JPH06118286A - 光ケーブル用止水テープ及びその製造方法 - Google Patents

光ケーブル用止水テープ及びその製造方法

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JPH06118286A
JPH06118286A JP4263617A JP26361792A JPH06118286A JP H06118286 A JPH06118286 A JP H06118286A JP 4263617 A JP4263617 A JP 4263617A JP 26361792 A JP26361792 A JP 26361792A JP H06118286 A JPH06118286 A JP H06118286A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ケーブル成型性と止水性のいずれ
をも満足する光ケーブル用止水テープを提供することに
ある。 【構成】本発明の光ケーブル用止水テープは、自重の6
0倍以上の吸水倍率を有する樹脂(A) 、吸水倍率は低い
が、吸水速度の大きい樹脂(B) およびバインダー樹脂
(C) よりなる樹脂組成物が、布帛基材に結合されている
ことを特徴とするものであり、また、自重の60倍以上
の吸水倍率を有する樹脂(A) が、吸水倍率は低いが、吸
水速度の大きい樹脂(B) で被覆されており、かつかかる
被覆構造体をバインダー樹脂(C) により、布帛基材に結
合したことを特徴とするものである。また、本発明の光
ケーブル用止水テープの製造方法は、吸水倍率は低い
が、吸水速度の大きい樹脂(B) を、(B) は溶解するが、
後述の(A) は溶解しない溶媒に、溶解した後に、自重の
60倍以上の吸水倍率を有する樹脂(A) の粒状体を混合
し、この混合液にバインダー樹脂(C) を混合して吸水性
樹脂組成物をつくり、この組成物を、布帛基材の少なく
とも片面に塗布すること特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ケーブル内に水が侵
入した際、ケーブル内の長手方向あるいは内部方向への
水の走水を防止する光ケーブル用止水テープに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】通信ケーブルとしての光ケーブルは、地
下あるいは海底に設置されるため常に水に包囲されてお
り防水性を高めることが極めて重要である。
【0003】地下あるいは海底に設置された光ケーブル
のシースなどの被覆材がヒビ割れやピンホールの発生で
破壊されると水が侵入し光ファイバーに作用し通信障害
となる。
【0004】このため、光ケーブル内に防水材料を収容
し遮水性を付与する工夫がなされている。更に最近では
光ケーブル内に侵入した水が走水するのを防止するため
に高分子吸水性樹脂を塗布した吸水テープを巻き付けて
おく方法が提案されている。この方法は、高分子吸水性
樹脂が侵入した水を吸収し膨潤あるいは脱落することに
より、光ファイバーを収容している溝を埋めて、ケーブ
ルの長手方向と内部方向へ走水する水を防止し、光ケー
ブル内の損傷部分を最小限に止めようとするものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の吸水テープは、次のような問題点を有する。
【0006】(1) 薄い不織布などに高分子吸水性樹脂の
粉末又は粒子をバインダー樹脂溶液と混合して塗料液と
し、それを塗布固着した光ケーブル用止水テープは、テ
ープ基材と高分子吸水性樹脂の固着性に優れ、該樹脂が
脱落しにくいものの、該高分子吸水性樹脂表面にバイン
ダー樹脂成分が介在しているために、水が侵入した際、
水が該高分子吸水性樹脂に吸水されるまでに時間を要す
るため、止水するまでの距離が長くなる欠点がある。
【0007】(2) 高分子吸水性樹脂の粉末を薄い不織布
