JPH09237526A - ケーブル用止水剤および複合止水材 - Google Patents

ケーブル用止水剤および複合止水材

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JPH09237526A
JPH09237526A JP8043505A JP4350596A JPH09237526A JP H09237526 A JPH09237526 A JP H09237526A JP 8043505 A JP8043505 A JP 8043505A JP 4350596 A JP4350596 A JP 4350596A JP H09237526 A JPH09237526 A JP H09237526A
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JP
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water
water blocking
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blocking agent
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JP8043505A
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English (en)
Inventor
Naotake Shioji
尚武 塩路
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 止水性能が従来よりも改善されたケーブル用
止水剤および複合止水材を提供する。 【解決手段】 吸水性樹脂(A)と、N−ビニルアセト
アミド系の水可溶性樹脂(B)とを混合してケーブル用
止水剤を得る。また、該ケーブル用止水剤を、例えば繊
維、ゴム、プラスチック、不織布等の基材に担持させる
ことで複合化して複合止水材を得る。このようにして得
られたケーブル用止水剤および複合止水材は、止水性能
が従来よりも改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケーブル用止水剤
および複合止水材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、光ケーブルや電力ケ
ーブル等のシース内に、水、特に海水等の高濃度の塩水
が侵入した場合に、塩水等の水を吸収して保持すること
により、水がシース内を移動して、ケーブルや、ケーブ
ルと連結された各種装置を劣化させることを防止するた
めの止水剤並びに複合止水材が知られている。
【0003】このような複合止水材として、例えば、特
開平2−33116号公報には、水に対する吸水倍率が
10cc/g以上の吸水性樹脂を水溶性溶剤型接着剤で支持
体に保持させた光ケーブル用複合止水材が提案されてい
る。また、例えば、特開平2−276840号公報、特
開平3−285918号公報、特開平3−287871
号公報、特開平3−285921号公報、特開平3−2
85920号公報には、架橋ポリアクリル酸ナトリウム
等の吸水性樹脂と、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビ
ニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド等の水溶性樹
脂とを含む光ケーブル用止水剤が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の止水剤並びに複合止水材は、その止水性能が未だ充
分であるとは言い難く、さらなる止水性能の向上が望ま
れている。
【0005】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、止水性能が従来よりも改善さ
れたケーブル用止水剤および複合止水材を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、止水性
能が従来よりも改善されたケーブル用止水剤および複合
止水材を提供すべく鋭意検討した結果、吸水性樹脂と、
特定の水可溶性樹脂とを含むケーブル用止水剤およびそ
れを含む複合止水材が、上記従来の問題点を解決するこ
とができることを見い出して本発明を完成させるに至っ
た。
【0007】尚、吸水性樹脂と、水溶性樹脂としてN−
ビニルアセトアミド系の水可溶性樹脂とを含む止水剤
が、顕著な止水効果を奏することは未だ知られていな
い。
【0008】即ち、請求項1記載の発明のケーブル用止
水剤は、上記の課題を解決するために、吸水性樹脂
(A)と、N−ビニルアセトアミド系の水可溶性樹脂
(B)とを含むことを特徴としている。
【0009】請求項2記載の発明のケーブル用止水剤
は、上記の課題を解決するために、請求項1記載のケー
ブル用止水剤において、上記吸水性樹脂(A)と水可溶
性樹脂(B)との配合割合が、吸水性樹脂(A)70重量
%〜99重量%、水可溶性樹脂(B)30重量%〜1重量%
であることを特徴としている。
【0010】請求項3記載の発明のケーブル用止水剤
は、上記の課題を解決するために、請求項1または2記
載のケーブル用止水剤において、上記水可溶性樹脂
(B)が、N−ビニルアセトアミドを50重量%以上含む
単量体成分から導かれる重合体であることを特徴として
いる。
【0011】請求項4記載の発明のケーブル用止水剤
は、上記の課題を解決するために、請求項1ないし3の
何れか1項に記載のケーブル用止水剤において、上記水
可溶性樹脂(B)の重量平均分子量が10,000〜1,000,00
0 の範囲内であることを特徴としている。
【0012】請求項5記載の発明の複合止水材は、上記
の課題を解決するために、上記請求項1ないし4の何れ
か1項に記載のケーブル用止水剤と、上記ケーブル用止
