との界面には明確な境界線は存在していない。同様に、図1の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1における連続気泡層1Aと非発泡層(スキン層)13との界面にも便宜上、理解し易いように境界線を記載したが、本発明の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1における連続気泡層1Aと非発泡層(スキン層)13との界面には明確な境界線は存在していない。
本発明の自動車内装材用積層シートは、連続気泡率が50%以上で且つ両面に非発泡層 が形成されている変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートの一面にピンを突き刺す ことによって表面に開口する穴部が形成されており、少なくとも穴部形成面に、形態保持繊維及び熱可塑性樹脂繊維よりなる不織布からなる表面シートが積層一体化されてなり、上記穴部は上記表面シートを通じて外気と通気性を維持していることを特徴とするので、音の振動エネルギーを穴部を通じて変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートの連続気泡に円滑に誘導し、連続気泡の気泡壁を振動させることによって振動エネルギーを熱エネルギーに変換して優れた吸音性を発揮する。
しかも、上記自動車内装材用積層シートは、その発泡シートの一面に表面シートが積層一体化されていることから、耐熱性、機械的強度及び寸法安定性に優れており、更に、自動車内装材用積層シート上に表皮材を積層一体化する場合にあっても、発泡シートの穴部が表面シートによって隠蔽された状態となっているので、たとえ柔らかい表皮材を用いた場合にあっても表皮材に穴部に起因した皺を生じさせることなく美麗な状態に表皮材を自動車内装材用積層シート上に積層一体化させて用いることができる。
そして、上記自動車内装材用積層シートは、その発泡シートの一面に表面シートが積層されていることから、耐熱性にも優れており、高温時における寸法安定性に優れている。
又、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートが、主として連続気泡から構成された連続気泡層を有しており、穴部が連続気泡層に達している場合には、穴部を通じて連続気泡層内に音の振動エネルギーを円滑に誘導し、連続気泡層の連続気泡の気泡壁を振動させることによって振動エネルギーを熱エネルギーに変換して優れた吸音性を発揮する。
そして、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートが、主として連続気泡から構成された連続気泡層のみからなる場合には、穴部を通じて音の振動エネルギーを変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート全体に拡散させ、音の振動エネルギーを熱エネルギーに変換して優れた吸音性を発揮する。
更に、上記自動車内装材用積層シートにおいて、接着剤層を構成している接着剤が表面シート全体に含浸されている場合には、接着剤によって表面シートを構成している繊維同士をより強固に結着させて表面シートの機械的強度を向上させることができ、自動車内装材用積層シートは更に線膨張率の低くて機械的強度の優れたものとなっている。
そして、上記自動車内装材用積層シート上に表皮材を積層一体化させて所望形状に熱成形することによって、吸音性、耐熱性及び寸法安定性に優れていると共に複雑な形状を有する自動車内装材を正確に且つ確実に作製することができる。
(実施例1)
ポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂との混合物(ジーイープラスチックス社製 商品名「NORYL EFN4230」、ポリフェニレンエーテル:70重量%、ポリスチレン系樹脂:30重量%)50重量部と、ポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名「HRM−26」)50重量部とを混合してなる変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(ポリフェニレンエーテル成分:35重量%、ポリスチレン系樹脂成分:65重量%、ガラス転移温度:132℃)及びタルク0.65重量部を第一押出機に供給して溶融混練すると共に、第一押出機にイソブタン35重量%及びノルマルブタン65重量%からなる揮発性発泡剤3.9重量部を圧入して300℃で溶融混練した後、上記第一押出機の先端に接続した第二押出機に溶融樹脂を連続的に供給して樹脂温度が206℃となるように調整した上で、第二押出機の先端に取り付けたサーキュラー金型(温度:155℃)から円筒状に押出した。この円筒状発泡体をその押出方向に連続的に内外面間に亘って切断、展開して変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1を得た。
なお、得られた変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1は、主として連続気泡から構成された厚み3.6mmの連続気泡層11の一面に、主として独立気泡から構成された厚み1.0mmの独立気泡層12a が、連続気泡層11の他面に、主として独立気泡から構成された厚み0.6mmの独立気泡層12b が形成されており、目付は265g/m2 であった。
