JPH06109145A - 弁装置 - Google Patents

弁装置

Info

Publication number
JPH06109145A
JPH06109145A JP26135992A JP26135992A JPH06109145A JP H06109145 A JPH06109145 A JP H06109145A JP 26135992 A JP26135992 A JP 26135992A JP 26135992 A JP26135992 A JP 26135992A JP H06109145 A JPH06109145 A JP H06109145A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve body
water
resin
weight
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26135992A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuyo Haba
みつ代 羽場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP26135992A priority Critical patent/JPH06109145A/ja
Publication of JPH06109145A publication Critical patent/JPH06109145A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sliding Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、弁装置を、液圧17.5kgf/cm
2 の流水を完全に止水または流量調節できるようにし
て、特に長時間連続して使用した場合でも耐液圧性を保
持して実用上の信頼性を満足できるものとする。 【構成】 ハウジング1の内部に固定された弁体6と、
この弁体に摺動自在に重ね合わされた可動の弁体7にそ
れぞれ切り欠きによる流通路15または流入路13、1
4を形成して、これら一対の弁体6、7の変位により止
水または流量調整を行なう弁装置において、弁体7を、
ポリフェニレンサルファイドまたはポリエーテルエーテ
ルケトンなどの合成樹脂100重量部とエポキシシラン
処理を施した疎水性合成マイカ20〜200重量部と炭
素繊維20〜100重量部とを配合した樹脂組成物の成
形体で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、水道水用水栓、温水
・冷水混合水栓、便器用温水洗浄器の流路切り換え栓な
どに用いられ、摺接する弁体の変位により止水または流
量調整を行なう弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の弁装置の具体例として、家庭用水
道に用いられている温水・冷水混合栓の構造を図1ない
し図4を参照して説明する。
【0003】これらの図において、温水・冷水混合栓
は、ハウジング1の側面に流出路2を有し、パッキンガ
イドに流入路3と流入路4とを有し、これら両流入路の
いずれか一方が水道管、他方が湯沸器に接続されること
になる。
【0004】そして、上記のハウジング1の内部に設け
た弁収納凹部5内に、弁体6と弁体7およびリング状の
案内板8とが下から順に重なった状態で収納され、ハウ
ジング1上に固定された上蓋9に、弁を操作するレバー
10が取りつけられている。
【0005】ここで、弁体6は、ハウジング1の内径面
およびベース12に設けた突起11との嵌まり合いによ
ってベース12に固定され、中央に流出路2とその周囲
に一対の流入路13,14がハウジング1の流出路3,
4と連通するように形成されている。また、弁体7は、
案内板8と弁体6ではさまれ、弁収納凹部5の内径より
も小径の円盤であり、弁体6および案内板8に対して、
摺動が自在になっているとともに、弁体6に対する摺動
面に流出路2と連通する流通路15が設けられている。
【0006】さらに、上記の弁体6とベース12および
案内板8と上蓋9の間にゴム製のOリング16、19が
組み込まれ、このOリング16、19の弾性によって、
ベース12と弁体6、弁体6と弁体7、弁体7と案内板
8の間がそれぞれシールされている。また、前記の弁体
7とレバー10とはリンク棒17を介して連動して、こ
のリンク棒17が上蓋9にピン18で支持され、レバー
