JPH086422Y2 - 移植機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は移植機に係り、たとえば、マルチフィルムで
被覆された畝の移植部にレタス等の野菜の移植苗を移植
しつつ進行するものにおいて、移植苗の支持機構を改良
したものに関する。

（従来の技術） 従来、この種の移植機における移植苗の支持機構とし
ては、たとえば、本体フレームの一側上部に苗載台を突
出固定し、この苗載台上に移植苗を有する苗箱を載置す
るようにした構造及び本体フレームの一側上部にブラケ
ット及び蝶ボルトを介して支持アームを進退自在に取付
け、この支持アームに苗載台を固定し、この苗載台上に
移植苗を有する苗箱を載置するようにした構造のものが
ある。

（考案が解決しようとする課題） 前記前者の構造では、苗載台は固定されているため、
この苗載台上に載置した苗箱内の手前側の移植苗が取出
されることによってなくなると、移植苗の取出しが困難
になったり、作業者が無理な姿勢によって移植苗を取出
さなければならず、したがって、このような場合には、
苗載台に対して苗箱を逆向きにセットしなおす必要があ
って面倒な手数を要するとともに、移植作業を中断しな
ければならないという問題がある。

また、前記後者の構造では、苗載台は支持アームを進
退動することによって直線方向には移動することができ
るが、この場合には、その都度ブラケットに対して蝶ボ
ルトを弛緩及び締着して苗載台の位置を移動しなければ
ならない面倒な手数を要するとともに、移植作業を中断
しなければならず、しかも、苗載台の移動方向は支持ア
ームの進退方向のため、苗箱の手前側と反対側の移植苗
の取出しが困難になることも少なくなく、この場合には
苗箱を逆向きにセットしなおす必要性が生じるという問
題がある。

さらに、前記各構造では、苗載台は移植機の側方部に
突出し移植作業を行なわないときには苗載台が邪魔にな
るという不都合がある。

そこで、本考案はこのような課題に鑑みなされたもの
で、移植苗を載置する苗載台の向きを簡単に変換できる
ようにするとともに、この苗載台を内外側に出入れする
ことができるようにし、これにより、移植作業に際して
は移植苗を取出し易いように苗載台の向き及び位置を容
易に選択でき、移植作業を中断することなくこれを続け
ることができ、また移植作業を行なわないときには苗載
台を外方に突出することなく収納できるようにし、全体
的には取扱いが容易で移植作業能率を大巾に向上でき、
移植及び保管上好ましい移植機を提供することを目的と
したものである。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 本考案の移植機は、移植苗を収容する苗収容体を設け
るとともに、この苗収容体内の移植苗を移植する移植器
を設けた本体フレームと、この本体フレームの上方部に
設けられ第１の支持部及び第２の支持部を異なる位置に
有する固定アームと、この固定アームに回動自在に取着
され前記第１の支持部及び第２の支持部に対して着脱自
在に連結する連結部を有する可動アームと、この可動ア
ームに回動可能に取着され前記苗収容体内に供給する移
植苗を載置する苗載台とを具備したものである。

（作用） 本考案の移植機では、まず、移植苗の移植作業におい
ては、固定アームに対して可動アームを外方に回動し、
第１の支持部に可動アームの一方の連結部を連結する。
これにより、可動アームは固定アームに対して直交方向
で移植機の側方部に突設固定され、かつ、この可動アー
ムの苗載台が移植機の側方部に大きく突設される。ま
た、移植作業状況に応じて苗載台を回動してその向きを
縦向きまたは横向きに調節設定する。そして、苗載台の
上部に、それぞれ独立した多数の移植苗を載置しこの各
移植苗を苗収容体に対する供給に備える。

また、苗載台における移植苗が取出されこの手前の移
植苗がなくなり移植苗の取出しが困難になった場合に
は、苗載台を自由に回動してこれをその移植苗の取出し
易い向きに変換する。これにより、移植苗は楽な姿勢で
容易に取出されるとともに、これを容易に苗収容体内に
供給することができる。

