JPH061062Y2 - 少量吐出容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、液体ファンデーション等の化粧液を少量の一
定量ずつ吐出するポンプ式ペンシル形の少量吐出容器に
関する。

「従来の技術」 従来のこの種のものは見当らない。スクイズ形のものは
あるが、この場合は吐出量は不定であり、しかも形状が
ワイドなので携帯に不向きである。対象は異なるが、類
似した機能のものに、尾端を指先で押込むたびに少量ず
つ先端の化粧筆に液状化粧料を供給する化粧筆形のもの
がある。

この化粧筆形のものは最近提案されたものであり、容器
体口部から、容器体側に吸込み弁を、化粧筆側に吐出弁
を設けたシリンダーを延出し、このシリンダー端に化粧
筆を取付け、そしてシリンダーを中間部で２つの部分に
分離し、それらの間に復帰ばねを介在させ、容器体側を
押込み可能としたペンシル形のものである。

「考案が解決しようとする問題点」 上記化粧筆形のものは、吐出弁の弁体を弁座に弾着的に
閉弁させ液洩れを防ぐようにしているが、弾着用として
リング状の弾性材を用いており、その吐出方向の弾性の
自由度が小さく、従って開弁ストロークが小さく、吐出
操作が重いのが難点である。

本考案は、携帯、扱いが便なペンシル形とし、しかも吐
出弁の弁体を、変形しやすくかつ原形復元性のよい螺旋
状の弾性体で保持し、液吐出時の開弁ストロークが大き
くとれ、従って吐出操作が軽くすむ使い易いポンプ式の
少量吐出容器を得るにある。

「問題点を解決するための手段」 本考案の少量吐出容器は、直筒状の外装胴１、シリンダ
ーの上半部を形成する内筒２と上部で連続する外側の取
付け筒３の下方筒部を前記外装胴１頭部側に嵌合させた
固定筒４、弁体５を軟弾性の螺旋体６で保持して前記内
筒２上部に内設された吐出弁７、中央部に吐出孔８を開
けて前記固定筒４外面に冠着された頭部部材９が形成す
る固定側部材Ａと、下部に吸込み弁10を内設して前記内
筒２にスライド可能に外接され、復帰ばね11で常時下方
に付勢されたシリンダーの下半部を形成する可動筒12、
尾端を押ボタン13とし、かつスライド可能な底蓋14を液
密に内嵌した直筒状の胴部15を有し、口部を前記可動筒
12に連通固定して前記外装胴１に押込み可能に内装され
た容器体16が形成する可動側部材Ｂとで構成している。

「作用」 上記において、常時は容器体16とシリンダーの下半部を
形成する可動筒12の可動側部材Ｂは復帰ばね11により下
限位置まで押下げられ、また加圧室イには吸込み弁10で
吸込まれた化粧液が満たされている。

ここで、化粧時には尾端の押ボタン13を介し可動側部材
Ｂを固定側部材Ａ側に押込む。すると、加圧室イが縮少
されこの加圧室イ内の化粧液が加圧されることから、こ
の加圧化粧液は弁体５を保持材の螺旋体６を圧縮変形さ
せて開弁し化粧液は吐出孔８から外部に一定の少量吐出
される。

この吐出により加圧室イ内が負圧化するので、吸込み弁
10が開弁し、容器体16内の化粧液は加圧室イ内に吸上げ
られ、この吸上げて容器体16内が負圧化するので、底蓋
14が上昇移動する。

「実施例」 本考案の少量吐出容器は、外装胴１、シリンダーの上半
部を形成する内筒２を持つ固定筒４、吐出孔８を持つ頭
部部材９との固定側部材Ａと、シリンダーの下半部を形
成する可動筒12及び容器体16との可動側部材Ｂとからな
る。

外装胴１は細長な筒状体で、吐出操作時に握り持ちされ
る部分であり、上端の頭部側内面にねじ溝を形成してい
る。

固定筒４は、シリンダーの上半部を形成する内筒２の外
側に上部で連続させて取付け筒３を設けた下空き２重形
の筒体で、内筒２の上部に吐出弁７の弁体５を弾着的に
取付けている。即ち、この弁体５は、内筒２上端部の段
部に固定したリング状の基部17の両側から垂下した下細
りの１対の螺旋体６，６下端に取付けてあり、従って自
由度が大きく、つまり変形しやすくしかも原形復元性に
優れており、吐出時における開弁のストロークが大きく
とれる。この内筒２の下半には、上端に吐出弁７の弁座
18を形成し、また内筒２から下方に突き出た下端外周に
筒状ピストン19を形成した補助筒20を内嵌固定してい
る。取付け筒３は上部両側に窓21,21を開け、下半部を
段形に拡径し、この拡径部の中間外面から前記外装胴１
上端に乗る鍔22を突設し、下部外面を外装胴１上端部に
螺合装着してこの外装胴１から上方に延出して取付け固
定してある。

