JPH06108891A - 車両のスリップ制御装置 - Google Patents

車両のスリップ制御装置

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JPH06108891A
JPH06108891A JP4256814A JP25681492A JPH06108891A JP H06108891 A JPH06108891 A JP H06108891A JP 4256814 A JP4256814 A JP 4256814A JP 25681492 A JP25681492 A JP 25681492A JP H06108891 A JPH06108891 A JP H06108891A
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slip
road surface
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throttle
opening
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Toshiaki Tsuyama
俊明 津山
Makoto Kawamura
誠 川村
Fumio Kageyama
文雄 景山
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 スリップ制御中に低スリップ状態となって
も、加速性を確保することができる車両のスリップ制御
装置を提供する。 【構成】 車輪が接触する路面における路面摩擦係数を
推定する路面摩擦係数推定手段により推定された路面摩
擦係数に基づいて目標スリップ値設定手段により検出さ
れた目標スリップ値と、スリップ検出手段により検出さ
れた駆動輪の路面に対するスリップ値とに基づいてスロ
ットル開度の制御量を算出するスロットル開度制御量演
算手段と、駆動輪周速度と従動輪周速度との差が所定値
未満である低スリップ状態の継続時間をカウントするタ
イマによりカウントされた低スリップ状態の継続時間と
上記路面摩擦係数推定手段により推定された路面摩擦係
数とに基づいて、スロットル開度の制御量をスロットル
バルブ開側の所定値を下限とするように補正するスロッ
トル開度制御量補正手段とにより得られたスロットル開
度の制御量に基づきスロットルバルブを駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のスリップ制御装
置に係わり、特に駆動輪周速度と従動輪周速度との差が
所定値未満である低スリップ状態に適用される車両のス
リップ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の走行時にあって、例えば、アクセ
ルペダルが踏み込まれて加速状態がとられる際等に生じ
る駆動輪の路面に対するスリップが比較的大規模なもの
となる場合には、好ましいグリップ走行が行われず、適
正な走行特性が得られなくなってしまうので、斯かる場
合に際して、駆動輪に制動力を作用させることにより、
あるいは、エンジンの出力を低下させることによって、
駆動輪の路面に対するスリップを所定の規模以上のもの
とならないように抑制すべく制御するスリップ制御を行
うスリップ制御装置を、車両に設けることが知られてい
る。
【0003】このようなスリップ制御装置においては、
通常、スリップ制御が、例えば、路面摩擦係数に応じた
目標スリップ率もしくは目標スリップ量(以下、目標ス
リップ率もしくは目標スリップ量を目標スリップ値とい
う)が設定されるもとで、車両の駆動輪における路面に
対するスリップが所定のスリップ率もしくはスリップ量
(以下、スリップ率もしくはスリップ量をスリップ値と
いう)以上のもの、即ち、所定以上の規模のものとなっ
たとき、当該駆動輪における路面に対するスリップを目
標スリップ値のものとなすべく、その駆動輪に対して制
動力を作用させる制御、あるいは、車両に搭載されたエ
ンジンの出力を低下させる制御によって、当該駆動輪に
ついての駆動トルクを低減させる駆動トルク低減動作が
行われることによってなされる。そして、目標スリップ
値の設定に用いられる路面摩擦係数は、例えば、特開昭
60−99757号公報にも開示されている如く、車両
の従動輪周速度に基づいて、あるいは、車両の従動輪周
速度と従動輪周加速度とに基づいて推定されるものとさ
れる。
