JPH0415125Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は、例えば液状眉墨や液状口紅等を塗布す
るための化粧液体塗布用筆に係る。

「従来の技術」 この種筆として実願昭60−63571号記載の考案
がある。該考案は、筆ペン状として、筆軸内に容
器を上下動自在に嵌合させると共に、容器体上方
の筆軸内と容器体上部内とで加圧室を形成させ、
筆軸に対して容器体を押込むことで加圧室内が高
圧化されて吐出弁が開き、該加圧室内液体が筆穂
に吸収され、又容器体を離すと筆軸側に固定され
た筒状ピストンと容器体側に固定されたシリンダ
との間に介装されたスプリングの復元力により筆
軸に対して容器体が押戻されて加圧室が拡開さ
れ、該拡開による負圧化によつて容器体内液体は
加圧室内へ入るよう設けたものである。

「考案が解決しようとする問題点」 上記筆穂部分は比較的高価となるものであり、
従つて該筆穂部分を再使用できるようにすればこ
の種筆を廉価にすることが出来る。

本案は、その筆穂部分を再使用等のために着脱
自在としたものである。

「問題点を解決するための手段」 直筒状の胴部２を有すると共に、該胴部の下部
内に、該胴部内壁面に外周面を水密に接して上昇
可能な底板３を嵌合させた容器体１と、該容器体
の口頸部内に下部を嵌着させて第１筒部１０を上
方へ起立させ、下端筒部内には吸込み弁１１を内
装させたシリンダ９と、該シリンダ上部を上方部
で連結された内外筒１４，１５間へ嵌合させ、シ
リンダ内へ嵌合された内筒１４上部内には吐出弁
１６を、かつ内筒下端には筒状ピストン１７をそ
れぞれ付設させ、かつ外筒１５から垂設させた筆
軸部１８内へ上記容器体１を嵌合させ、上記シリ
ンダおよび容器体に対して上下動自在かつ上方へ
付勢させて設けた主筒１３と、該主筒の上部へ、
着脱自在に保持筒２６下部を水密に嵌合させると
共に、該保持筒の上方部内に基部２７を嵌着させ
て筆穂２８を突出させた筆穂付き部材２５とで、
形成させた。

「作用」 キヤツプ３３を外し、容器体胴部２に対して予
め浅く嵌合させてある閉塞栓６を二点鎖線が示す
ように深く押込み、筆軸部１８に対して容器体１
をスプリング１９の付勢に抗して押上げすると、
容器体と共にシリンダ９が上昇して吸込み弁１１
と吐出弁１６との間の加圧室が高圧化され、する
と吐出弁１６が開いて加圧室内液体が筆穂２８内
へ押出される。該状態から容器体１を離すと、上
記高圧状態の解消により吐出弁１６が閉じ、又上
記スプリング１９の復元によりシリンダ９および
容器体１が押下げられることで加圧室が拡開さ
れ、該拡開による負圧化により容器体内液体が吸
込み弁１１を通つて吸上げられ、容器体負圧化は
底板３の上昇によつて解消される。筆穂付き部材
２５は、主筒１３に対して着脱自在である。

「実施例」 本案化粧液体塗布用筆は、容器体と、シリンダ
と、主筒と、筆穂付き部材とからなる。

容器体１は、直筒状の胴部２を有すると共に、
該胴部の下部内に、該胴部内壁面に外周面を水密
に接して上昇可能な底板３を嵌合させたものであ
る。胴部上端からは肩部を介して口頸部４を起立
させており、胴部下端には透孔５付き閉塞栓６を
嵌合させている。閉塞栓は、始め浅く嵌合させて
おき、押上げによつて深く嵌合できるよう設けて
あり、そのため、胴部の下部内面には上下に凹溝
７，８を周設させて閉塞栓周壁の外面に周設させ
た突条を下方凹溝内へ嵌合させ、押上げによつて
その突条が上方凹溝７内へ嵌合されるよう設けて
ある。又該閉塞栓押上によつて、始め下方に位置
する底板３は閉塞栓押上げ距離だけ上方へ突上げ
られ、すると容器体内液体が後述加圧室内に充填
する。

上記容器体の口頸部４内には、シリンダ９の第
１筒部１０下部を嵌着させている。第１筒部下端
内には吸込み弁１１が内装させてあり、第１筒部
の上半部は大内径部としてある。尚シリンダ９の
中心軸線上には加圧室圧縮比を高めるための棒状
部材１２を、該部材下端をシリンダ下部に固定し
て起立せてある。

