JPH06122261A - 印字装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルムのシワが転写対象物に転写されるの
を防止できる印字装置を提供する。 【構成】 熱をインクリボンＲに加えて透明フィルムＦ
に印字するサーマルヘッド３と、透明フィルムＦに印字
された文字や記号などの印字内容を転写対象物に転写す
る熱転写ロール５と、透明フィルムＦを前記サーマルヘ
ッド３から前記熱転写ロール５に送るガイドをするガイ
ドロール１２と、を備え、このガイドロール１２が、中
程に向けて径が次第に大きくなった中太り形状に形成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、サーマルヘッドによっ
てインクリボンに熱を加え、フィルムに印字する印字装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】特開平３−２２７６８３号公報に記載さ
れている印字装置は、インクリボンとフィルムを重ねて
サーマルヘッドに送り、そのサーマルヘッドでインクリ
ボンに熱を加えることによってフィルムに所定の文字を
印字し、その後、インクリボンから離別させたフィルム
をガイドロールで転写ロールの位置まで送り、その転写
ロールによってフィルムに印字された文字を、ベルトコ
ンベアなどで送られてきた転写対象物に転写することが
できるように構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の印字装置では、室温が高いと装置内の雰囲気温度が
高くなるのでフィルムの表面温度が高くなるし、室温が
高くなくても長時間連続的に印字作業を行なうと装置内
の雰囲気温度が上昇してフィルムの表面温度が次第に高
くなる。そして、このようにフィルムの表面温度が高く
なっているにもかかわらず、例えば、白抜き文字などの
ようにフィルムに高密度に熱を加えなければならないよ
うな印字作業を行なうと、印字部分だけが異常に温度上
昇し、伸びてフィルムの長さ方向にシワが生じる。そし
て、シワが生じたままフィルムが転写ロールに送られ、
フィルムに印字された文字と一緒にシワが転写対象物に
転写されてしまうという問題があった。

【０００４】本発明は、上記のような問題に着目し、フ
ィルムのシワが転写対象物に転写されるのを防止できる
印字装置を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の印字装置では、熱をインクリボンに加えて
フィルムに印字するサーマルヘッドと、フィルムに印字
された文字や記号などの印字内容を転写対象物に転写す
る熱転写ロールと、フィルムを前記サーマルヘッドから
前記熱転写ロールに送るガイドをするガイドロールと、
を備え、このガイドロールが、中程に向けて径が次第に
大きくなった中太り形状に形成されている手段にした。

【０００６】

【作用】中太り形状のガイドロールにガイドされるフィ
ルムの中程部には、長さ方向に強い張力が作用するの
で、サーマルヘッドで印字した時にフィルムが部分的に
熱で伸びたとしても、強い張力で引っ張られることによ
って、その部分的な伸びが全体的に広がり、シワにはな
らない。従って、シワのない状態でフィルムを熱転写ロ
ールに送ることができるので、フィルムに印字された文
字や記号などの印字内容と一緒にシワが転写対象物に転
写されることはない。

【０００７】

【実施例】まず、図１に基づいて、第１実施例の印字装
置を説明する。図１は実施例の印字装置の構成を示す図
で、本実施例の印字装置は、ケースＣの中に設けられた
フィルム搬送機構１、リボン搬送機構２、サーマルヘッ
ド３、送りロール４、熱転写ロール５と、ケースＣの外
に設けられた電圧器６と、で構成されている。

【０００８】前記フィルム搬送機構１は、ロール状に巻
かれた透明フィルムＦを回転可能に支持する支持部材１
１と、複数のガイドロール１２と、モーターを備えた巻
き取りロール１３とで構成されており、支持部材１１に
支持された透明フィルムＦの始端を引き出し、ガイドロ
ール１２に案内させて巻き取りロール１３に係止し、巻
き取りロール１３を駆動させることにより、透明フィル
ムＦを支持部材１１から巻き取りロール１３へ一定の速
度で送ることができるようになっている。また前記ガイ
ドロール１２は、図２に示すように、中程に向けて径が
次第に大きくなった中太り形状に形成されている。

