JPH0610895Y2

JPH0610895Y2 - コンパクト

Info

Publication number: JPH0610895Y2
Application number: JP1988128924U
Authority: JP
Inventors: 成和菊池
Original assignee: Key Trading Co Ltd
Current assignee: Key Trading Co Ltd
Priority date: 1988-09-30
Filing date: 1988-09-30
Publication date: 1994-03-23
Anticipated expiration: 2003-09-30
Also published as: JPH0248014U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この考案は、化粧料およびパフを収容できるコンパクト
に関するものである。

〔従来の技術〕

化粧用のコンパクトの中には、化粧料だけでなく、化粧
用のパフを収容できるようになつたものがある。このよ
うなパフは、化粧時には、水等に濡らして使用すること
が行われるため、化粧後に、コンパクト内に収容する場
合、濡れたままの状態で収容される。しかしながら、パ
フが濡れたままの状態であると、再使用の際に、不快感
を感じてしまう等の問題を生じる。このため、一般に、
パフを収容するコンパクトには、パフ収容部に通気孔を
設けて、パフが乾燥しやすいようにしている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記のようなコンパクトでは、パフの乾
燥を自然乾燥にたよるため、乾燥するまでに長時間を要
するという問題を有しており、また、水等のない場所で
はパフを用いた化粧ができないという問題も有してい
る。さらに、化粧時に、パフの過量の水を吸い込ませた
場合、パフを手で絞ることによつてその水分の調節が行
われるが、このような方法では適正な水分調節を行うこ
とが困難であるという問題も有している。

そこで、パフの乾燥を短時間で行うこと等ができるもの
として、実開昭５８−５６１５号公報に示すコンパクト
が開示されている。このコンパクトは、化粧料を収容す
る凹所とパフを収容するパフ収容用凹所とを備え、この
パフ収容凹所に、底壁に多数の通気孔が形成されたパフ
受け枠を着脱自在に嵌合し、このパフ受け枠の底面に吸
水性を有するシート状の通気体を着脱自在に取付けるよ
うにしている。

このようなコンパクトを、水のない場所でも使用できる
よう、予め通気体に水を吸い込ませ、これをパフ受け枠
の底面に取付ける場合がある。しかしながら、このコン
パクトでは、パフ受け枠の底面に通気体を取付けている
ため、上記の場合において、パフ受け枠の上記通気体を
取付けた底面の部分にしか水分がなく、横側面の部分
（すなわち、前後左右の部分）には水分がない。しか
も、通気体が薄いシート板で形成されているため、通気
体に少量の水しか吸水させることができない。したがつ
て、このコンパクトでは、予め通気体に水を吸い込ませ
これをパフ受け枠の底面に取付けても、パフ受け枠で囲
われた空間を高湿度にすることができないという欠点が
ある。そのうえ、パフ受け枠の底壁には多数の通気孔が
形成されているため、通気体が乾燥しやすい構造になつ
ている。したがつて、このコンパクトを水のない場所で
使用しようとしても、通気体が短時間で乾燥し、パフに
水を吸い込ませることができないという問題が生じてい
る。さらに、上記のようにパフ受け枠の底面に通気体を
取付けているため、通気体の厚みの分だけパフの厚みを
薄くしなければならず、これによりパフの吸水容量が減
少する。また、パフ受け枠以外に通気体が必要になる
分、部品点数が多くなり在庫管理等の管理面が複雑化す
るうえ、重量も増加するという問題が生じている。その
うえ、パフをパフ受け枠から持ち上げた時にパフの下面
に通気体が一緒にくつ付いて持ち上げられ、このパフの
下面にくつ付いた通気体が床面等の上に落ちて汚れた
り、落ちた通気体を見失つて紛失したりするという問題
も生じている。

また、実開昭５８−５６１５号公報に示すコンパクトも
開示されている。このコンパクトは、固形フアンデーシ
ヨンを収納するフアンデーシヨン収納室とパフを収納す
るパフ収納室とを備え、パフ収納室の底面に多孔質材を
固定するようにしている。