【0004】斯かるスリップ制御が行われるにあたり、
駆動輪に対して制動力を作用させるには車両に装備され
た駆動輪用ブレーキ装置が作動せしめられるが、駆動輪
用ブレーキ装置の耐久性が考慮されて、(例えば、特開
昭63−166649号公報にも示される如くに、)駆
動輪の路面に対するスリップが比較的小規模なものであ
る場合には、トラクション制御をエンジンの出力を低下
させることにより行い、また、駆動輪の路面に対するス
リップが比較的大規模なものである場合には、トラクシ
ョン制御をエンジンの出力を低下させるとともに駆動輪
用ブレーキ装置を作動させることにより行うようにされ
たトラクション制御装置も提案されている。そして、路
面に対するスリップが所定のスリップ値以上のものとな
った駆動輪についての駆動トルク低減動作がエンジンの
出力を低下させる制御によってなされる場合には、通
常、エンジンにおける吸気通路を通じて燃焼室に供給さ
れる吸入空気量の調整が行われる。斯かる吸入空気量の
調整は、例えば、エンジンにおける吸気通路に、そこに
配されてアクセルペダルの踏込みに連動してその開度を
変化させる主スロットルバルブとは別個に副スロットル
バルブが設けられ、その副スロットルバルブが、所定の
スリップ値以上のものとなった駆動輪におけるスリップ
を目標スリップ値のものとなすための制御信号によって
制御されるアクチュエータにより駆動されて、その開度
が調整されることによりなされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】車両が上述の如くにス
リップ制御が行われている状態において、低μ路から高
μ路へ急に変化した場合、駆動輪の周速度が従動輪の周
速度に近接した状態が生じる。これを低スリップ状態と
呼ぶが、この低スリップ状態においては、駆動輪が従動
輪にはりついたような状態となり、そのため、アクセル
ペダルが踏み込まれることによる駆動力の増加を路面に
効率よく伝達する所定の目標スリップ値のものとされる
状態でなくなる。その結果、加速が意図されてアクセル
ペダルが踏み込まれても、良好な加速感が得られないと
いう問題が生じる。
【0006】そこで本発明は、上記の従来技術の問題を
解決するためになされたものであり、スリップ制御中に
低スリップ状態となっても、加速性を確保することがで
きる車両のスリップ制御装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、駆動輪の路面に対するスリップ値が目標
スリップ値となるようにエンジンのスロットルバルブの
スロットル開度を制御して駆動トルクを制御するように
した車両のスリップ制御装置において、車輪が接触する
路面における路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定
手段と、この路面摩擦係数推定手段により推定された路
面摩擦係数に基づいて目標スリップ値を設定する目標ス
リップ値設定手段と、駆動輪の路面に対するスリップ値
を検出するスリップ値検出手段と、上記駆動輪の路面に
対するスリップ値と目標スリップ値とに基づいて上記ス
ロットル開度の制御量を算出するスロットル開度制御量
演算手段と、駆動輪周速度と従動輪周速度との差が所定
値未満である低スリップ状態の継続時間をカウントする
タイマと、このタイマによりカウントされた低スリップ
状態の継続時間と上記路面摩擦係数推定手段により推定
された路面摩擦係数とに基づいて、上記スロットル開度
の制御量をスロットルバルブ開側の所定値を下限とする
ように補正するスロットル開度制御量補正手段と、この
スロットル開度制御量補正手段と上記スロットル開度制
御量演算手段により得られたスロットル開度の制御量に
基づきスロットルバルブを駆動するバルブ駆動手段と、
を有することを特徴としている。
【0008】このように構成された本発明によれば、タ
イマにより、駆動輪周速度と従動輪周速度との差が所定
値未満である低スリップ状態の継続時間をカウントし、
このカウントされた低スリップ状態の継続時間と路面摩
擦係数推定手段により推定された路面摩擦係数とに基づ
いて、スロットル開度制御量補正手段がスロットル開度
の制御量をスロットルバルブ開側の所定値を下限とする
ように補正しているため、スリップ制御時に低スリップ
状態が生じても、加速性を確保できる。
【0009】
【実施例】図1は、本発明に係る車両のスリップ制御装
置の一実施例を、それが適用された車両と共に概略構成