水剤を担持する基材とを少なくとも有することを特徴と
している。
【0013】上記の構成によれば、止水性能が従来より
も改善されたケーブル用止水剤および複合止水材を提供
することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施の形態につ
いて詳しく説明する。本発明にかかるケーブル用止水剤
(以下、単に止水剤と記す)は、吸水性樹脂(A)と、
N−ビニルアセトアミド系の水可溶性樹脂(B)とを含
んでいる。上記水可溶性樹脂とは、0.45μのメンブラン
フィルターで濾過後、濾液に20℃で0.1 重量%以上溶解
している樹脂を示す。該水可溶性樹脂は、全くの未架橋
樹脂であってもよく、僅かに架橋されていてもよい。
【0015】上記水可溶性樹脂(B)としては、N−ビ
ニルアセトアミド系の水可溶性樹脂であれば、特に限定
されるものではない。上記水可溶性樹脂(B)は、少な
くともN−ビニルアセトアミドを含む単量体成分を、必
要に応じて架橋剤の存在下で重合させることにより、容
易に得ることができる。
【0016】また、上記単量体成分は、必要に応じて、
N−ビニルアセトアミド以外の単量体(以下、その他の
単量体と記す)を含んでいてもよい。上記その他の単量
体は該止水剤に要求される各種物性を損なわない化合物
であれば、特に限定されるものではない。
【0017】上記その他の単量体としては、具体的に
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
あるいはそれらの一価金属、二価金属、アンモニア、有
機アミンによる部分中和物や完全中和物等の不飽和モノ
カルボン酸系単量体;マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、シトラコン酸あるいはそれらの一価金属、二価金
属、アンモニア、有機アミンによる部分中和物や完全中
和物等の不飽和ジカルボン酸系単量体;ビニルスルホン
酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレン
スルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、スル
ホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシスル
ホプロピル(メタ)アクリレート、スルホエチルマレイ
ミド、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホ
ン酸あるいはそれらの一価金属、二価金属、アンモニ
ア、有機アミンによる部分中和物や完全中和物等の不飽
和スルホン酸系単量体;(メタ)アクリルアミド、イソ
プロピルアクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリル
アミド等のアミド系単量体;(メタ)アクリル酸エステ
ル、スチレン、2−メチルスチレン、酢酸ビニル等の疎
水性単量体:2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、アリルアルコール、ポリエチレングリコールモノア
リルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエ
ーテル、3−メチル−3−ブテン−1−オール(イソプ
レノール)、ポリエチレングリコールモノイソプレノー
ルエーテル、ポリプロピレングリコールモノイソプレノ
ールエーテル、3−メチル−2−ブテン−1−オール
(プレノール)、ポリエチレングリコールモノプレノー
ルエーテル、ポリプロピレングリコールモノプレノール
エーテル、2−メチル−3−ブテン−2−オール(イソ
プレンアルコール)、ポリエチレングリコールモノイソ
プレンアルコールエーテル、ポリプロピレングリコール
モノイソプレンアルコールエーテル、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、グリセロールモノ(メタ)ア
クリレート、グリセロールモノアリルエーテル、ビニル
アルコール等の水酸基含有不飽和単量体;ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリルアミド等のカチオン性単量体;(メ
タ)アクリロニトリル等のニトリル系単量体;(メタ)
アクリルアミドメタンホスホン酸、(メタ)アクリルア
ミドメタンホスホン酸メチルエステル、2−(メタ)ア
クリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸等の含燐
単量体;エチレン、プロピレン、1−ブチン、イソブチ
レン、α−アミレン、2−メチル−1−ブチン、3−メ
チル−1−ブテン(α−イソアミレン)、1−ヘキセ
ン、1−ヘブテンなどのα−オレフィン系単量体等が挙
げられる。
【0018】これらその他の単量体は、一種類のみを用
いてもよく、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
上記例示の単量体のなかでも、不飽和モノカルボン酸系
単量体および不飽和スルホン酸系単量体が、N−ビニル
アセトアミドとの反応性や重合性がよく、特に好まし
い。
【0019】単量体成分における上記各単量体の含有量
は、特に限定されるものではないが、N−ビニルアセト
アミドを50重量%以上含むことが好ましい。単量体成分
におけるN−ビニルアセトアミドの含有量が50重量%未
満であると、得られる止水剤が充分な止水性能を発揮す
ることができなくなる虞れがある。
【0020】さらに、その他の単量体は、必要に応じ
て、単量体成分における含有量が0重量%〜50重量%の
範囲内となるように用いられる。単量体組成物における
その他の単量体の含有量は、50重量%以下であれば、特
に限定されるものではないが、最終的に得られる止水剤
の物性を損なわない範囲内で用いることが好ましい。
【0021】上記水可溶性樹脂(B)の製造方法、即
