JPH0611344Y2 - 片開き扉装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は、クローゼットなど収納家具の前面開口に取り
付けて使用される片開き扉装置に関するものである。

［背景技術］ クローゼットなどの収納家具１０にあって、その前面の
開口を一対のパネル１２を蝶番で屈曲延展自在に連結し
て形成した二つ折りの折り畳み扉１１によって開閉する
ようにしたものがある。この収納家具１０は第６図(b)
のように壁９間に固定して設置されるものであり、収納
家具１０の前面の上端部位置において例えば天井にレー
ル５を取り付け、さらに収納家具１０の下端部位置にお
いて例えば床に下レール１３が取り付けてあり、一対の
各折り畳み扉１１の上端面の両端部に水平回動自在に取
り付けたランナー１４をレール５に走行自在に、一対の
各折り畳み扉１１の下端面の両端部に取り付けたピボッ
ト１５を下レール１３にスライド自在にそれぞれ取り付
けることによって、収納家具１０に折り畳み扉１１を設
けるようにしてある。そしてこの収納家具１０を壁９間
に設置するにあたって、収納家具１０の幅寸法と壁面間
の距離との関係から収納家具１０の側面と壁面との間に
第６図(a)に示すように隙間３０が生じることは避けら
れないものであり、このためにこの隙間３０がデッドペ
ースとならないように、隙間３０の前面開口に扉４を片
開きに回動されるようにして開閉自在に取り付け、隙間
３０によって収納部１６が形成されるようにしてある。

そしてこのものにあって第６図(c)のように、一対の折
り畳み扉１１を折り畳んでレール５に沿って片側へ寄せ
ることによって、収納家具１０の前面を大きな開口幅で
開口させることができ、また扉４を片開きに回動させる
ことによって収納部１６の前面を開口させることができ
るのである。しかしこのものでは、扉４を片開きに回動
させて収納部１６を開口させるにあたって、扉４を一杯
に回動させても扉４自体が邪魔になって扉４の存在する
部分では収納部１６を開口させることはできず、収納部
１６の前面を幅一杯開口させることはできないものであ
る。

［考案の目的］ 本考案は、上記の点に鑑みて為されたものであり、扉自
体が邪魔になることなく幅一杯に開口させることが可能
になり、加えて開口の幅に応じて扉を取り付けることが
できる片開き扉装置を提供することを目的とするもので
ある。

［考案の開示］ しかして本考案に係る片開き扉装置は、長さ寸法調整自
在に形成したシャフト１と、シャフト１の両端部にそれ
ぞれ設けられたランナー２，３と、切断により幅寸法を
調整自在に形成した扉４と、レール５とを備えており、
一方のランナー２が扉４の上端一側に水平回動自在に結
合可能であり、他方のランナー３が扉４の上端他側に着
脱自在に結合可能であり、両ランナー２，３がレール５
に走行自在に取り付け可能であることを特徴とするもの
であり、ランナー２を回動中心として扉４を片開きでき
るようにする他に、ランナー２，３をレール５に沿って
走行させることで扉４自体を移動させるようにし、もっ
て扉４自体が邪魔になることなく幅一杯に開口させるこ
とができるようにすると共に、シャフト１の寸法調整と
扉４の切断による幅調整で開口の幅に応じて扉４を取り
付けることができるようにしたものであって、以下本考
案を実施例により詳述する。

シャフト１は第３図に示すようにバー３１とパイプ３２
とで形成されるものであって、パイプ３２の一端にはナ
ット３３が固着してあり、バー３１の一方の端部には雄
ねじ部３８が設けてある。ナット３３に雄ねじ部３８を
螺合させてこの雄ねじ部３８をパイプ３２内に挿入させ
ることによってバー３１をパイプ３２に結合させ、シャ
フト１を構成させるようにするものであり、パイプ３２
内への雄ねじ部３８の挿入寸法の調整でシャフト１の全
体の長さ寸法を調整することができるようにしてある。
またランナー２，３はそれぞれ本体１８の両側に車輪１
９を取り付けて形成されるものであり、バー３１の先端
にランナー２の本体１８を結合固定し、さらにパイプ３
２の先端にランナー３の本体１８が連結してある。第３
図に示すようにパイプ３２の先端部内に連結軸３４の一
端部を鉛直面で回転自在に結合すると共に連結軸３４の
他端部をランナー３の本体１８に設けた係止穴３５に鉛
直面で回転自在に結合することによって、パイプ３２は
ランナー３の本体１８に鉛直面で回転自在に連結するよ
うにしてある。

扉４は例えばパーチクルボードを芯材とし化粧材を芯材
の両面に貼着して形成するなど、どこの箇所でも切断が
可能なように形成してあり、上記一対のランナー２，３
のうち一方のランナー２は第１図に示すように回動ピン
２０によって扉４の一方端部の上端面に水平回動自在に
取り付けてある。他方のランナー３には第２図に示すよ
うにその下側に縦片２１と横片２２で逆Ｌ字型に形成さ
れる取付プレート２３が固定的に取り付けてあり、取付
プレート２３の縦片２１には磁石を具備して形成される
マグネットキャッチ２４が固着してある。縦片２１の下
端には扉４側へ向けて斜め下方に突出する係止片２５が
延設してある。また扉４の他方の端部の上端部の背面に
は鋼板など磁性金属のキャッチプレート２６が固着して
あり、キャッチプレート２６の下端に背方へ向けて引掛
片２７が突出してある。扉４の下端面には回動ピン２０
の鉛直下方位置においてピボット１５が突出して取り付
けてある。

