JPH0611905B2 - メッキ鋼板,冷延鋼板兼用製造設備におけるシンクロール退避装置 - Google Patents

メッキ鋼板,冷延鋼板兼用製造設備におけるシンクロール退避装置

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JPH0611905B2
JPH0611905B2 JP63199245A JP19924588A JPH0611905B2 JP H0611905 B2 JPH0611905 B2 JP H0611905B2 JP 63199245 A JP63199245 A JP 63199245A JP 19924588 A JP19924588 A JP 19924588A JP H0611905 B2 JPH0611905 B2 JP H0611905B2
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伸夫 植松
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、メッキ鋼板,冷延鋼板兼用製造設備におい
て、メッキ鋼板製造工程から冷延鋼板製造工程に、或い
はその逆にパスラインを切り換える際、シンクロールを
可動位置と退避位置との間で移動させる退避装置に関す
る。
〔従来の技術〕
冷延鋼板及び溶融メッキ鋼板を同一の設備で製造するも
のとして、特開昭53-132437号公報,特開昭57-177965号
公報等で提案された兼用製造設備が知られている。
第7図は、特開昭53-132437号公報で開示された設備を
示す。連続熱処理を終えた鋼板81は、ターンダウンロー
ル82,メッキ浴83,シンクロール84,デフレクタロール
85,86の順に通板されて、溶融メッキされる。他方、溶
融メッキ鋼板製造工程を冷延鋼板製造工程に切り換える
場合、メッキ浴83を昇降装置87で下降させて、鋼板81の
パスラインをメッキ浴83から露出させる。この装置にお
いては、メッキ金属が付着したシンクロール84を、冷延
鋼板通板用のガイドロールに取り替える必要がある。
第8図は、特開昭57-177965号公報で開示された設備を
示す。この設備においては、一点鎖線で示したメッキ浴
91を経由するパスラインと、点線で示すメッキ浴91を迂
回するパスラインの何れかを使用して、メッキ鋼板或い
は冷延鋼板を製造する。そして、これら二つのパスライ
ンの分岐点にシャー92を配置し、合流点に溶接機93を配
置している。冷延鋼板製造工程から溶融メッキ鋼板製造
工程に切り換える場合、分岐点で鋼板94をシャー92によ
って切断し、スレッディング装置(図示せず)により鋼
板94をデフレクタロール95,96,シンクロール97により
メッキ浴91に浸漬し、更にデフレクタロール98,99を通
過するパスラインに沿って通板し、合流点で鋼板94を溶
接機93で溶接する。他方、溶融メッキ鋼板製造工程から
冷延鋼板製造工程に切り換える場合、分岐点で鋼板94を
シャー92によって切断し、鋼板94を入側デフレクタロー
ル95から出側デフレクタロール99に直接通板させる。
〔発明が解決しようとする課題〕
特開昭53-132437号公報に示されている設備にあって
は、メッキ浴83を昇降させる昇降装置87が必要となる。
このメッキ浴83はたとえば100トンを超える重量物であ
るため、昇降装置87は大規模なものとなり、設備負担が
大きなものになる。これに対して、特開昭57-177965号
公報の設備にあっては、メッキ浴91の昇降操作が必要と
されないので、昇降装置に起因する設備費の高騰はな
い。しかし、通板路を切り換えるためのシャー92,溶接
機93,スレッディング装置等が必要とされ、その保守・
管理が複雑なものになる。そして、いずれの場合にあっ
ても、通板路の切換えに必要なラインの停止時間が極め
て長いものであって、製造設備の稼働率が悪くなる。
そこで、本発明は、メッキ鋼板製造工程でメッキ浴に浸
漬されているシンクロールを冷延鋼板製造工程で退避位
置に移動させることによって、メッキ浴に浸漬されてい
る鋼板をそのままで上昇させ、メッキ浴を通過しない冷
延鋼板製造用のパスラインに沿って走行させることを可
能にし、工程の切換えを迅速に行い、設備の稼働効率を
向上させることを目的とする。
〔課題を解決するための手段 本発明は、上記課題を解決するために鋭意検討し完成さ
せたものであり、その要旨は、メッキ浴中に浸漬された
シンクロールのシャフトの一端を軸受を介して水平旋回
機構及び昇降機構を有するサポートに接続したことを特
徴とするメッキ鋼板,冷延鋼板兼用製造設備におけるシ
ンクロール退避装置にある。
〔実施例〕