図である。図1において、車両における車体10の前部
に、エンジン12が搭載されている。エンジン12は、
例えば、4つのシリンダ11を有し、それらのシリンダ
11の夫々には、吸気通路13を通じた吸入空気と燃料
供給系から供給される燃料とで形成される混合気が供給
され、各シリンダ11内に供給された混合気は、点火系
の作動によって燃焼せしめられて排気通路18に排出さ
れる。
【0010】吸気通路13には、アクセルペダル14に
連動して開度を変化させる主スロットルバルブ15、及
び、スロットルアクチュエータ16により開閉駆動され
る副スロットルバルブ17が設けられており、これら副
スロットルバルブ17及び主スロットルバルブ15によ
って、吸気通路13を流れる吸入空気の量が調整され
る。そして、吸気通路13に設けられた副スロットルバ
ルブ17及び主スロットルバルブ15によりその量が調
整された吸入空気に燃料供給系からの燃料が混合せしめ
られて得られる混合気が、シリンダ11内で燃焼せしめ
られてエンジン12が作動状態とされ、その出力(トル
ク)が、流体式トルクコンバータ22、自動変速機2
3、プロペラシャフト24、及び、ディファレンシャル
機構25を含んで形成される動力伝達経路を介して、左
後輪20L及び右後輪20Rに夫々伝達される。即ち、
左後輪20L及び右後輪20Rが、駆動輪とされている
のである。
【0011】エンジン12、流体式トルクコンバータ2
2及び自動変速機23は、一個のブロックを形成するよ
うに結合され、その両側に左前輪21L及び右前輪21
Rが、従動輪として配されている。これら左前輪21L
及び右前輪21Rと左後輪20L及び右後輪20Rとに
関連して、ブレーキ制御部30が備えられている。ブレ
ーキ制御部30は、左前輪21L、右前輪21R、左後
輪20L及び右後輪20Rの夫々に付設されたディスク
32と、ディスク32を押圧するブレーキパッドが設け
られたキャリパ34とから成るディスクブレーキ35
A、35B、35C及び35Dを有している。ディスク
ブレーキ35A〜35Dの夫々におけるキャリパ34に
は、ホイールシリンダ36が備えられていて、各ホイー
ルシリンダ36には、液圧調整部40から伸びる導管3
7a、37b、37c及び37dが夫々接続されてい
る。各キャリパ34は、ホイールシリンダ36に液圧調
整部40から導管37a〜37dを介してブレーキ液圧
が供給されると、その供給されたブレーキ液圧に応じた
押圧力をもってブレーキパッドをディスク32に押し付
けて、左前輪21L、右前輪21R、左後輪20L及び
右後輪20Rの制動を行うものとされる。
【0012】液圧調整部40には、ブレーキペダル41
の踏込み操作に応じた液圧が、ブレーキペダル41に付
随して設けられたパワーシリンダ43から導管42a及
び42bを通じて供給されるとともに、ポンプ44及び
調圧バルブ45により形成される作動液圧が、導管46
を通じて供給される。そして、液圧調整部40は、ブレ
ーキペダル41の踏込み操作に応じたブレーキ液圧を形
成して、それを導管37a〜37dを通じてディスクブ
レーキ35A〜35Dに供給する動作状態、及び、内蔵
するものとされた電磁開閉バルブ51、52、53及び
54の動作状態に応じて、ディスクブレーキ35C及び
35Dに対するブレーキ液圧を個別に形成し、それらを
ディスクブレーキ35C及び35Dに夫々選択的に供給
する動作状態等をとる。
【0013】電磁開閉バルブ51〜54は、電磁開閉バ
ルブ51と電磁開閉バルブ52との組及び電磁開閉バル
ブ53と電磁開閉バルブ54との組に分けられており、
これらの組は、夫々、左後輪20L及び右後輪20Rに
設けられたディスクブレーキ35C及び35Dに対する
ブレーキ液圧の調整に関与するものとされる。各組にお
いて、一方の電磁開閉バルブ51及び53が閉状態にさ
れて、他方の電磁開閉バルブ52及び54が開状態にさ
れるときには、ディスクブレーキ35C及び35Dに供
給されるブレーキ液圧が夫々減圧され、それとは逆に、
各組において、一方の電磁開閉バルブ51及び53が開
状態にされ、他方の電磁開閉バルブ52及び54が閉状
態にされたときには、ディスクブレーキ35C及び35
Dに供給されるブレーキ液圧が夫々増圧され、各組のい
ずれもが閉状態にされたときには、ディスクブレーキ3
5C及び35Dに供給されるブレーキ液圧がそのときの
状態に保持される。
【0014】上述の構成に加えて、スロットルアクチュ