10を上下および回動させることによって弁体7を駆動
し、流通路15の変位により、温水・冷水および混合水
の取り出しと閉栓とが行えるようになっている。
【0007】なお、図1および図2は、弁体7が同図右
側に最も変位し、流通路15が両流入路13,14の何
れにも連通しない状態を示し、図3は流通路15が一方
の流通路13と連通する弁体7の位置を示し、温水また
は冷水が単独で取り出される状態を示し、図4は、流通
路15が両流通路13および14と連通する弁体7の位
置を示し、混合水の取り出し状態を示している。
【0008】以上述べたような弁装置は、弁体6および
7による摺動面間のすり合わせ状態に応じて、流量調整
または流路変更を行なうものであって、温水・冷水の混
合栓に限らず、便器などに設置される温水洗浄器の流路
切り換えなどにも使用することができる。
【0009】このような弁体6または弁体7は、いずれ
か一方をセラミックスで成形し、他方はフッ素樹脂、超
高分子量ポリエチレンなどの自己潤滑性を有する樹脂ま
たは二硫化モリブデン、カーボンなどの潤滑性を高める
フィラーを充填した樹脂で構成(たとえば実開昭63−
36765号公報)することが知られている。
【0010】しかし、自己潤滑性樹脂製の弁体は、耐ク
リープ性に劣り、繊維類充填材で補強しても、樹脂と補
強剤とのヌレ性の悪さから充分な補強効果が得られず、
結果として低い水圧にしか耐えられないか、または、こ
の樹脂弁体の肉圧を実用レベルとはかけ離れた大きなも
のとする必要があった。また、補強効果の大きい樹脂
に、自己潤滑性を有するフィラーを充填した系において
も、充分な潤滑性を得るには、相当量の潤滑性フィラー
を使用する必要があり、その結果、衝撃強度または耐ク
リープ性は著しく低下し、クラック発生または止水不良
などの問題が起こり、逆に潤滑性フィラーの量が少なす
ぎると、弁体摺接面の潤滑性が悪くなり、そのために弁
装置を操作するレバーなどのハンドルトルクが大きくな
って問題を生じる。
【0011】これらの問題を考慮したものとしては、弁
体を構成する樹脂成分がポリエーテルイミド樹脂、ポリ
エーテルサルフォン樹脂と炭素繊維、ガラス繊維および
適宜に粉末状充填剤を添加したものがあり、またはポリ
エーテルケトン樹脂35〜90重量%と平均繊維径が8
μm以下の炭素繊維10〜65重量%からなり、さらに
天然マイカなどの無機粉末充填剤を配合した樹脂組成物
が、特願平1−10687号に提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した一対
の弁体同士の摺接面は、僅かの平面度の狂いがあっても
液密に摺接できず、使用中に吸水して膨潤した弁体では
実用上の目安となる液圧17.5kgf/cm2 における止
水試験で液漏れするという問題点がある。
【0013】その原因としては、上記した樹脂組成物に
配合されたマイカの物性が考えられる。
【0014】そこで、この発明は、膨潤が原因と考えら
れる上記した弁体摺接面の平面度の問題点を解決し、弁
装置を、液圧17.5kgf/cm2 の流水を完全に止水ま
たは流量調節できるようにして、特に長時間連続して使
用した場合でも耐液圧性を保持して実用上の信頼性を満
足できるものにすることを課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、ハウジング内部に固定された
弁体とこの弁体に摺動自在に重ね合わされた可動弁体に
それぞれ切り欠きまたは開口を形成し、これら一対の弁
体の変位により止水または流量調整を行なう弁装置にお
いて、これら弁体のうちの少なくとも一方の弁体が、合
成樹脂100重量部と疎水性合成マイカ20〜200重
量部とを配合した樹脂組成物の成形体からなる構成を採
用したのである。
【0016】または、前記した成形体に代えて、合成樹
脂100重量部と疎水性合成マイカ20〜200重量部
と炭素繊維20〜100重量部とを配合した樹脂組成物
の成形体を採用することもできる。
【0017】以下、その詳細を述べる。
【0018】まず、この発明における合成樹脂は、とく
に限定されるものではなく、熱硬化性または熱可塑性の
いずれの樹脂であってもよく、たとえばフェノール樹
脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミンフェノール共
縮合樹脂、キシレン変性フェノール樹脂、ユリアグアナ
ミン共縮合樹脂、アミノ樹脂、アセトグアナミン樹脂、
メラミングアナミン樹脂、ポリエステル樹脂、ジアリル
