JPH0622152Y2

JPH0622152Y2 - 多段水封式真空ポンプ

Info

Publication number: JPH0622152Y2
Application number: JP8137789U
Authority: JP
Inventors: 範雄安
Original assignee: Miura Co Ltd
Current assignee: Miura Co Ltd
Priority date: 1989-07-11
Filing date: 1989-07-11
Publication date: 1994-06-08
Anticipated expiration: 2004-06-08
Also published as: JPH0321587U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この考案は多段水封式真空ポンプに関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、ケーシング内の液体（例えば、水）を羽根車
（インペラとも称する）によって回転し、その液体の羽
根車の半径方向の移動によって気体（例えば、エアー）
を吸入排出して、気体を圧送または排除する水封式の真
空ポンプは公知であり、このポンプを複数個使用し、前
段側ポンプの排気口と後段側ポンプの吸気口を連通して
一段のものよりも高い真空度を得られるようにした多段
水封式真空ポンプも種々提案されている。

従来、この多段水封式真空ポンプには第８図および第９
図に示すようなものがあり、第８図に示すものは、前段
側ポンプ部１０１と後段側ポンプ部１０２との間に仕切
板１０３を介設し、その仕切板１０３により仕切られた
ケーシング１０４内に同一回転軸１０５上の前段側イン
ペラ１０１ａと後段側インペラ１０２ａをそれぞれ配置
し、前段側ポンプ部１０１の排気口と後段側ポンプ部１
０２の吸気口を連結管等により連結している。

また、第９図に示すものは、前段側ポンプ部１０１と後
段側ポンプ部１０２との間に空間部１０６を介設し、そ
の空間部１０６により仕切られたケーシング１０４内に
同一回転軸１０５上の前段側インペラ１０１ａと後段側
インペラ１０２ａをそれぞれ配置し、前段側ポンプ部１
０１の排気口と後段側ポンプ部１０２の吸気口を空間部
１０６により連結している。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記従来の多段水封式真空ポンプによる
と、次のような問題点がある。

前者は、仕切板を介設して前段側ポンプ部と後段側ポン
プ部とを連結しているので、前段側あるいは後段側ポン
プの側板の一方側を省略できるが、一段の倍近くの部品
を必要とし、部品点数が多く構造が複雑で組立や分解に
手間がかかる。また、インペラおよびケーシング内が別
体なので、インペラとケーシングおよび仕切板とで形成
する空間部において、インペラとケーシングとの隙間、
あるいはインペラと仕切板との隙間から隣りの空間部へ
の気体のもれも一段の倍になり、性能低下の原因とな
る。

一方、後者は、空間部を介設して前段側ポンプ部と後段
側ポンプとを連結しているので、前者のような連結管を
不要とすることができるが、空間部を介設したことによ
りケーシングが長くなる。また、空間部を形成するため
に、部品が多くなり一段の倍の部品を必要とし、以下前
者と同様の不都合を生じる。

この考案は上記問題点に鑑みてなされたもので、部品点
数を減少して構造を簡略化すると共に、もれを減少させ
てポンプ性能を向上させることができる多段水封式真空
ポンプを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は上記課題を解決するため、前段側ポンプ部と
後段側ポンプ部との間に仕切板を介設し、その仕切板に
より仕切られたケーシング内に同一回転軸上の前段側イ
ンペラと後段側インペラをそれぞれ配置し、上記前段側
ポンプ部の排気口と後段側ポンプ部の吸気口を連通した
多段水封式真空ポンプにおいて、上記仕切板を回転自在
に設けると共に、その仕切板に前段側インペラと後段側
インペラを設けた一体構造のインペラを備えた多段水封
式真空ポンプを構成したものである。

〔作用〕

この考案によれば、前段側インペラと後段側インペラと
仕切板とを一体構造にしたインペラを備えたことによ
り、部品点数を少なくして、構造を簡素化することがで
きる。また、仕切板が前段側および後段側インペラと一
体構造で両者の間に隙間がないので、もれを抑えること
ができる。

