JPH0611U - 移植機の手すり装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目 的】 移植機へ苗を供給する補助作業員が安全に
作業をすることができる手すり装置を提供する。 【構 成】 走行機体２の後部に移植機１を取付け、前
記走行機体１上の運転席４の後方に移植補助作業をする
作業員用ステップ６を設け、前記移植機１の上方であっ
て、この移植機１への苗の供給の障害とならない位置
に、前記作業員が掴まるための手すり28を設けて成る移
植機の手すり装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、苗の移植機の手すり装置に関し、更に詳細には、走行機体に設けた ステップの上で移植作業をする作業員の危険を防止した移植機の手すり装置に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

主として「イ草」などの茎の長い植物苗を圃場に移植する際に使用する移植機 は苗を横並べにして根部の両面をテープで挟み、このテープの部分に糸を螺旋状 に捲回して帯状にまとめたもの（以下帯状苗という）を、搬送台上に寝せた状態 で上下両面からベルトで保持して上方から植付部に向けて搬送し、搬送台の下端 部において植付け単位ごとに切断し、植付け杆で挟持して圃場に移植するもので あり、例えば、特開平３−６９０３４号公報、特開平３−１８０３４０号公報な どによって知られている。

【０００３】 そして、この種の移植機は通常、帯状苗をつづら折れ状などの形態で苗箱に収 容したものを移植機に搭載し、一方の端部から搬送用ベルトで植付け杆まで搬送 し、植付け杆側に繰り出した苗を、植付け杆が受け取るという手段が用いられて いる。 また、従来の移植機は移植作業中に空になった苗箱と補給用苗箱とを交換した り、一条の帯状苗の移植が終了して苗箱から新たな帯状苗を搬送部に取り付けた り、あるいは移植状況を監視したりするなどの補助作業を作業員が移植機に搭乗 して作業を行うようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】

ところで、移植機に運転者と同乗して前記のような補助的作業を行う作業員は 狭いステップに立ち、苗箱を取り替えたり、搬送部に新しい帯条苗を取り付ける などの作業を行う必要がある。しかしながら、従来の移植機は作業員が身体を支 えようとしても苗箱以外に適当なものがない。また、苗箱を取り替える際などで は、特に不安定となり、また、発進、停止の際にも身体が不安定となり易く、最 悪の場合には、転落事故が発生するおそれがあり、作業性が悪かった。

【０００５】 本考案は、前記問題を解消するためになされたものであり、移植機のステップ 上の作業員が、作業に邪魔にならず、身体のバランスを保ち易く、また、とっさ の場合に掴み易い手すり装置を備えた移植機を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

以上の目的を達成するための本考案の移植機の手すり装置は、走行機体の後部 に移植機を取付け、前記走行機体上の運転席の後方に移植補助作業をする作業員 用ステップを設け、前記移植機の上方であって、この移植機への苗の供給の障害 とならない位置に、前記作業員が掴まるための手すりを設けて構成されている。

【０００７】 前記手すりは、作業員が給苗作業に邪魔にならなく、安全に掴むことができる 位置を選定する。そしてこの手すりの形状や取り付け手段には特に限定はなく、 例えば、この手すりを苗箱を載せる苗箱支持フレームなどで形成した苗載台と共 締めして、移植機のフレーム上に支持させて移植機の上部であって、苗箱支持フ レームの左右両側に跨がる態様で門形に取付けることによって、補助作業員の安 全を確保することができる。

【０００８】 手すりの形状は金属パイプなどで逆Ｕ状に形成し、両側の脚部をステーに取り 付けることによって、容易に苗箱より高い位置で、補助作業員が掴み易い位置に 手すりを取り付けることができる。また、手すりを取り付けるステーは、特別に 設けてもよいが、既存のフレームをステーとして用いるのが良い。 更に、前記手すりをステーに対して枢着しておくことによって、軒の低い車庫 に格納する際など、車高を低くする必要がある場合にこの手すりを後方に回転さ せて苗載台の背面に収納することができる。また、この手すりを簡単に着脱でき るように取付けておくことによって格納の際にこれを取り外すことができる。