などのテープ基材でサンドイッチにした光ケーブル用止
水テープは、高分子吸水性樹脂の粉末が表面に露出して
いないため、止水テープが吸湿しても、ベトッキがなく
取り扱いやすいものの、該高分子吸水性樹脂の粉末が不
織布にはさみ込まれているため、水を吸水するまでに時
間を要し、止水するまでの距離が長くなる。更に、該高
分子吸水性樹脂は不織布に固着されていないので、広幅
シートから実用のテープ幅にスリットする際やテーピン
グなどの作業時に、該高分子吸水性樹脂が脱落する。
又、高分子吸水性樹脂の粉末を薄い不織布などのテープ
基材でサンドイッチにした、いわゆる3層構造であるた
め、止水テープとしての厚みが厚くなるという問題点が
ある。
【0008】本発明の目的は、以上の問題点を解決した
ものであり、ケーブル成型性と止水性のいずれをも満足
する光ケーブル用止水テープを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記した目的
を達成するため、次のような構成を採用する。すなわ
ち、本発明の光ケーブル用止水テープは、自重の60倍
以上の吸水倍率を有する樹脂(A) 、吸水倍率は低いが、
吸水速度の大きい樹脂(B) およびバインダー樹脂(C) よ
りなる樹脂組成物が、布帛基材に結合されていることを
特徴とするものであり、また、本発明の光ケーブル用止
水テープは、自重の60倍以上の吸水倍率を有する樹脂
(A) が、吸水倍率は低いが、吸水速度の大きい樹脂(B)
で被覆されており、かつかかる被覆構造体をバインダー
樹脂(C) により、布帛基材に結合したことを特徴とする
ものである。
【0010】さらに、また、本発明の光ケーブル用止水
テープは、布帛基材の少なくとも片面に下記(A) 〜(D)
からなる吸水性樹脂組成物が塗布されていることを特徴
とするものである。
【0011】(A) 架橋ポリアクリルアミドの部分加水分
解物、架橋アクリル酸−アクリルアミド共重合体、架橋
ポリアクリル酸塩、架橋アクリル酸−アクリル酸エステ
ル共重合体、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合
体、架橋カルボン酸変性ポリビニルアルコールから選ば
れた少なくとも1種の粒状体。
【0012】(B) 親水性基を有するポリマ又はコポリマ
と、疎水性のポリマ鎖又はコポリマ鎖とからなるブロッ
クコポリマ又はグラフトコポリマ (C) バインダー樹脂 (D) (A) は溶解しないが、(B) を溶解する溶媒 また、本発明の光ケーブル用止水テープの製造方法は、
吸水倍率は低いが、吸水速度の大きい樹脂(B) を、(B)
は溶解するが、後述の(A) は溶解しない溶媒に、溶解し
た後に、自重の60倍以上の吸水倍率を有する樹脂(A)
の粒状体を混合し、この混合液にバインダー樹脂(C) を
混合して吸水性樹脂組成物をつくり、この組成物を、布
帛基材の少なくとも片面に塗布すること特徴とするもの
である。
【0013】
【作用】本発明は、吸水倍率に優れた樹脂(A) を最大限
に活用することに着目し、鋭意検討したところ、該樹脂
(A) および吸水倍率は低いが、吸水速度の大きい樹脂
(B) と、さらにバインダー樹脂(C) とを必須成分とする
3種の樹脂組成物が、樹脂(A) の性能を最大限に引出す
ことを究明した。すなわち、該樹脂(A) を、吸水倍率は
低いが、吸水速度の大きい特定な樹脂(B) で包み込むこ
とによって、該樹脂(A) の安定性を図ると同時に、バイ
ンダー樹脂(C) によるテープ基材への固着性を改善する
ことに到達したものである。
【0014】すなわち、本発明は、樹脂(A) を樹脂(B)
で被覆した粒状体をバインダー樹脂(C) で基材に固着し
たものであり、かかる構造を採用したことによって、該
樹脂(A) の吸水倍率を低下させることなく、その性質を
100%活用できる上に、基材との固着性を見事に改善
し、極めて短時間の内に止水機能を発揮せしめ得る止水