〔実施例〕

この考案に係る一実施例を図面に基づいて説明する。

図面の第１図は多段水封式真空ポンプの断面図、第２図
は多段水封式真空ポンプの説明図、第３図はインペラの
斜視図、第４図は吸気側ハウジングの正面図、第５図は
ポートプレートの正面図、第６図はケーシングの正面
図、第７図は排気側ハウジングの正面図である。

第１図および第２図に示すように多段水封式真空ポンプ
Ａは、前段側ポンプ部Ｂと、後段側ポンプＣ部と、軸受
部Ｄとからなり、前段側ポンプ部Ｂと後段側ポンプ部Ｃ
との間にインペラＥを介設している。

このインペラＥは第２図および第３図に示すように、ケ
ーシング１内を仕切る円形状の仕切板２と、仕切られた
ケーシング１内にそれぞれ配置した前段側インペラ３，
後段側インペラ４とからなり、仕切板２を回転自在に設
けると共に、その仕切板２に前段側インペラ３と後段側
インペラ４を設けた一体構造としている。また、前段側
インペラ３および後段側インペラ４は放射状に配置した
羽根３ａ，４ａにより構成されており、この羽根３ａ，
４ａを仕切板２に対して対称に配設している。そして、
インペラＥは回転軸５にボルト６で固定されており、ケ
ーシング１内の中心軸に対して偏心して配置されてい
る。さらに、前段側ポンプ部Ｂの方が後段側ポンプ部Ｃ
より高真空になるので、前段側インペラ３の方が後段側
インペラ４よりも幅を広くしている。

上記前段側ポンプ部Ｂはケーシング１と、吸気側ハウジ
ング７と、その間に介設したポートプレート８とからな
り、また、後段側ポンプ部Ｃはケーシング１と排気側ハ
ウジング９と、その間に介設したポートプレート１０と
からなる。この吸気側ハウジング７と排気側ハウジング
９にケーシング１を介在してボルト１１により連結して
おり、排気側ハウジング９は軸受部Ｄとボルト１２によ
り連結している。この軸受部Ｄには回転軸を回動自在に
支持する図示しない軸受が設けられており、ポンプ部
Ｂ、Ｃの反対側にはプーリあるいはカップリングを介し
てモータを配置している。

上記吸気側ハウジング７は第１図および第４図に示すよ
うに、中心に給水口７ａを形成しており、下側には吸気
口７ｂを前段側吸気路７ｃに連通するように形成してい
る。また、上側には前段側排気路７ｄを形成している。

なお、図中の矢印ＸはインペラＥの回転方向を示し、ま
た、内側の二点鎖線Ｅはインペラの外周、外側の二点鎖
線１はケーシングの内周を示す。

上記ポートプレート８は第１図および第５図に示すよう
に、略円形状で、中心に孔８ａを形成しており、その周
りに吸気ポート８ｂと排気ポート８ｃを形成している。
また、上側には前段側ポンプ部Ｂの排気口と後段側ポン
プ部Ｃの吸気口とを連通する通路の入口となる孔８ｅが
成形されている。そして、このポートプレート８とほぼ
同様のポートプレート１０は第１図に示すように、中心
に孔１０ａを形成しており、その周りに吸気ポート１０
ｂと排気ポート１０ｃを形成している。また、上側には
孔８ｅからの通路の出口となる図示しない孔が成形され
ている。

上記ケーシング１は第１図および第６図に示すように、
略円筒形状で、内壁の中心が偏心して形成されており、
後段側より中央にはインペラＥの仕切板２とでケーシン
グ１内を仕切る仕切部１ｄが形成されている。この仕切
部１ｄはインペラの外周とケーシング１の内周との差の
部分であり、仕切部１ｄの内周面１ｅに仕切板２の外周
面が摺接あるいは若干の隙間を持つようになっている。
また、上側には前段側ポンプ部Ｂの排気口と後段側ポン
プ部Ｃの吸気口とを連通する通路１ｃを形成している。