このコンパクトにおいても、水のない場所でも使用でき
るよう、予め多孔質材に水を吸い込ませておく場合があ
る。しかしながら、このコンパクトでも、上記従来例と
同様の問題が生じている。すなわち、このコンパクトで
は、パフ収納室の底面に多孔質材を固定しているため、
パフ収納室の上記多孔質材を取付けた底面の部分にしか
水分がなく、横側面の部分には水分がない。しかも、多
孔質材は薄いシート板で形成されているため、多孔質材
に少量の水しか吸水することができない。したがつて、
このコンパクトでは、予め多孔質材に水を吸い込ませて
おいても、パフ収納室内を高湿度にすることができない
という欠点がある。このため、コンパクトを水のない場
所で使用しようとしても、多孔質材が短時間で乾燥し、
パフに水を吸い込ませることができないという問題が生
じている。しかも、上記のようにパフ収納室の底面に多
孔質材を固定しているため、多孔質材に水を吸い込ませ
る場合には、パフ収納室内に直接水を注入しなければな
らない。ところが、このようにパフ収納室内に直接水を
注入する場合には、適正量の水分を注入することが困難
であり、また、コンパクトの他の部分（例えば、フアン
デーシヨン収納室の固形フアンデーシヨン）を濡らした
りすることがある。また、上記注水時に少量の水しか注
入しない場合には、多孔質材がさらに短時間で乾燥し、
一方、注水しすぎた場合には、パフ収納室の底面の部分
に水が溜まり、コンパクトを傾けたときにパフ収納室か
ら外部に溢れ出て上記固形フアンデーシヨンを濡らすと
いう問題が生じている。そのうえ、パフ収納室の底面に
多孔質材を固定しているため、濡れた多孔質材を他の乾
燥した多孔質材と交換することができないという問題も
生じている。

この考案は、このような事情に鑑みなされたもので、短
時間でパフを略乾燥状態にでき、かつ水等のない場所で
もパフを用いた化粧ができ、さらにパフの水分調節を適
正に行うことのできるコンパクトの提供をその目的とす
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、この考案のコンパクトは、
コンパクト本体と、これを開閉する蓋体とを備え、上記
コンパクト本体の内部に、化粧料収容部およびパフ収容
部が設けられたコンパクトであつて、上記パフ収容部が
吸水性の多孔質体で構成されているとともに、上面開放
状の箱形に形成され、かつ、上記コンパクト本体に着脱
自在に固定されているという構成をとる。

〔作用〕

すなわち、この考案のコンパクトは、従来例のように、
パフ収容部に通気孔を設けて、パフを自然乾燥するとい
うようなものではなく、パフ収容部を吸水性の多孔質体
で構成するとともに、上面開放状の箱形に形成し、この
パフ収容部でパフの水分を吸水することにより、強制的
に、パフを脱水し、短時間で、パフを略乾燥状態にする
ことができるようになつている。また、化粧時に、過量
の水分をパフに吸い込ませた場合には、このパフをパフ
収容部に押し付ける等して、パフ中の水分をパフ収容部
に吸収させ、その水分を適正に調節することができる。
さらに、このパフ収容部に、予め水分を吸収させてお
き、乾燥したパフをパフ収容部に接触させてパフに水分
を吸い込ませることにより、水等のない場所でも、パフ
を用いた化粧が行えるようになる。この場合に、この考
案のコンパクトは、パフ収容部が上面開放状の箱形に形
成されているため、パフ収容部の全周面の部分（すなわ
ち、底面の部分および横側面の部分）に水分を吸い込ま
せることができ、かつ、多量の水を吸水させることがで
きる。したがつて、この考案のコンパクトでは、予めパ
フ収容部に水を吸い込ませておくと、パフ収容部内を高
湿度にすることができ、しかも、この高湿度の状態を長
時間維持することができる。このため、水のない場所で
も長時間にわたつて使用することができるようになる。
しかも、パフ収容部に水を吸い込ませる作業は、コンパ
クト本体からパフ収容部を取り出し水に浸けることによ
り行うことができるため、この作業中にコンパクトを濡
らすことがないし、水を吸い込ませたパフ収容部をコン
パクト本体に取付けたときに、パフ収容部の底部に水が
溜まることもない。したがつて、コンパクトを傾けたと
きに水がパフ収容部から溢れ出て化粧料収容部に収容し
た化粧料等を濡らすこともない。さらに、上記のよう
に、パフ収容部は上面開放状の箱形に形成されているた
め、パフ収容部の底部の厚みが厚くなつたり、パフ収容
部の部品点数が多くなつたり、重量が重くなつたりする
ことがない。また、パフをパフ収容部から取り出したと
きにパフ収容部がパフにくつ付いた状態で持ち上げられ
ることがなく、このため、パフを取り出したときにパフ
収容部を床面等の上に落とし、これを汚したり紛失した
りすることがない。そのうえ、このパフ収容部をコンパ
クト本体から着脱自在にしたため、他の乾燥したパフ収
容部と濡れたパフ収容部を取り換える等することができ
る。