一方、前面が開口となった収納家具１０は床から天井に
至るように壁９間に設置されており、第４図(b)に示す
ように収納家具１０の側端面と壁面との間には隙間３０
が生じており、この隙間３０を収納部１６として利用す
るために収納家具１０と壁面との間にハンガー用のパイ
プ３６が取り付けてある。この収納家具１０の前面から
収納部１６の前面にかけて幅全長に亘るように、これら
の上端部と下端部とにはそれぞれ天井位置や床位置など
においてレール５と下レール１３とが設けてある。そし
て第４図(a)に示すように収納部１６の位置においてレ
ール５にランナー２，３を走行自在に取り付けると共に
下レール１３にピボット１５を水平回転自在でかつスラ
イド自在に挿入することによって、扉４の取り付けをお
こなうようにしてあり、また収納家具１０の位置におい
ては第６図に示したものと同様な一対の二つ折りの折り
畳み扉１１が取り付けてある。図中２９は扉４や折り畳
み扉１１に設けた把手である。

ここで、隙間３０の幅は収納家具１０の幅寸法と壁１間
の距離との関係で種々異なるために、隙間３０の幅に適
合させて扉４を取り付ける必要がある。このために、隙
間３０に合わせて扉４を施工現場で切断することによっ
て扉４の幅寸法を隙間３０の幅に合わせ（第１図におい
て鎖線で扉４の切断部分を示す）、扉４の切断端面に化
粧エッジ材３７を嵌合してビス止めすることによって切
断によって露出する部分を被覆する。扉４へのキャッチ
プレート２６の取り付けはこのように扉４の幅寸法調整
をおこなったのちにおこなうものである。またシャフト
１はナット３３を回してパイプ３２を回動させることに
よってパイプ３２へのバー３１の螺合挿入寸法を調整
し、シャフト１の長さを調整してランナー２，３間の間
隔を隙間３０の幅寸法に適合させる。このようにして隙
間３０の幅寸法に多少の変動があっても、扉４の幅寸法
やランナー２，３間の間隔を調整して、支障なく扉４の
取り付けをおこなうことができるものである。

上記のようにして扉４で収納部１８の前面を開閉するこ
とができるようにしてあるが、扉４に取り付けたキャッ
チプレート２６がランナー３の取付プレート２３に取り
付けたマグネットキャッチ２４に吸着されることによっ
て、扉４で収納部１６の開口を閉塞する状態を保持させ
るとができる。ここで扉４は一方の端部においてランナ
ー２に吊り下げ支持されているだけであるので、扉４は
他方の端部が下がるように傾いた状態になるおそれがあ
り、このときにはマグネットキャッチ２４の高さ位置と
キャッチプレート２６の高さ位置とがずれて吸着できな
いことが生じる。このために上記のように取付プレート
２３に係止片２５を設けると共にキャッチプレート２６
に引掛片２７を設けてあり、扉４を閉塞した際に係止片
２５の上に引掛片２７が乗り上げて扉４のこの他方の端
部を上方へ持ち上げるようにし、マグネットキャッチ２
４にキャッチプレート２６が確実に吸着されるようにし
てある。

しかしてこのものにあって、一対の折り畳み扉１１を折
り畳んで一方側に寄せることによって第５図(a)のよう
に収納家具１０前面を開口させることができ、また扉４
を手前に引いてマグネットキャッチ２４へのキャッチプ
レート２６の吸着状態を解除し、さらに扉４をランナー
２の回動ピン２０とピボット１５とを回動中心として片
開きに回動させることによって隙間３０で形成される収
納部１６の前面を開口させることができる。そして収納
部１６を幅一杯に開口させる場合には、第５図(b)のよ
うに一対の折り畳み扉１１を折り畳んで収納部１６と反
対側にに寄せ、この状態でランナー２，３をレール５に
沿って走行させると共にピボット１５を下レール１３に
沿ってスライドさせることによって、扉４を収納部１６
の前面から収納家具１０の前面側へ移動させ、扉４自体
が邪魔になることなく収納部１６の前面を全面に亘って
開口させるようにするものである。

［考案の効果］ 上述のように本考案にあっては、シャフトの両端部にそ
れぞれランナーを設け、扉の上端にこの一対のランナー
のうち一方のランナーを水平回動自在に結合し、レール
に両ランナーを走行自在に取り付けるようにしたので、
一方のランナーを回動中心として扉を片開きにすること
ができると共に、両ランナーをレールに沿って走行させ
ることで扉自体を移動させることができ、扉そのものが
邪魔になることなく収納部を幅一杯に開口させることが
可能になるものであり、またシャフトを長さ寸法調整自
在に形成すると共に扉を切断して幅調整可能に形成して
あるので、扉を取り付ける収納部の開口の幅寸法に多少
の変動があっても、扉の幅寸法やシャフトの寸法調整に
よるランナー間の間隔の調整で、支障なく扉の取り付け
をおこなうことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の一部の斜視図、第２図は同
上の一部の拡大断面図、第３図は同上のシャフト部分の
一部の拡大断面図、第４図(a)(b)は同上の全体を示す縮
小正面図と一部切欠縮小平断面図、第５図(a)(b)は同上
の作用を示す全体の縮小平断面図、第６図(a)(b)(c)は
従来例の縮小正面図と縮小平断面図と縮小平断面図であ
る。 １はシャフト、２，３はランナー、４は扉、５はレール
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】長さ寸法調整自在に形成したシャフトと、
   シャフトの両端部にそれぞれ設けられたランナーと、切
   断により幅寸法を調整自在に形成した扉と、レールとを
   備えており、一方のランナーが扉の上端一側に水平回動
   自在に結合可能であり、他方のランナーが扉の上端他側
   に着脱自在に結合可能であり、両ランナーがレールに走
   行自在に取り付け可能である片開き扉装置。