エータ16の動作制御及び電磁開閉バルブ51〜54の
開閉制御を行う制御ユニット200が設けられている。
制御ユニット200には、左前輪21L、右前輪21
R、左後輪20L及び右後輪20Rに関連して夫々設け
られた速度センサ61、62、63及び64から得られ
る、左前輪21L、右前輪21R、左後輪20L及び右
後輪20Rの各々の周速度を夫々あらわす検出出力信号
1 、S2 、S3 及びS4 と、主スロットルバルブ15
に関連して設けられたスロットル開度センサ65から得
られる、主スロットルバルブ15の開度をあらわす検出
出力信号Stと、アクセルペダル・センサ66から得ら
れるアクセルペダル14の踏込量をあらわす検出出力信
号Saと、舵角センサ67から得られる、左前輪21L
及び右前輪21Rの舵角をあらわす検出出力信号Sd
と、車速センサ68から得られる車両の走行速度(車
速)をあらわす検出出力信号Svとが供給される。
【0015】制御ユニット200は、検出出力信号
1 、S2 、S3 及びS4 、St、Sa、Sd及びSv
を所定の周期をもって取り込み、検出出力信号S1 があ
らわす左前輪21Lの周速度と検出出力信号S2 があら
わす右前輪21Rの周速度との平均をとって平均従動輪
周速度を求めるとともに、平均従動輪周速度を微分して
従動輪周加速度を求め、求めた平均従動輪周速度と従動
輪周加速度とを、内蔵するメモリに予め格納された平均
従動輪周速度と従動輪周加速度と路面摩擦係数との関係
を定めた次のマップ1〔表1〕に照合して、左後輪20
L及び右後輪20Rについての基本路面摩擦係数μBを
推定する。このマップ1において、Vrは平均従動輪周
速度、VGは従動輪周加速度を表している。
【0016】
【表1】 また、平均従動輪周速度に加えて、検出出力信号S3
あらわす左後輪20Lの周速度と検出出力信号S4 があ
らわす右後輪20Rの周速度とのうちの、両者が相違す
る場合には大なる方のものが選択されるもとでの一方と
される駆動輪周速度を求め、駆動輪周速度と平均従動輪
周速度との差を算出して、“駆動輪の路面に対するスリ
ップ”を求める。そして、斯かる“駆動輪の路面に対す
るスリップ”が、例えば、0.5km/hとされる所定の値
未満のものである低スリップ状態のときには、推定され
た基本路面摩擦係数μBに対しての、“駆動輪の路面に
対するスリップ”が所定の値未満のものとなる状態の継
続時間を、内蔵するメモリに予め格納された継続時間と
路面摩擦係数補正値との関係を定めた後述するマップ5
〔表5〕に照合して求めた路面摩擦係数補正値をもって
補正を行い、斯かる補正により、基本路面摩擦係数μB
が、“駆動輪の路面に対するスリップ”が所定の値未満
のものとなる低スリップ状態のもとにあっては、“駆動
輪の路面に対するスリップ”が所定の値未満のものとな
る状態の継続時間に伴って増加するものとされて得られ
る、補正された路面摩擦係数μFを設定する。
【0017】そして、得られた路面摩擦係数μFを、内
蔵するメモリに予め格納された路面摩擦係数と基本目標
スリップ値との関係を定めたデータマップに照合して、
副スロットルバルブ開度調整によるスリップ制御用の第
1の基本目標スリップ値と、ブレーキ制御によるスリッ
プ制御用の第2の基本目標スリップ値とを求め、さら
に、第1の基本目標スリップ値に、検出出力信号Svが
あらわす車速、検出出力信号Saがあらわすアクセル踏
込量、及び、検出出力信号Sdがあらわす舵角の夫々に
基づく補正係数を乗算して、副スロットルバルブ開度調
整によるスリップ制御用の第1の目標スリップ値STT
を設定するとともに、第2の基本目標スリップ値に、検
出出力信号Svがあらわす車速、検出出力信号Saがあ
らわすアクセル踏込量、及び、検出出力信号Sdがあら
わす舵角の夫々に基づく補正係数を乗算して、ブレーキ
制御によるスリップ制御用の第2の目標スリップ値ST
Bを設定する。これら第1及び第2の目標スリップ値S
TT及びSTBは、第2の目標スリップ値STBが第1
の目標スリップ値STTより大となるものとされ、ま
た、“駆動輪の路面に対するスリップ”が所定の値未満
のものとなる低スリップ状態のもとにあっては、路面摩
擦係数μFが“駆動輪の路面に対するスリップ”が所定
の値未満のものとなる状態の継続時間に伴って増加する
ものとされるのに伴って変化するものとされる。
【0018】また、制御ユニット200は、取込まれた
検出出力信号S1 〜S4 が夫々あらわす左前輪21L、