つぎに、移植苗の移植作業終了後においては、固定ア
ームに対して可動アームを内方に回動し、第２の支持部
に可動アームの他方の連通部を連結する。これにより、
可動アーム及び苗載台は移植機の側方部に突出すること
なく、移植機内に納められる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を添附図面に基づいて説明す
る。

図において、１は移植機で、この移植機１は、本体フ
レーム２の左右両側部に車軸３を介して走行輪４が回動
自在に軸架され、この左右の走行輪４は前記本体フレー
ム１の後側上部に搭載されたエンジン５に図示しない連
動媒体を介して回動自在に連動連結されている。また前
記本体フレーム２の前側上部に支持フレーム６が設けら
れ、この支持フレーム６の上部に回動軸７を介してター
ンテーブル８が回動自在に設けられ、このターンテーブ
ル８の外周縁部には、所定の間隔をおいて多数の苗収容
体９が配設固定されている。また前記支持フレーム６の
前側部に上下機構10を介して移植器11が上下回動自在に
取着され、この移植器11のフレーム12の前方部にはリン
ク機構13を介して熱穿孔体14が連設されている。そし
て、前記ターンテーブル８は、前記エンジンに図示しな
い連動媒体を介して所定の間隔毎に断続的に回動される
ように連動連結されており、また前記熱穿孔体14を有す
る移植器11は、前記エンジンに図示しない連動媒体及び
前記上下動機構10を介して所定の間隔毎に断続的に上下
回動されるようになっている。

つぎに、前記本体フレーム２の左右両側部から後上方
部に操作ハンドル15が一体に突設され、この操作ハンド
ル15の左右の支柱16の上部間に横架固定された支枠17の
一側部にブラケット18が固着され、このブラケット18に
前後方向に延在形成された固定アーム19の基部が一体に
固着され、かつ、この固定アーム19は、前記操作ハンド
ル15の支柱16との間に介在したステー20によって水平状
態に固定支持されている。前記固定アーム19は、角柱状
に形成され、その基端近傍部の外側部には上面を水平状
に形成された支持体21が一体に突設されているととも
に、この固定アーム19の先端近傍部の内側部には第１の
支持部としての第１の支持片22及び第２の支持部として
の第２の支持片23が水平状に突設され、かつ、この第１
の支持片22は内側前方部に向って傾斜した状態で突設さ
れ、第２の支持片23は第１の支持片22より短かく固定ア
ーム19に直交方向に突設されている。またこの第１及び
第２の支持片22,23の先端部には係止孔24,25が穿設され
ている。

また前記固定アーム19の先端部には軸受26が形成さ
れ、この軸受26に縦軸27を介して可動アーム28の軸受29
が水平方向回動自在に軸着されている。この可動アーム
28は、基端部に前記軸受29が形成されているとともに、
この基端近傍部の前後部には所定の間隔をおいて前記係
止孔24,25に連通する連結部としての連通孔30,31が穿設
され、この係止孔24,25及び連通孔30,31の１つには連結
ピン32が挿脱自在に挿通されかつ、その相互が連結され
るようになっている。

つぎに、前記可動アーム28の先端部には支軸33を介し
て第１の苗載台34が水平方向回動可能に取着されている
とともに、前記固定アーム19の支持体21には取付軸35を
介して第２の苗載台36が水平方向回動可能に取着されて
いる。

前記第１の苗載台34及び第２の苗載台36は、線条部材
にて横長に形成された矩形状のフレーム37を有し、この
フレーム37の長さ方向左右部間及びフレーム37の巾方向
中間部間にそれぞれ支枠38,39が一体に張設固定され、
この支枠38,39の中間部に前記支軸33及び取付軸35を挿
通した挿通孔40を有する取付板41が一体に固着されてい
る。そして第１の苗載台34は前記可動アーム28に対し
て、また第２の苗載台36は前記固定アーム19に対してそ
れぞれその長さ方向に配設取着されている。