フタレート樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、エポキ
シアクリレート樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、
ポリテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチ
レン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン樹
脂、エチレン−テトラフルオロエチレン、エチレン−ク
ロロトリフルオロエチレン共重合体、塩化ビニル樹脂、
塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン(低密度、高密度、
超高分子量)、塩素化ポリオレフィン、ポリプロピレ
ン、変性ポリオレフィン、水架橋ポリオレフィン、エチ
レン−ビニルアセテート共重合体、エチレン−エチルア
クリレート共重合体、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリ
アミドメタクリル樹脂、ポリアセテタール、ポリカーボ
ネート、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポ
リウレタンエラストマー、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフ
ォン、ポリエーテルイミド、ポリシアノアリールエーテ
ル、ポリエーテルケトン、アイオノマー樹脂、ポリフェ
ニレンオキサイド、メチルペンテンポリマー、ポリアリ
ルスルホン、ポリアリルエーテル、ポリフェニレンサル
ファイド、ポリスルホン、芳香族ポリエステル、ポリテ
トラメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、熱可塑性ポリエステルエラストマー、各種高分子
物質のブレンド物などを例示することができる。
【0019】また、以上述べた合成樹脂のなかでも、ガ
ラス転移点(Tg)が、摂氏85℃以上である合成樹脂
が好ましく、たとえば、ポリフェニレンサルファイド、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリシアノアリールエー
テル、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、
ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトンな
どの一群を例示することができる。特にこの群のうちの
前三者は、吸水率が低く、潤滑性、耐摩耗性が優れてい
るので、これらをの成形品を弁体として採用した弁装置
に、長期に亘る軽快なハンドル操作性と確実な止水性を
与える。
【0020】次に、この発明における疎水性合成マイカ
は、人工的に合成したマイカであって、天然マイカに比
べて不純物が少なく、疎水性のものである。具体例とし
ては、天然に産する金雲母として知られるKMg3 (A
lSi3 10)(OH)2 のOH- をF- で置換した構
造をもつ合成フッ素金雲母KMg3 (AlSi3 10
2 が好ましい。このような合成雲母を製造するには、
フッ化物の存在下で金雲母とおなじ組成となるように、
高純度のシリカ(SiO2 )、アルミナ(Al
2 3 )、マグネシア(MgO)および酸化カリウム
(K2 O)を調合し、高温溶融したのち、徐々に冷却し
て結晶化させればよい。疎水性合成マイカは、粉体化し
て、その平均粒径が5〜40μmの薄い鱗片状のものを
用いることが好ましい。なぜなら、5μm未満のもので
は耐摩耗性が悪く、また40μmを越えるものでは、径
と厚さの異方性が大きすぎることとなって、成形時のせ
ん断力でマイカの配向性が増長し、吸水時に弁体の摺接
面に平面度の狂いを生じさせないという所期の目的を達
成することが難しくなるからである。また、このような
疎水性合成マイカは、所定のマトリックスである合成樹
脂とマイカの接着性を向上させるように、エポキシシラ
ンなどのシランカップリング剤を用いて表面処理を施
し、さらに吸水率を低下させて所定のマトリックスであ
る合成樹脂の吸水による寸法の変化を一層抑制するよう
にすることが好ましい。このような物性を呈するよう調
製された市販の疎水性合成マイカとしては、兼松化成品
社製:FM−30ES,FM−5ESなどを挙げること
ができる。
【0021】この発明で用いる炭素繊維としては、アク
リルニトリル系、ピッチ系、セルロース系などの繊維