又、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1は、その厚みが5.2mm、密度が0.051g/cm3 、連続気泡率が61.3%、連続気泡層11中に含まれる連続気泡の割合が93%、独立気泡層12中に含まれる独立気泡の割合が85%、平均気泡径が0.54mmであった。
次に、一面に多数のピンが植設されてなる平板を用意し、この平板のピンを、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の独立気泡層12a 側から突き刺して、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の一面にその表面1aから連続気泡層11にまで達した開口端が平面真円形状の穴部2、即ち、その表面1aに開口し且つ底部21が連続気泡層11に位置する開口端が平面真円形状の穴部2を多数、形成した。
なお、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の穴部2は、図5に示したように千鳥格子状に均一に形成されており、各穴部2の開口端面積は2.27mm2 、深さは4.7mm、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の表面に対する穴部2の総開口面積割合は7.1%、仮想格子3の正方形状枠部32の長さdは8mmであった。
一方、表面シートを構成する不織布として、サイザル麻繊維と、芯部がポリエチレンテレフタレートで且つ鞘部がポリエチレンである芯鞘型合成樹脂繊維とからなる湿式抄造法により製造され且つサイザル麻繊維が略均一に分布してなる略一定厚みの不織布(サイザル麻繊維径:150〜250μm、サイザル麻繊維長:25mm、芯鞘型合成樹脂繊維における芯部を構成するポリエチレンテレフタレートの融点:250℃、鞘部を構成するポリエチレンの融点:80℃、芯鞘型合成樹脂繊維径:2デニール、芯鞘型合成樹脂繊維長:5mm、サイザル麻繊維:芯鞘型合成樹脂繊維(重量比)=40:60、目付:85g/m2 、厚み:0.33mm)を2枚用意した。
そして、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の一面(穴部形成面1a)に、ホットメルト接着剤(ポリアミド系接着剤)からなる網状シート(呉羽テック社製 商品名「ダイナテック LNS8050」、目付:50g/m2 )を介し上記不織布を表面シートとして積層すると共に、発泡シート1の他面に、ホットメルト接着剤(ポリオレフィン系接着剤)からなるフィルム(クラボウ社製 商品名「X−2200」、目付:24g/m2 )を介し上記不織布を表面シートとして積層して不織布積層シートを作製した。
しかる後、上下方向に所定間隔を存して対峙させたポリテトラフルオロエチレン製の上下ベルト(温度:135〜145℃)の対向面間に上記不織布積層シートを供給して、不織布積層体のホットメルト接着剤を溶融させつつ、表面シートを発泡シート1の両面の夫々にその厚み方向に押圧して、発泡シートの両面の夫々に表面シートを積層一体化させて自動車内装材用積層シートを得た。なお、自動車内装材用積層シートは、その厚みが5.9mm、目付が509g/m2 であった。
(実施例2)
表皮材として、ポリエチレンテレフタレート繊維からなる不織布(目付:180g/m2 、厚み:1.0mm)を用意した。そして、実施例1と同様の要領で作製した自動車内装材用積層シートAにおける穴部形成面1a側に積層一体化した表面シート上に、ホットメルト接着剤(ポリアミド系接着剤)からなる網状シート(呉羽テック社製 商品名「ダイナテック LNS8050」、目付:50g/m2 )を介し上記表皮材を積層した。
しかる後、上下方向に所定間隔を存して対峙させたポリテトラフルオロエチレン製の上下ベルト(温度:135〜145℃)の対向面間に自動車内装材用積層シートAを供給して、ホットメルト接着剤を溶融させつつ、表皮材を自動車内装材用積層シートAの一面にその厚み方向に押圧して、自動車内装材用積層シートAの一面に表皮材を積層一体化させた。なお、自動車内装材用積層シートは、その厚みが6.9mm、目付が739g/m2 であった。
(実施例3)
ポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂との混合物(ジーイープラスチックス社製 商品名「NORYL EFN4230」、ポリフェニレンエーテル:70重量%、ポリスチレン系樹脂:30重量%)50重量部と、ポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名「HRM−26」)50重量部とを混合してなる変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(ポリフェニレンエーテル成分:35重量%、ポリスチレン系樹脂成分:65重量%、ガラス転移温度:132℃)及びタルク0.65重量部を第一押出機に供給して溶融混練すると共に、第一押出機にイソブタン35重量%及びノルマルブタン65重量%からなる揮発性発泡剤3.5重量部を圧入して300℃で溶融混練した後、上記第一押出機の先端に接続した第二押出機に溶融樹脂を連続的に供給して樹脂温度が205℃となるように調整した上で、第二押出機の先端に取り付けられ且つ180℃に設定されたサーキュラー金型から円筒状に押出した。この円筒状発泡体をその押出方向に連続的に内外面間に亘って切断、展開して変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートを得た。
