JPH06114472A - 板材搬入出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 板材加工機に手作業で板材を搬入する場合
に、ローダのレールが邪魔にならないようにする。 【構成】 板材加工機３のワークテーブル４上に先端部
が片持状に延びるレール９を設ける。そのレール９に沿
って走行し、板材Ｗの吸着パッド１６を有するローダ２
を設ける。レール９は、板材加工機３の近傍位置で分割
する。このレール９の分割位置よりも先端側部分９ｂは
分割レール開閉支持機構１０でスライド自在に支持し、
板材加工機３側へ開き可能にする。板材加工機３とスト
ッカ装置１との間に設ける補助テーブル１８も、一部１
８ｂを下方へ折り曲げ可能とする。これらにより、板材
加工機３の側方に作業者の進入する空間を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、パンチプレスや、シ
アリング機、レーザ加工機等の板材加工機に付設する板
材搬入出装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、板材加工機において、板材ストッ
カの板材を一枚ずつ吸着して搬入するローダを付設し、
自動運転を行うようにしたものがある。前記ローダは、
架設レールに沿って走行するものであり、前記レール
は、板材加工機のワークテーブルの上方へ片持状に延び
る構成のもの等が使用される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、特殊なサイズ
の板材や、保守後の加工再開時等において、手作業で板
材を板材加工機のワークテーブルに供給することが必要
な場合がある。このように手作業で板材供給を行う場合
に、ローダのレールがワークテーブル上に延びている
と、レールが邪魔になって板材供給を行えないことがあ
る。

【０００４】この発明の目的は、板材供給を手作業で行
う場合等に、ローダのレールが邪魔になることのない板
材搬入出装置を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明の板材搬入出装
置は、板材加工機のワークテーブル上に先端部が片持状
に延びるレールと、板材の吸着手段を有し前記レールに
沿って走行するローダとを備えた装置であって、前記レ
ールを板材加工機の近傍位置で分割し、このレールの分
割位置よりも先端側部分を所定の退避位置へ開き可能に
支持する分割レール開閉支持機構を設けたものである。

【０００６】

【作用】この構成によると、分割レール開閉支持機構で
支持されたレールの先端側部分を所定の退避位置まで開
くことにより、板材加工機の側方に作業者の入る空間が
確保できる。この空間に作業者が入ることにより、レー
ルが邪魔とならずに、板材加工機のワークテーブル上に
板材を手動で供給することができる。

【０００７】

【実施例】この発明の一実施例を図１ないし図６に基づ
いて説明する。図２は板材加工ラインの一部を示す平面
図、図３はその正面図である。ストッカ装置１は素材と
なる板材Ｗおよび加工された製品板材Ｗ１を貯蔵するも
のであり、このストッカ装置１に貯蔵された素材板材Ｗ
はローダ２によって、隣接する板材加工機であるタレッ
トパンチプレス３のワークテーブル４上に搬入される。

【０００８】ストッカ装置１は、ストッカ本体５と、こ
のストッカ本体５の前面に沿って昇降するエレベータ６
と、素材板材Ｗを積層したパレットＰをストッカ本体５
の後方に退避させるパレット退避部５ａとを設けたもの
である。ストッカ本体５は、外装フレーム７の内側に、
前方へ延びる左右一対のアームからなる載置棚８を多段
に設けたラック状のものであり、素材板材Ｗや製品板材
Ｗ１を積層したパレットＰが各載置棚８に載せられる。
ストッカ本体５の最下段は製品板材Ｗ１を積層するパレ
ットＰが退避する製品パレット退避位置とされ、その一
段上は素材板材Ｗあるいは製品板材Ｗ１を積層するパレ
ットＰを待機させるパレット待機位置とされる。製品パ
レット退避位置の下方には、この位置に退避するパレッ
トＰを前記パレット待機位置まで持ち上げるパレット昇
降装置２１が設けられている。

【０００９】ストッカ本体５には、前記ローダ２をタレ
ットパンチプレス３のワークテーブル４上まで走行させ
る２本の平行なレール９が設けられ、そのレール９の先
端部はワークテーブル４上まで片持状に延びている。各
レール９は、ストッカ本体５から突出する部分で分割さ
れ、その分割位置よりも先端側の分割レール部９ｂは、
ストッカ本体５の一側部から突出した突出フレーム１０
ａの下端に、リニアベアリング１１を介してタレットパ
ンチプレス３側へ退避移動可能に支持されている。リニ
アベアリング１１は、対面する一対の内側面に多数のボ
ール（図示せず）を循環移動自在に設けた逆Ｕ字形のも
のであり、これらのボールが分割レール部９ｂの上面に
設けられたガイドレール１２の両側面のガイド溝（図示
せず）に係合することにより、ガイドレールを長手方向
に進退自在に吊持する。前記突出フレーム１０ａとリニ
アベアリング１１とで分割レール開閉支持機構１０が構
成される。なお、２本の分割レール９ｂ，９ｂはレール
連結材（図示せず）で互いに連結されている。

【００１０】図４および図５に平面図および正面図で示
すように、前記レール９におけるストッカ側レール部９
ａと分割レール部９ｂの分割端部は、これらの上面およ
び外側面に設けられた手動クランプ装置１３，１４によ
って連結される。手動クランプ装置１３，１４は、起倒
するハンドルによって進退するフックを、相手側のＵ字
部材に係合させることにより締め付け状態に連結するも
のである。また、分割レール部９ｂの外側面には、この
分割レール９ｂを退避および復帰移動させるときの把手
１５が設けられている。