を、原料を特に限定することなく用いることができる。
特に、アクリルニトリル系の炭素繊維は、耐クリープ性
など機械的特性の補強効果の優れる点で好ましいもので
ある。
【0022】このような炭素繊維の繊維長は、特に限定
するものではないが、1〜6mm程度のものが望ましい。
なぜなら1mm未満の短繊維では、混練時の応力でさらに
短くなって強化材としての効果が低下し、一方、6mmを
越える長繊維では、混練時の分散性が悪くなって好まし
くないからである。また、炭素繊維の径は、8μm以下
のものを用い、特に平均繊維径8μm以下のものが望ま
しい。なぜなら、摺接面において材料組織から脱落した
り、または相手材によって折り曲げられたりした炭素繊
維が存在するが、それらは出来るだけ小さい単位、たと
えば粉状であることが、潤滑性、耐摩耗性にとって有利
であり、また、後述する成形後の摺動面の後加工におい
て、小さくて良好な面粗さを得る上で肝要だからであ
る。
【0023】以上述べた樹脂弁体を構成する原材料の配
合割合は、合成樹脂100重量部に対して疎水性合成マ
イカ20〜200重量部であるか、さらに炭素繊維20
〜100重量部を添加する。合成マイカが、20重量部
未満の少量では弁体の剛性が低く弁装置の初期の止水性
が悪くなり、耐摩耗性も劣るため、長期使用後には止水
性が一層悪くなる。また、200重量部を越える多量で
は、成形が困難となる。炭素繊維が20重量部未満の少
量では、潤滑性または耐摩耗性の向上がなく、100重
量部を越える多量では、弁体の成形が困難となる。
【0024】また、これら原材料の混合成形するときの
混合方法は、特に限定されるものでなく、通常一般の工
業的手法を採用できる。溶融成形法も特に限定するもの
ではないが、量産性、低コスト化を考えれば、射出成形
法が好ましい。
【0025】しかし、射出成形だけで摺接面の平面度も
含めて最終形状を得ることは非常に難しいので、射出成
形直後に同じ金型内で圧縮成形の行なえる、いわゆる射
出圧縮成形が有利である。通常は、成形後に摺動表面の
優れた平面度を出すために後加工を行なう。すなわち、
平面研削盤等で成形品素材の平行度および平面度を整え
た後、ラップ機で10〜50μm程度表面を磨き取る。
この際のラップ砥粒には、アルミナ、炭化ケイ素などを
主成分としたものを用いればよく、その粒度は非常に細
かいもの、たとえば#2000以下、好ましくは#40
00以下のものが適当である。
【0026】
【作用】この発明における弁装置は、弁体の少なくとも
一つが合成樹脂組成物からなり、そしてこの合成樹脂組
成物に配合される所定量のマイカが、従来の天然マイカ
のように水酸基を有して水に対する親和性の高い層状ケ
イ酸塩とは異なり、水酸基を有しない疎水性の合成マイ
カであるので、使用中の弁体の摺接面が膨潤せず、すな
わち吸水による寸法変化が抑えられ、また、潤滑性、耐
摩耗性にも優れたものとなる。さらに炭素繊維の混合さ
れた合成樹脂組成物から成形した弁体を用いると、機械
的強度の点でも一層好ましいものとなり、長期間にわた
って液漏れせず、優れたハンドル操作性を維持する。
【0027】
【実施例】実施例および比較例に使用した原材料を一括
して示すと以下の通りである。なお、( )内には略称
を示し、配合割合は全て重量部で示した。
【0028】(1)ポリフェニレンサルファイド樹脂
(PPS) トープレン社製:T−4 (2)ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK) 英国アイ・シー・アイ社製:ビクトレックス 450P (3)ポリシアノアリールエーテル樹脂(PEN) 出光興産社製:ID300 (4)疎水性合成マイカ(合成マイカ−1) 兼松化成品社製:FM−30ES(エポキシシラン処理
品、平均粒径 30μm) (5)疎水性合成マイカ(合成マイカ−2) 兼松化成品社製:FM−5ES(エポキシシラン処理
品、平均粒径 5μm) (6)炭素繊維(CF) 東邦レーヨン社製:ベスファイトHTA (7)天然マイカ(天然マイカ) カナダマイカ社製:S−200(平均粒径 60μm) (8)炭酸カルシウム(炭カル) 日窒工業社製:NA−600(平均粒径 3.5μm) (9)グラファイト(GRP) 日本黒鉛社製:ACP(平均粒径 10μm) 実施例1〜6:炭素繊維をエポキシ系サイジング剤で集
束させ、繊維長6mmに切断し、諸原材料を表1に示す配
合割合で予め乾式混合した後、二軸押し出し機(池貝鉄
工社製:PCM−30)に供給し、以下の条件にて射出
成形して、図1から図4に示すような構造である北村バ