右前輪21R、左後輪20L及び右後輪20Rの周速度
に基づき、上述の如くにして、駆動輪周速度と平均従動
輪周速度との差から“駆動輪の路面に対するスリップ”
を検出するとともにそのスリップ値SPを算出し、ま
た、左前輪21Lの周速度と右前輪21Rの周速度との
平均値と、左後輪20Lの周速度との差から、“左後輪
20Lの路面に対するスリップ”を検出するとともにそ
のスリップ値SPLを算出し、さらに、左前輪21Lの
周速度と右前輪21Rの周速度との平均値と、右後輪2
0Rの周速度との差から、“右後輪20Rの路面に対す
るスリップ”を検出するとともにそのスリップ値SPR
を算出する。
【0019】そして、算出された“駆動輪の路面に対す
るスリップ”のスリップ値SPを、第1の目標スリップ
値STTと比較し、スリップ値SPが第1の目標スリッ
プ値STT未満である状態から第1の目標スリップ値S
TT以上となったとき、スリップ値SPを第1の目標ス
リップ値STTに合致させるべく、スロットルアクチュ
エータ16を制御して副スロットルバルブ17の開度を
調整することにより、エンジン12の出力を低下させ
て、左後輪20L及び右後輪20Rについての駆動トル
クを低減させる、副スロットルバルブ開度調整によるス
リップ制御を開始し、また、算出された“左後輪20L
の路面に対するスリップ”のスリップ値SPLを、予め
設定された第2の目標スリップ値STBと比較し、スリ
ップ値SPLが第2の目標スリップ値STB以上である
とき、左後輪20Lの周速度を第2の目標スリップ値S
TBに対応する目標周速度となすべく、電磁開閉バルブ
51及び52を制御してディスクブレーキ35Cを作動
させることにより左後輪20Lに作用する駆動トルクを
低減させる、ブレーキ制御によるスリップ制御を行い、
さらに、算出された“右後輪20Rの路面に対するスリ
ップ”のスリップ値SPRを、予め設定された第2の目
標スリップ値STBと比較し、スリップ値SPRが第2
の目標スリップ値STB以上であるとき、右後輪20R
の周速度を第2の目標スリップ値STBに対応する目標
周速度となすべく、電磁開閉バルブ53及び54を制御
してディスクブレーキ35Dを作動させることにより右
後輪20Rに作用する駆動トルクを低減させる、ブレー
キ制御によるスリップ制御を行う。
【0020】斯かる際、副スロットルバルブ17の開度
が調整されて、“駆動輪の路面に対するスリップ”のス
リップ値SPが第1の目標スリップ値STTに合致する
ものとされることにより、例えば、アクセルペダル14
が踏み込まれることにより増大せしめられた駆動力が、
左後輪20L及び右後輪20Rから効率良く路面に伝達
される状態が得られるように、第1の目標スリップ値S
TTが設定されるものとされる。なお、副スロットルバ
ルブ17は、副スロットルバルブ開度調整によるトラク
ション制御が行われていないとき、最大の開度をとる状
態、即ち、全開状態に維持される。
【0021】副スロットルバルブ開度調整によるトラク
ション制御は、“駆動輪の路面に対するスリップ”のス
リップ値SPが第1の目標スリップ値STT未満とされ
た、スリップ制御が行われていず、従って、副スロット
ルバルブ17が全開状態とされた状態から、例えば、ア
クセルペダル14が踏み込まれて主スロットルバルブ1
5の開度が増加せしめられる加速状態がとられ、それに
より、“駆動輪の路面に対するスリップ”のスリップ値
SPが第1の目標スリップ値STT以上とされる状態に
移行したとき、制御ユニット200からスロットルアク
チュエータ16に、スリップ値SPを第1の目標スリッ
プ値STTに一致させるべく、副スロットルバルブ17
の開度を調整するための駆動信号Ctが供給されて行わ
れる。制御ユニット200からスロットルアクチュエー
タ16の駆動信号Ctが供給されるにあたっては、後述
するように、副スロットルバルブ17の開度を減少させ
るもしくは増大させる、あるいは、そのときの副スロッ
トルバルブ17の開度を維持させるための制御量が設定
されて、その設定された制御量に応じた駆動信号Ctが
形成される。そして、スロットルアクチュエータ16に
供給された駆動信号Ctに応じて副スロットルバルブ1
7の開度が調整され、それにより、エンジン12の出力
が、駆動輪周速度が第1の目標スリップ値STTに対応
する目標周速度に略一致する状態が得られるように制御
されるスリップ制御が行われる。
【0022】斯かる際におけるスロットルアクチュエー
