JP2004176109A - 連続焼鈍および溶融めっき兼用設備 - Google Patents

連続焼鈍および溶融めっき兼用設備 Download PDF

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Sukebumi Takemura
資文 武村
Masanori Hoshino
正則 星野
Koichi Terahara
弘一 寺原
Toshimitsu Honda
利光 本多
Tomohide Kamiyama
知英 神山
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Abstract

【課題】兼用設備の建屋コストを低減することができる連続焼鈍および溶融めっき兼用設備を提供する。
【解決手段】連続焼鈍および溶融めっき兼用設備は、連続焼鈍炉10と、めっき鋼板Gが連続焼鈍炉出口23からめっき鋼板パス1に通板される溶融めっき装置20と、冷延鋼板Rが連続焼鈍炉出口23から炉殻41内に形成された冷延鋼板パス5に通板されるバイパス装置40と、めっき鋼板Gまたは冷延鋼板Rが通板される水冷装置60とを備えている。冷延鋼板下降パス5dが冷延鋼板水平パス5dの先端からめっき鋼板下降パス1dと冷延鋼板下降パス5dとの合流位置に向かって傾斜している。水平部出側冷延鋼板ガイドロール47が冷延鋼板水平パス5hの先端部に配置されており、めっき鋼板/冷延鋼板ガイドロール53が合流位置の合流部炉殻50内に設けられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、連続焼鈍および溶融めっき兼用設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
めっき鋼板パスと冷延鋼板パスとを切り換えて、1つの設備で冷延鋼板と溶融めっき鋼板とを製造する連続焼鈍および溶融めっき兼用設備が知られている。連続焼鈍および溶融めっき兼用設備は、連続焼鈍炉と、めっき鋼板が通板される溶融めっき装置と、冷延鋼板が通板される炉殻を有するバイパス装置と、めっき鋼板または冷延鋼板が通板される水冷装置とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一般的に、連続焼鈍および溶融めっき兼用設備では、冷延鋼板水平パス5h(図4参照)は、めっきポットロール24のメンテナンス用クレーン(図示しない)との干渉を避けるためクレーンの上方に位置している。めっき鋼板下降パス1dと冷延鋼板水平パス5hとが合流する合流部以降には、水冷設置60や調質圧延・形状矯正設備63、64(図1参照)などの設備が配置されている。これら設備の必要な高さL2は、冷延鋼板水平パス5hの高さL3より低い。
【0004】
前記従来の兼用設備では、図4に示すようにバイパス装置の水平部炉殻48の出口がそのままの高さで、合流部炉殻58に接続されていた。したがって、合流部炉殻58の出側の建屋がパス切替え作業必要スペースL1の部分だけ必要以上に高くなっており、兼用設備の建屋コストが高くなっていた。
【0005】
また、水冷装置60とめっき槽23との距離L4が近すぎるため、めっき操作監視用運転室66がめっきワイピング装置26の正面に設置できず、操業がやりづらく品質トラブルが発生しやすかったり、めっきワイピング装置26やめっきポットロール24の交換の際に板つなぎ作業が困難で長時間かかったりする問題もあった。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−88414号公報(段落[0007]、[0008]および図1参照)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の課題は、兼用設備の建屋コストの低減および作業能率の向上を図ることができる連続焼鈍および溶融めっき兼用設備を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の連続焼鈍および溶融めっき兼用設備は、連続焼鈍炉と、めっき鋼板上昇パス、めっき鋼板水平パスおよびめっき鋼板下降パスからなるめっき鋼板パスが形成されており、めっき鋼板が連続焼鈍炉出口からめっき鋼板パスに通板される溶融めっき装置と、冷延鋼板上昇パス、冷延鋼板水平パスおよび冷延鋼板下降パスからなる冷延鋼板パスが炉殻内に形成されており、冷延鋼板が連続焼鈍炉出口から冷延鋼板パスに通板されるバイパス装置と、めっき鋼板または冷延鋼板が通板される水冷装置とを備えている。前記冷延鋼板水平パスの先端が前記めっき鋼板上昇パスとめっき鋼板下降パスとの間に位置し、前記冷延鋼板下降パスが冷延鋼板水平パスの先端から前記めっき鋼板下降パスと冷延鋼板下降パスとの合流位置に向かって傾斜している。水平部出側冷延鋼板ガイドロールが前記冷延鋼板水平パスの先端部に配置されており、めっき鋼板/冷延鋼板ガイドロールが前記合流位置の合流部炉殻内に設けられている。
【0009】
この発明の連続焼鈍および溶融めっき兼用設備は、冷延鋼板下降パスが冷延鋼板水平パスの出側からめっき鋼板下降パスの下端に向かって傾斜し、めっき鋼板下降パスと冷延鋼板下降パスの下端とが合流する構成となっている。したがって、少なくともパス切替え作業スペース(L1、約10m)の建屋の高さを低くすることができ、建屋コストを低減することができる。現実的には、建築工法上やメンテナンスクレーンの追加を考慮すると、続く調質圧延・形状矯正装置までの20〜30m分の建物の高さが低くなり、コストが低減できる。
【0010】
上記連続焼鈍および溶融めっき兼用設備において、水平部出側冷延鋼板ガイドロールへの冷延鋼板の巻付け角θを、30゜〜60゜とするようにしてもよい。これにより、鋼板を滑らか通板することができるとともに、水平部出側冷延鋼板ガイドロール下でのパス切替えに伴う鋼板切断および溶接の作業スペースを確保することができる。
【0011】
また、合流部炉殻の側壁を開閉可能としてもよい。これにより、パス切替えに伴う鋼板切断および溶接作業がやりやすくなる。
【0012】
さらに、合流部炉殻の出側に水冷装置入側ガイドロールを配置するようにしてもよい。水冷装置入側ガイドロールと冷延鋼板/めっき鋼板ガイドロールとの距離は、めっき操業を考慮してあらかじめ設定した水冷装置とめっきワイピング装置との距離に基づいて決める。これにより、前記品質トラブルの発生や板つなぎ作業の困難性を解消することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、この発明の1実施の形態を示している。図1は連続焼鈍および溶融めっき兼用設備を模式的に示す設備概略図であり、図2はパス切替え作業時の状態を示す図面である。
【0014】
連続焼鈍および溶融めっき兼用設備は、主として連続焼鈍炉10、溶融めっき装置20、およびバイパス装置40からなっている。
【0015】
連続焼鈍炉10の出口炉殻12内にめっき鋼板パス導入ロール13および冷延鋼板パス導入ロール14が配置されている。焼鈍鋼板Aが溶融めっき処理される場合、焼鈍鋼板Aはめっき鋼板パス導入ロール13を介してめっき鋼板パス1に導かれる。冷延鋼板生産の場合、焼鈍鋼板Aは冷延鋼板パス導入ロール14を介して冷延鋼板パス5に導かれる。めっき鋼板パス1は、めっき鋼板上昇パス1u、めっき鋼板水平パス1hおよびめっき鋼板下降パス1dからなっている。冷延鋼板パス5は、冷延鋼板上昇パス5u、冷延鋼板水平パス5hおよび冷延鋼板下降パス5dからなっている。
【0016】
溶融めっき装置20は、上記出口炉殻12から延びるスナウト21の下端に、めっきポットロール24を備えためっき槽23が配置されている。めっき槽23の上方にめっき厚みを調整するめっきワイピング装置26があり、合金化炉28が設けられていることもある。それ以降は、上昇部冷却装置31、水平部冷却装置32および下降部冷却装置33がそれぞれのパス1u、1h、1dに配置されている。水平部冷却装置32前後には、水平部入側めっき鋼板ガイドロール37および水平部出側めっき鋼板ガイドロール38がそれぞれ設けられている。
【0017】
バイパス装置40は、前記冷延鋼板パス導入ロール14の直上を入口とするバイパス装置炉殻41を備えている。バイパス装置炉殻41は、それぞれのパス5u、5hおよび5dに配置された上昇部炉殻42、水平部炉殻43および下降部炉殻44からなっている。水平部炉殻は43、前記めっき装置20のめっき鋼板下降パス1dの下端より上方に位置している。下降部炉殻44は、合流部炉殻50の側面に向かって傾斜している。バイパス装置炉殻41内は、非酸化性雰囲気に保たれている。水平部炉殻42内には、水平部入側冷延鋼板ガイドロール46および水平部出側冷延鋼板ガイドロール47がそれぞれ設けられている。水平部入側冷延鋼板ガイドロール46は、冷延鋼板パス導入ロール14の上方に位置している。水平部出側冷延鋼板ガイドロール47は、前記めっき鋼板上昇パス1uとめっき鋼板下降パス1dとの間にあって、両パス1uおよび1dの合流位置より上方に位置している。
【0018】
めっき鋼板下降パス1dと冷延鋼板下降パス5d下端との合流位置に、合流部炉殻50が設けられている。合流部炉殻50内に、めっき鋼板/冷延鋼板ガイドロール53が配置されている。ガイドロール53の位置(高さ)は、合流部以降の設備(水冷設備や調質圧延・形状矯正設備)の必要パス高さによって、決定すればよい。ただし、上記水平部出側冷延鋼板ガイドロール47とめっき鋼板/冷延鋼板ガイドロール53とは、水平部出側冷延鋼板ガイドロール47への冷延鋼板Rの巻付け角θが30゜〜60゜となる位置関係で配置されることが望ましい。巻付け角が30゜未満であると、水平部出側冷延鋼板ガイドロール47に対し冷延鋼板Rがスリップしやすくなる。また、図3に示すように60゜を超えると、水平部出側冷延鋼板ガイドロール47とめっき鋼板/冷延鋼板ガイドロール53との間が狭くなり、めっき鋼板下降パス1dとバイパス装置の下降部炉殻44とが交差する。この結果、パス切替えに伴う鋼板切断および溶接作業は水平部出側冷延鋼板ガイドロール53上で行なわねばならず、これら作業が困難になる。この実施の形態では、合流部炉殻50の側壁51は開閉可能となっており、パス切替えに伴う作業がしやすくなっている。
【0019】
合流部炉殻50の下方に、水冷装置60が設けられている。水冷装置入側ロール61が合流部炉殻50の出口に、また水冷装置60内に水中ロール62が配置されている。
【0020】
上記のように構成された連続焼鈍および溶融めっき兼用設備において、溶融めっき処理の場合、焼鈍鋼板Aをスナウト21、めっき槽23、めっきワイピング装置26、合金化炉28、冷却装置31、32、33、炉殻合流部50および水冷装置60を通して溶融めっきを行なう。冷延鋼板処理の場合、焼鈍鋼板Aをバイパス装置炉殻41、合流部炉殻50および水冷装置60を通して冷却を行う。めっき鋼板、冷延鋼板とも調質圧延装置63や形状矯正装置64を通り、後面設備に送られる。
【0021】
溶融めっき処理と冷延鋼板処理との切替え時には、図2に示すように合流部炉殻50の側壁51を開いて鋼板を合流部炉殻外に引き出す。引き出した鋼板は切断および溶接機65により溶接作業を行なう。例えば、めっき鋼板パスから冷延鋼板パスに切り替える場合は、まず、めっき鋼板下降パス1dのめっき鋼板Gをハンドシャー等でC点でカットし、合流部炉殻50の側壁51を開き、めっき鋼板Gを炉外に引き出す。その後、冷延鋼板下降パス5dの冷延鋼板Rを開いた側壁51から引き出し、溶接機65によりめっき鋼板Gと冷延鋼板Rとを溶接し、接続する。
【0022】
【発明の効果】
この発明の連続焼鈍および溶融めっき兼用設備では、バイパス装置の水平部炉殻の出側から水冷装置入側までの建屋の高さを低くすることができので、建屋コストを低減することができる。例えば、従来設備の建屋に比べ約10%低減することができる。また、合流部炉殻の側壁側からの作業が可能となり、パス切替えに伴う鋼板切断および溶接作業がやりやすくなる。また、めっき槽と水冷設備の距離が適切にとれるため、めっき作業も良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の1実施の形態を示しており、連続焼鈍および溶融めっき兼用設備を模式的に示す設備概略図である。
【図2】この発明におけるパス切替え作業時の状態を模式的に示す図面である。
【図3】冷延鋼板の水平部出側冷却鋼板ガイドロールへの巻付け角度が60°以上の場合に生じる不具合を説明する図面である。
【図4】従来装置の一部およびパス切替え作業時の状態を模式的に示す図面である。
【符号の説明】
1 めっき鋼板パス 5 冷延鋼板パス
10 連続焼鈍炉 20 溶融めっき装置
23 めっき槽 24 めっきポットロール
26 めっきワイピング装置 28 合金化炉
31 めっき鋼板の上昇部冷却装置 32 めっき鋼板の水平部冷却装置
33 めっき鋼板の下降部冷却装置 40 バイパス装置
41 バイパス装置炉殻 42 バイパス装置の上昇部炉殻
43 バイパス装置の水平部炉殻 44 バイパス装置の下降部炉殻
46 入側水平部鋼板ガイドロール 47 出側水平部鋼板ガイドロール
50 合流部炉殻 51 合流部炉殻の側壁
53 めっき鋼板/冷延鋼板ガイドロール
60 水冷装置 61 水冷装置入側ガイドロール
62 水中ロール 63 調質圧延設備
64 形状矯正設備 65 溶接機
66 運転室
A 焼鈍鋼板 G めっき鋼板 R 冷延鋼板

Claims (4)

  1. 連続焼鈍炉と、めっき鋼板上昇パス、めっき鋼板水平パスおよびめっき鋼板下降パスからなるめっき鋼板パスが形成されており、めっき鋼板が連続焼鈍炉出口からめっき鋼板パスに通板される溶融めっき装置と、冷延鋼板上昇パス、冷延鋼板水平パスおよび冷延鋼板下降パスからなる冷延鋼板パスが炉殻内に形成されており、冷延鋼板が連続焼鈍炉出口から冷延鋼板パスに通板されるバイパス装置と、めっき鋼板または冷延鋼板が通板される水冷装置とを備え、前記冷延鋼板水平パスの先端が前記めっき鋼板上昇パスとめっき鋼板下降パスとの間に位置し、前記冷延鋼板下降パスが冷延鋼板水平パスの先端から前記めっき鋼板下降パスと冷延鋼板下降パスとの合流位置に向かって傾斜した連続焼鈍および溶融めっき兼用設備であって、水平部出側冷延鋼板ガイドロールが前記冷延鋼板水平パスの先端部に配置されており、めっき鋼板/冷延鋼板ガイドロールが前記合流位置の合流部炉殻内に設けられていることを特徴とする連続焼鈍および溶融めっき兼用設備。
  2. 前記水平部出側冷延鋼板ガイドロールへの冷延鋼板の巻付け角θが、30゜〜60゜である請求項1記載の連続焼鈍および溶融めっき兼用設備。
  3. 前記合流部炉殻の側壁が開閉可能である請求項1または請求項2記載の連続焼鈍および溶融めっき兼用設備。
  4. 前記合流部炉殻の出側に水冷装置入側ガイドロール配置した請求項1、2または3記載の連続焼鈍および溶融めっき兼用設備。
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