【０００９】 また、従来の移植機は、補助作業員の乗るステップ周りは狭いので、空になっ た苗箱と、苗の入った苗箱とを交換する際に、空箱を仮に置くスペースを設ける ことが困難であり、作業員が空箱を手で持ちながら、新しい苗箱を苗載台に載せ るようにしていた。しかしながら、空箱は軽いので、本考案の手すりに空箱の載 置台を形成することによって、苗箱の取り替え作業能率を格段に向上させること もできる。

【００１０】

【作 用】

前記手すりは、走行しながら狭いステップの上で移植機の補助作業をする作業 員の安全と作業能率を向上とを簡単な手段で確保するように作用する。

【００１１】

【実 施 例】

以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。 この実施例に使用した移植機１は走行機体２の後方に上下に位置を調節可能に 支持して使用するものであり、走行機体２の運転席４と、苗を補給したり、移植 状態を監視したりする移植補助作業をする作業員が後ろを向いて立つ、運転席４ の後方に配置したステップ６とを設けている。

【００１２】 帯状苗（図示せず）は、支持フレーム８に載置した苗箱10に収容されており、 この苗箱10から引出され、搬送部12の上部に供給され、植付け部14に向けて搬送 される。この搬送部12は図３に示すように、苗を横向きにして搬送する第１搬送 部12ａと、苗を横向きから縦向きに立てて搬送する第２搬送部12ｂとに分かれて いる。第１搬送部12ａは苗の穂先部を下側から支持して搬送して左側ベルト部12 ｃと、苗の根部の上下を挟持して搬送する右側ベルト部12ｄとの２連に形成され ており、右側ベルト部12ｄは押さえベルト16ａと下側ベルト16ｂとからなり、矢 印で示した方向に移動する上下のベルト16ａと16ｂの間に根部を挟持し、左側ベ ルト部12ｃで穂先部を下側から支持して第２搬送部12ｂに向けて搬送する。

【００１３】 なお、押さえベルト16ａは帯状苗の先端部を最初に挟持させるために取り付け るために、軸17ａを中心に上方に回動可能としており、押さえベルト16ａを支持 するローラを取付ける揺動フレームの上方にはこの押さえベルト16ａを持ち上げ る把手17ｂを設けている。 第２搬送部12ｂは第１搬送部12ａから送られた苗の中間部分を押さえベルト16 ｃと下側ベルト16ｄとで挟んで保持し、上側テンションローラ18ａ及び下側テン ションローラと、右側ガイドローラ20ａ及び左側ガイドローラ20ｂとの間で上下 ベルト16ｃ，16ｄを９０°ひねり、苗繰出し部22側に送るようにしている。

【００１４】 この苗繰出し部22には、半径方向の細長い突起を有する星形の送り車により移 植単位ごとに苗を分け、カッター22ａによって苗を移植単位に切り分け、植付け 爪24ａが苗を保持させ、苗ガイド24ｂに沿って苗を案内しながら圃場に移植する ようにしている。 第１搬送部12ａと第２搬送部12ｂを支持するフレーム12ｆの上部には手すり28 が端部をこのフレーム12ｆに対して回動し、所定の位置で固定するように設けら れている。また、図３の環状の押さえベルト16ａの間には苗を押圧する側のベル ト部分を案内するベルトガイド26が設けられ、右側ベルト部12ｃの側部には苗セ ンサ32が設けられている。

【００１５】 また、第２搬送部12ｂの下方のフレーム12ｇに設けられいてる符号34は植付け 部14の苗繰出し部22に対する位置合わせをする位置決めステーである。 以下本実施例の要部である手すり28について詳細に説明する。 手すり28は逆Ｕ状に形成し、移植機１の搬送部を構成するフレーム12ｆに設け たブラケット38に取り付けいる。この場合、苗箱を載せる支持フレーム８に取り 付けた箱置きステー40と、共通のボルト42で共締めしているが、手すり28はボル ト42を支点としてとして回転可能に取り付け、ボルト44でブラケット38に手すり 28を締め付けて使用中にこの手すり28が不安定とならないようにした。

【００１６】 また、ブラケット28にボルト42を中心とする穴ａ，ｂ，ｃ及びｄを円周上に設 けることによってボルト44の締付け位置を変更することによって手すり28の位置 を段階的に調節することができるので、補助者の体格に合わせてステップ６に対 する手すり28の高さを調節したり、最終的には格納位置で固定することも可能で ある。

【００１７】 このように取り付けた手すり28は平面図において、苗箱支持フレーム８と移植 装置14との間で、側面図において搬送部の上方に配置されるので、苗を供給した り、搬送の状態を調節したりする補助作業に邪魔にならない。 なお、本実施例では手すり28に空の苗箱10を載せる補助枠46を手すり28の後ろ 側に、この手すり28が直立状態で水平に向くように取り付けた。更に、前記固定 手段の変形として、ブラケット38に補助ブラケットを取り付け、ボルト44が補助 ブラケットからは取り外し不能にして、ボルト44を外した際にでも、補助ブラケ ットからは取り外せないようにし、ボルト44の紛失を防止することもできる。

【００１８】 手すり28の高さは補助作業員が補助シート30に座った姿勢でも、また、立った 姿勢でも掴み易く、作業に邪魔にならない高さに取り付け、手すり28を片手で掴 みながら作業ができるようにすることが好ましい。 以上説明したように、搬送部の上方であって、ステップの前方に手すり28を設 けたことにより移植補助作業中の作業員の安全と作業能率とを従来より格段に向 上させることができる。

【００１９】 一般に、ステップ６は走行機体２の後部に設けてある駆動輪の上方の比較的高 い位置に配置される関係からこの、手すり28の上端が高くなるので、移動中や車 庫に格納の際に邪魔になる場合がある。 このような場合には本実施例の手すり装置は、手すり28を回動させて２点鎖線 で示した位置に下げた状態で格納することができるので、高い位置に手すり28を 配置する態様としても、障害物との干渉を回避することができる。また、空の苗 箱10をこの手すり28に設けた補助枠46上に載置できるようにしたので、苗箱の取 り替え作業の安全性と能率とを従来より格段に向上させることができる。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように本考案の移植機の手すり装置は、走行機体の後部に移植機 を取付け、前記走行機体上の運転席の後方に移植補助作業をする作業員用ステッ プを設け、前記移植機の上方であって、この移植機への苗の供給の障害とならな い位置に、前記作業員が掴まるための手すりを設けて構成されている。

【００２１】 したがって、本考案の装置によれば補助作業の安全性と作業能率とが格段に向 上し、しかも、従来の移植機の設計変更する部分が極めて少なく、コスト的にも 極めて有利であるという効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例による移植機の手すり装置の側
面図である。

【図２】図１を一部省略して示した平面図である。

【図３】図１の搬送部側の概要を示した斜視図である。

【符号の説明】

１ 移植機 ２ 走行機体 ４ 運転席 ６ ス
テップ 12ｆ フレーム 14 植付け部 28 手すり 40
箱置きステー 42,44 ボルト 46 補助枠

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 加藤 俊彦 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地 １ 三菱農機株式会社内 (72)考案者 三島 友孝 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地 １ 三菱農機株式会社内 (72)考案者 芝田 哲男 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地 １ 三菱農機株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行機体の後部に移植機を取付け、前記
   走行機体上の運転席の後方に移植補助作業をする作業員
   用ステップを設け、前記移植機の上方であって、この移
   植機への苗の供給の障害とならない位置に、前記作業員
   が掴まるための手すりを設けて成る移植機の手すり装
   置。