なお、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートは、その厚みが5.0mm、密度が0.060g/cm3 、連続気泡率が81.4%、平均気泡径が0.57mm、目付が300g/m2 であった。
又、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1は、主として連続気泡から構成された厚み4.8mmの連続気泡層1Aのみからなり、この連続気泡層1Aの両面の夫々には、厚み0.1mmの非発泡層13、13が全面的に形成されていた。
そして、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の一面に、実施例1と同様の要領で穴部2を形成した。なお、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の穴部2は、図5に示したように千鳥格子状に均一に形成されており、各穴部2の開口端面積は0.64mm2 、深さは4.0mm、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の表面に対する穴部2の総開口面積割合は3.5%、仮想格子3の正方形状枠部32の長さdは6mmであった。
一方、ケナフ繊維と、芯部及び鞘部の双方がポリエチレンテレフタレートである芯鞘型合成樹脂繊維とをカード機に供給してウェブを作製し、このウェブにスチレン−ブチレン共重合体(SBR樹脂)を含浸させて乾燥させ、表面シートとなる不織布(ケナフ繊維径:50〜130μm、ケナフ繊維長:76mm、芯鞘型合成樹脂繊維における芯部を構成するポリエチレンテレフタレートの融点:255℃、鞘部を構成するポリエチレンテレフタレートの融点:110℃、芯鞘型合成樹脂繊維径:2デニール、芯鞘型合成樹脂繊維長:51mm、ケナフ繊維:芯鞘型合成樹脂繊維(重量比)=80:20、目付:78g/m2 、厚み:0.45mm、スチレン−ブチレン共重合体含有量:8.3g/m2 )を2枚、作製した。
そして、不織布の片面全面に、EVA系ホットメルト接着剤の粉末(エチレン−酢酸ビニル共重合体と直鎖状低密度ポリエチレンとの混合物、融点:100℃)を不織布100重量部に対して35.5重量部(27.7g/m2 )の割合となるように均一に散布した。
しかる後、EVA系ホットメルト接着剤の粉末が散布された不織布を120℃に加熱した後、この不織布を一対の冷却ロール間に供給して厚み方向に圧縮して、不織布内にホットメルト接着剤を全面的に含浸させた。
次に、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の両面の夫々に、ホットメルト接着剤を含浸させた不織布を表面シートとして積層して不織布積層体を作製した。続いて、上下方向に所定間隔を存して対峙させたポリテトラフルオロエチレン製の上下ベルト(温度:135〜145℃)の対向面間に上記不織布積層シートを供給して、不織布積層体における表面シート内のホットメルト接着剤を溶融させつつ、表面シートを発泡シート1の両面の夫々にその厚み方向に押圧して、発泡シートの両面の夫々に表面シートを積層一体化させて自動車内装材用積層シートを得た。なお、自動車内装材用積層シートは、その厚みが5.9mm、目付が528g/m2 であった。
(比較例1)
第二押出機における樹脂温度が202℃となるように調整し、揮発性発泡剤量を3.3重量部としたこと、サーキュラー金型の温度を157℃としたこと以外は実施例1と同様にして変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1を得た。
なお、得られた変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1は、主として連続気泡から構成された厚み1.8mmの連続気泡層11の一面に、主として独立気泡から構成された厚み1.0mmの独立気泡層12a が、連続気泡層11の他面に、主として独立気泡から構成された厚み1.2mmの独立気泡層12b が形成されていた。
又、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1は、その厚みが4.0mm、目付が210g/m2 、密度が0.053g/cm3 、連続気泡率が48.1%、連続気泡層11中に含まれる連続気泡の割合が90.6%、独立気泡層12中に含まれる独立気泡の割合が81%、平均気泡径が0.49mmであった。
そして、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の一面に、実施例1と同様の要領で穴部2を形成した。なお、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の穴部2は、図7に示したように千鳥格子状に均一に形成されており、各穴部2の開口端面積は3.14mm2 、深さは3.7mm、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の表面に対する穴部2の総開口面積割合は9.8%、仮想格子3の正方形状枠部32の長さdは8mmであった。
次に、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の両面の夫々に、実施例3と同様の要領で表面シートを積層一体化して自動車内装材用積層シートを得た。なお、自動車内装材用積層シートは、その厚みが4.9mm、目付が438g/m2 であった。
(比較例2)