以下、本発明の特徴を、図面に示す実施例に基づいて具
体的に説明する。
まず、説明を簡略化するため、昇降機構を省略した第1
図から第3図で本発明の概略を説明する。第1図は、本
発明における退避装置を組み込んだメッキ浴を示す概略
図である。
鋼板1のパスラインに合わせてメッキ浴2が配置されて
おり、このメッキ浴2に対して鋼板1を浸漬又は上方を
パスさせるためのロール列が設けられている。ロール列
は、熱処理された鋼板1のパスに沿って、ターンダウン
ロール3及びデフレクタロール4を配列している。更
に、このデフレクタロール4の下流には、第3図の説明
において後述するように各種のロール及びワイピングノ
ズル等が配置される。また、鋼板1をメッキ浴2中に浸
漬して両面メッキを行うため、シンクロール5がメッキ
浴2内に収納されている。このシンクロール5は、図中
の実線及び破線で示す姿勢がとれるように、旋回機構に
よって保持される。
第2図は、シンクロール5の旋回機構の一例を示す概略
図である。シンクロール5の一端は、軸受6を介して旋
回駆動機構7に連接されている。この旋回駆動機構7
は、メッキ浴2の外部に設けた電動機8とメッキ浴2内
に浸漬したフレーム9からなり、電動機8の出力軸の回
転によってシンクロール5を水平面内で旋回可能として
いる。
シンクロール5の他端に設けた軸受10は着脱自在として
おり、メッキ浴2の外部に設けたシリンダ11によって進
退可能である。そして、シンクロール5は、図の実線で
示すように軸受10に連接させた状態と、シリンダ11で軸
受10を一点鎖線の位置に後退させることにより、一端を
自由にした状態とにされる。
シンクロール5と軸受10とを離間させた後、電動機8の
作動によってシンクロール5を第2図の一点鎖線の位置
まで旋回させることができる。すなわち、シンクロール
5の両端が軸受6,10で支持されている実線の姿勢では、
第1図に示すように鋼板1が巻回されてパスし、鋼板1
に対して両面メッキを施すことができる。また、一点鎖
線の姿勢とすれば、鋼板1のパスラインを逃げた退避位
置にシンクロール5が確保される。
以上の旋回機構を持つシンクロール5を収納したメッキ
浴2による鋼板1に対するメッキ処理の要領を第3図に
よって説明する。なお、第3図(a)は冷延鋼板の製造,
同図(b)は両面メッキの場合をそれぞれ示している。
デフレクタロール4の下流には、第2のデフレクタロー
ル12が配置され、更にパスラインに対して開閉可能な構
造を持つガイドロール13及びメッキ付着量を調整するワ
イピングノズル14が順に配列されている。これらのガイ
ドロール13及びワイピングノズル14は、昇降可能になっ
ており、鋼板1をメッキするときには第3図(b)に示す
ようにガイドロール13をメッキ浴2内に浸漬するレベル
まで下降させる。なお、ガイドロール13及びワイピング
ノズル14は、第2のデフレクタロール12の上方に設置し
て下降させる方式ではなく、デフレクタロール12の側方
に退避した状態から下降させるようにしてもよい。
冷延鋼板製造工程を示す第3図(a)においては、鋼板1
はターンダウンロール3からデフレクタロール4を経て
パスしている。この状態から、メッキ鋼板製造工程に切
り換えるとき、まず同図(a)の破線で示すように鋼板1
を下方に弛ませる。この操作と同時に、同図(b)のよう
に、第2のデフレクタロール12を左側に移動させ、両面
メッキ後の鋼板1に干渉しないようにパスラインから退
避させる。次いで、鋼板1の弛みを更に大きくしてシン
クロール5が鋼板1のU字状に曲がった部分に入り込め
る程度まで下降させる。鋼板1の姿勢が適正になった時
点で、旋回駆動機構7の電動機8を作動し、第2図の一
点鎖線の位置にあるシンクロール5を実線の位置まで旋
回させる。この旋回動作によって、シンクロール5は、
第1図のように鋼板1のパスラインの上側に入り込む。
そして更に、シリンダ11によって軸受10をシンクロール
5方向へ移動させて互いを連接させ、シンクロールを正
しい姿勢に保持する。
以上のシンクロール5の位置設定が終了した後に、鋼板
1の弛みをとり、第3図(b)に示すようにガイドロール1
3及びワイピングノズル14を下降させる。そして、ガイ
ドロール13で鋼板1を挟むと同時にワイピングノズル14
をワイピング位置に設定すれば、鋼板1がメッキ浴2内
をパスし、両面メッキ鋼板の製造が可能となる。
また、第3図(b)の両面メッキから同図(a)の冷延鋼板製
造工程への切り替え操作は、前記と逆の要領で行う。す
なわち、ガイドロール13及びワイピングノズル14を上昇
させて第3図(a)の位置に戻した後、ターンダウンロー
ル3とシンクロール5間の鋼板1を下方に弛ませる。こ