ち、上記単量体成分の重合方法は、特に限定されるもの
ではなく、ラジカル重合開始剤等の重合開始剤を用いる
重合方法;イオン化放射線、電子線等の放射線や、紫外
線を照射する重合方法;加熱による重合方法等、従来公
知の種々の方法を採用することができる。例えば、重合
開始剤の存在下で、溶液重合法、懸濁重合法、逆相懸濁
重合法等を行うことにより、容易に水可溶性樹脂(B)
を得ることができる。尚、上記の重合反応の反応条件等
は、用いる各単量体の組みあわせや、溶媒や重合開始
剤、またはその他の添加物等の種類や使用量等に応じ
て、所望する水可溶性樹脂(B)が得られるように適宜
設定すればよく、特に限定されるものではない。得られ
る水可溶性樹脂(B)の重合度は、重量平均分子量が 1
0,000 〜1,000,000 の範囲内となるような値が好まし
く、 50,000 〜500,000 の範囲内となるような値がさら
に好ましい。これら水可溶性樹脂(B)は、一種類のみ
を用いてもよく、適宜二種類以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0022】また、上記吸水性樹脂(A)としては、広
い範囲の吸水性樹脂を用いることができる。上記吸水性
樹脂(A)としては、具体的には、例えば、ポリアクリ
ル酸塩系重合体、イソブチレン/マレイン酸共重合体、
澱粉/アクリル酸グラフト共重合体、ビニルアルコール
/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール系重合
体、澱粉/アクリロニトリル共重合体の加水分解物、ポ
リビニルアセトアミド系重合体、アクリル酸/アクリル
アミド共重合体、一般式(1)
【0023】
【化1】
【0024】(式中、Rは水素原子またはメチル基を表
し、Xは全オキシアルキレン基に対するオキシエチレン
基のモル分率が50モル%以上である炭素数2〜4のオキ
シアルキレン基を表し、Yは炭素数1〜5のアルコキシ
基、フェノキシ基、または置換基として炭素数1〜9の
アルキル基を1〜3個有するオキシアルキルフェニル基
を表し、nは平均で3〜 100の整数を表す)で表される
(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む単量体成分
から導かれる重合体等が挙げられるが、特に限定される
ものではない。これら吸水性樹脂(A)のなかでも、上
記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステル
系単量体を含む単量体成分から導かれる架橋重合体が特
に好ましい。
【0025】これら吸水性樹脂(A)の製造方法は特に
限定されるものではなく、従来公知の種々の方法を用い
ることができる。また、その製造条件も特に限定される
ものではない。上記吸水性樹脂(A)は、上記水可溶性
樹脂(B)との混合前、あるいは混合後、必要により乾
燥し、粉砕等により細粒化して、所望の粒子形状として
もよい。上記吸水性樹脂(A)の平均粒子径は、特に限
定されるものではないが、5μm〜500 μmの範囲内が
好ましく、10μm〜300 μmの範囲内が好ましい。尚、
上記平均粒子径とは、体積平均粒子径を示す。
【0026】本発明に係る止水剤は、上記吸水性樹脂
(A)と上記水可溶性樹脂(B)とを混合することによ
って容易に得ることができる。上記吸水性樹脂(A)と
水可溶性樹脂(B)との配合割合は、特に限定されるも
のではないが、吸水性樹脂(A)70重量%〜99重量%お
よび水可溶性樹脂(B)30重量%〜1重量%の割合で混
合することが好ましい。上記水可溶性樹脂(B)の配合
割合が1重量%よりも少なければ、止水速度が低下する
虞れがある。一方、上記水可溶性樹脂(B)の配合割合
が30重量%を越えると、瞬間的な止水効果は高いが、長
期間の止水効果が充分に得られない虞れがある。
【0027】上記止水剤は、そのまま単独で用いること
ができるが、必要に応じて、発泡剤、無機系微粒子、有
機系微粒子、界面活性剤、石綿、パルプ、合成繊維、天
然繊維等の各種止水剤用の添加剤を配合して用いてもよ
い。これら添加剤は一種類のみを用いてもよく、二種類
以上を適宜混合して用いてもよい。また、これら添加剤
の使用量は特に限定されるものではない。上記止水剤
を、例えばケーブル等のシース内の空間に充填すること
で、上記シース内に、水、特に海水等の高濃度の塩水が
侵入した場合に、水がシース内を移動して、ケーブル
や、ケーブルと連結された各種装置を劣化させることを
防止することができる。
【0028】また、本発明の止水剤は、繊維、ゴム、プ
ラスチック、不織布等の基材に担持させて複合化するこ
とにより、充填時の作業性が良く、かつ、止水効果の高
い形態の止水材として用いることができる。つまり、本
発明の複合止水材は、上記止水剤と、上記止水剤を担持
する基材とを少なくとも有している。
【0029】上記基材における止水剤の担持量は、特に
限定されるものではないが、基材100 重量部当たり1重
量部〜5000重量部の範囲内が好ましく、5重量部〜500
重量部の範囲内がさらに好ましい。
【0030】該複合止水材の製造方法としては、特に限
定されるものではなく、例えば、合成繊維等の紡糸液
に止水剤を添加することによって繊維状の複合止水材と
する方法、合成繊維、天然繊維等の繊維状物質に粘着
性物質等を用いて止水剤を固定することによって、繊維
状の複合止水材とする方法、ゴムまたはプラスチック
等に止水剤を混練し、ロ一ルや押し出し機等で加工する
ことによってシート状またはテープ状の複合止水材とす
る方法、不織布、紙等の、シートまたはテープに、粘
着性物質を用いて止水剤を固定することによってシート
状またはテープ状の複合止水材とする方法、不織布、
紙等の、シートまたはテープで止水剤を扶持することに
よって、シート状またはテープ状の複合止水材とする方
法、粘着性物質または塗料等と止水剤とを混合した
後、混合した止水剤をプラスチックフィルム等に塗布
し、必要によりフィルムを裁断することによって、シー