テープを提供することに成功したものである。
【0015】本発明に用いる布帛基材としては、織物、
不織布が好ましく使用されるが、特に価格、強力、生産
性の点からスパンボンド法による長繊維不織布が好まし
い。かかる基材を構成する素材としては、たとえばポリ
エステル、ポリプロピレン、ナイロンなどの合成繊維を
使用することができるが、中でも微生物に分解されず、
強力、テーピング時の剛性の点から、ポリエステル繊維
からなる長繊維不織布が好ましく使用される。
【0016】本発明に用いる吸水倍率に優れた樹脂(A)
としては、自重の60倍以上の吸水能力を持つ樹脂、換
言すれば、少なくとも50ml/g 、好ましくは100〜
1000ml/g の吸水能力を有する樹脂、特に合成樹脂
であり、微生物で腐食、分解されないものである。
【0017】上述の吸水倍率は、ティーパックに一定量
の樹脂(平均粒子径60μ)を充填し、この袋を人工海
水(アクアマリン;八洲薬品株式会社製)中に5分間浸
漬した後、5分間水切したときの重量増加率である。
【0018】かかる吸水能力を有する樹脂としては、た
とえば、デンプン又はセルロースと、カルボン酸基又は
スルホン酸基を含有する水溶性単量体および/または加
水分解により水溶性となる単量体と、架橋剤とを必須成
分としてなる共重合体、アクリル酸塩系架橋物、アクリ
ル酸塩・アクリルアミド共重合体、イソブチレン・マレ
イン酸共重合体などを使用することができる。
【0019】これらの共重合体としては、たとえば、デ
ンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解
物、セルロース−アクリロニトリルグラフト共重合体の
加水分解物、たとえばカルボキシメチルセルロース架橋
物などのデンプンまたはセルロースの架橋物、架橋アク
リル酸−アクリルアミド共重合体、架橋スルホン化ポリ
スチレン、ビニルエステル−不飽和カルボン酸共重合体
ケン化物、架橋ポリアクリル酸塩、架橋アクリル酸−ア
クリル酸エステル共重合体、架橋イソブチレン−無水マ
レイン酸共重合体、架橋カルボン酸変性ポリビニルアル
コール、自己架橋型ポリアクリル酸塩などを使用するこ
とができる。
【0020】これらの共重合体の中でも、架橋ポリアク
リルアミドの部分加水分解物、架橋アクリル酸−アクリ
ルアミド共重合体、架橋ポリアクリル酸塩、架橋アクリ
ル酸−アクリル酸エステル共重合体、架橋イソブチレン
−無水マレイン酸共重合体、架橋カルボン酸変性ポリビ
ニルアルコールが吸水倍率に優れていてよい。
【0021】かかる共重合体は、本発明の樹脂組成物中
で粒状体のまま使用される。その場合の粒度は、平均粒
径で、約100μ以下、好ましくは20〜80μ、特に
好ましくは40〜75μの範囲のものが吸水倍率、コー
ティング性と被膜特性の上からよい。
【0022】本発明に用いる吸水倍率は低いが、吸水速
度の大きい樹脂(B) としては、たとえば、親水性基を有
するポリマ又はコポリマと、疎水性のポリマ鎖又はコポ
リマ鎖とからなるブロックコポリマ又はグラフトコポリ
マを使用することができる。かかる共重合体としては、
具体的には、たとえば、(ポリスチレン)−(ポリブタ
ジエン)−(ポリスチレン)のブロックコポリマーを有
機溶剤などの溶媒に溶解し、その二重結合にアクリル
酸、メタクリル酸等を付加または付加重合(グラフトを
含む)させてから、アルカリで中和させたものを使用す
ることができる。かかる共重合体は、溶媒中に溶解した
もののみに限らず、微分散など分散系のものを含むもの
である。
【0023】上述の(B) は溶解するが、後述の(A) は溶
解しない溶媒としては、たとえば、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、イソプロピルア
ルコールなど通常使用されている有機溶剤や、さらに、
シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどシクロパラ
フィン系化合物や、シンナー、トルエン、キシレンなど
石油系芳香族化合物などを使用することができるが、好
ましくはトルエン、ジメチルホルムアミド、キシレン、
イソプロピルアルコールから選ばれた少なくとも1種
を、樹脂(A) と(B) の溶解性(溶解度差)に合せて使用
することができる。 本発明の上述樹脂(B) の樹脂溶液
は、樹脂(A) の保護の上から、固形分として少なくとも
5重量%を必要とするが、好ましくは10〜50重量%
の範囲で、最終樹脂組成物の粘度に合せて調整する。該
樹脂組成物の粘度は、コーティング性および塗膜の性質
の上から、少なくとも1000cps 、好ましくは200
0〜5000cps の範囲であるのがよい。
【0024】ところで、本発明では、上記樹脂(A) を粒
状体として樹脂組成物中に存在させるところに特徴を有
する。かかる形状を保持させたことにより、該樹脂(A)
の吸水倍率機能を100%発揮せしめ得たものである。
そのために該樹脂(A) を、吸水倍率は低いが吸水速度の
大きい樹脂(B) で被覆して保護する。すなわち、バイン
ダー樹脂(C) で該樹脂(A) が汚染されないように、該樹
脂(B) で保護することが、本発明では重要である。この
樹脂(B) の存在によって、該樹脂(A) の吸水倍率機能は
安定に保持され、しかも、バインダー樹脂(C) によっ
て、樹脂(A) を、樹脂(B) を介して、確実かつ強固に、
布帛基材に固着することができたものである。
【0025】かかる保護特性を発揮させるために、樹脂
(A) と樹脂(B) の組成物中は、樹脂(B) を少なくとも1
5重量%、好ましくは20〜60重量%、特に好ましく
は30〜40重量%の範囲に配合する。
【0026】本発明の樹脂(B) の吸水速度を向上させれ
ば、止水性を改善することができる。かかる吸水速度を
向上させるには、界面活性剤を樹脂(B) 中に配合するの
が好ましい。配合量は、少なくとも1重量%、好ましく
は3〜10重量%配合する。
【0027】かかる界面活性剤としては、人工海水(ア
クアマリン)の界面張力を低下させるものであればよ
く、非イオン系、アニオン系、カチオン系、両性界面活
性剤のいずれでも使用することができるが、中でも非イ
オン系界面活性剤、特にポリオキシアルキレン系、エス
テル系、アルキロールアミド系などの非イオン界面活性
剤を使用するのが好ましい。これらの非イオン界面活性
剤の中でも、特にポリオキシアルキレン系のものが好ま
しく、さらにオキシエチレン鎖、オキシプロピレン鎖、
オキシブチレン鎖、オキシスチレン鎖を有するものがよ
い。かかる界面活性剤は、好ましくは3重量%以上、特
に好ましくは5〜8重量%の範囲で配合する。
【0028】本発明に用いるバインダー樹脂(C) として
は、(B) を溶解する前記溶媒に溶解する樹脂であればよ
く、たとえば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、
不飽和ポリエステル系樹脂、イソブチレンゴム等のゴム
系樹脂等があるが、微生物分解性のない100%合成品
が好ましく使用される。
【0029】バインダー樹脂の配合量は、該樹脂組成物
中、好ましくは5〜25重量%、さらに好ましくは7〜
20重量%の範囲が、固着性、吸水速度、止水性の上か
らよい。バインダー樹脂が多くなりすぎると、止水性と
吸水速度が低下する傾向を示す。
【0030】以上のようにして、本発明の光ケーブル用
止水テープを製造することができるが、吸水倍率は低い
が、吸水速度の大きい樹脂(B) を、(B) は溶解するが、
後述の(A) は溶解しないという特定な溶媒に、溶解した
後に、必要により界面活性剤を配合し、かかる樹脂液に
上述の樹脂(A) の粒状体を混合する。この混合液にバイ
ンダー樹脂(C) を配合して吸水性樹脂組成物をつくり、
この組成物を、布帛基材の少なくとも片面に塗布するも
のである。
【0031】塗布の方法は、いかなる方法でもよいが、