の鋼板1の弛み量がシンクロール5の旋回動作に支障が
ない状態となったとき、シリンダ11で軸受10をシンクロ
ール5から離し、第1図の実線の位置から破線の姿勢と
なるようにシンクロール5を旋回させる。次いで、退避
していた第2のデフレクタロール12を第3図(a)の元の
位置に戻し、鋼板1の弛みを無くして同図(a)のように
デフレクタロール4に巻き付かせることにより冷延鋼板
の製造が行える。
以上の例においては、シンクロール5をメッキ浴2に浸
漬したままで、稼働位置及び退避位置の間を移動可能に
した場合を説明した。しかし、メッキ鋼板,冷延鋼板兼
用製造設備においては、連続処理炉の中に或いは後続し
てメッキ浴を組み込む場合がある。このようなとき、熱
処理炉を出た鋼板は、活性度の高い表面状態のままでメ
ッキ浴に送り込まれる。そこで、雰囲気の酸素濃度を低
く維持した密閉式のメッキ浴を使用することになる。
第4図は、このようなメッキ浴の一例を示す。このメッ
キ浴21は、下端が浸漬された炉壁22,23によりメッキ部
を外気から遮断している。これにより、メッキ浴21は、
メッキ部に面した液面と、炉壁22,23の外方にある液面
とに分離される。この外方において、メッキ金属の注入
や保守作業が行われる。また、炉壁22の近傍に入側デフ
レクタロール24が設けられており、このデフレクタロー
ル24の上方に仕切り壁25が立設されている。この入側デ
フレクタロール24は、従来のデフレクタロールに比較し
て、メッキ浴21の液面に近接して配置される。そして、
連続熱処理炉の過時効室及び最加熱炉を通過した鋼板26
が、炉壁22と仕切り壁25との間を通って入側デフレクタ
ロール24に送られる。
メッキ鋼板製造工程で、鋼板26は、パスラインL1に沿っ
て入側デフレクタロール24からメッキ浴21に浸漬され、
シンクロール27を経て上方に搬送される。このメッキ浴
21を通過する過程で、鋼板26の表面がメッキされる。そ
して、鋼板26の表面に付着している余剰のメッキ金属
は、鋼板26がメッキ浴21を出た後で、ワイピングノズル
28によって除去される。他方、冷延鋼板製造工程では、
メッキ浴21を通過せずに入側デフレクタロール24から出
側デフレクタロール29に直接向かうパスラインL2に沿っ
て、鋼板26を走行させる。
この冷延鋼板製造工程で、シンクロール27は、第4図に
示した稼働位置から退避位置に移動している。この移動
機構として、第1図及び第2図で示した旋回式のものを
使用できるが、この方法でシンクロール27を旋回させる
ことができる範囲は炉壁22,23の内部に留まる。ところ
で、シンクロール27は、ロール表面の摩耗,疵入り或い
は軸受けの摩耗に起因した回転不良等のために、メッキ
浴21から定期的に取り出し、新ロールへの交換,ロール
の表面手入れ,軸受けの取替え等を行う必要がある。
そこで、第5図に示すように、炉壁23の下端を潜って、
外気に開放されてメッキ浴21の液面にシンクロール27を
移動させることができる設計とした。すなわち、シンク
ロール27のシャフト29をシンクロール軸受け38で支持
し、このシャフト29を連結杆30に動力的に接続する。こ
の連結杆30を軸受31を介してサポート32に配置する。サ
ポート32は、昇降シリンダ33で昇降自在になっており、
また上部に設けたシリンダサポート34で旋回シリンダ35
を支持している。そして、旋回シリンダ35のシリンダロ
ッド36を、アーム37を介して軸受31に接続している。こ
れにより、シンクロール27は水平方向に旋回し、且つ上
下動することができる。
第6図は、この退避装置を使用してシンクロール27を各
位置に移動させた状態を示す。メッキ鋼板を製造すると
きには、同図(a)に示しているように、走行する鋼板26
の幅方向にシンクロール27の幅方向を一致させて、メッ
キ浴21にシンクロール27を浸漬する。この状態から冷延
鋼板製造工程への切換え,ロール交換等の作業を行うと
きには、鋼板26に弛みを付けた後で、同図(b)に示すよ
うに旋回シリンダ35を駆動して連結杆30を回転させ、シ
ンクロール27の軸方向を鋼板26の長手方向に一致させ
る。そして、シンクロール27をメッキ浴21から引き下げ
る場合には、同図(c)に示すように昇降シリンダ33を駆
動させる。
〔発明の効果〕
以上に説明したように、本発明においては、メッキ浴に
浸漬されるシンクロールを稼働位置と退避位置との間で
移動可能に設け、鋼板をメッキ浴に浸漬したとき鋼板の
ループ部分にシンクロールを挟みこめるようにしてい
る。このため、冷延鋼板及び溶融メッキ鋼板の製造の切
り換えに際し、従来のようにメッキ浴を昇降させる設備
を必要とせず、冷延鋼板と溶融メッキ鋼板の切換え時に
鋼板の切断やロールの取替えの必要もない。また、メッ
キ浴上方の雰囲気を解放することなく、密閉式のメッキ
浴等から外部にシンクロールを取り出し、補修・点検等
の作業を行うことができる。したがって、冷延鋼板と溶
融メッキ鋼板の切換えを極めて短時間で且つ容易に行う
ことができ、製造設備の稼働率が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図はシンクロール退避装置を組み込んだ設備の概略
図であり、第2図はシンクロールの旋回構造の一例を示
し、第3図は冷延鋼板及び溶融メッキ鋼板製造時の鋼板
のパスを示す概略図、第4図はメッキ鋼板、冷延鋼板兼
用製造設備におけるメッキ槽を示し、第5図は当該設備
で使用されるシンクロール退避装置を示し、第6図はそ
の作動を説明するための図である。他方、第7図及び第
8図は、従来の兼用製造設備を示す概略図である。 1,26,81,94:鋼板、2,21,83,91:メッキ浴 3,82:ターンダウンロール 5,27,84,97:シンクロール 4,12,24,29,85,86,95,96,98,99:デフレクタロール 6,10:軸受、7:旋回駆動機構 8:電動機、9:フレーム 11:シリンダ、13:ガイドロール 14,28:ワイピングノズル 22,23:炉壁、25:仕切り壁 29:シャフト、30:連結杆 31:軸受け、32:サポート 33:昇降シリンダ、34:シリンダサポート 35:旋回シリンダ、36:シリンダロッド 37:アーム、38:シンクロール軸受 87:昇降装置、92:シャー 93:溶接機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三木 俊彦 福岡県北九州市八幡東区枝光1丁目1番1 号 新日本製鐵株式會社設備技術本部内 (56)参考文献 実開 昭56−119466(JP,U) 実開 昭58−92369(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メッキ浴中に浸漬されたシンクロールのシ
    ャフトの一端を軸受を介して水平旋回機構及び昇降機構
    を有するサポートに接続したことを特徴とするメッキ鋼
    板,冷延鋼板兼用製造設備におけるシンクロール退避装
    置。
JP63199245A 1987-11-20 1988-08-09 メッキ鋼板,冷延鋼板兼用製造設備におけるシンクロール退避装置 Expired - Lifetime JPH0611905B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63199245A JPH0611905B2 (ja) 1987-11-20 1988-08-09 メッキ鋼板,冷延鋼板兼用製造設備におけるシンクロール退避装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29446287 1987-11-20
JP62-294462 1987-11-20
JP63199245A JPH0611905B2 (ja) 1987-11-20 1988-08-09 メッキ鋼板,冷延鋼板兼用製造設備におけるシンクロール退避装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01230757A JPH01230757A (ja) 1989-09-14
JPH0611905B2 true JPH0611905B2 (ja) 1994-02-16

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JP63199245A Expired - Lifetime JPH0611905B2 (ja) 1987-11-20 1988-08-09 メッキ鋼板,冷延鋼板兼用製造設備におけるシンクロール退避装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56119496U (ja) * 1980-02-12 1981-09-11
JPS5892369U (ja) * 1981-12-17 1983-06-22 新日本製鐵株式会社 片面亜鉛メツキ装置

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Publication number Publication date
JPH01230757A (ja) 1989-09-14

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