タ16対する副スロットルバルブの開閉制御量の設定に
あたっては、例えば、先ず、駆動輪周速度に基づいて駆
動輪周加速度を求めるとともに、駆動輪周速度の第1の
目標スリップ値STTに対応する目標周速度からの偏差
を求め、次に、求められた駆動輪周加速度と駆動輪周速
度の目標周速度からの偏差を、内蔵するメモリに予め格
納された駆動輪周加速度と駆動輪周速度の目標周速度か
らの偏差と制御量との関係を定めた次のマップ2〔表
2〕に照合して、求められた駆動輪周加速度と駆動輪周
速度の目標周速度からの偏差に対応する制御量を得て、
それをスロットルアクチュエータ16に対する副スロッ
トルバルブの基本開閉制御量Tとして設定する。ここ
で、マップ2において、ENは駆動輪周速度の第1の目
標スリップ値STTに対応する目標周速度からの偏差で
あり、DENは駆動輪周加速度と駆動輪周速度の目標周
速度からの偏差である。
【0023】
【表2】 この場合、上記マップ2に記載の記号Z0 はスロットル
開度の保持を表し、Nは閉動、Pは開動を表す。また、
N及びPの添字 S, M, B は、制御量の大きさ表すもの
で、「S 」は小(開動量小,閉動量小)、「N 」は中
(開動量中,閉動量中)、「B 」は大(開動量大,閉動
量大)の意味であり、同じ添字であれば、開動も閉動も
制御量の大きさは同じである。
【0024】次に、上記マップ2で求めた副スロットル
バルブの基本開閉制御量Tにおけるスロットル開度制御
量補正係数TG を次のマップ3〔表3〕により求め、最
終的なスロットル開閉制御量である基本制御量Tn (=
T×TG )を算出する。
【0025】
【表3】 このマップ3においては、スロットル開度とエンジン回
転数NERをスロットル開度制御量補正係数TG のパラ
メータとして用いている。この補正係数TG は、スロッ
トル開度が小さいほど、またエンジン回転数が低いほ
ど、エンジン回転に敏感に反応するため、より小さい値
に設定されている。なお、このスロットル開度制御量補
正係数TG は、スロットル開度のみをパラメータとして
用いてもよい。
【0026】このようにして求めたスロットル開度の制
御量Tn に基づいて、スロットルアクチュエータ16に
よるバルブ開閉速度(単位:%/秒)を次のマップ4
〔表4〕により設定する。なお、副スロットルバルブ1
7の全開時が開度100%である。
【0027】
【表4】 この場合、バルブ速度は、制御量大の領域において閉動
速度の方が開動速度よりも高くなるように、つまり、N
B の方がPB よりもバルブ速度が大きく設定され、制御
量小の領域では制御量が同じであれば、閉動速度と開動
速度とは等しくなるように設定される。
【0028】さらに、上述したスリップ制御中に、駆動
輪の路面に対するスリップのスリップ値SPが、例え
ば、0.5km/h とされる所定値未満、すなわち、駆動輪周
速度と従動輪周速度との差が所定値(0.5km/h )未満と
される低スリップ状態の場合には、次のマップ5〔表
5〕に示すようなスロットル開度の制御量に対して補正
を行っている。すなわち、低スリップ状態が継続してい
る間、継続時間の増加に伴って路面摩擦係数補正値μA
の値を増加すると共にこの路面摩擦係数補正値μAによ
り補正された路面摩擦係数μFの値に応じてスロットル
開度の制御量に下限値を設定している。
【0029】
【表5】 このマップ5において、下限値は、全てスロットルバル
ブが開側に制御される値であり、「PS 」は副スロット
ルバルブの開動量小、「PM 」は開動量中、「PB 」は
開動量大を表している。また、路面摩擦係数μFの値が
大きいほど下限値の値を大きく設定し、さらに、低スリ
ップ状態の継続時間が長いほど低い路面摩擦係数μFの
値で下限値を設定している。
【0030】このように、駆動輪周速度と従動輪周速度
との差が所定値(0.5km/h )未満とされる低スリップ状
態の場合に、低スリップ状態の継続時間及び路面摩擦係
数μFの値に応じて、スロットル開度の制御量をスロッ
トルバルブ開側の所定値を下限とするように補正をして
いるため、低スリップ状態での加速性を確保できる。ま
た、ブレーキ制御によるスリップ制御は、“左後輪20
Lの路面に対するスリップ”のスリップ値SPL、もし
くは、“右後輪20Rの路面に対するスリップ”のスリ
ップ値SPRが第2の目標スリップ値STB以上となる
とき、副スロットルバルブ開度調整によるトラクション
制御に加えて行われ、“左後輪20Lの路面に対するス
