JP7291686B2 - 吸水性樹脂粒子及びその製造方法 - Google Patents
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CONV(%)={B/(A+B)}×100 (1) 式(1)中、CONVは、粒子欠損度を表し、Aは、画像解析法により得られる対象粒子の投影面積を表し、Bは、画像解析法により得られる対象粒子の凸部を結んだ包絡線で囲まれた投影面積からAで示す対象粒子の投影面積を引いた値を表す。 また、本発明は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)並びに内部架橋剤(b)を必須構成単位とする単量体組成物を重合して架橋重合体(A)の含水ゲルを得る重合工程と、架橋重合体(A)の含水ゲルを細分する工程と、細分したゲルをゲル温度40℃~120℃で混練細断する工程と、架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子(B)の表面を表面架橋剤(c)で表面架橋する工程とを有する、吸水性樹脂粒子の製造方法である。
CONV(%)={B/(A+B)}×100 (1)
式(1)中、CONVは、粒子欠損度を表し、Aは、画像解析法により得られる対象粒子の投影面積を表し、Bは、画像解析法により得られる対象粒子の凸部を結んだ包絡線で囲まれた投影面積からAで示す対象粒子の投影面積を引いた値を表し、粒子の欠損部の面積を表す。なお、粒子欠損度は、0%以上100%未満であり、0%に近いほど粒子に凹凸がなく、なめらかな表面であることを意味する。
図1は、粒子欠損度を求める方法を説明する模式図である。対象粒子の投影面積(A)が、図1の「粒子投影エリア」から求められる。次に、粒子投影エリアの凸部を結んだ包絡線で囲まれた投影面積(A+B)が、対象粒子の投影面積(A)であるA部と欠損部であるB部を含んだ面積として求められる。これらの値からB部の面積が求められる。
(i)炭素数8~30の芳香族エチレン性モノマー
スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン及びヒドロキシスチレン等のスチレン、並びにビニルナフタレン及びジクロルスチレン等のスチレンのハロゲン置換体等。
(ii)炭素数2~20の脂肪族エチレンモノマー
アルケン[エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等];並びにアルカジエン[ブタジエン及びイソプレン等]等。
(iii)炭素数5~15の脂環式エチレンモノマー
モノエチレン性不飽和モノマー[ピネン、リモネン及びインデン等];並びにポリエチレン性ビニル重合性モノマー[シクロペンタジエン、ビシクロペンタジエン及びエチリデンノルボルネン等]等。
水溶液重合を行う場合、有機溶媒の使用量(重量%)は、水の重量を基準として40以下が好ましく、更に好ましくは30以下である。
ラジカル重合触媒の使用量(重量%)は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)の、その他のビニルモノマー(a3)を用いる場合は(a1)~(a3)の、合計重量に基づいて、0.0005~5が好ましく、更に好ましくは0.001~2である。
溶媒の使用量は、溶媒の種類により適宜調整できるが、表面架橋前の吸水性樹脂の重量に基づいて、好ましくは1~10重量%である。また、水に対する溶媒の比率についても任意に調整することができるが、好ましくは重量基準で20~80重量%、更に好ましくは30~70重量%である。
親水性無機物粒子(D1)としては、ガラス、シリカゲル、シリカ及びクレー等の粒子が挙げられる。
疎水性無機物粒子(D2)としては、炭素繊維、カオリン、タルク、マイカ、ベントナイト、セリサイト、アスベスト及びシラス等の粒子が挙げられる。
これらのうち、親水性無機粒子(D1)が好ましく、最も好ましいのはシリカである。
他の材料としては繊維状物等が挙げられる。繊維状物と共に用いた場合の吸収体の構造及び製造方法等は、公知のもの(特開2003-225565号公報、特開2006-131767号公報及び特開2005-097569号公報等)と同様である。
粒子欠損度、保水量、ボルテックス法で測定される吸収速度、ロックアップ法で測定される吸収速度、荷重下吸収量、ゲル通液速度は、25±2℃、湿度50±10%の室内でそれぞれ以下の方法で測定した。なお、使用する生理食塩水の温度は予め25℃±2℃に調整して使用した。
目開き63μm(JIS Z8801-1:2006)のナイロン網で作製したティーバッグ(縦20cm、横10cm)に測定試料1.00gを入れ、生理食塩水(食塩濃度0.9%)1,000ml中に無撹拌下、1時間浸漬した後引き上げて、15分間吊るして水切りした。その後、ティーバッグごと、遠心分離器にいれ、150Gで90秒間遠心脱水して余剰の生理食塩水を取り除き、ティーバックを含めた重量(h1)を測定し次式から保水量を求めた。なお、使用した生理食塩水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃であった。
保水量(g/g)=(h1)-(h2)
(h2)は、測定試料の無い場合について上記と同様の操作により計測したティーバックの重量である。
標準ふるいを用いて300~600μmの範囲にふるい分けした測定試料2.000gが、JIS R 3503に規定する底面が平らな100mlのトールビーカー内で毎分600回の回転数で撹拌されている生理食塩水50gを吸収し終わるまでに必要とした時間(単位:秒)をJIS K7224-1996に準拠して測定し、ボルテックス法で測定される吸収速度とした。
測定試料1.000gをJIS R 3503に規定する底面が平らな100mlのトールビーカーに入れた。この際、ビーカーに入れた吸水性樹脂の上面が水平となるようにした。次に、23℃±2℃に調温した生理食塩水40gを100mlのガラス製ビーカーに量り取り、吸水性樹脂の入った100mlビーカーに丁寧に素早く注いだ。注ぎ込んだ生理食塩水が吸水性樹脂と接触したと同時に時間測定を開始した。そして、生理食塩水を注ぎ込んだビーカーを約90゜の角度で横に向けた際、流動物が吸水性樹脂表面から浸出しなくなった点を終点とし、この時間(単位:秒)をロックアップ法で測定される吸収速度とした。
目開き63μm(JIS Z8801-1:2006)のナイロン網を底面に貼った円筒型プラスチックチューブ(内径:25mm、高さ:34mm)内に、標準ふるいを用いて250~500μmの範囲にふるい分けした測定試料0.16gを秤量し、円筒型プラスチックチューブを垂直にしてナイロン網上に測定試料がほぼ均一厚さになるように整えた後、この測定試料の上に分銅(重量:310.6g、外径:24.5mm、)を乗せた。この円筒型プラスチックチューブ全体の重量(M1)を計量した後、生理食塩水(食塩濃度0.9%)60mlの入ったシャーレ(直径:12cm)の中に測定試料及び分銅の入った円筒型プラスチックチューブを垂直に立ててナイロン網側を下面にして浸し、60分静置した。60分後に、円筒型プラスチックチューブをシャーレから引き上げ、これを斜めに傾けて底部に付着した水を一箇所に集めて水滴として垂らすことで余分な水を除去した後、測定試料及び分銅の入った円筒型プラスチックチューブ全体の重量(M2)を計量し、次式から荷重下吸収量を求めた。なお、使用した生理食塩水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃であった。
荷重下吸収量(g/g)={(M2)-(M1)}/0.16
図2及び図3で示される器具を用いて以下の操作により測定した。
測定試料0.32gを150ml生理食塩水1(食塩濃度0.9%)に30分間浸漬して膨潤ゲル粒子2を調製した。そして、垂直に立てた円筒3{直径(内径)25.4mm、長さ40cm、底部から60mlの位置及び40mlの位置にそれぞれ目盛り線4及び目盛り線5が設けてある。}の底部に、金網6(目開き106μm、JIS Z8801-1:2006)と、開閉自在のコック7(通液部の内径5mm)とを有する濾過円筒管内に、コック7を閉鎖した状態で、調製した膨潤ゲル粒子2を生理食塩水と共に移した後、この膨潤ゲル粒子2の上に、金網面に対して垂直に結合する加圧軸9(重さ22g、長さ47cm)を有する円形金網8(目開き150μm、直径25mm)を、金網と膨潤ゲル粒子とが接触するように載せ、更に加圧軸9におもり10(88.5g)を載せ、1分間静置した。引き続き、コック7を開き、濾過円筒管内の液面が60ml目盛り線4から40ml目盛り線5になるのに要する時間(T1;秒)を計測し、次式よりゲル通液速度(ml/min)を求めた。
ゲル通液速度(ml/min)=20ml×60/(T1-T2)
なお、使用する生理食塩水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃で行い、T2は測定試料の無い場合について上記と同様の操作により計測した時間である。
含水ゲルをはさみで5mm角に細分したこと以外、実施例1と同様にして吸水性樹脂粒子(P-2)を得た。吸水性樹脂粒子(P-2)の全重量に対する300~600μmの粒子径を有する粒子の重量割合は70重量%であった。
含水ゲルの混練細断温度80℃を60℃としたこと以外、実施例1と同様にして吸水性樹脂粒子(P-5)を得た。吸水性樹脂粒子(P-5)の全重量に対する300~600μmの粒子径を有する粒子の重量割合は71重量%であった。
含水ゲルの混練細断温度80℃を100℃としたこと以外、実施例1と同様にして吸水性樹脂粒子(P-6)を得た。吸水性樹脂粒子(P-6)の全重量に対する300~600μmの粒子径を有する粒子の重量割合は71重量%であった。
含水ゲルの細分化サイズ約1mm角を約5mm角に、ミンチ機の目皿径16mmを8mmに、含水ゲルの混練細断温度80℃を100℃としたこと以外、実施例1と同様にして吸水性樹脂粒子(P-7)を得た。吸水性樹脂粒子(P-7)の全重量に対する300~600μmの粒子径を有する粒子の重量割合は71重量%であった。
含水ゲルをはさみで5mm角に細分したこと以外、実施例9と同様にして吸水性樹脂粒子(P-10)を得た。吸水性樹脂粒子(P-10)の全重量に対する300~600μmの粒子径を有する粒子の重量割合は71重量%であった。
