JPH06109250A - 燃焼装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、能力の絞り性の向上を図り、使い
勝手の良い石油を燃料とする調理用等の燃焼装置を提供
することを目的とする。 【構成】 燃焼部１２の下流側に燃焼室１３と燃焼ガス
通路１５とを連通させて設け、この燃焼ガス通路１５の
途中に受熱部１９が挿入されている。そして受熱部１９
と一体に構成された天板２０がケース２１の上部を貫通
して外部に開放されている。前記燃焼部１２には空気通
路２２を介して送風手段２４が連通された空気分配室２
３が連結され、さらにこの空気分配室２３から希釈用空
気通路２７が分岐され、燃焼室１３に連通されている。
そして空気分配室２３は希釈用空気通路２７に送り出す
空気量を調節する開閉弁３１を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、石油を燃料とし、たと
えば家庭用の調理装置として用いる燃焼装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般的に家庭の調理用等に用いる燃焼装
置は、燃料を気化し、これをバーナヘッドで燃焼させ、
燃焼炎で直接に鍋等を加熱するものが多い。以下にその
燃焼装置を図２を参照して説明する。図２示すように、
気化器１の上部に多数の炎口２を有するバーナヘッド３
が載置され、気化器１の側壁には気化用空気通路４を介
して燃焼供給管５の先端が気化器１内に臨むように設け
られ、燃焼供給管５の他端は燃料ポンプ６に連結されて
いる。一方気化用空気通路４は送風手段７と連通され、
送風手段７の一部はバーナヘッド３の周囲に設けられた
燃焼用空気通路８とも連通されている。これらの気化器
１、燃料ポンプ６、送風手段７等が箱状のケース９内に
配置され、このケース９の上部が開口され、バーナヘッ
ド３が上方に向かって露出されている。このバーナヘッ
ド３の周囲のケース９の上部に五徳１０が載置されるよ
うに構成されている。

【０００３】この構成において気化器１が電気ヒーター
等で加熱された後に、送風手段７により気化用空気通路
４と燃焼用空気通路８にそれぞれ空気が送られると、石
油燃料が燃料供給管５により供給され、気化器１内で気
化され、混合気となって炎口２から噴出され、この混合
気に着火するとバーナヘッド３の周囲に火炎１１が形成
されるようになっていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の燃焼装置の構成では、調理作業の都合上、燃焼装置の
能力を小さく絞って使用する場合、燃焼ガスの特性が悪
化するために限界が有り、その調節幅が少ないことが使
い勝手を悪くするという課題を有していた。

【０００５】本発明は上記課題を解決するもので、能力
の絞り性のよい燃焼装置を提供することを目的としたも
のである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、液体燃料を燃焼させる燃焼部の下流に設けら
れた燃焼室と、前記燃焼部に空気通路を介して設けられ
た空気分配室、この空気分配室から分岐され、前記燃焼
室に連通された希釈用空気通路とを有し、希釈用空気路
への送風調節手段を設けた構成とする。

【０００７】

【作用】本発明は上記構成において、燃焼ガス中に空気
の量を可変させて導入できるので、燃焼ガスの温度を自
在にコントロールし、受熱部の温度を低下させることに
より、天板の温度も低下させることができる。これによ
り、燃焼装置の能力が一定でも天板から鍋等に伝達され
る熱量を減少できるので、燃焼ガスの特性を悪化させる
ことなく能力を絞りこむことができることとなる。