ト状またはテープ状の複合止水材とする方法等の種々の
方法を採用することができる。
【0031】上記の粘着性物質としては、特に限定され
るものではなく、例えば、有機高分子系バインダーや水
溶性樹脂等が挙げられる。また、該複合止水材として、
繊維状の複合止水材を得る場合には、該繊維状の複合止
水材は、例えばケーブル等のシース内に、そのままの状
態で充填してもよいし、布状に加工した後に使用しても
よい。
【0032】上記複合止水材として、例えば止水テープ
または止水ヤーンを得る場合には、上記止水剤の体積平
均粒子径は、5μm〜250 μmの範囲内であることが好
ましく、10μm〜100 μmの範囲であることが特に好ま
しい。上記止水剤の体積平均粒子径が5μm未満の場合
には、得られる止水テープまたは止水ヤーンの止水効果
が充分に発揮されない虞れがある。一方、上記止水剤の
体積平均粒子径が250μmを越える場合には、得られる
止水テープが厚くなるか、あるいは、止水ヤーンが太く
なるため、微細なケーブル間隙等に挿入できなくなる虞
れがある。
【0033】上記止水テープは、例えば、上記止水剤を
基材の片面、両面および/または空隙等に固着させるこ
とによって、容易に得ることができる。また、上記止水
ヤーンは、上記止水剤をヤーン状基材の表面および/ま
たは空隙に固着させることによって容易に得ることがで
きる。何れの場合においても、上記止水剤を基材に固着
させる際には、上記止水剤は、乾燥状態で用いても良い
し、湿潤状態で用いてもよい。
【0034】以下に、上記止水テープおよび止水ヤーン
の製造方法について、さらに詳細に説明する。上記複合
止水材として止水テープを製造する場合に、上記止水剤
を基材に固着させる方法としては、特に限定されるもの
ではなく、例えば、(i) 止水剤に、必要により有機高分
子系バインダー、無機系微粒子、有機系微粒子、繊維状
物質、界面活性剤、溶媒等を添加してなる固着用組成物
を、シート状またはテープ状の基材の片面または両面に
塗布する方法、(ii)上記の固着用組成物を、シート状ま
たはテープ状の基材に合浸させる方法、(iii) 上記の固
着用組成物を、少なくとも2枚以上の基材間の間隙に扶
持させる方法等の種々の方法を採用することができる。
このとき、上記の固着用組成物が溶媒を含む場合には、
乾燥を行い、熱硬化性バインダーまたはヒートシール性
バインダーを含む場合には熱処理を行う。
【0035】上記基材としては、特に限定されるもので
はなく、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ
アミド、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、セ
ルロース等からなる不織布、織布、紙、フィルム等、種
々の基材を用いることができる。これら基材のなかで
も、スパンボンド法で製造されるポリエステル、アクリ
ル等の長繊維不織布シートが、強度、止水能力、非生分
解性の点で特に好ましい。
【0036】上記基材に対する止水剤の付着量(固着
量)は、特に限定されるものではないが、乾燥重量とし
て、5g/m2 〜300 g/m2 の範囲内が好ましく、30
g/m2 〜150 g/m2 の範囲がさらに好ましい。上記
止水剤の付着量が5g/m2 未満であれば、充分な止水
性能を有する止水テープが得られない虞れがある。ま
た、上記止水剤の付着量が300 g/m2 よりも多けれ
ば、得られる止水テープの柔軟性が乏しくなる。このた
め、作業性が低下する虞れがある。
【0037】本発明の複合止水材として止水テープを製
造する場合には、必ずしもバインダーを必要とせず、有
機溶媒に止水剤を分散することによって得られた固着用
組成物を、不織布、織布、紙、フィルム、合成繊維、天
然繊維等からなるシート状の基材に合浸するだけでも、
上記止水剤を基材に固着させることが可能である。上記
の方法により製造された止水テープは、止水剤が基材か
ら脱落しやすくなる場合もあるが、バインダーによる妨
害がないため、吸水速度に優れている。
【0038】但し、止水剤の基材からの脱落を防ぐため
には、有機高分子系バインダーを使用することがより好
ましい。有機高分子系バインダーとしては、特に限定さ
れるものではないが、具体的には、例えば、合成ゴム、
天然ゴム、ポリアクリル酸エステル、ポリアルキレンオ
キサイド、ポリウレタン、親水性ポリウレタン、ポリエ
ステル、ポリアミド、ポリエチレン、エチレン/酢酸ビ
ニル共重合体、ポリビニルアルコール、カルボキシルメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリア
クリル酸、ポリアクリル酸架橋体等が挙げられる。これ
ら有機高分子系バインダーのなかでも、ポリアルキレン
オキサイドとイソシアネート化合物とを反応させて得ら
れる親水性ポリウレタンが特に好ましい。
【0039】これら有機高分子系バインダーの使用量
は、特に限定されるものではないが、止水剤100 重量部
に対して5重量部〜300 重量部の範囲内が好ましく、10
重量部〜80重量部の範囲内がさらに好ましい。これら有
機高分子系バインダーの使用量が300 重量部を越える場
合には、止水テープの吸水速度が小さくなる傾向があ
る。このため、充分な止水性能を発揮することができる
止水テープが得られない虞れがある。一方、有機高分子
系バインダーの使用量が5重量部未満の場合には、基材
への付着力が低下するため、ケーブルヘの組み込みなど
の取り扱い時に止水剤が脱落する虞れがある。
【0040】また、上記止水テープを製造する際には、
止水能力等を向上させる目的で、種々の添加物を添加し
てもよい。上記添加物としては、具体的には、例えば、
石綿、パルプ、合成繊維、天然繊維等の繊維状物質;シ
リカ、アルミナ、合成ケイ酸塩、炭酸マグネシウム、ケ
イ酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、ベントナ