つぎに、前記本体フレーム２の前側左右部に支軸42を
介して揺動アーム43が上下方向回動自在に支持され、こ
の左右の揺動アーム43の下端部に畝の移植部の上側部を
鎮圧する鎮圧輪44が回動自在に軸架され、この鎮圧輪44
は常時下方に附勢されている。

また前記本体フレーム２の前端左右部に支軸45を介し
て支持アーム46の基端部が上下動機構47によって上下方
向調節自在に軸着支持され、この左右の支持アーム46の
前端部間を連結した前枠48及び支枠49を介して畝の移植
部の上面部を整地する整地ローラ50が回動自在に軸架さ
れている。

また前記整地ローラ50の支軸51の両端部に左右の揺動
アーム52を介して畝の左右両側部に係合するガイドロー
ラ53が回動自在に軸架され、前記左右の揺動アーム52の
先端部間の支軸54と前記支枠49の縦軸55との間にはコイ
ルスプリング56を介して前記ガイドローラ53を弾持する
調節支杆57が進退自在に支持されている。

つぎに、前記左右の支持アーム46の前枠48に側面視Ｌ
形状の連結フレーム58が固着され、この連結フレーム58
の水平板部59の前側部の左右上部には係止ピン60が一体
に立設され、この水平板部59の後側部には操作部61を有
する操作ハンドル62の基端部が挿脱自在の連結ピン63を
介して方向変換自在に挿入係止されている。

さらに前記本体フレーム２の後端部に取付板64が一体
に突設され、この取付板64の左右上部には係止ピン65が
平行に一体に立設されている。そして、前記左右の係止
ピン60,65には、バランスウエイト66が着脱自在に挿入
係止されるようになっている。

つぎに、前記構造の作用を説明する。

移植苗の移植作業においては、固定アーム19に対して
縦軸27を中心として可動アーム28を外方に回動し、第１
の支持片22の係止孔24に可動アーム28の基端側の連通孔
30が連通するとともに、この係止孔24及び連通孔30内に
連結ピン32を挿通係止する。これにより、可動アーム28
は固定アーム19に対して直交方向で移植機１の側方部に
突設固定され、かつ、この可動アーム28の先端部の第１
の苗載台34が移植機１の側方部に大きく突設される。ま
た、移植作業状況に応じて第１の苗載台34を、その支軸
33を中心として回動してその向きを縦向きまたは横向き
に調節設定する。そして、第１の苗載台34及び第２の苗
載台36の上部に、それぞれ独立した多数の移植苗を収納
した苗容器Ａを載置しこの各移植苗をターンテーブル８
の各苗収容体９に対する供給に備える。

つぎに、マルチフィルムＦで被覆された畝67を跨ぐよ
うに移植機１の左右の走行輪４を前記畝67の左右の溝部
68に配置する。また、上下動機構47を作動し支軸45を中
心として上下動される左右の支持アーム46を介して整地
ローラ50及び左右のガイドローラ53の設定位置を畝67の
移植部及び左右両側部に対応して係合するように調節設
定する。

そして、エンジン５を駆動して左右の走行輪４が回転
駆動されると、移植機は畝67を跨いだ状態で畝67にそっ
て進行されるが、この際、左右のガイドローラ53は、畝
67の左右の側面部には係合して自転しながら進行するの
で、この左右のガイドローラ53による走行方向制御作用
によって移植機１は畝67に倣って進行され、かつ、整地
ローラ50は自転しながら所定の接地圧でマルチフィルム
Ｆを介して畝67の移植部を平らに整えながら進行され
る。

また、移植機１の進行とともに、上下動機構10の作動
によって移植器11及び熱穿孔体14が上下動され、かつ回
動軸７の回動によってターンテーブル８が回動される。
そして、移植器11は、ターンテーブル８の苗収容体９か
ら移植苗を収受するとともに、この移植苗を、熱穿孔体
14によって前行程であらかじめ穿設されたマルチフィル
ムＦの移植孔内から畝67の表面の移植部内に移植すると
同時に、熱穿孔体14は、つぎの移植苗の移植に備えてマ
ルチフィルムＦに移植孔を熱穿設する。