頭部部材９は帽状の形状のもので、頂部から下向きに吐
出孔８用の吐出管23を貫通垂設し、その外側の取付け筒
24を前記固定筒４の起立周壁25に内嵌固定して固定筒４
の上半部外面に冠着されている。

26は、前記鍔22から上方の固定側部材Ａ外面にかぶせる
キャップで、頂部裏面から吐出孔８に挿入する突子状の
栓27が垂下してある。

つぎに可動側であるが、可動筒12は下端開口部に玉弁か
らなる吸込み弁10を設けて内面を前記ピストン19に摺接
させて内筒２外面に液密に且つスライド可能に外嵌して
あり、固定筒４との間に配設した復帰ばね11で常時下方
に押下げ付勢されている。この可動筒12は、中間部外面
の外向きフランジにより外側に外筒28を一体に設けてお
り、この外筒28上端両側に設けた係合突条29,29を前記
窓21,21に係止させて可動筒12の押下げの下限位置を定
めている。30は調整棒で、下端基部を可動筒12下部に固
定して加圧室イ内軸芯部を立上がり、加圧室イ内容積を
所定に調整しており、一側に溝状の液路31を凹設形成し
ている。

容器体16は直筒状の胴部15上方に縮径した口頸部32を立
設し、この口頸部32を前記外筒28下部内面に螺着して可
動筒12に連通固定し、外装胴１に押込み可能に内装され
ている。この容器体16の胴部15には、この胴部15内面に
摺接する外周面を断面孤状の弾性周壁33とした底蓋14が
上下スライド可能かつ液密に内嵌してあり、また胴部15
下端には外装胴１から下方に突出させて押ボタン13が嵌
着してある。従って、外装胴１を握り持ちして指先でこ
の押ボタン13を押込めば、容器体16と可動筒12の一体の
可動側は復帰ばね11に抗して押込まれ、加圧室イ内の化
粧液を加圧する。

尚、34は底蓋14の下面に一体に設けた補助部材、35は空
気孔である。また上記各主要部材は合成樹脂材で成形製
作される。

「考案の効果」 上記した如く本考案の少量吐出容器は、細身のペンシル
形なので携帯に都合がよく、また操作は指先で尾端をノ
ック式に押込めばよいので便利であり、液体ファンデー
ション等の化粧液容器とし好適である。またポンプ用シ
リンダー部の吐出弁７の弁体５を、変形しやすくかつ原
形復元性のよい螺旋体６，６で保持する弾着構造とした
ので、液吐出時の開弁ストロークが大きくとれ、従って
吐出操作が軽くすむ使い易い効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案少量吐出容器の一実施例の半部縦断面
図、第２図は同実施例の主要部の分解斜視図である。 １…外装胴 ４…固定筒 ９…頭部部材 Ａ…固定側部材 12…可動筒 16…容器体 Ｂ…可動側部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】直筒状の外装胴１、シリンダーの上半部を
   形成する内筒２と上部で連続する外側の取付け筒３の下
   方筒部を前記外装胴１頭部側に嵌合させた固定筒４、弁
   体５を軟弾性の螺旋体６で保持して前記内筒２上部に内
   設された吐出弁７、中央部に吐出孔８を開けて前記固定
   筒４外面に冠着された頭部部材９が形成する固定側部材
   Ａと、下部に吸込み弁10を内設して前記内筒２にスライ
   ド可能に外接され、復帰ばね11で常時下方に付勢された
   シリンダーの下半部を形成する可動筒12、尾端を押ボタ
   ン13とし、かつスライド可能な底蓋14を液密に内嵌した
   直筒状の胴部15を有し、口部を前記可動筒12に連通固定
   して前記外装胴１に押込み可能に内装された容器体16が
   形成する可動側部材Ｂとからなる少量吐出容器。