イト、カオリナイト、ゼオライト、酸化チタン、活性白
土、ホウ砂、ホウ酸亜鉛、カーボンブラック等の無機系
微粒子;有機系微粒子等が挙げられる。これら添加物の
なかでも、特に無機系微粒子は、止水テープの吸水速度
や難燃性の向上に効果がある。
【0041】上記無機系微粒子の体積平均粒子径は、20
0 μm以下が好ましく、1μm〜50μmの範囲内が特に
好ましい。上記無機系微粒子の体積平均粒子径が200 μ
mを越えると、得られる止水テープの止水性能が低下し
たり、得られる止水テープが厚くなるため、微細なケー
ブル間隙に入らなくなる虞れがある。また、1μm未満
の無機系微粒子を吸水性樹脂に添加すると、場合によっ
ては、止水剤のゲル粘稠度が増加して止水効果が不十分
となる虞れがあるので注意を要する。
【0042】上記無機系微粒子の添加量は、特に限定さ
れるものではないが、止水剤 100重量部に対して、0.05
重量部〜 100重量部の範囲内が好ましく、1重量部〜50
重量部の範囲内がさらに好ましい。上記無機系微粒子の
添加量の添加量が0.05重量部未満であれば、実質的添加
効果が発現しない。一方、上記無機系微粒子の添加量の
添加量が 100重量部を越えると、基材に対する止水剤の
付着量、即ち、該止水剤や無機系微粒子等を含んでなる
固着用組成物中の止水剤の割合が少なくなるので、止水
テープの膨潤倍率が低くなり、止水効果が不十分となる
虞れがある。
【0043】また、上記複合止水材として止水ヤーンを
製造する場合に、上記止水剤をヤーン状基材に固着させ
る方法としては、特に限定されるものではなく、例え
ば、(iv)止水剤に、必要により有機高分子系バインダ
ー、無機系微粒子、有機系微粒子、繊維状物質、界面活
性剤、溶媒等を添加してなる固着用組成物を、シート状
またはフィルム状の基材の片面または両面に塗布する方
法、(v)上記の固着用組成物を、シート状またはフィ
ルム状の基材に含浸させる方法、(vi)上記の固着用組成
物を、合成繊維等からなる長繊維に塗布するか、あるい
は、含浸させる方法、(vii) 上記の固着用組成物を、プ
ラスチックフィルムや合成繊維等からなるヤーン状基材
に塗布するか、あるいは、含浸させる方法等の種々の方
法を採用することができる。このとき、上記の固着用組
成物が溶媒を含む場合には、乾燥を行い、熱硬化性バイ
ンダーまたはヒートシール性バインダーを含む場合には
熱処理を行い、さらに束ねて止水ヤーンとする。上記例
示の方法のうち、(vii) の方法が、作業性および得られ
る止水ヤーンの止水効果の点から特に好ましい。
【0044】上記止水ヤーンに用いられる基材として
は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリオレフ
ィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリ
ル、ポリカーボネート、セルロース等のプラスチックフ
ィルムや合成繊維、または天然繊維等からなるヤーン状
基材やシート状基材またはフィルム状基材等を用いるこ
とができる。これら基材のなかでも、ポリオレフィン、
ポリエステル、ポリアミド等のプラスチックフィルムま
たは合成繊維の長繊維からなるヤーン状基材が、強度、
止水能力、非生分解性の点で特に好ましい。
【0045】上記ヤーン状基材の太さは、特に限定され
るものではないが、 500デニール〜60,000デニールの範
囲内が好ましく、 1,000デニール〜 10,000 デニールの
範囲内がさらに好ましい。上記ヤーン状基材の太さが 5
00デニール未満であれば、ケーブル化工程等での取り扱
い性が低下する虞れがある。一方、上記ヤーン状基材の
太さが60,000デニールを越えると、微細なケーブル内の
空隙に充填することが困難となる場合がある。このた
め、上記固着用組成物を、合成繊維またはフィルム状基
材に塗布または含浸後、束ねて止水ヤーンとする場合で
も、得られた止水ヤーンの太さは、 500デニール〜60,0
00デニールの範囲内であることが望ましい。
【0046】また、上記基材として、ヤーン状、シート
状、またはフィルム状基材を用いる場合には、止水剤を
塗布または合浸処理する前、あるいは、合浸処理した後
に、スリット加工またはスプリット加工を行うことが望
ましい。上記基材にスリット加工またはスプリット加工
を施すことで、得られる止水ヤーンの吸水速度が向上
し、初期止水効果が向上する。
【0047】上記基材に対する止水剤の付着量(固着
量)は、特に限定されるものではないが、乾燥重量とし
て、0.05g/m2 〜30g/m2 の範囲内が好ましく、
0.1g/m2 〜5g/m2 の範囲がさらに好ましい。上
記止水剤の付着量が0.05g/m2未満であれば、充分な
止水性能を有する止水ヤーンが得られない虞れがある。
また、上記止水剤の付着量が30g/m2 よりも多けれ
ば、得られる止水ヤーンの柔軟性が乏しくなる。このた
め、作業性が低下する虞れがある。
【0048】本発明の複合止水材として止水ヤーンを製
造する場合には、必ずしもバインダーを必要とせず、有
機溶媒に止水剤を分散することによって得られた固着用
組成物を、不織布、織布、紙、プラスチックフィルム、
合成繊維、天然繊維等からなるシート状基材、あるい
は、プラスチックフィルム、合成繊維、天然繊維等から
なるヤーン状基材に塗布または合浸するだけでも、上記
止水剤を基材に固着させることが可能である。上記の方
法により製造された止水ヤーンは、止水剤が基材から脱
落しやすくなる場合もあるが、バインダーによる妨害が
ないため、吸水速度に優れている。
【0049】但し、止水剤の基材からの脱落を防ぐため
には、有機高分子系バインダーを使用することがより好
ましい。有機高分子系バインダーとしては、特に限定さ
れるものではなく、前記例示の化合物と同様の化合物を
用いることができる。これら有機高分子系バインダーの
使用量は、特に限定されるものではないが、止水剤100
重量部に対して5重量部〜100 重量部の範囲内が好まし
