JPH06109139A - 無潤滑シール材料 - Google Patents

無潤滑シール材料

Info

Publication number
JPH06109139A
JPH06109139A JP3066792A JP6679291A JPH06109139A JP H06109139 A JPH06109139 A JP H06109139A JP 3066792 A JP3066792 A JP 3066792A JP 6679291 A JP6679291 A JP 6679291A JP H06109139 A JPH06109139 A JP H06109139A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seal material
alloy powder
molybdenum disulfide
wear
carbon fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3066792A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayasu Ando
正康 安藤
Akira Hirano
明良 平野
Fumitada Satoji
文規 里路
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Engineering Plastics Corp
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
NTN Engineering Plastics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd, NTN Engineering Plastics Corp filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP3066792A priority Critical patent/JPH06109139A/ja
Publication of JPH06109139A publication Critical patent/JPH06109139A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sealing Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 摩擦による自己磨耗を抑制する。 【構成】 テトラフルオロエチレン(PTFE)を含む
合成樹脂材料を基材とし、そこに、充填材として相手部
材を傷つける攻撃性を抑える銅系合金粉に加えて、自己
部材の強度を向上させると共に摩擦係数を下げるカーボ
ン繊維、二硫化モリブデンを配合し、耐摩擦性を持た
せ、磨耗に対する安定性を与えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷媒等を圧縮・膨脹す
るコンプレッサー等の無潤滑シール材料にかかり、特
に、不活性ガス雰囲気中の無潤滑シール材料に関する。
また、本発明は、冷凍機の圧縮機、膨脹機等のピストン
リング、スターリングエンジンのロッドシールのピスト
ンリング、ガスシール、空調機用コンプレッサーのシー
ル等に使用可能である。
【0002】
【従来技術】従来の無潤滑シール材料の組成について
は、特開昭58−72770号公報等に記載の技術があ
る。
【0003】この公報で開示された無潤滑シール材料
は、フツ素樹脂(四フツ化エチレン樹脂)を基材樹脂と
し、銅系または鉄系の合金とカーボン繊維とを配合し
て、ピストンシリンダへの攻撃性と自己磨耗性を抑制す
るものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような無潤滑シ
ール材料において、銅系合金とカーボン繊維を配合した
フツ素樹脂の摩擦磨耗試験を実施した結果を、後述の表
1の従来例1として示した。この結果からして上記公報
に掲載の配合による摩擦特性は、自己磨耗の進行が大き
い。したがって、長い間使用するとピストンリング等と
して作用するシリンダー内壁とピストンとのシール性が
確保できず、圧縮機能を低下させることになる。
【0005】また、カーボン繊維のみを配合したフツ素
樹脂で摩擦磨耗試験を実施した結果を表1の従来例2と
して示した。
【0006】前記従来例1と従来例2とを比較すると、
