JPH0612474B2 - 電子写真プリンタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電子写真プリンタに係り、特に小形の電子写真
プリンタの紙ジャム対策に関する。

〔従来の技術〕

従来の小形の電子写真プリンタは、特開昭60−63549号
公報に記載されたように、本体を上部筺体と下部筺体に
２分したクラムシェル構造であつて、開閉する上部上部
筺体に感光ドラム，帯電器，露光手段，現像器，クラー
ナおよびレジストローラの上側ローラを備え、下部筺体
に給紙カセット、レジストローラの下側ローラ、転写
器、紙ガイド、定着器および排紙トレイを備えている。

このような従来の電子写真プリンタは、紙ジャム発生時
には上部筺体を開いてジャムした転写紙を除去するが、
上部筺体は上述したように多数の電子写真プロセス手段
が設けられている重量物であるので大きな操作力を必要
とし、またレジストローラの上側ローラと下側ローラが
上部筺体と下部筺体に分けて設けてあることなどから上
部筺体と下部筺体は高い結合精度を必要とし、従つて上
部筺体と下部筺体の開閉結合部は重量物を正確に結合で
きる構造としなければならないことから強い剛性が必要
で大形化する問題があつた。

一方、特開昭61−56371号公報には、転写紙の搬送を垂
直方向にすると共に左右方向に開閉する本体の一部に給
紙，搬送系と転写手段と分離手段と定着手段を設けてジ
ヤム処理を容易にする複写機が記載されている。しかし
ながらこの複写機は、比較的重量物である給紙系と定着
器を開閉する本体の一部に備えているので、該開閉する
本体の一部及びこれを支える開閉結合部は強い剛性が必
要で、装置の小形軽量化の障害となり、また、トナー像
が転写されて上昇する転写紙がふらついてその両側に位
置する案内面の何れにも接触するようになるので、トナ
ー像が乱される問題がある。トナー像の乱れは、ファン
及びモータ等からなる真空吸引機構等を転写紙の背面
側、すなわち開閉する本体の一部側に設けて転写紙を吸
引してその接触面を反トナー像側に規制することによっ
て防止できるが、開閉する本体の一部に真空吸引機構の
付加が必要であるので、構造が複雑になるという新たな
問題が発生する。

〔発明が解決しようとする課題〕

以上のように、従来の電子写真装置は、紙ジャム処理を
容易にするために装置が大形化したり、構成が複雑にな
ったりする問題があった。

従って本発明の目的は、小形及び軽量の簡単な構成で紙
ジャム処理が容易な電子写真プリンタを提供することに
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、上記目的を達成するために、帯電，露光，現
像によつてトナー像が形成された感光ドラム表面に転写
紙を接触させ、転写紙の背面に転写器によつて転写電荷
を与えてトナー像を転写紙に転写し、トナー像が転写さ
れ感光ドラムから分離された転写紙を紙ガイドによつて
定着器へ案内するようにした電子写真プリンタにおい
て、前記感光ドラムと帯電，露光，現像及び定着手段を
本体に設け、転写紙を前記感光ドラムの前側真横から僅
かに下がった位置で接触するように上方から下方に向け
て斜め直線的に搬送するようにすると共に、開閉可能な
前蓋の内側に、該前蓋を閉じたときに前記感光ドラムに
接触する転写紙の背面に位置するように前記転写器と、
トナー像が転写されて感光ドラムから分離された転写紙
が自重によりその背面を接触させて滑降するのを案内す
るように傾斜して前記紙ガイドとを設けたことを特徴と
する。

〔作 用〕

重量物である感光ドラム，露光手段，現像手段及び定着
手段は静止側である本体に設け、軽量物である転写器と
紙ガイドを可動側である前蓋に設けているので、前蓋及
びこれを支える開閉結合部に作用する重量は軽く、これ
らの部分は剛性を余り必要とせず小形軽量構造のもので
足りる。また、転写紙は感光ドラムの前側真横から僅か
に下がった位置で接触しながら斜めに下降するので、該
転写紙はその自重によりその背面を紙ガイドに接触させ
て滑降するようになり、従って、トナー像乱れ防止のた
めに紙ガイドに対する転写紙の接触面を規制するための
格別な規制部品の付加が不要となる。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。