く、10重量部〜50重量部の範囲内がさらに好ましい。こ
れら有機高分子系バインダーの使用量が100 重量部を越
える場合には、止水ヤーンの吸水速度が小さくなる傾向
がある。このため、充分な止水性能を発揮することがで
きる止水ヤーンが得られない虞れがある。一方、有機高
分子系バインダーの使用量が5重量部未満の場合には、
基材への付着力が低下するため、ケーブルヘの組み込み
などの取り扱い時に止水剤が脱落する虞れがある。
【0050】また、上記止水ヤーンを製造する際には、
止水能力等を向上させる目的で、種々の添加物を添加し
てもよい。上記添加物は、特に限定されるものではな
く、止水テープに使用した添加物と同様の添加物を使用
することができる。また、その添加量や無機系微粒子の
体積平均粒子径等も、特に限定されるものではなく、前
記した条件と同様に設定すればよい。
【0051】また、上記止水ヤーンは、必要により撚り
加工等を施しても良い。撚り加工を施すことにより止水
ヤーンの径が均一になり、ケーブル内に挿入しやすくな
る。
【0052】以上のように、本発明に係る止水剤は、吸
水性樹脂(A)と、N−ビニルアセトアミド系の水可溶
性樹脂(B)とを含んでなる。また、本発明に係る複合
止水材は、上記止水剤と、上記止水剤を担持する基材と
を少なくとも有している。
【0053】本発明に係る止水剤および複合止水材は、
以上のように、吸水性樹脂(A)の他に、N−ビニルア
セトアミド系の水可溶性樹脂(B)を含むことで、止水
速度が従来よりも向上している。つまり、上記水可溶性
樹脂としてN−ビニルアセトアミド系の水可溶性樹脂
(B)を含むことで、例えば、該複合止水材を用いてな
るケーブル等のシース内に海水等の水が侵入した場合
に、止水剤が膨潤して分散する速度が従来よりも速い。
このため、本発明に係る止水剤並びに該止水剤を含む複
合止水材は、従来の止水剤や複合止水材と比べて、顕著
な止水効果を奏することができる。即ち、本発明によれ
ば、止水性能が従来よりも改善された止水剤および複合
止水材を提供することができる。本発明の止水剤並びに
複合止水材は、例えば、光ケーブルや電力ケーブル等に
好適に用いることができる。
【0054】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。尚、実施例および比較例に記載
の「部」は、「重量部」を示す。
【0055】〔実施例1〕内面が三フッ化エチレン樹脂
でライニング処理された容量 10Lの温度計付き双軸型ニ
ーダーに、43重量%メタクリル酸ナトリウム水溶液3837
部、メトキシポリエチレングリコール1100部、溶媒とし
てのイオン交換水 470部、および架橋剤としてのポリエ
チレングリコールジアクリレート20.9部を仕込んで攪
拌、混合することにより、反応液とした。上記のメトキ
シポリエチレングリコールにおけるエチレンオキサイド
の平均付加モル数は9モルであり、ポリエチレングリコ
ールジアクリレートにおけるエチレンオキサイドの平均
付加モル数は8モルである。
【0056】次に、上記の反応液に窒素ガスを吹き込ん
で溶存酸素を追い出すと共に、反応系を窒素ガス置換し
た。続いて、ジャケットに40℃の温水を流して攪拌する
ことにより、反応液の温度を40℃に昇温した後、重合開
始剤としての10重量% 2,2'-アゾビス(2-アミジノプロ
パン)塩酸塩水溶液71.7部を添加した。そして、該反応
液を10秒間、攪拌・混合した後、攪拌を停止した。する
と、直ちに重合反応が開始された。
【0057】上記の重合反応においては、反応を開始し
てから 160分後に反応液の温度が90℃になり、ピークに
達した。この間、ジャケットの温度は、反応液の温度と
ほぼ等しくなるように適宜昇温させた。反応液の温度が
ピークに達した後、ジャケットの温度を80℃に維持し、
該反応液を1時間熟成した。反応終了後、ブレード回転
数を 30rpmに調節して、得られた含水ゲル状重合体を10
分間かけて微粒子状に解砕した。
【0058】解砕した微細な含水ゲル状重合体を、熱風
循環式乾燥機を用いて窒素気流下、120℃で4時間乾燥
した後、乾燥物をジェットミルを用いて粉砕し、平均粒
子径が35μmの吸水性樹脂微粉末(以下、説明の便宜
上、吸水性樹脂微粉末(A1)と記す)を得た。
【0059】次に、該吸水性樹脂微粉末(A1)85部に対
して、N−ビニルアセトアミド80重量%およびアクリル
酸ナトリウム20重量%からなる単量体成分を重合して得
られた重量平均分子量150,000 の水可溶性樹脂(以下、
説明の便宜上、水可溶性樹脂(B1)と記す)15部を混合
することにより止水剤(以下、説明の便宜上、止水剤
(1)と記す)を得た。
【0060】次いで、メチルメタクリレート5重量%、
ブチルアクリレート40重量%、アクリル酸15重量%、お
よびヒドロキシエチルメタクリレート10重量%からなる
単量体混合物を重合して得られる有機高分子系バインダ
ーとしてのポリ(メタ)アクリル酸エステル20部、上記
止水剤(1)100 部、無機系微粒子としてのホワイトカ
ーボン50部、界面活性剤としてのノニルフェノールエト
キシレート( 旭電化工業株式会社製;商品名 アデカト
ールNP−650)0.5 部およびイソプロピルアルコー
ル40部を混合することにより、固着用組成物を調製し
た。上記のポリ(メタ)アクリル酸エステルの重量平均
分子量は60,000である。
【0061】その後、得られた固着用組成物を厚さ50μ
mのポリウレタンフィルムの両面に塗布して乾燥させる
ことにより止水テープを得た。得られた止水テープの厚
さは約140 μmであり、止水剤の付着量は約60g/m2
であった。また、上記止水テープの止水性能を、図1に
示す装置を用いて人工海水の送水距離を測定することに
より評価した。
【0062】つまり、外径13.5mm、長さ2000mmのガラス
棒に上記止水テープを一重に巻き付けて得られた構造物
2を、内径15mm、長さ2000mmのガラス管1内に、構造物
2とガラス管1との間の間隙が均一となるように挿入し