このように、ターンテーブル８は移植器11の上下動に
合せて断続的に回動され、その各苗収容体９の移植苗が
順次移植器11内に収受されて移植されるものであるが、
この際、移植苗を移植器11に落下した移植苗を有しない
空の各苗収容体９内には、第１の苗載台34の苗容器Ａか
ら移植苗が人手によって取出されて順次供給され、した
がって、ターンテーブル８の回動によって移植器11内に
はその各苗収容体９から移植苗が順次供給されるもので
ある。

そして、第１の苗載台34における苗容器Ａ内の移植苗
が取出されこの手前の移植苗がなくなり移植苗の取出し
が困難になった場合には、支軸33を中心として第１の苗
載台34を自由に回動して苗容器Ａをその移植苗の取出し
易い向きに変換する。これにより、苗容器Ａ内の移植苗
は楽な姿勢で容易に取出されるとともに、これを容易に
各苗収容体９内に供給することができる。また、第１の
苗載台34上の苗容器Ａ内の移植苗を供給し終ると、この
第１の苗載台34上にはこれに代えて第２の苗載台36上に
用意した他の苗容器Ａを載置し、この苗容器Ａ内から前
記の場合と同様に移植苗を取出す。

つぎに、移植苗の移植作業終了後においては、連結ピ
ン32を取外すとともに、固定アーム19に対して縦軸27を
中心として可動アーム28を内方に回動し、第２の支持片
23の係止孔25に可動アーム28の内側の連通孔31が連通す
るとともに、この係止孔25及び連通孔31内に連結ピン32
を挿通係止する。これにより、可動アーム28及び第１の
苗載台34は移植機１の側方部に突出することなく、移植
機１の上方部内に納められる。この場合、可動アーム28
の基端部の軸受29は、固定アーム19の軸受26の下部に縦
軸27を介して軸着されているので、可動アーム28の基部
は固定アーム19の先部の下部に重なる状態となり、した
がって、第１の苗載台34の一部は第２の苗載台36の下部
に入り込んだ状態で移植機１の上方部に納められ、全体
的には小型化される。これにより、移植機１の移動が容
易になる。

〔考案の効果〕

本考案によれば可動アームに移植苗を載置する苗載台
を回動可能に取着したので、移植苗を載置する苗載台の
向きを簡単に変換することができ、これにより、移植作
業に際しては移植苗を取出し易いように苗載台の向き及
び位置を容易に選択でき、移植作業を中断することなく
これを続けることができる。またこの苗載台を有する可
動アームは固定アームに対して、回動自在に取着したの
で、移植作業を行なうときには苗載台を外方に確実に突
出して移植作業に備えることができ、移植作業を行なわ
ないときには苗載台を外方に突出することなく内方に確
実に収納することができる。したがって、全体的には取
扱いが容易で移植作業能率を大巾に向上でき、移植及び
保管上好ましい移植機を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は移植機の
平面図、第２図は同上側面図、第３図は同上苗載台及び
これの支持機構の斜視図である。 １……移植機、２……本体フレーム、９……苗収容体、
11……移植器、19……固定アーム、22……第１の支持
部、23……第２の支持部、28……可動アーム、30,31…
…連結部、34……苗載台。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 曽根 眞一 長野県小県郡丸子町大字塩川2949番地 松 山株式会社内 (72)考案者 村山 生夫 長野県小県郡丸子町大字塩川2949番地 松 山株式会社内 (56)参考文献 実公 昭58−14816（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】移植苗を収容する苗収容体を設けるととも
   に、この苗収容体内の移植苗を移植する移植器を設けた
   本体フレームと、この本体フレームの上方部に設けられ
   第１の支持部及び第２の支持部を異なる位置に有する固
   定アームと、この固定アームに回動自在に取着され前記
   第１の支持部及び第２の支持部に対して着脱自在に連結
   する連結部を有する可動アームと、この可動アームに回
   動可能に取着され前記苗収容体内に供給する移植苗を載
   置する苗載台と、を具備したことを特徴とする移植機。