効果において格別目立つほどの銅系合金を添加すること
による大きな改善は得られなかった。
【0007】そこで、本発明は、配合材の改良により、
摩擦による自己磨耗性を抑制した無潤滑シール材料の提
供を課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる無潤滑
シール材料は、テトラフルオロエチレン(PTFE)を
含む合成樹脂材料を基材とし、そこに、充填材として銅
系合金粉、カーボン繊維、二硫化モリブデンを配合した
ものである。
【0009】特に、前記合成樹脂材料に含むテトラフル
オロエチレンは、少くとも50WT%以上とし、また、前
記銅系合金粉、カーボン繊維、二硫化モリブデンの充填
は、銅系合金粉を3〜35WT%、カーボン繊維を3〜3
5WT%、二硫化モリブデンを1〜15WT%の範囲とし、
それらの和を7WT%から70WT%の範囲とするのが好適
である。
【0010】
【作用】この発明においては、テトラフルオロエチレン
を含む合成樹脂材料を基材とし、そこに、充填材として
相手部材を傷つける攻撃性を抑える銅系合金粉に加え
て、自己部材の強度を向上させると共に、摩擦係数を下
げるカーボン繊維及び二硫化モリブデンを配合し、耐磨
耗性を持たせ、磨耗に対する安定性を与えたものであ
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0012】表1は本発明の無潤滑シール材料の実施
例、比較例、従来例の配合によるテストピースの磨耗試
験結果を示したものである。
【0013】
【表1】
【0014】[実施例1]テトラフルオロエチレン(以
下、単に『PTFE』と記す)にカーボン繊維(直径 6
μm 、長さ30μm )を10WT%と、銅系合金粉としてブ
ロンズ粉(成分Cu:Sn=9:1)を10WT%と、二
硫化モリブデン(粒径 5μm )を5WT%とを配合したテ
ストピース12を用いて磨耗試験を行なった。
【0015】この摩擦磨耗試験は、縦型往復摺動試験機
を用いて無潤滑シール材料磨耗試験をヘリウムガス雰囲
気中で行なった。
【0016】次に、これらの試験方法及び条件を説明す
る。
【0017】図1は本発明の一実施例の無潤滑シール材
料の特性を試験した縦型往復摺動試験機の概要を示す説
明図である。
【0018】図において、縦型往復摺動試験機の基本的
構成は、ステンレススチール(SUS304)からなる
シリンダ11と、前記シリンダ11に摺接するピストン
リング材料からなるテストピース12と、前記テストピ
ース12を保持する治具13と、前記治具13を介して
シリンダ11に前記テストピース12を押圧する荷重部
材14からなる。
【0019】前記テストピース12の大きさは、その
縦、横、高さが5×10×5mmであり、その5×10mm
を摺動面側としている。また、前記シリンダ11は縦、
横、高さが5×30×60mmであり、そのシリンダ11
に対してテストピース12を上下に摺動させる。このと
き、前記治具13を介してシリンダ11の方向へ、所定
の加重が荷重部材14によって、テストピース12の面
圧力が20 Kg/cm2 で常に一定に保たれている。前記テ
ストピース12は回転速度500 rpmを往復運動に変換
し、上下動をストローク40mmとして往復運動させてい
る。環境条件は雰囲気温度100℃で摺動時間は8時間
を標準としている。この摺動8時間後の磨耗体積変化を
実施例別に表1に示した。
【0020】[実施例2〜5]前記実施例1と同一材料
を表1に示す配合率で配合したテストピース12を用い
て実施例1と同一の試験を行なった。
【0021】[比較例1〜4]前記実施例1と同一材料
を表1に示す配合率で配合したテストピース12を用い
て実施例1と同一の試験を行なった。
【0022】[従来例1]PTFEにカーボン繊維(直
径 6μm 、長さ30μm )を15WT%と、銅系合金粉とし
てブロンズ粉(成分Cu:Sn=9:1)を10WT%と
を配合したテストピースを用いて縦型往復磨耗試験を行
なった。
【0023】[従来例2]PTFEにカーボン繊維(直
径 6μm 、長さ30μm )を15WT%を配合したテストピ
ースを用いて縦型往復磨耗試験を行なった。
【0024】なお、上記実施例1と従来例2については
100時間までの長時間試験を行なった。
【0025】上記のように、本発明の実施例は従来材料
の1/5から1/2に磨耗が低減した。本発明の実施例
の範囲では、シール性、及び相手材料への攻撃性は従来
材料と同様で問題のないことを確認した。