た。次いで、このガラス管1の両端部をガラス溶接する
ことにより、模擬ケーブル3を作成した。その後、模擬
ケーブル3を水平に保持し、模擬ケーブル3の一方の端
に、人工海水を満たした容器4を、容器4内における人
工海水の液面が模擬ケーブル3から1mの高さとなるよ
うに設置した。
【0063】上記の人工海水には、脱イオン水に、硫酸
カルシウム(CaSO4 )、硫酸マグネシウム(MgS
4 )、塩化マグネシウム(MgCl2 )、塩化カリウ
ム(KCl)、および塩化ナトリウム(NaCl)を、
調製すべき人工海水における濃度が、CaSO4 :1.38
g/kg、MgSO4 :2.10g/kg、MgCl2 :3.32g/kg、
KCl:0.72g/kg、NaCl:26.69g/kg となるように
溶解してなる水溶液を用いた。
【0064】そして、容器4下部のコック5を開き、上
記の人工海水を模擬ケーブル3へ導き、人工海水が模擬
ケーブル3に侵入していく様子を観察した。人工海水を
導入して30分経過後、模擬ケーブル3における容器4と
の接続側端部から人工海水が侵入した先端までの距離を
測定したところ、送水距離は115mm であった。この結果
を表1に記載した。
【0065】〔実施例2〕実施例1で得られた吸水性樹
脂粉末(A1)70部に対して、水可溶性樹脂(B1)30部を
混合することにより止水剤(以下、説明の便宜上、止水
剤(2)と記す)を得た。
【0066】次いで、実施例1で用いた止水剤(1)の
代わりに上記止水剤(2)100 部を用いた以外は、実施
例1と同様の操作を行って止水テープを得た。該止水テ
ープの止水性能を実施例1と同様の方法により評価し
た。この結果、人工海水の送水距離は286mm であった。
この結果を表1に記載した。
【0067】〔実施例3〕実施例1で得られた吸水性樹
脂粉末(A1)99部に対して、水可溶性樹脂(B1)1部を
混合することにより止水剤(以下、説明の便宜上、止水
剤(3)と記す)を得た。
【0068】次いで、実施例1で用いた止水剤(1)の
代わりに上記止水剤(3)100 部を用いた以外は、実施
例1と同様の操作を行って止水テープを得た。該止水テ
ープの止水性能を実施例1と同様の方法により評価し
た。この結果、人工海水の送水距離は210mm であった。
この結果を表1に記載した。
【0069】〔実施例4〕実施例1で得られた吸水性樹
脂粉末(A1)85部に対して、N−ビニルアセトアミド80
重量%およびアクリル酸ナトリウム20重量%からなる単
量体成分を重合して得られた重量平均分子量10,000の水
可溶性樹脂(以下、説明の便宜上、水可溶性樹脂(B2
と記す)15部を混合することにより止水剤(以下、説明
の便宜上、止水剤(4)と記す)を得た。
【0070】次いで、実施例1で用いた止水剤(1)の
代わりに上記止水剤(4)100 部を用いた以外は、実施
例1と同様の操作を行って止水テープを得た。該止水テ
ープの止水性能を実施例1と同様の方法により評価し
た。この結果、人工海水の送水距離は246mm であった。
この結果を表1に記載した。
【0071】〔実施例5〕実施例1で得られた吸水性樹
脂粉末(A1)85部に対して、N−ビニルアセトアミド80
重量%およびアクリル酸ナトリウム20重量%からなる単
量体成分を重合して得られた重量平均分子量800,000 の
水可溶性樹脂(以下、説明の便宜上、水可溶性樹脂
(B3)と記す)15部を混合することにより止水剤(以
下、説明の便宜上、止水剤(5)と記す)を得た。
【0072】次いで、実施例1で用いた止水剤(1)の
代わりに上記止水剤(5)100 部を用いた以外は、実施
例1と同様の操作を行って止水テープを得た。該止水テ
ープの止水性能を実施例1と同様の方法により評価し
た。この結果、人工海水の送水距離は185mm であった。
この結果を表1に記載した。
【0073】〔実施例6〕実施例1で得られた吸水性樹
脂粉末(A1)85部に対して、N−ビニルアセトアミド50
重量%およびアクリル酸ナトリウム50重量%からなる単
量体成分を重合して得られた重量平均分子量220,000 の
水可溶性樹脂(以下、説明の便宜上、水可溶性樹脂
(B4)と記す)15部を混合することにより止水剤(以
下、説明の便宜上、止水剤(6)と記す)を得た。
【0074】次いで、実施例1で用いた止水剤(1)の
代わりに上記止水剤(6)100 部を用いた以外は、実施
例1と同様の操作を行って止水テープを得た。該止水テ
ープの止水性能を実施例1と同様の方法により評価し
た。この結果、人工海水の送水距離は277mm であった。
この結果を表1に記載した。
【0075】〔実施例7〕実施例1で得られた吸水性樹
脂粉末(A1)85部に対して、N−ビニルアセトアミドを
単独で重合して得られた重量平均分子量120,000 の水可
溶性樹脂(以下、説明の便宜上、水可溶性樹脂(B5)と
記す)15部を混合することにより止水剤(以下、説明の
便宜上、止水剤(7)と記す)を得た。
【0076】次いで、実施例1で用いた止水剤(1)の
代わりに上記止水剤(7)100 部を用いた以外は、実施
例1と同様の操作を行って止水テープを得た。該止水テ
ープの止水性能を実施例1と同様の方法により評価し
た。この結果、人工海水の送水距離は145mm であった。
この結果を表1に記載した。
【0077】〔実施例8〕吸水性樹脂(昭和電工株式会
社製;商品名 NA−300)85部に、水可溶性樹脂
(B1)の10重量%水溶液 150部を吸水させることにより
含水ゲルを得た。この含水ゲルを熱風循環式乾燥機を用
いて 120℃で4時間乾燥した後、乾燥物をジェットミル
を用いて粉砕し、平均粒子径が45μmの止水剤(以下、
説明の便宜上、止水剤(8)と記す)を得た。
【0078】次いで、実施例1で用いた止水剤(1)の
代わりに上記止水剤(8)100 部を用いた以外は、実施
例1と同様の操作を行って止水テープを得た。該止水テ
ープの止水性能を実施例1と同様の方法により評価し