発泡シートの引取速度を調整したこと以外は実施例1と同様の要領で変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1を作製した。なお、得られた変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1は、主として連続気泡から構成された厚み3.5mmの連続気泡層11の一面に、主として独立気泡から構成された厚み1.0mmの独立気泡層12a が、連続気泡層11の他面に、主として独立気泡から構成された厚み0.6mmの独立気泡層12b が形成されており、目付は250g/m2 であった。
一方、ポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂との混合物(ジーイープラスチックス社製 商品名「NORYL EFN4230」、ポリフェニレンエーテル:70重量%、ポリスチレン系樹脂:30重量%)と、ポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名「HRM−26」)と、ハイインパクトポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名「E641N」)と、着色剤としてカーボンブラックマスターバッチ(大日精化社製 商品名「PS−M SSC 98H822A、カーボンブラック:40重量%)とを、ポリフェニレンエーテル成分が20重量%で、スチレン系樹脂成分が77.6重量%で、ゴム成分が2重量%で、カーボンブラックが0.4重量%となるように調整しつつ混合した混合樹脂を二機の押出機のそれぞれに供給し、一方の押出機から押出した直後の溶融状態の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂シートを、展開された直後の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1の一面に積層し熱融着一体化させると共に、他方の押出機から押出した直後の溶融状態の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂シートを上記発泡シート1の他面に積層し熱融着一体化させて、発泡シート1の両面に、厚み方向に全面的にカーボンブラックによって黒色に着色された厚み95μmの変性ポリフェニレンエーテル系樹脂シートを直接、熱融着によって積層一体化した。
又、両面に変性ポリフェニレンエーテル系樹脂シートを積層一体化してなる発泡積層シートは、その厚みが5.1mm、密度が0.088g/cm3 、連続気泡率が73.3%、連続気泡層11中に含まれる連続気泡の割合が94.6%、独立気泡層12中に含まれる独立気泡の割合が85%、平均気泡径が0.54mmであった。
次に、上記発泡積層シートの一面に、実施例1と同様の要領で穴部2を形成して自動車内装材用積層シートを得た。なお、自動車内装材用積層シートの穴部2は、図7に示したように千鳥格子状に均一に形成されており、各穴部2の開口端面積は2.54mm2 、深さは3.7mm、自動車内装材用積層シートの表面に対する穴部2の総開口面積割合は7.9%、仮想格子3の正方形状枠部32の長さdは8mmであった。
以上の如くして得られた自動車内装材用積層シート及び二次発泡成形品の吸音性、並びに、二次発泡成形品の線膨張率を下記の要領で測定すると共に、吸音性の測定の際に作製した二次発泡成形品について、その変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートの厚み、正方形状枠部の長さd、並びに、穴部の開口端面積及び総開口面積割合を測定し、その結果を表1〜3及び図10、11に示した。
なお、実施例1〜3及び比較例1の自動車内装材用積層シートから作製した二次発泡成形品における正方形状枠部の長さd、並びに、穴部の開口端面積及び総開口面積割合の測定は、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートの一面から不織布を剥離、除去し、穴部を露出させることにより行なった。
(吸音性)
自動車内装材用積層シートA、及び、自動車内装材用積層シートAを二次発泡させて得られる二次発泡成形品の吸音性を、ASTM E1050の垂直入射吸音率試験に準拠した伝達関数法により背後空気層なしの条件で穴部2の開口側から周波数500〜6300Hzの音波を自動車内装材用積層シートA及び二次発泡成形品に入射させて垂直入射吸音率を測定した。なお、自動車内装材用積層シートAの吸音性を表1及び図10に、二次発泡成形品の吸音性を表2及び図11に示した。
なお、二次発泡成形品は下記の要領で得た。即ち、自動車内装材用積層シートAをその表面温度が変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート1を構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度よりも8℃だけ高い温度となるまで加熱して自由に二次発泡させた。
そして、自動車内装材用積層シートAの表面温度が発泡シートを構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度よりも8℃だけ高い温度となった時点で自動車内装材用積層シートAの加熱を終了し、二次発泡後の自動車内装材用積層シートAの厚みを測定した。なお、上記要領を3回繰り返し、3枚の自動車内装材用積層シートAの二次発泡後の厚みの相加平均を二次発泡後厚みとした。