上記排気側ハウジング９は第１図および第７図に示すよ
うに、中心にメカニカルシール１３を収納する孔９ａを
形成しており、上方には排気口９ｂを設け、その排気口
９ｂと連通する後段側排気路９ｄを上側に形成してい
る。また、下側には後段側吸気路９ｃが形成されてお
り、通路１ｃと連通する切欠孔９ｅが形成されている。
そして、後段側吸気路９ｃの下側にはドレーン抜き孔９
ｆが形成されている。図中１４は回転軸５に取付けた水
切板であり、８ｄおよび１０ｄはＯリングである。

次に、この多段水封式真空ポンプＡの作動および作用を
説明する。

給水口７ａから水を供給し、図示しないモータにより回
転軸５を回転してインペラＥを回転すると、ケーシング
１内の水はケーシング１の内周壁に沿って流れ、環状に
なって回転する。インペラＥの中心はケーシング１の内
周壁の中心に対して偏心しているので、下側に空間部が
形成される。

この空間部が回転によって膨張収縮することによりエア
ーを吸入排出する。

また、エアーの流れを説明すると、前段側ポンプ部Ｂの
吸気口７ｂからのエアーは、前段側吸気路７ｃを通過し
吸気ポート８ｂから前段側作動室１ａに吸い込まれる。
前段側作動室１ａから排出されたエアーは、排気ポート
８ｃから前段側排気路７ｄを通過し通路１ｃに入る。通
路１ｃからのエアーは後段側吸気路９ｃを通過し吸気ポ
ート１０ｂから後段側作動室１ｂに吸い込まれる。後段
側作動室１ｂから排出されたエアーは、排気ポート１０
ｃから後段側排気路９ｄを通過し排気口を介して外部に
排出されることになる。

この多段水封式真空ポンプＡのインペラＥを一体形成し
ているので、もれが非常に少なくポンプ性能が向上す
る。また、インペラＥは仕切板２が補強材となるので、
プラスチック化したときには非常に有用なものとなる。

上記実施例は、エルモ型のポートプレート型としたが、
この考案は上記一実施例に限るものではなく、例えば、
ポートシリンダー型であってもよく、また、ナッシュ型
のものであってもよい。

〔考案の効果〕

この考案は以上のように構成したので、次のような効果
がある。

上記仕切板を回転自在に設けると共に、その仕切板に前
段側インペラと後段側インペラを設けた一体構造のイン
ペラを備えたことにより、部品点数が減少して構造を簡
略化することができる。

また、構造を簡素化できることにより、組立や分解に手
間がかからず製作コストの低減が可能となり、メンテナ
ンスが容易になる。

そして、前段側インペラと後段側インペラと仕切板とを
一体構造にしたことにより、仕切板と前段側および後段
側インペラとの隙間がないので、もれを減少させること
ができ、ポンプ性能を大幅に向上させることができる。

さらに、仕切板に前段側インペラと後段側インペラを設
けたことにより、インペラの補強をすることができる。

【図面の簡単な説明】

図面の第１図から第７図はこの考案の実施例に係り、第
１図は多段水封式真空ポンプの断面図、第２図は多段水
封式真空ポンプの説明図、第３図はインペラの斜視図、
第４図は吸気側ハウジングの正面図、第５図はポートプ
レートの正面図、第６図はケーシングの正面図、第７図
は排気側ハウジングの正面図である。また、第８図およ
び第９図は従来例に係り、第８図は従来の多段水封式真
空ポンプの説明図、第９図は他の従来の多段水封式真空
ポンプの説明図である。Ａ…多段水封式真空ポンプＢ…前段側ポンプ部、Ｃ…後段側ポンプ部Ｅ…インペラ、１…ケーシング２…仕切板、３…前段側インペラ４…後段側インペラ、５…回転軸

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】前段側ポンプ部と後段側ポンプ部との間に
仕切板を介設し、その仕切板で仕切られたケーシング内
に同一回転軸上の前段側インペラと後段側インペラをそ
れぞれ配置し、上記前段側ポンプ部の排気口と後段側ポ
ンプ部の吸気口を連通した多段水封式真空ポンプにおい
て、上記仕切板を回転自在に設けると共に、その仕切板に前
段側インペラと後段側インペラを設けた一体構造のイン
ペラを備えたことを特徴とする多段水封式真空ポンプ。