た。この結果、人工海水の送水距離は121mm であった。
この結果を表1に記載した。
【0079】
【表1】
【0080】〔比較例1〕実施例1で用いた止水剤
(1)の代わりに、吸水性樹脂粉末(A1)100 部を用い
た以外は、実施例1と同様の操作を行って止水テープを
得た。該止水テープの止水性能を実施例1と同様の方法
により評価した。この結果、人工海水の送水距離は433m
m であった。この結果を表2に記載した。
【0081】〔比較例2〕実施例1で得られた吸水性樹
脂粉末(A1)85部に対して、水可溶性樹脂として、重量
平均分子量が320,000 のポリエチレングリコール15部を
混合することにより、比較用の止水剤(以下、説明の便
宜上、止水剤(9)と記す)を得た。
【0082】次いで、実施例1で用いた止水剤(1)の
代わりに上記止水剤(9)100 部を用いた以外は、実施
例1と同様の操作を行って比較用の止水テープを得た。
該止水テープの止水性能を実施例1と同様の方法により
評価した。この結果、人工海水の送水距離は550mm であ
った。この結果を表2に記載した。
【0083】〔比較例3〕実施例1で得られた吸水性樹
脂粉末(A1)85部に対して、水可溶性樹脂として、重量
平均分子量が170,000 のポリアクリル酸ナトリウム15部
を混合することにより、比較用の止水剤(以下、説明の
便宜上、止水剤(10)と記す)を得た。
【0084】次いで、実施例1で用いた止水剤(1)の
代わりに上記止水剤(10)100 部を用いた以外は、実施
例1と同様の操作を行って比較用の止水テープを得た。
該止水テープの止水性能を実施例1と同様の方法により
評価した。この結果、人工海水の送水距離は620mm であ
った。この結果を表2に記載した。
【0085】〔比較例4〕実施例1で得られた吸水性樹
脂粉末(A1)85部に対して、水可溶性樹脂として、重量
平均分子量が680,000 のポリビニルアルコール15部を混
合することにより、比較用の止水剤(以下、説明の便宜
上、止水剤(11)と記す)を得た。
【0086】次いで、実施例1で用いた止水剤(1)の
代わりに上記止水剤(11)100 部を用いた以外は、実施
例1と同様の操作を行って比較用の止水テープを得た。
該止水テープの止水性能を実施例1と同様の方法により
評価した。この結果、人工海水の送水距離は390mm であ
った。この結果を表2に記載した。
【0087】
【表2】
【0088】表1および表2から明らかなように、本実
施例で得られた止水剤を用いた複合止水材としての止水
テープは、比較例で得られた止水テープと比べて送水距
離が短く、止水性能に優れていることが判る。
【0089】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のケーブル用止水
剤は、以上のように、吸水性樹脂(A)と、N−ビニル
アセトアミド系の水可溶性樹脂(B)とを含む構成であ
る。
【0090】本発明の請求項2記載のケーブル用止水剤
は、以上のように、請求項1記載のケーブル用止水剤に
おいて、上記吸水性樹脂(A)と水可溶性樹脂(B)と
の配合割合が、吸水性樹脂(A)70重量%〜99重量%、
水可溶性樹脂(B)30重量%〜1重量%である構成であ
る。
【0091】本発明の請求項3記載のケーブル用止水剤
は、以上のように、請求項1または2記載のケーブル用
止水剤において、上記水可溶性樹脂(B)が、Nービニ
ルアセトアミドを50重量%以上含む単量体成分から導か
れる重合体である構成である。
【0092】本発明の請求項4記載のケーブル用止水剤
は、以上のように、請求項1ないし3の何れか1項に記
載のケーブル用止水剤において、上記水可溶性樹脂
(B)の重量平均分子量が10,000〜1,000,000 の範囲内
である構成である。
【0093】本発明の請求項5記載の複合止水材は、以
上のように、上記請求項1ないし4の何れか1項に記載
のケーブル用止水剤と、上記ケーブル用止水剤を担持す
る基材とを少なくとも有する構成である。
【0094】上記の構成によれば、止水性能が従来より
も改善されたケーブル用止水剤および複合止水材を提供
することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例で得られた止水テ
ープの止水性能を評価するために用いた装置の一部破断
図である。
【符号の説明】
1 ガラス管 2 構造物 3 模擬ケーブル 4 容器 5 コック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08F 299/02 MRS C08F 299/02 MRS

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸水性樹脂(A)と、N−ビニルアセトア
    ミド系の水可溶性樹脂(B)とを含むことを特徴とする
    ケーブル用止水剤。
  2. 【請求項2】上記吸水性樹脂(A)と水可溶性樹脂
    (B)との配合割合が、吸水性樹脂(A)70重量%〜99
    重量%、水可溶性樹脂(B)30重量%〜1重量%である
    ことを特徴とする請求項1記載のケーブル用止水剤。
  3. 【請求項3】上記水可溶性樹脂(B)が、Nービニルア
    セトアミドを50重量%以上含む単量体成分から導かれる
    重合体であることを特徴とする請求項1または2記載の
    ケーブル用止水剤。
  4. 【請求項4】上記水可溶性樹脂(B)の重量平均分子量
    が10,000〜1,000,000 の範囲内であることを特徴とする
    請求項1ないし3の何れか1項に記載のケーブル用止水
    剤。
  5. 【請求項5】上記請求項1ないし4記載の何れか1項に
    記載のケーブル用止水剤と、上記ケーブル用止水剤を担
    持する基材とを少なくとも有することを特徴とする複合
    止水材。
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