第２図は本発明になる電子写真プリンタの外観斜視図で
あり、該プリンタは、本体１の上面に着脱自在に設けた
給紙トレイ２から本体内に転写紙３を供給し、該本体１
内に設けられた感光ドラムに帯電，露光，現像して得た
トナー像を転写紙３に転写した後に定着してその前面に
着脱自在に設けた排紙トレイ４上に排紙するものであ
る。

第１図はこのプリンタの縦断側面図である。

感光ドラム５は静止側である本体１に設けられ矢印方向
に回転駆動される。そしてこの感光ドラム５の表面に対
しては、本体１に設けられた帯電器６，露光源７，現像
器８による帯電，露光，現像によつてトナー像を形成す
る。現像器８は感光ドラム５の真上に位置しており、そ
のトナーカートリッジ９は、本体１の上面前部に蝶番１
０によつて転開自在に取り付けた給紙カバー１１を開放
することによつて、その上側から着脱可能になつてい
る。なお、１１Ａはトナーカートリッジ９を押えるカー
トリッジカバー，１１Ｂは給紙カバー１１を閉じたとき
にこれをロックする固定用ラッチである。

給紙分離機構１３は前記給紙カバー１１に設けられ、こ
れに着脱自在に設けた前記給紙トレイ２から転写紙３を
１枚ずつ抽出し紙ガイド１４を介してレジストローラ１
５まで送り出す。紙ガイド１４とレジストローラ１５は
本体１に設けられており、レジストローラ１５は転写紙
３を感光ドラム５に形成されたトナー像と位置合せした
タイミングで紙ガイド１６を介して感光ドラム５の転写
位置に向けて送り出す。

レジストローラ１５から送り出され紙ガイド１６に案内
されて下降する転写紙３は、感光ドラム５の前側真横か
ら僅かに下がった転写位置で該感光ドラム５の表面と接
触するように傾斜して直線的に搬送される。転写器１７
は転写紙３が感光ドラム５と接触する転写位置において
転写紙３の背面に転写電荷を与えてトナー像を転写す
る。傾斜する紙ガイド１８はトナー像が転写され感光ド
ラム５の表面から分離されて下降する転写紙３の背面に
接触し該転写紙３の重量を受けながらこれを滑動案内し
て定着器１９に送り込むので転写紙３の移動が安定にな
る。紙ガイド２０ａ，２０ｂは定着器１９から出た転写
紙３を前蓋２１の下部に形成した排給口２１ａを通して
排紙トレイ４上にフェイスダウンで排紙する。

紙ガイド１６，転写器１７，紙ガイド１８および紙ガイ
ド２０ａは前蓋２１の内側に取り付けられ、前蓋２１は
その下端がピンヒンジ２２によつて本体１に転開自在に
取り付けられ、この前蓋２１の転開して開放することに
よつて転写紙搬送路が開放されるようになつている。な
お、定着器１９と紙ガイド２０ｂは本体１に取り付けら
れている。

イレーザ２３は感光ドラム５の表面に残留する静電潜像
を消去し、クリーナ２４は感光ドラム５の表面に残留す
るトナー像を除去する。

輻射ガード２５は定着器１９からの輻射熱が感光ドラム
５やクリーナ２４に伝達されるのを軽減する。電源２６
及び制御回路基板２７は感光ドラム５やクリーナ２４か
ら隔離して設け、冷却ファン２８の排気で強制冷却す
る。冷却ファン２８は吸気口２８ａから定着器１９及び
クリーナ２４の周囲の空気を吸入して該部の熱を吸引
し、排気ダクト２９からの排気を前記電源２６及び制御
回路基板２７を通して本体後面の排気口１ａから機外に
放出してこれらを強制冷却する。また、冷却ファン２８
による冷却のための通気は帯電器６や転写器１７から発
生したオゾンも同時に吸い込んで機外へ排出する。