【0026】更に、100時間(hr)後の磨耗試験の結果
を図2及び図3に示す。
【0027】図2は本発明の実施例(実施例1)の無潤
滑シール材料を100℃で実験した結果の時間−磨耗体
積特性図であり、また、図3は本発明の実施例(実施例
1)の無潤滑シール材料を−10℃で実験した結果の時
間−磨耗体積特性図である。なお、図3の縦軸の磨耗体
積の単位は図2の1/10となっている。
【0028】図2に示すように、本発明の実施例1の無
潤滑シール材料を100℃で実験した特性図において、
従来例(従来例2)は時間に比例して磨耗が進んでいる
のに対して、本実施例(実施例1)では初期磨耗後、低
磨耗率の定常磨耗状態に移っているが、その定常状態で
は磨耗率が小さくなっている。100時間後の実験結果
では、本実施例のテストピース12は従来例の1/10
以下の磨耗体積変化になっていることがわかる。また、
この試験条件の環境温度100℃は、コンプレッサーの
冷媒圧縮温度80〜100℃に相当することから、冷凍
機の圧縮機とほぼ同一条件となる。特に、このテストピ
ース12と同一材料でコンプレッサー用ピストンリング
を形成し、それを用いて使用した場合には、1000時
間以上運転すれば、実施例の無潤滑シール材料と従来例
の無潤滑シール材料との差は極めて大きくなる。
【0029】また、図3に示すように、本発明の実施例
1の無潤滑シール材料を−10℃で実験したものは、従
来例と本実施例では初期磨耗、その後の定常磨耗状態と
共に、磨耗率が小さく、この程度の磨耗は無潤滑シール
材料として実用上問題にならない。即ち、低温において
も、本発明の実施例1の無潤滑シール材料は従来例のも
のよりも磨耗は少いが、いずれも、磨耗率は少く実用上
問題にならない。
【0030】このように、本発明の実施例の無潤滑シー
ル材料は、低温度状態及び高温度状態においても低磨耗
率となり、摩擦による自己磨耗性を抑制することができ
る。また、摩擦による攻撃性においても、従来のものと
遜色がない。
【0031】ところで、本発明の実施例のPTFEは、
発明者等の実験によれば、少くとも50WT%以上とする
と、磨耗性及び攻撃性が良好であることが判明した。
【0032】また、本発明の実施例の銅系合金粉、カー
ボン繊維、二硫化モリブデンの充填は、発明者等の実験
によれば、銅系合金粉を3〜35WT%、カーボン繊維を
3〜35WT%、二硫化モリブデンを1〜15WT%の範囲
とし、それらの和を7WT%から70WT%の範囲とする
と、磨耗性及び攻撃性が良好であることが判明した。
【0033】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明の無潤滑
シール材料は、PTFEを含む合成樹脂材料を基材と
し、そこに、充填材として相手部材を傷つける攻撃性を
抑える銅系合金粉に加えて、自己部材の強度を向上させ
ると共に摩擦係数を下げるカーボン繊維、二硫化モリブ
デンを配合し、耐摩擦性を持たせ、磨耗に対する安定性
を与えたものである。
【0034】したがって、この発明の無潤滑シール材料
を用いると、3種類の充填材が相互に影響して、銅系合
金粉、カーボン繊維の表面をPTFEの薄い膜が覆い、
初期磨耗後の磨耗進行を防止し、初期磨耗後、殆ど磨耗
が進行せず、長期間メンテナンスなしで運転可能とな
る。
【0035】請求項1または請求項2の発明の無潤滑シ
ール材料は、特に、前記合成樹脂材料に含むPTFE
を、少くとも50WT%以上としたもの、前記銅系合金
粉、カーボン繊維、二硫化モリブデンの充填は、銅系合
金粉を3〜35WT%、カーボン繊維を3〜35WT%、二
硫化モリブデンを1〜15WT%の範囲とし、それらの和
を7WT%から70WT%の範囲としたものは、摩擦による
攻撃性及び自己磨耗性の抑制が好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例の無潤滑シール材料の
特性を試験した縦型往復摺動試験機の概要を示す説明図
である。
【図2】図2は本発明の実施例の無潤滑シール材料を1
00℃で実験した結果の時間−磨耗体積特性図である。
【図3】図3は本発明の実施例の無潤滑シール材料を−
10℃で実験した結果の時間−磨耗体積特性図である。
【符号の説明】
11 シリンダ 12 テストピース 13 治具 14 荷重部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 里路 文規 三重県四日市市川島町6200番地の256