つぎに、実施例にもとづいてこの考案を詳しく説明す
る。

〔実施例〕

第１図および第２図は、この考案の一実施例を示してい
る。これらの図において、１は上面が開口した箱形のプ
ラスチツク製コンパクト本体であり、ヒンジ構造２を介
して、後端に蓋体３が連結されている。４は上記コンパ
クト本体１の前端面の上端中央に設けられた係合凹部で
あり、蓋体３の前端に設けられた係合突起５と着脱自在
に係合できるようになつている。６は上記コンパクト本
体１内の後部側に収容される化粧料用皿であり、上面に
設けられた凹部に化粧料７が充填されている。８はコン
パクト本体１内の前部側に収容される箱形のパフ収容部
であり、内部にスポンジ製のパフ９が収容されるように
なつている。このパフ収容部９は、吸水性を有する軽量
な親水性プラスチツク多孔質焼結体（商品名，サンフア
インＡＱ、旭化成社製）で構成されており、濡れた状態
のパフ９の水分を吸水し、パフ９を脱水できるようにな
つている。また、上記コンパクト本体１の長手側の相対
峙する内側面には、第２図に示すように（一方の内側面
は隠れて見えない）、一対の半円柱状の固定用突起１０
が、コンパクト本体１の前部側と後部側とにそれぞれ横
方向に延びるようにして設けられている。そして、上記
化粧料用皿６およびパフ収容部８の外側面における上記
固定用突起１０に対応する部分に、固定用突起１０と着
脱自在に嵌合できる固定用凹部１１がそれぞれ設けられ
ている。その結果、上記化粧料用皿６およびパフ収容部
８は、コンパクト本体１から自在に着脱できるようにな
つている。１２は蓋体３の裏面に貼着された鏡である。

この構成において、化粧料用皿６およびパフ収容部８の
コンパクト本体１への取り付けは、化粧料７が充填され
た化粧料用皿６およびパフ９が収容されたパフ収容部８
を、それぞれコンパクト本体１の上方に位置決めし、そ
の状態から、コンパクト本体１の収容部内に押し付け、
その固定用凹部１１をコンパクト本体１の固定用突起１
０に嵌合させることにより行う。そして、コンパクトの
不使用時には、蓋体３を閉じてその係合突起５をコンパ
クト本体１の係合凹部４に係合させておく。使用時は、
上記係合突起５と係合凹部４の係合を解除して蓋体３を
開き、パフ９を水で湿らせこの湿つた状態のパフ９を用
いて、化粧料７で化粧を行う。この際、パフ９に吸い込
まれた水分の量が多い場合、パフ９をコンパクト本体１
内のパフ収容部８に押し付け、余分の水分をパフ収容部
８に吸収させることにより、パフ９の湿り具合を適正に
して使用することが行われる。化粧が終わると、パフ９
をパフ収容部８内に収容し、蓋体３を閉じておく。その
結果、パフ９は残存水分を、パフ収容部８に吸収されて
短時間のうちに略乾燥状態（パフ収容部８の吸水容量が
大きいため水分平衡になるまでに、パフ９が略乾燥す
る）になり、次回の使用の際には、好適な状態になつて
いる。なお、この際、パフ収容部８に吸収された水分は
自然乾燥により徐々に乾燥する。また、このコンパクト
を水のない場所で使用する場合には、予めパフ収容部８
に水を吸い込ませて保持（１日程度は水を保持する）さ
せておき、使用の際に、パフ９をこのパフ収容部８に押
し付けてその水分を吸着させることによりパフ９の使用
が可能となる。この場合、使用後は、パフ９をそのまま
コンパクト内に収容しておいてもよいし、上記パフ収容
部８を、乾燥した他のパフ収容部８と取り換え、その中
に使用したパフ９を入れコンパクト内に収容してもよ
い。