以上のように構成されたこの実施例の電子写真プリンタ
は、本体上方の給紙トレイ２から給紙されて下降する転
写紙３に転写、定着した後にこれを本体前方の排紙トレ
ー４上にフェイスダウンで排紙するので、転写紙通路を
水平方向にしたものに比較して小さいスペースで使用す
ることができる。

そして転写紙通路で紙ジャムが発生したときは前蓋２１
を開放することによつて転写紙通路の前面が開放される
ので、ジャムした転写紙３を容易に除去することができ
る。しかも、前蓋２１には軽量の紙ガイド１６，１８，
２０ａと転写器１７が設けられているだけであるので、
手軽に開、閉することができ、また、これらは高い位置
決め精度を必要としないので前蓋２１を本体１に取り付
けるピンヒンジ２２も簡単で小形な低強度構造のもので
足りる。

また、前蓋２１を開放すれば感光ドラム５の前面側も開
放されるので、感光ドラム５の着脱方向を前方向に構成
しておけば、感光ドラム５の着脱（交換）も紙ジャム除
去と同様な手軽さで行うことができる。

更にまた、現像器８のトナーカートリッジ９の着脱（交
換）は、給紙カバー１１を転開して現像器８の上方を開
放することによつて上側から容易に行うことができる。

更に、給紙トレイ２と排紙トレイ４は本体１に対して着
脱自在であるので、これらを取り外すことによつて輸送
時の梱包サイズを小さくすることができる。

〔発明の効果〕

以上のように本発明は、重量物である感光ドラム，露光
手段，現像手段及び定着手段は静止側である本体に設
け、軽量物である転写器と紙ガイドを可動側である前蓋
に設けているので、前蓋及びこれを支える開閉結合部に
作用する重量は軽く、これらの部分は剛性を余り必要と
せず小形軽量構造のもので足り、装置を軽量及び小形化
することができる。また、転写紙は感光ドラムの前側真
横から僅かに下がった位置で接触しながら斜めに下降す
るので、該転写紙はその自重によりその背面を紙ガイド
に接触させて滑降するようになり、従って、トナー像乱
れ防止のために紙ガイドに対する転写紙の接触面を規制
するための格別な規制部品の付加が不要となるので、装
置をさらに軽量及び小形化することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明になる電子写真プリンタを示すもので、第
１図は縦断側面図、第２図は外観斜視図である。 １……本体、５……感光ドラム、６……帯電器、７……
露光源、８……現像器、１７……転写器、１８……紙ガ
イド、１９……定着器、２１……前蓋。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】帯電，露光，現像によってトナー像が形成
   された感光ドラム表面に転写紙を接触させ、転写紙の背
   面に転写器によって転写電荷を与えてトナー像を転写紙
   に転写し、トナー像が転写され感光ドラムから分離され
   た転写紙を紙ガイドによって定着器へ案内するようにし
   た電子写真プリンタにおいて、前記感光ドラムと帯電，
   露光，現像及び定着手段を本体に設け、転写紙を前記感
   光ドラムの前側真横から僅かに下がった位置で接触する
   ように上方から下方に向けて斜め直線的に搬送するよう
   にすると共に、開閉可能な前蓋の内側に、該前蓋を閉じ
   たときに前記感光ドラムに接触する転写紙の背面に位置
   するように前記転写器と、トナー像が転写されて感光ド
   ラムから分離された転写紙が自重によりその背面を接触
   させて滑降するのを案内するように傾斜して前記紙ガイ
   ドとを設けたことを特徴とする電子写真プリンタ。
2. 【請求項２】特許請求の範囲第１項において、前記前蓋
   は本体に対して転開可能に設けられたことを特徴とする
   電子写真プリンタ。