ルブ社製シングルレバー混合栓KM300Nと同型の弁
体を得た。
【0029】すなわち、実施例1〜4では、射出成形に
際してシリンダー温度300℃、スクリュー回転数50
rpmの条件で押し出し造粒し、得られたペレットをシ
リンダー温度320℃、射出圧500〜1500kg/cm
2 、金型温度140℃の条件のもとに射出成形した。
【0030】また、実施例5および実施例6では、シリ
ンダー温度370℃、スクリュー回転数50rpmの条
件で押し出し造粒し、得られたペレットをシリンダー温
度380℃、射出圧500〜1500kg/cm2 、金型温
度170℃の条件のもとに射出成形した。
【0031】なお、この樹脂製の弁体は、成形後、その
摺接面を平面研削盤にて平面度を出し、さらにラップ機
で表面粗さをだした。
【0032】このようにして得られた弁体に対して、以
下のような実用的機能試験を行ない、止水性、表面形状
および摩耗係数の変化量をそれぞれ測定し、その結果を
表1に併記した。
【0033】実用的機能試験: (1)止水性 北村バルブ社製のシングルレバー式混合栓KM300N
を用い、図1の弁体7のディスクをこの実施例の樹脂製
とし、摺接する弁体6をアルミナ製として取り付け、耐
久試験前の初期および90℃の熱湯に400時間浸漬し
た吸水後の止水試験を行なった。止水試験においては、
レバーを中央下部に(止水状態)とし、ポンプによって
水圧を最大17.5kgf/cm2 までかけ、水漏れによる
30秒間の圧力降下量(kgf/cm2 )を測定した。
【0034】(2)表面形状の変化量 表面粗さ計(日本真空社製:DektakII型)を使用
し、弁体摺接部(図1の弁体7)の使用前の表面形状
と、90℃の熱湯に400時間浸漬した吸水後の表面形
状を測定し、その変化量が3μm未満のものを☆印、5
μm未満のものを○印、5μm以上のものを×印の三段
階に評価した。
【0035】(3)摩耗係数 この実施例の樹脂製試験片(外径21mm、内径17mm、
厚み10mm)を作成し、滑り速度4m/分、荷重4kgf
/cm2 、70℃温水中100時間の条件で、スラスト型
摩耗試験機を用い、相手材をアルミナを主成分とするセ
ラミックスとして測定した。
【0036】
【表1】
【0037】比較例1〜7:原材料を表2に示す割合で
配合し、比較例1〜3および比較例6〜7を、実施例1
〜4と全く同じ条件で成形し、比較例4および比較例5
は、実施例5および実施例6と全く同じ条件で成形して
前記した実用的機能試験と全く同様の試験法にて諸特性
を調べ、得られた結果を表2中に併記した。
【0038】
【表2】
【0039】表1および表2の結果から明らかなよう
に、実施例1〜6は、いずれも表面形状の吸水後の変化
率が、非常に少なく、止水性においても吸水後の変化量
が少なかった。なかでも、炭素繊維を併用した実施例
3、5および6は、摩耗係数も小さく、耐摩耗性にも優
れていた。
【0040】これに対して、疎水性の合成マイカの配合
率を10重量部と少なくした比較例1または疎水性の合
成マイカに代えて炭酸カルシウムもしくはグラファイト
を用いた比較例6と比較例7は、いずれも摩耗係数が非
常に大きくなり、初期の止水性も劣っていた。特に、天
然のマイカを用いた比較例2〜5では、吸水後の表面形
状の変化量が非常に大きく、吸水後の止水性が著しく低
下していた。
【0041】
【効果】この発明は、以上説明したように、弁体の成形
材料である合成樹脂組成物に配合される充填剤として、
所定量の疎水性の合成マイカを用いたので、成形され、
かつ精度の高い表面粗さおよび平面度に仕上げられた弁
体摺接面の吸水による寸法変化が抑えられ、さらに所定
量の炭素繊維が混合された合成樹脂組成物から成る弁体
として、機械的強度の点でも一層好ましいものとなり、
液圧17.5kgf/cm2 の流水を完全に止水または流量
調節でき、特に長時間連続して使用した場合でも耐液圧
性を保持して実用上の信頼性を満足できる弁装置となる
利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】家庭用水道に用いられる温水・冷水混合栓の構
造を例示する縦断面図
【図2】弁装置の作動状態を説明する横断面図
【図3】弁装置の作動状態を説明する横断面図
【図4】弁装置の作動状態を説明する横断面図
【符号の説明】
1 ハウジング 2 流出路 3、4、13、14 流入路 5 弁収納凹部 6、7 弁体 8 案内板 10 レバー 12 ベース 16 Oリング

