JPH0610917Y2 - 調理器の遮熱装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は調理器の遮熱装置に関するものである。

〔従来の技術〕

電気天ぷら鍋、ホットプレート等の電気加熱部及び電装
部を備えた調理器においては、電装部に熱の影響が及ぶ
ことを避けるために、加熱部と電装部の間隔を大きく形
成したり、両者の間に独立した部材でなる遮熱板を取付
けることが従来から行われている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、遮熱のために、加熱部と電装部の間隔を
大きくすることは器具の寸法形状が大形化する問題があ
る。また、別部材の遮熱板を取付けることは、部品点数
の増加、作業工程の増大をもたらし、製品のコスト高の
原因となる。

そこで、この考案はこれらの問題点を解決し、小形でし
かも遮熱効果の優れた遮熱装置を提供することを技術的
課題とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するために、この考案は料理器本体の
加熱部と電装部との間に遮熱部を設けた料理器の遮熱装
置において、上記の遮熱部を調理器本体の底面に形成さ
れた中空リブにより形成し、そのリブの中空部の開放部
を調理器本体の底面に設けると共に該リブの上端部を調
理器本体の内面の一部に当接させた構成を採用したもの
である。

〔作用〕

加熱部から放射される輻射熱は遮熱部を構成する中空リ
ブの２枚の側板とその間の中空部とにより遮断される。
中空部の加熱された空気は調理器本体の底面の開放部か
ら外部に放散される。

〔実施例〕

図面に示す実施例の調理器は、電気天ぷら鍋であり、調
理器本体Ａと鍋４との組合せから成る。調理器本体Ａは
プラスチック製の環状のガード１の内側に金属製遮熱板
２（第２図参照）を取付けると共に、その遮熱板２の上
に加熱板３を設け、その加熱板３上に鍋４を着脱自在に
載せるようになっている。

ガード１の外側面の一部に電装部５が設けられる。電装
部５はガード１と一体の電装部カバー６と、その電装部
カバー６の底面にビス７で固着される電装部底板８とか
らなる。

電装部カバー６の下面には、ガード１に接近した位置に
平行２本のリブ９でなる溝１０が設けられる。

電装部底板８に、上記の溝１０に対向して遮熱部１１が
設けられる。遮熱部１１は電装部底板８と一体成形され
た中空リブ１２により形成される。中空リブ１２は電装
部底板８から立上がった対向２枚の側板１３と、その長
さ方向の両端で対向する２枚の端板１４（第１図参照）
及びこれらの上面を閉塞し、上端部を形成する上面板１
５により構成され、上面板１５上には長さ方向のリブ１
６が形成される。また、上記中空リブ１２の中空部１７
は、電装部底板８に形成した開放部１８（第２図参照）
により、外部に開放される。

中空リブ１２の上面は、第１図に示すように、電装部カ
バー６の形状に従って一方に傾斜している。上面板１５
上のリブ１６は、電装部カバー６の下面に形成した前述
の溝１０に嵌る。

上面板１５を２本のリブ９に接触させることは、電装部
５の内部へ熱が伝わることを防止する上で望ましい。し
かし、電装部カバー６と電装部底板８の成形に高い精度
が要求されるので、実施例の場合は、中空リブ１２の上
面板１５のリブ１６を溝１０に嵌入せしめ、溝１０の２
本のリブ９と上面板１５との間に若干のすき間を設けて
いる（第２図参照）。これにより成形上の精度を必要と
せず、かつリブ１６と溝１０との嵌り合いにより形成さ
れるラビリンスにより熱の侵入を防ぐようにしている。

この考案において中空リブ１２の上端部を電装部カバー
６に当接させるというのは、このような場合、即ち実質
的に当接させるものも含むものである。

また、上記中空リブ１２の外側の側板１３と電装部底板
８との間の２箇所に、電子ユニット基板１９の挿入溝２
０、２０′が設けられる（第１図参照）。またこれに対
向して同様の挿入溝２１、２１′が電装部カバー６にも
設けられる。

その他、第２図において、２２は遮熱板２とガード１と
の取付用スペーサである。このスペーサ２２は、第３図
に示すように段差があり、高い方の段部に遮熱板２がビ
ス２３で取付けられ、低い方の段部に螺入したビス２４
でスペーサ２２とガード１とを結合する。これにより、
遮熱板２の熱がスペーサ２２との連結部分を経てガード
１に伝導することを防止する。

また、第２図において、２５は鍋４の温度センサー、２
６は加熱板３の温度センサーであり、これらは共通のセ
ンサー取付ブロック２７に取付けられる。

実施例の電気天ぷら鍋は以上のごときものであり、加熱
板３から電装部５の方向へ向かう熱は、まずガード１に
より遮断され、そのガード１を通過した熱は、中空リブ
１２の内側の側板１３、中空部１７、及び外側の側板１
３を通って電装部５に及ぶが、この間に遮断される。

上記の中空部１７はその開放部１８により外気に通じて
いるから、特に遮熱効果が高い。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案は、調理器本体の加熱部と電装
部の間に中空リブでなる遮熱部を設け、その中空リブの
中空部を調理器本体の底面に形成した開放部を通じて外
部に開放したので、中空リブを形成する２枚の側板と併
わせて優れた断熱効果を発揮する。

また、上記の中空リブは電装部底板等の調理器本体を構
成する部材と一体成形されるものであるから、遮熱のた
めに特別な部材を用いる必要がなく、また電装部等の調
理器本体の構成部材の形状寸法の増大をもたらすことが
ない利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の一部切欠分解斜視図、第２図は同上の
組立状態の断面図、第３図は第２図のIII−III線の断面
図である。 Ａ……調理器本体 １……ガード、２……遮熱板、 ３……加熱板、４……鍋、 ５……電装部、６……電装部カバー、 ７……ビス、８……電装部底板、 ９……リブ、１０……溝、 １１……遮熱部、１２……中空リブ、 １３……側板、１４……端板、 １５……上面板、１６……リブ、 １７……中空部、１８……開放部、 １９……電子ユニット基板、 ２０、２０′、２１、２１′……挿入溝、 ２２……取付用スペーサ、 ２３、２４……ビス、 ２５、２６……温度センサー、

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】調理器本体の加熱部と電装部との間に遮熱
   部を設けた調理器の遮熱装置において、上記の遮熱部を
   調理器本体の底面に形成された中空リブにより形成し、
   そのリブの中空部の開放部を調理器本体の底面に設ける
   と共に該リブの上端部を調理器本体の内面の一部に当接
   させたことを特徴とする調理器の遮熱装置。