好ましくは塗膜厚さが正確に決定できるナイフコーティ
ング法がよい。
【0032】本発明の止水テープを図面により説明す
る。図1は、本発明の止水テープ1の断面模式図であ
り、布帛基材3に吸水性樹脂組成物を塗布した構造の例
を示すものである。
【0033】図2は、図1の止水テープ1を、光ファイ
バーケーブルに使用した場合の断面模式図である。光フ
ァイバーケーブルは、スロットロッド6に設けられた凹
部内に光ファイバーテープ5を収納し、それを止水テー
プ1で被覆し、さらにこれらをシース4で被覆した構造
を有するものである。7はテンションメンバーである。
シース4に破損が生じて、水が侵入すると、止水テープ
1の吸水性樹脂組成物が吸水して膨脹し、水の侵入をと
める作用を発揮するものである。
【0034】
【実施例】本発明を実施例をあげて、さらに説明する。
【0035】実施例1〜5、比較例1〜2 下記組成で調合し、粘度2000〜2500cps の吸水
性樹脂組成物を得た。 (樹脂組成) 樹脂(A) :架橋アクリル酸塩系重合体(平均粒径60
μ) 樹脂(B) :スチレンブタジェンブロックコポリマのアク
リル酸グラフトコポリマのアルカリ中和物(60重量%
トルエン溶液) バインダー樹脂(C) :ポリウレタン系樹脂(9重量%ト
ルエン溶液) 界面活性剤(D) :フェニルノニルアルコールのポリオキ
シアルキレン付加物 上記組成物の成分配合比は、表1に示した。調合方法は
次の通りである。
【0036】すなわち、樹脂(B) のトルエン溶液に樹脂
(A) を配合、混合し、この混合液にバインダー樹脂(C)
を混合して調合した。界面活性剤(D) を配合する場合
は、樹脂(B) に予め界面活性剤(D) を混合した後、樹脂
(A) を混合した。
【0037】かくして得られる吸水性樹脂分散液を、そ
れぞれポリエステル長繊維不織布(単糸繊度2d、目付
70 g/ m2 、厚み0.2mm)に、ナイフコーティンク
法により、塗布量100 g/ m2 で片面に塗布した後、
乾燥させて止水テープ用基材を得た。
【0038】この止水テープ用基材の性能として、固着
性、吸水速度、吸水倍率、止水性について評価した結果
を、表1に示した。 (評価方法) 固着性:セロテープを塗膜表面に貼着して垂直方向に剥
離した際の塗膜状態により評価した。 ○:剥離後も塗膜に何の変化もみられない △:一部塗膜が、テープにくっついて剥離した ×:塗膜の全部が、テープにくっついて剥離した 吸水速度:人工海水(アクアマリン;八洲薬品株式会社
製)0.5mlを滴下した際の膨潤、ゲル化時間で評価し
た。
【0039】吸水倍率:5cm角の試料を100mlの人工
海水(アクアマリン)に10分間浸漬した後、300メ
ッシュのフルイで5分間水切りしたものについて重量測
定して、初期重量との比率を下記算式により求めた。
【0040】 吸水倍率(%)=(水切り後の重量/初期重量)×10
0 止水性:1.5mm×2.0mm×8m の空溝の上に、止水
テープ試料の樹脂塗膜面を下に向けて貼着し、該空溝の
一端から、かつ、水柱1m の高さに、人工海水を供給
し、落下させて該空溝に供給した際に、走水の止まるま
での距離を読取って評価した。
【0041】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1〜5は、比較例1〜
2のものに比べ、光ケーブル用止水テープとしての必要
機能に優れていることがわかる。すなわち、比較例1で
はバインダー樹脂が樹脂(A) の表面を被覆しているの
で、不織布との固着性は問題ないが、吸水倍率、吸水速
度および止水性が劣る。比較例2では樹脂(A) と樹脂
(B)のみの系で、吸水速度、吸水倍率、止水性について
は問題ないが、不織布との固着性がないので実用できな
いものである。
【0042】実施例1は、他の実施例2〜5に比してや
や止水性に劣るが、実用できないことはない。実用性の