次に、自動車内装材用積層シートAをその表面温度が発泡シートを構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度よりも8℃だけ高い温度となるまで加熱した後、この自動車内装材用積層シートAを対向面が平滑面に形成された一対の平板状金型間に配設した上で平板状金型を締めて、自動車内装材用積層シートAをその二次発泡後厚みの90%となるまで厚み方向に圧縮成形しつつ冷却し、自動車内装材用積層シートAの表面温度が発泡シートを構成する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度未満となった時点で一対の平板状金型を開いて二次発泡成形品を得た。
(線膨張率)
上述した要領で作製された二次発泡成形品の線膨張率を、上述した自動車内装材用積層シートの線膨張率の測定方法と同様の要領で測定した。
Figure 0004494024
Figure 0004494024
Figure 0004494024
本発明の自動車内装材用積層シートを示した模式縦端面図である。 本発明の自動車内装材用積層シートの他の一例を示した模式縦端面図である。 本発明の自動車内装材用積層シートの他の一例を示した模式縦端面図である。 本発明の自動車内装材用積層シートの他の一例を示した模式縦端面図である。 穴部の形成態様の一例を示した平面図である。 穴部の形成態様の一例を示した平面図である。 本発明の自動車内装材用積層シートの他の一例を示した模式縦端面図である。 本発明の自動車内装材用積層シートの他の一例を示した模式縦端面図である。 本発明の自動車内装材用積層シートの他の一例を示した模式縦端面図である。 自動車内装材用積層シートの吸音性の測定結果を示したグラフである。 自動車内装材用積層シートの二次発泡成形品の吸音性を測定した結果を示したグラフである。
符号の説明
1 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート
2 穴部
4 表面シート
5 接着剤層
51 接着剤
52 表皮接着剤層
6 表皮材
7 異音防止材
A 自動車内装材用積層シート
B 成形品

Claims (8)

  1. 連続気泡率が50%以上で且つ両面に非発泡層が形成されている変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートの一面にピンを突き刺すことによって表面に開口する穴部が形成されており、少なくとも穴部形成面に、形態保持繊維及び熱可塑性樹脂繊維よりなる不織布からなる表面シートが積層一体化されてなり、上記穴部は上記表面シートを通じて外気と通気性を維持していることを特徴とする自動車内装材用積層シート。
  2. 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートが、主として連続気泡から構成された連続気泡層を有しており、穴部が上記連続気泡層に達していると共に上記穴部の底部が上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートの連続気泡層内部まで進入した状態に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車内装材用積層シート。
  3. 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートが、主として連続気泡から構成された連続気泡層のみからなると共に上記穴部の深さが上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートの厚みの10〜95%であることを特徴とする請求項1に記載の自動車内装材用積層シート。
  4. 発泡シートと表面シートとを接着剤層によって一体化していることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の自動車内装材用積層シート。
  5. 接着剤層を構成している接着剤が表面シート全体に含浸されていることを特徴とする請求項4に記載の自動車内装材用積層シート。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の自動車内装材用積層シートの表面シート上に表皮材が積層一体化されていることを特徴とする自動車内装材用積層シート。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の自動車内装材用積層シートを熱成形してなることを特徴とする自動車内装材。
  8. 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を押出機に供給して揮発性発泡剤の存在下にて溶融混 練して押出機に取り付けた金型から押出して発泡させて得られた連続気泡率が50%以上 で且つ両面に非発泡層が形成されている変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートの 一面にピンを突き刺すことによって、上記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シート の一面にその表面に開口する穴部を形成し、少なくとも上記穴部形成面に、形態保持繊維 及び熱可塑性樹脂繊維よりなる不織布からなる表面シートを上記穴部が上記表面シートを 通じて外気と通気性を維持した状態に積層一体化することを特徴とする自動車内装材用積 層シートの製造方法。
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