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラフルオロエチレン(PTFE)を
    含む合成樹脂材料に、銅系合金粉、カーボン繊維、二硫
    化モリブデンを同時に充填したことを特徴とする無潤滑
    シール材料。
  2. 【請求項2】 前記合成樹脂材料に含むテトラフルオロ
    エチレンは、少くとも50WT%以上としたことを特徴と
    する請求項1に記載の無潤滑シール材料。
  3. 【請求項3】 前記銅系合金粉、カーボン繊維、二硫化
    モリブデンの充填は、銅系合金粉を3〜35WT%、カー
    ボン繊維を3〜35WT%、二硫化モリブデンを1〜15
    WT%の範囲とし、それらの和を7WT%から70WT%の範
    囲としたことを特徴とする請求項1に記載の無潤滑シー
    ル材料。
JP3066792A 1991-03-29 1991-03-29 無潤滑シール材料 Pending JPH06109139A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3066792A JPH06109139A (ja) 1991-03-29 1991-03-29 無潤滑シール材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3066792A JPH06109139A (ja) 1991-03-29 1991-03-29 無潤滑シール材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06109139A true JPH06109139A (ja) 1994-04-19

Family

ID=13326073

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3066792A Pending JPH06109139A (ja) 1991-03-29 1991-03-29 無潤滑シール材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06109139A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003035367A (ja) * 2001-07-24 2003-02-07 Nok Corp シールリング
JP2004231105A (ja) * 2003-01-31 2004-08-19 Nissin Kogyo Co Ltd カップシールおよび液圧式マスタシリンダ
JP2004308837A (ja) * 2003-04-09 2004-11-04 Nissin Kogyo Co Ltd シール部材
JP2006283643A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Hitachi Ltd 往復動圧縮機
CN103821631A (zh) * 2014-01-21 2014-05-28 北京理工大学 一种光学发动机用活塞环及快速安装方法
CN109796707A (zh) * 2019-02-12 2019-05-24 扬州天健机械制造有限公司 一种耐摩擦、抗疲劳汽车减震器挡油环

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003035367A (ja) * 2001-07-24 2003-02-07 Nok Corp シールリング
JP2004231105A (ja) * 2003-01-31 2004-08-19 Nissin Kogyo Co Ltd カップシールおよび液圧式マスタシリンダ
JP2004308837A (ja) * 2003-04-09 2004-11-04 Nissin Kogyo Co Ltd シール部材
JP2006283643A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Hitachi Ltd 往復動圧縮機
CN103821631A (zh) * 2014-01-21 2014-05-28 北京理工大学 一种光学发动机用活塞环及快速安装方法
CN109796707A (zh) * 2019-02-12 2019-05-24 扬州天健机械制造有限公司 一种耐摩擦、抗疲劳汽车减震器挡油环

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR900000451B1 (ko) 플레인 베어링
JP4993908B2 (ja) 樹脂組成物、摺動部材及び摺動装置
US20100132381A1 (en) Low wear piston sleeve
JP2008285562A (ja) 自己潤滑性ゴム組成物及び該ゴム組成物を用いたシール材
JPH06109139A (ja) 無潤滑シール材料
US3896036A (en) Bearing compositions
JPH05239440A (ja) シール装置
JP5018303B2 (ja) 摺動部材およびシール装置
JPS6215280A (ja) リツプシ−ル材
JP5393967B2 (ja) 摺動材及び流体圧縮機械
US3764532A (en) Self-lubricating solid compositions
JP3466255B2 (ja) 四フッ化エチレン樹脂組成物
JP5150924B2 (ja) カーエアコン用軸シール材
JPS6138957B2 (ja)
KR0125768B1 (ko) 베인 재료 및 그 제조방법
JP3436085B2 (ja) テトラフルオロエチレン樹脂組成物
JP4418499B2 (ja) 極低温用耐摩耗性材料
JP4416848B2 (ja) 往復動圧縮機
JPH03115785A (ja) 摺動部材
JP4927067B2 (ja) 無潤滑の往復動圧縮機用ピストンリング及びそれを用いた往復動圧縮機
JP2012017851A (ja) 往復動圧縮機
JPH1045989A (ja) 樹脂組成物
JPH02112685A (ja) スクロール型圧縮機
JP4959609B2 (ja) 極低温用耐摩耗性材料
JP2001294720A (ja) ポリテトラフルオロエチレン樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080126

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090126

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees