JPH0612184Y2 - 車輌用マフラの水抜き構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は車輌用マフラの水抜き構造に関するものであ
る。

［従来技術］ 従来の車輌用マフラは第５、６図に示すように一般に次
のような構造を有している。即ち、マフラ３０は筒状の
周壁板３１と、前、後端板３２，３３と、両端板３２、
３３間に設けた中間隔壁例えば第１隔壁３４、第２隔壁
３５を有し、前端板３２と第１隔壁３４とにはインレッ
トパイプ３６が取り付けられ、第１隔壁３４には中間パ
イプ３７が、第２隔壁３５には共鳴パイプ３８がそれぞ
れ取り付けられている。そして第１、第２隔壁３４、３
５と後端壁３３とにはアウトレットパイプ３９が取り付
けられている。ドレーンパイプ４０、４１の一端はドレ
ーン水Ｗが溜り易い室に開口し、同パイプ４０、４１の
他端の開口面はアウトレットパイプ３９の内周面と同一
面でアウトレットパイプ３９に接続するか又はアウトレ
ットパイプ３９内に挿入されている。アウトレットパイ
プ３９の後端はマフラ３０外に開口している。

エンジンから排出された排気ガスはインレットパイプ３
６、中間パイプ３７、アウトレットパイプ３９を通って
マフラ３０外に排出される。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記の構造を有するマフラはアウトレットパイプ３９内
の圧力が最も低いことによる吸い出し効果によりマフラ
３０内に溜るドレーン水（凝縮水）Ｗをドレーンパイプ
４０、４１を通じてアウトレットパイプ３９からマフラ
３０外に排出しているが、エンジンの回転数が低い時は
排気ガスの流速が低く、又ドレンパイプの位置する室と
アウトレットパイプ３９内との圧力差が小さいため充分
な吸い出し効果が得られない。又マフラ３０の各室の圧
力の相違によりアウトレットパイプ３９の前側の開口部
の位置する圧力の最も低い室にドレン水が各隔壁の下部
に設けられた溝を通って集まり、第５図のようにドレン
パイプの位置によっては充分な排水機能が得られないも
のもある。このためマフラ３０はドレーン水Ｗにより腐
触が促進される。

この考案はエンジンの回転数が低い時でも充分な排水機
能を有する車輌用マフラの水抜き構造の提供を課題とす
る。

［問題点を解決するための技術的手段］ 上記の課題を解決するためこの考案はドレーンパイプの
前端の開口面をインレットパイプの内周面と一致させ、
後端をアウトレットパイプ内に臨ませ、中間部をマフラ
の底面に沿わせ、この中間部に吸水口を設けた構成を有
している。

［作用］ ドレーンパイプの前端の開口面はインレットパイプの内
周面と一致しているのでドレンパイプ内にはインレット
パイプ内の静圧が伝達されている。一方排気ガスの圧力
はインレットパイプ３６内で脈動しているのでドレーン
パイプ内の圧力も脈動する。圧力が小さい時はドレーン
パイプはマフラ底部に溜っているドレーン水を吸水口か
らドレーンパイプ内に吸い上げ、圧力が大きくなると吸
い上げたドレーン水をアウトレットパイプ内に押し出
す。即ち、ドレーンパイプは同パイプ内の圧力の脈動に
よりポンプ機能を発揮する。アウトレットパイプ内に押
し出されたドレーン水はアウトレットパイプ内を流れる
排気ガスに引きずられてマフラ外に排出される。

［実施例］ 以下実施例を示す図面によりこの考案を説明する。な
お、第５、６図と同じ構成要素に対しては同じ符号を付
し、その説明を省く。第１、２図は第１実施例を示す。
同図においてドレーンパイプ１０は２個の平行する直立
片１０ａ、１０ｃと直立片１０ａ、１０ｃを連結する水
平片１０ｂ及び直立片１０ｃの上端から後方（第１図で
は右方）に延出する水平片１０ｄとから構成されてい
る。直立片１０ａはその上端の開口面がインレットパイ
プ３６の内周面３６ａと同一面となるようにインレット
パイプ３６に接続されている。水平片１０ｂはドレーン
水Ｗの最も溜り易いマフラ３０の底面に沿っており、複
数の吸水口１１を有している。吸水口１１の数、口径は
ドレーン水Ｗの溜る状況に応じて設定される。水平片１
０ｄの一部はアウトレットパイプ３９内に同パイプの軸
心とほぼ平行に挿入されている。