【０００９】前記リボン搬送機構２は、ロール状に巻か
れたインクリボンＲを回転可能に支持する支持部材２１
と、複数のガイドロール２２と、モーターを備えた巻き
取りロール２３とで構成されており、支持部材２１に支
持されたインクリボンＲの始端を引き出し、ガイドロー
ル２２に案内させて巻き取りロール２３に係止し、巻き
取りロール２３を駆動させることにより、インクリボン
Ｒを支持部材２１から巻き取りロール２３へ一定の速度
で送ることができるようになっている。

【００１０】前記サーマルヘッド３は、前記リボン搬送
機構２によって送られてくるインクリボンＲのカーボン
塗布面の表側に透明フィルムＦを介して設けられてお
り、電圧器６によって掛けられた電圧の高さに応じた熱
をインクリボンＲに加えて透明フィルムＦに所定の文字
や記号などを印字できるようになっている。

【００１１】前記送りロール４は、前記サーマルヘッド
３と対向する位置に設けられており透明フィルムＦとイ
ンクリボンＲを前記サーマルヘッド３に密着させながら
前記フィルム搬送機構１及びリボン搬送機構２と同一速
度で送ることができるようになっている。

【００１２】なお、前記フィルム搬送機構１とリボン搬
送機構２は、サーマルヘッド３ならびに送りロール４ま
での位置は透明フィルムＦとインクリボンＲがほぼ平行
になるよう搬送し、そこから先は透明フィルムＦとイン
クリボンＲが互いに離れるよう搬送している。

【００１３】前記熱転写ロール５は、前記サーマルヘッ
ド３とフィルム搬送機構１の支持部材１１との間に設け
られており、転写対象物がベルトコンベアなどで定位置
まで運ばれてくると透明フィルムＦがその転写対象物に
押し当てられる位置まで移動し、透明フィルムＦに印字
された文字をその転写対象物に熱転写できるようになっ
ている。

【００１４】次に、本実施例の作用を説明する。

【００１５】中太り形状のガイドロール１２にガイドさ
れる透明フィルムＦの中程部には、長さ方向に強い張力
が作用するので、サーマルヘッド３で印字した時に透明
フィルムＦが過剰に加熱されて部分的に伸びてしまった
としても、長さ方向に強い張力で引っ張られていること
によって、その部分的な伸びが全体的に広がり、シワに
はならない。

【００１６】印字後、透明フィルムＦは、更にガイドロ
ール１２によって熱転写ロール５に導かれる。この熱転
写ロール５では、透明フィルムＦに印字された文字や記
号が転写対象物に転写されるが、透明フィルムＦがシワ
のない真直な状態で熱転写ロール５に導かれているの
で、転写対象物には、文字や記号などの印字内容と一緒
にシワが転写されることはない。

【００１７】つまり、本実施例の印字装置にあっては、
透明フィルムＦの中程部を強く引っ張りながら熱転写ロ
ール５へ送ることができるので、透明フィルムＦにシワ
が生じないようにすることができ、透明フィルムＦに印
字された文字や記号などの印字内容を転写対象物にきれ
いに転写することができる。

【００１８】以上、本発明の実施例を図面により詳述し
てきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の
変更等があっても本発明に含まれる。例えば、実施例で
は、透明フィルムをガイドするガイドロール全てが中太
り形状に形成されている装置を使用したが、ガイドロー
ル全てが中太り形状に形成されている必要はなく、例え
ば、サーマルヘッド前後ならびに熱転写ロールの前後以
外のガイドロールには、均一な太さに形成されている通
常のものを使用してもよい。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の印字装置
にあっては、フィルムの中程部を強く引っ張りながら熱
転写ロールへ送ることができるので、フィルムにシワが
生じないようにすることができ、よって、フィルムに印
字された文字や記号などの印字内容を転写対象物にきれ
いに転写することができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の印字装置の構成を示す図である。

【図２】実施例の印字装置のガイドロールを示す平面図
である。

【符号の説明】

１２ ガイドロール ３ サーマルヘッド Ｆ 透明フィルム（印字対象物） Ｒ インクリボン

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱をインクリボンに加えてフィルムに印
   字するサーマルヘッドと、フィルムに印字された文字や
   記号などの印字内容を転写対象物に転写する熱転写ロー
   ルと、フィルムを前記サーマルヘッドから前記熱転写ロ
   ールに送るガイドをするガイドロールと、を備え、この
   ガイドロールが、中程に向けて径が次第に大きくなった
   中太り形状に形成されていることを特徴とする印字装
   置。