特開2018-16750号公報の0075~0077段落に開示されている方法をトレースして比較用の吸水性樹脂粒子(R-4)を得た。即ち、アクリル酸(a1){三菱化学株式会社製、純度100%}270部、内部架橋剤(b-1){ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、株式会社大阪ソーダ製}0.98部及びイオン交換水712部を攪拌・混合しながら3℃に保った。この混合物中に窒素を流入して溶存酸素量を1ppm以下とした後、1%過酸化水素水溶液1.1部、2%アスコルビン酸水溶液2.0部及び2%の2,2’-アゾビスアミジノプロパンジハイドロクロライド水溶液13.5部を添加・混合して重合を開始させた。混合物の温度が80℃に達した後、80±2℃で約5時間熟成することにより含水ゲルを得た。
中和した含水ゲルの乾燥条件について、供給温度150℃を200℃に、風速1.5m/秒を5m/秒としたこと以外、比較例4と同様にして吸水性樹脂粒子(R-5)を得た。吸水性樹脂粒子(R-5)の全重量に対する300~600μmの粒子径を有する粒子の重量割合は70重量%であった。
測定試料50gを150μmのJIS標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)でふるい、150μm以下の粒子を除去した。ふるい上の残った150μm以上の粒子全量を3L丸底フラスコ(AS ONE製)に投入し、丸底フラスコの上部に、中心部に6mmの穴を開けた目開き63μmのナイロン網(JIS Z8801-1:2000)を敷き、さらにその上に4つ口セパラブルカバー(AS ONE製 主管TS29/42、側管TS24/40、24/40、15/35)をセットした。次に4つ口セパラブルカバーの主管TS29/42にステンレス製(外径6mm、内径4mm)管を、ナイロン網を通過し、かつ先端が丸底フラスコ底面から45mmの位置となるように、セットした。ステンレス製管のもう一方の末端にはウレタンチューブ(長さ1500mm、内径8.5mm)を装備し、0.3MPa以上の圧力が達成できるエアーラインに接続した。次に圧力0.2MPaにてエアーラインを開け、10分間エアーブローした後、測定試料を取り出し、150μmのJIS標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)でふるい、全重量に対する150μm以下の粒子の重量の割合(%)を、微粒子含有量の増加量とした。
2 含水ゲル粒子
3 円筒
4 底部から60mlの位置の目盛り線
5 底部から40mlの位置の目盛り線
6 金網
7 コック
8 円形金網
9 加圧軸
10 おもり
Claims (10)
- JIS標準ふるいを用いて300~600μmの範囲にふるい分けた粒子のうち、下記(1)式で定義される粒子欠損度(CONV)が1%以下である粒子が、体積比で50%以下であり、粒子欠損度(CONV)が8%以上である粒子が、体積比で5%以下であり、ボルテックス法で測定された吸収速度(秒)が50以下であり、ロックアップ法で測定された吸収速度(秒)が130以下である、吸水性樹脂粒子。
CONV(%)={B/(A+B)}×100 (1)
(式(1)中、CONVは、粒子欠損度を表し、Aは、画像解析法により得られる対象粒子の投影面積を表し、Bは、画像解析法により得られる対象粒子の凸部を結んだ包絡線で囲まれた投影面積からAで示す対象粒子の投影面積を引いた値を表す。) - 見掛け密度が0.5~0.7g/mlである請求項1に記載の吸水性樹脂粒子。
- 0.9重量%生理食塩水の保水量が単位重量あたり30~50g/gである請求項1または2に記載の吸水性樹脂粒子。
- 荷重下吸収量が10~27g/gである請求項1~3のいずれかに記載の吸水性樹脂粒子。
- ゲル通液速度が5~250ml/分である請求項1~4のいずれかに記載の吸水性樹脂粒子。
- 水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)並びに内部架橋剤(b)を必須構成単位とする単量体組成物を重合して架橋重合体(A)の含水ゲルを得る重合工程と、架橋重合体(A)の含水ゲルを細分する工程と、細分したゲルをゲル温度40℃~120℃でさらに混練細断する工程と、架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子(B)の表面を表面架橋剤(c)で表面架橋する工程とを有する、吸水性樹脂粒子の製造方法であって、混練細断する前の、細分後のゲルの最長径で表した大きさは50μm~10cmである、製造方法。
- 含水ゲルを乾燥して架橋重合体を得た後、多価金属塩(d)を架橋重合体(A)の重量に基づいて0.01~5重量%混合する工程、を含む請求項6に記載の製造方法。
- 多価金属塩(d)がアルミニウムの無機酸塩である請求項7に記載の製造方法。
- 請求項1~5のいずれかに記載の吸水性樹脂粒子を含む吸収体。
- 請求項9に記載の吸収体を備えてなる吸収性物品。
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