【００１１】図２に示すように、前記ローダ２は、素材
板材Ｗを吸着する複数の吸着パッド１６を下面に分散配
置したものであり、ローダ基部２ａの両側部に設けられ
たリニアベアリング（図示せず）を介して前記２本のレ
ール９の内側面のガイドレール（図示せず）に走行自在
に設置されている。ローダ２は、ローダ基部２ａに搭載
されたモータ１７によって自走可能である。前記レール
９には、このローダ２とは別に、タレットパンチプレス
３で加工された製品板材Ｗ１の一端を把持してストッカ
本体５内まで搬出するアンローダ（図示せず）が走行自
在に設置されている。

【００１２】また、図１に示すように、ストッカ本体５
とタレットパンチプレス３のワークテーブル４との間に
は、ワークテーブル４の使用領域の拡張やアンロードの
円滑のための補助テーブル１８が付設されている。この
補助テーブル１８は、ストッカ本体５側の固定テーブル
部１８ａと、タレットパンチプレス３側の傾動テーブル
部１８ｂとからなる。傾動テーブル部１８ｂはその基端
部が、固定テーブル部１８ａを支持するフレーム１９の
上端部に回動自在に枢支され、前記フレーム１９の中段
部に枢支されたシリンダ２０の進退駆動によって使用状
態である水平姿勢から退避姿勢である垂直姿勢まで傾動
可能である。

【００１３】上記構成の動作を説明する。ストッカ本体
５内のパレット待機位置にあるパレットＰ上の最上部の
素材板材Ｗは、ローダ２の吸着パッド１６に吸着され持
ち上げられた後、レール９に沿って走行するローダ２に
よってタレットパンチプレス３のワークテーブル４上に
搬入される。

【００１４】素材板材Ｗをタレットパンチプレス３で加
工して得られる製品板材Ｗ１は、同じレール９に沿って
走行するアンローダ（図示せず）によってその一端を把
持されて、ストッカ本体５内のパレット待機位置まで搬
出され、待機している製品用のパレットＰ上に移載され
る。このとき、パレット待機位置にあった素材板材Ｗの
積層パレットＰは、一旦ストッカ本体５の後方のパレッ
ト退避部５ａに退避させておく。このような動作を繰り
返してタレットパンチプレス３の自動運転が行われる。

【００１５】素材板材Ｗをタレットパンチプレス３のワ
ークテーブル４に手作業で供給する場合は、以下の手順
によりレール９の分割レール部９ｂと、補助テーブル１
８の傾動テーブル部１８ｂを退避させる。すなわち、レ
ール９については、そのストッカ側レール部９ａと分割
レール部９ｂとを連結している手動クランプ装置１３，
１４のクランプを解き、把手１５を掴んで分割レール部
９ｂをタレットパンチプレス３側にスライド移動させ
る。これにより、分割レール部９ｂは、図６のように退
避し、ストッカ側レール部９ａと分割レール部９ｂとが
分離して、この間に作業者の進入できる隙間が確保され
る。

【００１６】また、補助テーブル１８については、シリ
ンダ２０の後退駆動で傾動テーブル部１８ｂを図６のよ
うに鎖線で示す水平姿勢から実線で示す垂直姿勢まで傾
動させる。これにより、傾斜テーブル部１８ｂが退避し
て、補助テーブル１８とワークテーブル４との間にも作
業者の進入できる隙間が確保される。その結果、ワーク
テーブル４の側方に作業者が進入して、素材板材Ｗを手
動供給する作業を容易に行うことができる。手動供給に
よる加工が終了すると、分割レール部９ｂはストッカ側
レール部９ａに連結し、傾動テーブル１８ｂは元の水平
姿勢に戻す。

【００１７】なお、前記実施例では、分割レール部９ｂ
をタレットパンチプレス３側への水平移動により退避さ
せる場合について説明したが、これに限らず傾動テーブ
ル部１８ｂのように上下に傾動させて退避させたり、前
後に回動させて退避させるようにしてもよい。

【００１８】

【発明の効果】この発明の板材搬入出装置は、板材加工
機のワークテーブル上に片持状に延びるローダ走行レー
ルを、板材加工機の近傍位置で分割し、このレールの分
割位置よりも先端側部分を開き可能に支持する分割レー
ル開閉支持機構を設けたため、レールの先端側部分を開
くことによって、板材加工機の側方に作業者の進入でき
る空間が確保できる。そのため、ワークテーブルに板材
を手作業で供給する等の作業者による板材加工機周辺の
作業が容易に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す部分正面図である。

【図２】その実施例が適用される板材加工ラインの一部
を示す平面図である。

【図３】その正面図である。

【図４】その実施例における分割レール部の平面図であ
る。

【図５】その正面図である。

【図６】その分割レール部の動作説明図である。

【符号の説明】

２…ローダ、３…タレットパンチプレス、４…ワークテ
ーブル、５…ストッカ本体、９…レール、９ａ…ストッ
カ側レール部、９ｂ…分割レール部、１０…分割レール
開閉支持機構、１１…リニアベアリング、１２…ガイド
レール、１３，１４…手動クランプ装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 板材加工機のワークテーブル上に先端部
   が片持状に延びるレールと、板材の吸着手段を有し前記
   レールに沿って走行するローダとを備え、前記レール
   は、前記板材加工機の近傍位置で分割し、このレールの
   分割位置よりも先端側部分を所定の退避位置へ開き可能
   に支持する分割レール開閉支持機構を設けた板材搬入出
   装置。