リップ”のスリップ値SPLが第2の目標スリップ値S
TB以上となるときには、制御ユニット200から液圧
調整部40における電磁開閉バルブ51及び52に駆動
信号Ca及びCbが夫々供給されて、ディスクブレーキ
35Cが、スリップ値SPLが第2の目標スリップ値S
TB未満となるように作動せしめられ、また、“右後輪
20Rの路面に対するスリップ”のスリップ値SPRが
第2の目標スリップ値STB以上となるときには、制御
ユニット200から液圧調整部40における電磁開閉バ
ルブ53及び54に駆動信号Cc及びCdが夫々供給さ
れて、ディスクブレーキ35Dが、スリップ値SPRが
第2の目標スリップ値STB未満となるように作動せし
められる。
【0031】そして、上述の如くにして行われるスリッ
プ制御中に、低スリップ状態が生じると、路面摩擦係数
μFが低スリップ状態の継続時間に伴って増加するもの
とされるのに伴って、第1及び第2の目標スリップ値S
TT及びSTBが変化せしめられ、それにより、左後輪
20L及び右後輪20Rについての駆動トルクを低減さ
せる制御動作が緩和される。その結果、車両の走行状態
が、“駆動輪の路面に対するスリップ”が駆動力の増加
を左後輪20L及び右後輪20Rを通じて路面に効率よ
く伝達することになる所定の目標スリップ値のものとさ
れる状態に迅速に復帰せしめられ、加速が意図されてア
クセルペダル14が踏み込まれた際に良好な加速感が得
られることになる。
【0032】また、スリップ制御中に、低スリップ状態
が生じると、さらに、低スリップ状態の継続時間及び路
面摩擦係数μFの値に応じて、スロットル開度の制御量
をスロットルバルブ開側の所定値を下限とするように補
正をしているため、低スリップ状態での加速性が確保さ
れる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明の車両のスリ
ップ制御装置によれば、スリップ制御中に低スリップ状
態となっても、加速性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両のトラクション制御装置の一
実施例をそれが適用された車両と共に示す概略構成図で
ある。
【符号の説明】
10 車体 12 エンジン 15 主スロットルバルブ 16 スロットルアクチュエータ 17 副スロットルバルブ 20L 左後輪 20R 右後輪 21L 左前輪 20R 右前輪 30 ブレーキ制御部 35A ディスクブレーキ 35B ディスクブレーキ 35C ディスクブレーキ 35D ディスクブレーキ 51 電磁開閉バルブ 52 電磁開閉バルブ 53 電磁開閉バルブ 54 電磁開閉バルブ 61 速度センサ 62 速度センサ 63 速度センサ 64 速度センサ 68 車速センサ 200 制御ユニット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動輪の路面に対するスリップ値が目標
    スリップ値となるようにエンジンのスロットルバルブの
    スロットル開度を制御して駆動トルクを制御するように
    した車両のスリップ制御装置において、 車輪が接触する路面における路面摩擦係数を推定する路
    面摩擦係数推定手段と、 この路面摩擦係数推定手段により推定された路面摩擦係
    数に基づいて目標スリップ値を設定する目標スリップ値
    設定手段と、 駆動輪の路面に対するスリップ値を検出するスリップ値
    検出手段と、 上記駆動輪の路面に対するスリップ値と目標スリップ値
    とに基づいて上記スロットル開度の制御量を算出するス
    ロットル開度制御量演算手段と、 駆動輪周速度と従動輪周速度との差が所定値未満である
    低スリップ状態の継続時間をカウントするタイマと、 このタイマによりカウントされた低スリップ状態の継続
    時間と上記路面摩擦係数推定手段により推定された路面
    摩擦係数とに基づいて、上記スロットル開度の制御量を
    スロットルバルブ開側の所定値を下限とするように補正
    するスロットル開度制御量補正手段と、 このスロットル開度制御量補正手段と上記スロットル開
    度制御量演算手段により得られたスロットル開度の制御
    量に基づきスロットルバルブを駆動するバルブ駆動手段
    と、 を有することを特徴とする車両のスリップ制御装置。
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