JPH0344101Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、例えば液状眉墨や液状口紅等を収納
するとめの化粧筆付き液体容器に係る。

「従来の技術」 この種容器として実願昭60−63571号記載の考
案がある。該考案は、筆ペン状として、筆軸下部
内に容器体上部を上下動自在に嵌合させると共
に、それ等筆軸下部内と容器体上部内とで加圧室
を形成させ、筆軸に対して容器体を押し込むこと
で加圧室内が高圧化されて吐出弁が開き、該加圧
室内液体が筆穂に吸収され、又容器体を離すと筆
軸側に固定された筒状ピストンと容器体側に固定
されたシリンダとの間に介装されたスプリングの
復元力により筆軸に対して容器体が押戻されて加
圧室が拡開され、該拡開による負圧化によつて容
器体内液体が加圧室内に入るよう設けた、所謂、
ノツク式のものである。

また、上記したのと同様の構成において、筆穂
先端を押付けることにより、今度は逆に容器体に
対して筆軸を押し込んで使用するものもある。

「考案が解決しようとする問題点」 前者にあつては、上記したノツク操作により筆
穂に液体を供給した後、該筆穂により液体を塗布
する場合は、当然容器を持ち替えることになり、
使用が面倒であつた。また、後者にあつては、筆
穂がある程度硬いものに限定され、肌ざわりの良
い軟かい筆穂は使用不可となる欠点があつた。

本考案は、上記したような欠点を、極めて簡単
な手段により除去することを目的とする。

「問題点を解決するための手段」 上記目的を達成するため、本考案は図面に示す
ように、直筒状の胴部６を有すると共に、該胴部
の下部内に、該胴部の内壁面に外周面を水密に接
して上昇可能な底壁７を嵌合させた容器体１と、
該容器体の口頚部８に下部を嵌着させて第１筒部
１１を上方へ突出させ、下端筒部内には吸込み弁
１５を内装させたシリンダ２と、該シリンダの上
部内に、第２筒部１６の下部を、直接或いは該筒
下部に水密に連設される筒状操作部材４０を介し
て間接に、上下動自在に嵌合させると共に、該第
２筒部の上端部からは塗布部材１８を上方へ起立
させた筆軸３と、上記シリンダの下部内に筒状ピ
ストン２４を上方へ付勢させて嵌合させ、該ピス
トン上面から起立した第３筒部２６を上記第２筒
部或いは筒状操作部材の下部内面に水密に嵌合さ
せたピストン付き部材４と、上記第２筒部或いは
筒状操作部材の内面に天板３１を固設させ、該天
板から弾性圧縮板部３２を垂下させると共に、該
板部下方に付設させた弁板３３を、上記第３筒部
上端面の弁座部２７に圧接させて吐出弁３４を形
成させた弁体付き部材５とを有し、上記第２筒部
或いは筒状操作部材の外面から、それぞれの部材
をシリンダに対して外部から押下げ可能な押釦２
１を突設させたことを特徴とする。

「作用」 例えば第１図が示す状態から、押釦２１を介し
て筆軸３をシリンダ２に対して押下げると、筒状
ピストン２４がシリンダ内を下降するため、ピス
トン下部室内が高圧化して該下部室内化粧液が吐
出弁３４を押し開いて塗布部材１８に供給され
る。

筆軸３の押下げを解放すると、該筆軸側とシリ
ンダ側とに介設されたスプリング２５の復元によ
つて筒状ピストン２４がシリンダ内を上昇するた
め、ピストン下部室内が負圧化し、該負圧化によ
り吐出弁３４が閉じると共に吸込み弁１５が開い
て、容器体１内化粧液がピストン下部室内に吸込
みされる。化粧液減少による容器体内の負圧化
は、底壁７の上昇によつて防止される。

「実施例」 第１図は、本考案の一実施例を示すもので、１
は容器体、２はシリンダ、３は筆軸、４はピスト
ン付き部材、５は弁体付き部材である。

容器体１は、直筒状の胴部６を有すると共に、
該胴部の下部内に、該胴部の内壁面に外周面を水
密に接して上昇可能な底壁部材７を嵌合させたも
のである。胴部上端からは肩部を介して口頚部８
が起立させてあり、又胴部下端には透孔９付き閉
塞栓１０を嵌着させている。

上記口頚部８外面には、下部を螺着させてシリ
ンダ２の第１筒部１１が上方へ突出させてある。
該第１筒部の下部内面には下向き段部１１ａを形
成させ、該下向き段部と上記口頚部頂面との間で
有底筒体１２のフランジ部１２ａをシール部材を
介して挟持させている。該筒体の底壁には弁孔１
３を穿設させると共にその内部には玉弁１４を収
装させてあり、これら筒体と玉弁とにより吸込み
弁１５を形成させてある。

筆軸３は、第２筒部１６の下部を上記シリンダ
２の上部内に上下動自在に嵌合させると共に、該
第２筒部の上端部からは筆押え１７を介して棒状
の塗布部材（筆穂）１８を上方へ起立させたもの
である。第２筒部１６の中間部は小内径部として
形成させ、該小内径部に液体吐出パイプ１９下端
を嵌着させると共に、該パイプを塗布部材１８軸
芯部分の中間部まで導出させている。