このように、この考案のコンパクトは、パフ収容部８を
吸水性のプラスチツク多孔質焼結体で構成しているた
め、濡れた状態のパフ９をコンパクト本体１内に収容す
ると、パフ収容部８がパフ９の水分を吸水し、強制的
に、パフ９を脱水する。したがつて、短時間で、パフ９
を略乾燥状態にすることができるようになり、パフ９の
水分でコンパクト内の他の部分が濡れるというようなこ
とが防止できるとともに、再使用の際には、乾燥した状
態でパフ９を使用することができるようになる。また、
使用時に、過量の水分をパフ９に吸い込ませた場合に
は、このパフ９をパフ収容部８に押し付けて、パフ９の
水分をパフ収容部８に吸収させることにより、パフ９の
水分を適正に調節することができる。さらに、このパフ
収容部８に、予め水分を吸収させておくことにより、水
のない場所でも、パフ９を用いた化粧が行えるようにな
る。また、このパフ収容部８がコンパクト本体１から着
脱自在になつているため、コンパクトの他の部分を濡ら
すことなく、パフ収容部８だけに水を吸収させたり、他
の乾燥したパフ収容部８と取り換える等することができ
る。さらに、化粧料用皿６が、コンパクト本体１から着
脱自在になつているため、化粧料７を使い尽くした場合
や、他の化粧料を使用したい場合には、新品の化粧料用
皿や他の化粧料が充填された化粧料用皿と交換すること
ができる。

第３図は、この考案の他の実施例を示している。このコ
ンパクトは、化粧料用皿６ａが下段に配設され、パフ収
容部８ａが上段に配設された２段構造に形成されてい
る。それ以外の部分は、上記実施例と同様であり、同一
部分に同一符号を付している。このように構成したこと
により、コンパクトが小形になり携帯に便利になる。そ
れ以外の作用効果は上記実施例と同様である。

なお、上記実施例は、吸水性多孔質体としてプラスチツ
ク多孔質体を用いているが、セラミツク多孔体を用いて
もよい。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案のコンパクトによれば、使用後
に、短時間でパフを略乾燥状態にすることができるとと
もに、使用時に、パフの水分を適正に調節することがで
きる。また、このパフ収容部に、予め水分を吸収させて
おくことにより、水等のない場所でも、パフを用いた化
粧が行えるようになり、使用の範囲が広くなるととも
に、使い勝手が極めてよくなる。この場合に、この考案
のコンパクトは、パフ収容部が上面開放状の箱形に形成
されているため、パフ収容部の全周面の部分（すなわ
ち、底面の部分および横側面の部分）に水分を吸い込ま
せることができ、かつ、多量の水を吸水させることがで
きる。したがつて、この考案のコンパクトでは、予めパ
フ収容部に水を吸い込ませておくと、パフ収容部内を高
湿度にすることができ、しかも、この高湿度の状態を長
時間維持することができるため、水のない場所でも長時
間にわたつて使用することができるようになる。しか
も、パフ収容部に水を吸い込ませる作業は、コンパクト
本体からパフ収容部を取り出し水に浸けることにより行
うことができるため、この作業中にコンパクトを濡らす
ことがないし、水を吸い込ませたパフ収容部をコンパク
ト本体に取付けたときに、パフ収容部の底部に水が溜ま
ることもない。したがつて、コンパクトを傾けたときに
水がパフ収容部から溢れ出て化粧料収容部に収容した化
粧料等を濡らすこともない。さらに、上記のように、パ
フ収容部は上面開放状の箱形に形成されているため、パ
フ収容部の底部の厚みが厚くなつたり、パフ収容部の部
品点数が多くなつたり、重量が重くなつたりすることが
ない。また、パフをパフ収容部から取り出したときにパ
フ収容部がパフにくつ付いた状態で持ち上げられること
がなく、このため、パフを取り出したときにパフ収容部
を床面等の上に落とし、これを汚したり紛失したりする
ことがない。そのうえ、このパフ収容部をコンパクト本
体から着脱自在にしたため、他の乾燥したパフ収容部と
濡れたパフ収容部を取り換える等することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の斜視図、第２図はその分
解斜視図、第３図は他の実施例の縦断面図である。１……コンパクト本体、３……蓋体、６……化粧料用
皿、８……パフ収容部、１０……固定用突起、１１……
固定用凹部

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】コンパクト本体１と、これを開閉する蓋体
３とを備え、上記コンパクト本体１の内部に、化粧料収
容部６およびパフ収容部８が設けられたコンパクトであ
つて、上記パフ収容部８が吸水性の多孔質体で構成され
ているとともに、上面開放状の箱形に形成され、かつ、
上記コンパクト本体１に着脱自在に固定されていること
を特徴とするコンパクト。