上からは、実施例2〜5のもの、特に実施例2のものが
優れている。
【0043】
【発明の効果】本発明の光ケーブル用止水テープは、固
着性は○で、吸水速度50秒以下、吸水倍率600%以
上、止水性は7m 以下という優れた性能を有するもので
あり、したがって、ケーブル内に水が侵入した際、即時
に止水する性能を有する上に、ケーブルへのテーピング
時などの作業時に樹脂塗膜の脱落がなく取扱い、作業性
性に優れるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この図は、本発明の止水テープの一例を示す
断面模式図である。
【図2】 この図は、本発明の止水テープを使用してな
る光ファイバーケーブルの一例を示す断面模式図であ
る。
【符号の説明】
1:止水テープ 2:吸水性樹脂組成物 3:布帛基材 4:シース 5:光ファイバーテープ 6:スロットロッド 7:テンションメンバ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自重の60倍以上の吸水倍率を有する樹
    脂(A) 、吸水倍率は低いが、吸水速度の大きい樹脂(B)
    およびバインダー樹脂(C) よりなる樹脂組成物が、布帛
    基材に結合されていることを特徴とする光ケーブル用止
    水テープ。
  2. 【請求項2】 自重の60倍以上の吸水倍率を有する樹
    脂(A) が、吸水倍率は低いが、吸水速度の大きい樹脂
    (B) で被覆されており、かつかかる被覆構造体をバイン
    ダー樹脂(C) により、布帛基材に結合したことを特徴と
    する光ケーブル用止水テープ。
  3. 【請求項3】 布帛基材の少なくとも片面に下記(A) 〜
    (D) からなる吸水性樹脂組成物が塗布されていることを
    特徴とする光ケーブル用止水テープ。 (A) 架橋ポリアクリルアミドの部分加水分解物、架橋ア
    クリル酸−アクリルアミド共重合体、架橋ポリアクリル
    酸塩、架橋アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、
    架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、架橋カル
    ボン酸変性ポリビニルアルコールから選ばれた少なくと
    も1種の粒状体。 (B) 親水性基を有するポリマ又はコポリマと、疎水性の
    ポリマ鎖又はコポリマ鎖とからなるブロックコポリマ又
    はグラフトコポリマ (C) バインダー樹脂 (D) (A) は溶解しないが、(B) を溶解する溶媒
  4. 【請求項4】 吸水性樹脂組成物において、(B)/(B)
    +(A) の固形分の重量%として、(B) が少なくとも5重
    量%である請求項1、2または3記載の止水テープ。
  5. 【請求項5】 (A) の粒子径が、100μ以下である請
    求項1、2または3記載の止水テープ。
  6. 【請求項6】 溶媒が、トルエン、ジメチルホルムアミ
    ド、キシレン、イソプロピルアルコールから選ばれた少
    なくとも1種である請求項1、2または3記載の止水テ
    ープ。
  7. 【請求項7】 布帛基材が、ポリエステル長繊維不織布
    である請求項1、2または3記載の止水テープ。
  8. 【請求項8】 吸水倍率は低いが、吸水速度の大きい樹
    脂(B) を、(B) は溶解するが、後述の(A) は溶解しない
    溶媒に、溶解した後に、自重の60倍以上の吸水倍率を
    有する樹脂(A) の粒状体を混合し、この混合液にバイン
    ダー樹脂(C) を混合して吸水性樹脂組成物をつくり、こ
    の組成物を、布帛基材の少なくとも片面に塗布すること
    特徴とする光ケーブル用止水テープの製造方法。
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