上記の構成においてドレーンパイプ１０の直立片１０ａ
の上端（ドレーンパイプ１０としては前端）の開口面は
インレットパイプ３６の内周面３６ａと一致しているの
でドレンパイプ１０内の圧力はインレットパイプ３６内
の静圧と同じになっている。一方排気ガスの圧力はイン
レットパイプ３６内で脈動しているのでドレーンパイプ
１０内の圧力も脈動する。圧力が小さい時はドレーンパ
イプ１０はドレーン水Ｗを吸水口１１からドレーンパイ
プ１０内に吸い上げ、圧力が大きくなると吸い上げたド
レーン水を水平片１０ｄを経てアウトレットパイプ３９
内に押し出す。即ち、ドレーンパ−イプ１０はその内部
圧力の脈動によりポンプ機能を発揮する。アウトレット
パイプ３９内に押し出されたドレーン水Ｗはアウトレッ
トパイプ３９内を流れる排気ガスに引きずられてマフラ
３０外に排出される。なお、ドレーン水Ｗをアウトレッ
トパイプ３９内に押し出す際、ドレーン水Ｗの一部は吸
水口１１からマフラ３０内に排出されるが吸水口１１の
口径をドレンパイプ１０の内径に比して充分小さくして
おけばマフラ３０内に排出されるドレン水の量は僅かで
済む。

第３、４図は第２実施例を示す。第２実施例ではドレー
ンパイプ２０は平行する直立片２０ａ、２０ｃと、これ
らの下端を連結する水平片２０ｂとから構成されてい
る。直立片２０ａはその上端の開口面がインレットパイ
プ３６の内周面３６ａと同一面となるようにインレット
パイプ３６に接続し、又直立片２０ｃもその上端の開口
面がアウトレットパイプ３９の内周面３９ａと同一面と
なるようにアウトレットパイプ３９に接続している。更
に水平片１０ｂはドレーン水Ｗの最も溜り易いマフラ３
０の底面に沿っており、複数の吸水口２１を有してい
る。吸水口２１の数、口径をドレーン水Ｗの溜る状況に
応じて設定される。

第２実施例ではドレーンパイプ２０の直立片２０ｃの上
端の開口面がアウトレットパイプ３９の内周面３９ａと
同一面である点が第１実施例と違っているだけで、ドレ
ーンパイプ２０の前端の開口面はインレットパイプ３６
の内周面と同一面となっているから、ドレーンパイプ２
０の作用はドレーンパイプ１０の作用と同じであり、マ
フラ全体として第１、２実施例の作用は同じである。

［効果］ この考案は上記の構成を有するので次のような優れた効
果を有する。

（イ）インレットパイプ内の排気ガスの脈動圧によりド
レーンパイプ内の圧力が脈動してドレーンパイプがポン
プ機能を持つことになりマフラ内のドレーン水を汲み上
げてアウトレットパイプ内に排出するのでエンジンの回
転数の低い状態でもマフラ内のドレーン水は充分に排出
される。

（ロ）従ってドレーン水によるマフラの腐触の促進を押
えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１実施例の正面図を示し、第２図は第１図の
Ａ部の詳細図を示す。第３図は第２実施例の正面図を示
し、第４図は第３図のＢ部の詳細図を示す。第５、６図
はともに従来のマフラの正面図を示す。 １０、２０…ドレーンパイプ １１、２１…吸水口、３０…マフラ ３８…インレットパイプ ３９…アウトレットパイプ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ドレーンパイプの前端の開口面をインレッ
   トパイプの内周面と一致させ、後端をアウトレットパイ
   プ内に臨ませ、中間部をマフラの底面に沿わせ、この中
   間部に吸水口を設けたことを特徴とする車輌用マフラの
   水抜き構造。