主筒１３は、上方部で連結された内外筒１４，
１５を有し、その内外両筒間にシリンダ９上部を
嵌合させ、シリンダ内に嵌合された内筒１４の上
部内には吐出弁１６を設け、又内筒下端には筒状
ピストン１７を付設させている。又外筒１５から
は筆軸部１８を垂設させ、該筆軸部内にシリンダ
および容器体１を嵌合させている。主筒１３は容
器体およびシリンダに対して上下動自在であり、
かつ上方へ付勢させて設ける。その付勢は、シリ
ンダ９と内外筒の間〓上端との間に介装されたス
プリング１９により行われており、シリンダ９に
対する主筒の抜出しを防止するため、外筒１５に
長孔１５ａを縦設させ、該長孔内へシリンダ外面
に付設させた突子１０ａを摺動自在に嵌合させて
いる。吐出弁１６は、弾性変形可能なリング状部
２０下端から下方小径のテーパ部を有する弁体２
１を垂設させ、かつリング状部上端から小径筒部
２２を起立させ、該小径筒部上端から大径の嵌合
筒部２３を起立させて、その嵌合筒部を内筒１４
の内面に嵌合させ、上記テーパ部外面を内筒内面
に設けた上向き段部の上縁が形成する弁座２４へ
圧接させて形成させている。

筆穂付き部材２５は、保持筒２６を有し、該保
持筒下部を上記主筒上部外面へ着脱自在にかつ水
密に嵌合させ、該保持筒の上部内に基部２７を嵌
着させて筆穂２８を上方へ突出さている。筆穂２
８内への液体注出が容易であるよう、筆穂下半部
の中心軸線上には小径パイプ２９の上半部を抱持
させるとよく、この場合は更に筒部３０上端に付
設させた外向きフランジ３１を保持筒内面へ嵌着
させて筒部３０内へ小径パイプ２９下部を嵌着さ
せ、又筒部下端から垂設させた小径筒部３２を既
述嵌合筒部２３の内面へ着脱自在にかつ水密に嵌
合させるとよい。

３３は筆穂２８を内部へ挿入させて周壁下部を
主筒上部外面へ嵌合させたキヤツプである。該キ
ヤツプの奥部内には筆穂２８の乾燥を防止するた
めのテーパ状筒３４が付設させてあつて、キヤツ
プ嵌合時にテーパ状筒下端内面が保持筒２６の上
部外面へ気密に接するよう設けてある。

「考案の効果」 本案は、主筒１３に対して筆穂付き部材２５を
着脱自在に設けたから、該筆穂付き部材を再利用
することが出来、従つてコストを下げることが出
来る。又この種筆は、始めての操作により直ちに
筆穂に液体が供給されるようにすることが望まし
く、このようにするには予め加圧室内に液体を充
填させておくことが必要となるが、該液体充填の
際に筆穂も濡らすこととなり易く、するとバージ
ン性が失われて価値が低下するから、従来のこの
種筆にあつては加圧室内への液体充填が出来ず、
そのため消費者は加圧室内が液体と置換されるま
で何回も操作する必要があつた。しかし本案では
筆穂付き部材を着脱自在としたから、予め生産工
程で、加圧室内に液体充填を行つた後に筆穂付き
部材を嵌合させておくことが出来、よつて消費者
は加圧室内への液体置換のための操作を行わなく
てもよいようにすることが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は一部を省略して示す本案筆の半断面図で
ある。 １……容器体、９……シリンダ、１３……主
筒、２５……筆穂付き部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直筒状の胴部２を有すると共に、該胴部の下部
   内に、該胴部内壁面に外周面を水密に接して上昇
   可能な底板３を嵌合させた容器体１と、該容器体
   の口頸部内に下部を嵌着させて第１筒部１０を上
   方へ起立させ、下端筒部内には吸込み弁１１を内
   装させたシリンダ９と、該シリンダ上部を上方部
   で連結された内外筒１４，１５間へ嵌合させ、シ
   リンダ内へ嵌合された内筒１４上部内には吐出弁
   １６を、かつ内筒下端には筒状ピストン１７をそ
   れぞれ付設させ、かつ外筒１５から垂設させた筆
   軸部１８内へ上記容器体１を嵌合させ、上記シリ
   ンダおよび容器体に対して上下動自在かつ上方へ
   付勢させて設けた主筒１３と、該主筒の上部へ、
   着脱自在に保持筒２６下部を水密に嵌合させると
   共に、該保持筒の上方部内に基部２７を嵌着させ
   て筆穂２８を突出させた筆穂付き部材２５とで、
   形成させたことを特徴とする化粧液体塗布用筆。