【０００８】

【実施例】以下本発明の実施例を添付図面にもとずいて
説明する。図１において、１２は液体燃料を霧化あるい
は気化させて燃焼用空気と混合させ、拡散燃焼あるいは
あらかじめ混合燃焼を行わせる燃焼部である。この燃焼
部１２は横向きに霧化粒子あるいは気化ガスを噴出させ
て燃焼するように配置され、下流側にはグラスウールや
セラミック等の断熱材で内壁を覆われた燃焼室１３が設
けられている。この燃焼室１３の燃焼部１２と対向の内
壁上方に設けられた反転通路１４を介して連続する燃焼
ガス通路１５が、燃焼部１２の上方部でかつ横向きに形
成されている。前記燃焼ガス通路１５の下流側には筒状
の燃焼ガス出口１６が上方に向かって開放されている。
また燃焼部１２から燃焼室１３、反転通路１４、燃焼ガ
ス通路１５を介して燃焼ガス出口１６至るまでの連通し
ている部分を、密閉状の一つの管路として構成されてい
る。前記燃焼部１２と上部の燃焼ガス通路１５の間には
空気層や断熱材等で構成された仕切り部１７が設けら
れ、この仕切り部１７の下方の燃焼部１２の上流側には
空気層や断熱材等で囲まれた制御室１８が設けられてい
る。

【０００９】また燃焼ガス通路１５の略中央には複数枚
の板状体よりなる受熱部１９が底部近傍まで挿入され、
受熱部１９の上部には一体構成として組上げられた平板
状の天板２０が設けられている。この受熱部１９や天板
２０は金属等の熱伝導の良好な耐熱材料で構成されてい
る。前記天板２０は燃焼ガス通路１５の上部に載置さ
れ、かつ燃焼ガスの漏れがないようにパッキンやシール
材等を介して装着されている。前記天板２０の上端部は
装置の外郭を構成するケース２１の上部を貫通して表出
している。

【００１０】一方燃焼部１２の下流側には筒状の空気通
路２２を介して空気分配室２３が接続され、この空気分
配室２３には送風機からなる送風手段２４の送風側が連
結されている。前記空気分配室２３や送風手段２４は制
御室１８内に配置され、送風手段２４の吸気側は制御室
１８に開放されている。この制御室１８に沿うケース２
１の側壁に空気入口２５が設けられている。前記空気分
配室２３は内部が二重の部屋に構成され、すなわち空気
通路２２に接続された前室２６と、空気分配室２３から
分岐して設けられた希釈用空気通路２７に接続された後
室２８に分けられている。送風手段２４は空気分配室２
３の前室２６に連通され、前室２６と後室２８の隔壁２
９には空気通路２２の開口面積よりも大きく開口された
分岐口３０が設けられている。空気分配室２３の内部に
はこの分岐口３０を閉止したり、少しずつ開閉させるた
めの開閉弁３１が設けられ、この開閉弁３１はモーター
からなる駆動装置３２に連結されている。また希釈用空
気通路２７の他端は燃焼部１２の下方を通り、燃焼室１
３の底部に設けられた流入口３３に連通され、流入口３
３の上部にはガイド３４が装着されている。また燃焼部
１２には燃料ポンプからなる燃料供給手段３５が燃料管
３０を介して連結されている。前記燃料供給手段３５は
送油管３７を介して燃料タンク（図示せず）と連通され
ている。また燃料供給手段３５および制御部品（図示せ
ず）は制御室１８内に設置されている。図中の３８は火
炎、３９の黒矢印は燃焼ガス、４０の白矢印は空気を示
す。

【００１１】上記構成において、燃焼装置の能力を定格
（Ｈｉ燃焼）に設定して運転を開始するときは、送風手
段２４を作動させ、燃焼用空気を空気入口２５から空気
分配室２３に流入させる。このとき分岐口３０は開閉弁
３１により閉止されているので、燃焼用空気は前室２６
を通り空気通路２２から燃焼部１２に供給された後、燃
料供給手段３５により燃料が燃焼部１２に供給され、点
火装置（図示せず）により着火が行われ、定格能力の火
炎３８が燃焼部１２に形成される。火炎３８の燃焼ガス
３９は燃焼室１３から反転通路１４を上昇し、燃焼ガス
通路１５に流入し、燃焼ガス出口１６から排出される。
このとき燃焼ガス３９が燃焼ガス通路１５を通過しなが
ら受熱部１９を加熱し、この熱を天板２０が受けて、天
板２０が高温になるので、この上に鍋等を乗せると調理
を行うことができる。