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内部に固定された弁体とこの
    弁体に摺動自在に重ね合わされた可動弁体にそれぞれ切
    り欠きまたは開口を形成し、これら一対の弁体の変位に
    より止水または流量調整を行なう弁装置において、 これら弁体のうちの少なくとも一方の弁体が、合成樹脂
    100重量部と疎水性合成マイカ20〜200重量部と
    を配合した樹脂組成物の成形体からなることを特徴とす
    る弁装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の成形体に代えて、合成樹
    脂100重量部と疎水性合成マイカ20〜200重量部
    と炭素繊維20〜100重量部とを配合した樹脂組成物
    の成形体からなることを特徴とする弁装置。
JP26135992A 1992-09-30 1992-09-30 弁装置 Pending JPH06109145A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26135992A JPH06109145A (ja) 1992-09-30 1992-09-30 弁装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26135992A JPH06109145A (ja) 1992-09-30 1992-09-30 弁装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06109145A true JPH06109145A (ja) 1994-04-19

Family

ID=17360751

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26135992A Pending JPH06109145A (ja) 1992-09-30 1992-09-30 弁装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06109145A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002005316A (ja) * 2000-06-26 2002-01-09 Ntn Corp バルブスライドおよび樹脂製部品

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002005316A (ja) * 2000-06-26 2002-01-09 Ntn Corp バルブスライドおよび樹脂製部品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5755261A (en) Valve assembly
US5435348A (en) Valve assembly
EP0928315B1 (en) Improved polymer reinforced fluid seal
CN109722025B (zh) 一种聚芳醚砜复合材料及其应用
JP7405599B2 (ja) 流量制御バルブ用シールおよび流量制御バルブ装置
JPH06109145A (ja) 弁装置
JP2024028254A (ja) 流量制御バルブ用シールの製造方法
JPH06109146A (ja) 弁装置
JP2703025B2 (ja) 水栓用弁装置
JP2703026B2 (ja) 水栓用弁装置
JP2965309B2 (ja) 湯水混合水栓
JP2604062Y2 (ja) 水栓用弁装置
JPH09286916A (ja) 水中摺動性樹脂組成物および水栓用ディスクバルブ
JP3053756B2 (ja) 水中摺動性樹脂組成物および弁装置
JP2703041B2 (ja) 水栓用弁装置
JPWO2017175256A1 (ja) ブリード型摺接リングの製造方法と該摺接リングを用いたガスケット及びシリンジ
JP4109822B2 (ja) 流体潤滑用樹脂組成物
JPH02248774A (ja) 水栓用弁装置
CN107200973B (zh) 氟橡胶管
JPH0355010Y2 (ja)
JPH10184950A (ja) 弁装置の弁体または弁座の製造方法
JPH10169803A (ja) 弁体および弁座
JPH062774A (ja) 弁装置
JPH0469468A (ja) 混合栓多穴ディスク
JP2003014141A (ja) ディスクバルブおよびディスクバルブ用樹脂組成物