そして、上記第２筒部１６外面の上下方向中間
部からは、上下方向に長い凹部２０を介して、該
筒部をシリンダに対して外部から押下げ可能な押
釦２１を突設させている。

尚、筆軸はシリンダに対して、両者の対向面間
に介設された凹凸条の係合手段２２により、抜止
めされている。また、筆軸の第２筒部上部外面に
は二重構造のキヤツプが螺合されている。

ピストン付き部材４は、筒状ピストン２４を上
記シリンダの下部内に、スプリング２５により上
方へ付勢させて嵌合させ、該ピストン上面から起
立した第３筒部２６を上記第２筒部１６の下部内
面に水密に嵌合させたものである。上記第３筒部
の上端面にはリング状に弁座部２７が突設されて
いる。また、筒状ピストン及び第３筒部の内部に
は、上記吸込み弁１５と後述する吐出弁３４との
間に形成される加圧室（ピストン下部室）内の圧
縮比を高める為の棒状部材２８が収装されてい
る。該部材は、棒部の上部外面から放射状にスペ
ーサ２９を突出させ、これらスペーサ先端を上記
両部の内壁面に圧接することでピストン付き部材
に対して固定させてあり、棒部下端は玉弁１４上
方に位置させて該玉弁が筒体１２内から外れるこ
とを防止させてある。また、棒状部材は、シリン
ダに対して筆軸３を下限近くまで押下げた時に
は、棒部上端が弁対付き部材５の弁板３３下面を
突上げ、該突上げにより吐出弁３４が開くよう設
けてある。

弁体付き部材５は、上記第２筒部１６の内面に
複数切欠き３０付きの天板３１を嵌着させて左右
一対をなす弧状の弾性圧縮板部３２を垂下させ、
該板部下方に付設させた弁板３３を上記弁座部２
７に圧接させて吐出弁３４を形成させたものであ
る。

尚、図中３５は第２筒部内面から突設させたリ
ブで、第２筒部の小内径部と弁体付き部材５の天
板３１との間におけるスペーサの機能を有する。

従つて、本実施例では、筆軸３の押下げ時に
は、加圧室内の化粧液はピストン付き部材４の内
部通路→吐出弁３４→切欠き３０→第２筒部１６
の小内径部と弁体付き部材５の天板３１との間隙
→液体吐出パイプ１９を通つて塗布部材１８に供
給される。

次に、第２図は本考案の別の実施例を示すもの
である。

これは、第１図における筆軸３の第２筒部１６
を小内径部の上端部分を境にして上筒部と下筒部
とに二分割して、上筒部をシリンダ２に対し適宜
の手段（図示例では凹凸条の係合手段４１）によ
り固着させると共に、下筒部を筒状操作部材４０
としてシリンダ２の上部内に上下動自在に嵌合さ
せた例である。勿論、上筒部（筆軸３）と筒状操
作部材４０とは液体吐出パイプ１９により水密に
連結されると共に、操作部材の上部外面に押釦２
１が突設される。

上記両実施例共に、各部は適宜合成樹脂材を用
いて成形製作される。

「考案の効果」 以上説明したように本考案によれば、容器体側
に対して、該容器体の先端に位置する筆軸側を押
釦により押込みして使用するように構成したの
で、上記押込み操作から化粧液塗布操作に至るま
で容器を持ち替える必要がなく、使用上頗る便利
である。また、塗布部材を押付けることがないの
で、該塗布部材として肌ざわりの良い軟質のもの
が使用可能となる。さらに、従来の基本構造に押
釦を付加するだけの簡単な構造で済むので、大き
なコストアツプにはならない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断面図、第
２図は本考案の別の実施例を示す縦断面図であ
る。 １……容器体、２……シリンダ、３……筆軸、
４……ピストン付き部材、５……弁体付き部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直筒状の胴部６を有すると共に、該胴部の下部
   内に、該胴部の内壁面に外周面を水密に接して上
   昇可能な底壁７を嵌合させた容器体１と、該容器
   体の口頚部８に下部を嵌着させて第１筒部１１を
   上方へ突出させ、下端筒部内には吸込み弁１５を
   内装させたシリンダ２と、該シリンダの上部内
   に、第２筒部１６の下部を、直接或いは該筒下部
   に水密に連設される筒状操作部材４０を介して間
   接に、上下動自在に嵌合させると共に、該第２筒
   部の上端部からは塗布部材１８を上方へ起立させ
   た筆軸３と、上記シリンダの下部内に筒状ピスト
   ン２４を上方へ付勢させて嵌合させ、該ピストン
   上面から起立した第３筒部２６を上記第２筒部或
   いは筒状操作部材の下部内面に水密に嵌合させた
   ピストン付き部材４と、上記第２筒部或いは筒状
   操作部材の内面に天板３１を固設させ、該天板か
   ら弾性圧縮板部３２を垂下させると共に、該板部
   下方に付設させた弁板３３を、上記第３筒部上端
   面の弁座部２７に圧接させて吐出弁３４を形成さ
   せた弁体付き部材５とを有し、上記第２筒部或い
   は筒状操作部材の外面から、それぞれの部材をシ
   リンダに対して外部から押下げ可能な押釦２１を
   突設させたことを特徴とする化粧筆付き液体容
   器。