【００１２】ここで火炎３８の燃焼ガス３９の特性が悪
化しない範囲で能力を小さく絞る場合は、燃焼供給手段
３５の燃料の供給量に合わせた配分の燃焼用空気を送風
手段２４を構成する送風機の回転数を少なくすることに
より対応し、さらに能力を小さく絞る場合は空気分配室
２３の駆動装置３２を作動し、開閉弁３１を作動させて
分岐口３０を開口させ、燃焼用空気の一部の空気４０を
後室２８から希釈用空気通路２７へ流入させ、流入口３
３から燃焼室１３に導入された後、燃焼ガス３９と混合
させて燃焼ガス３９の温度を低下させることができる。
このとき燃焼部１２に流入される燃焼用空気と希釈用空
気通路２７に流入される空気４０とは分岐口３０の開口
される割合と送風機の回転数の調整により燃焼ガス３９
の特性が悪化しないように保つことができる。これによ
り燃焼装置の能力を小さく絞りこむことができるので、
多様な調理作業に対応でき使い勝手を向上できるという
効果がある。

【００１３】また天板２０を介して鍋等に熱を伝えるの
で、直火のように熱が分散して周囲の空気中に逃げるこ
とが無いので、熱効率が向上し、燃費が改善され、経済
的な調理装置を供給できるという効果がある。また平板
状の天板２０がケース２１の外部に表出しているだけで
あるので、調理後の掃除が容易になるという効果があ
る。また燃焼部１２が外部に開放されていないので、調
理時の煮こぼれ等の汚れが内部に侵入せず、長時間良好
な状態を維持できるという効果がある。また燃焼室１３
の内壁を断熱材で覆ったので、内壁からの放熱を防止
し、熱効率を向上でき、かつケース２１表面の温度を低
下させ、やけどを防止できるという効果がある。また希
釈用空気通路２７を燃焼部１２の下方に設けたので、燃
焼部１２からの熱を遮断して燃焼装置の架台等への過熱
が防止できるという効果がある。また火炎３８をケース
２１外に出させないので、他に燃え移ることがなく安全
な調理装置を提供できるという効果がある。また希釈用
空気通路２７を介して空気を送ることができるので、燃
焼装置を停止させたときにこの空気によりケース２１外
に表出した天板２０を冷却させ、短時間で温度を降下で
きるので、安全性が向上するという効果がある。

【００１４】

【発明の効果】以上の実施例の説明より明らかなように
本発明の燃焼装置によれば、次の効果が得られる。 （１）送風手段を連通した空気分配室を希釈用空気通路
を介して燃焼室に連通させたので、燃焼ガスの温度を空
気の希釈により低下でき、燃焼ガスの特性を悪化させる
ことなく能力を小さく絞りこみ、多様な調理作業に対応
できる。 （２）燃焼ガス通路の途中に受熱部を介して天板を設け
たので、天板上に載置される鍋等に十分な熱が伝わり、
直火による放熱損失を防止して熱効率を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の燃焼装置の要部断面図

【図２】従来の燃焼装置の断面図

【符号の説明】

１２ 燃焼部 １３ 燃焼室 １５ 燃焼ガス通路 １９ 受熱部 ２０ 天板 ２２ 空気通路 ２３ 空気分配室 ２４ 送風手段 ２７ 希釈用空気通路 ２８ 燃料供給手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇野 克彦 奈良県大和郡山市筒井町800番地 松下住 設機器株式会社内 (72)発明者 麻生 智倫 奈良県大和郡山市筒井町800番地 松下住 設機器株式会社内 (72)発明者 仲山 浩司 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡１丁目３番１ 号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 明星 徹 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡１丁目３番１ 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料の燃焼を行う燃焼部と、この燃焼部
   の下流側に設けた燃焼室と、燃焼室の下流側に密閉路と
   して構成された燃焼ガス通路と、前記燃焼ガス通路に挿
   入され一体に設けた天板を外部に表出させた受熱部と、
   燃焼部の上流側に設けた空気分配室を備え、前記空気分
   配室に燃焼用空気を送る送風手段を設け、空気分配室は
   空気通路を介して燃焼部に連通されるとともに希釈用空
   気通路を介して燃焼室に連通され、かつ希釈用空気通路
   への送風調節手段を有する燃焼装置。