JPS6244775Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、圧縮容器を手で押圧することによ
り、予め螺装した蓋部材の噴霧部から噴霧が行わ
れるようにしたシヤンプー、ヘアスプレー等に用
いて好適の噴霧容器に関するものであつて、一回
の押圧による噴霧を正しく定量とするとともに各
噴霧終了時における噴霧の液切れが瞬時に行われ
滴下現象が防止されるようにしたものである。

この考案の実施例を図面について説明すると、
１は圧縮容器であつて適度の弾力性を有する軟質
合成樹脂材料で作られている。２はこの圧縮容器
１の上端口部に螺装固定された蓋部材であつて一
体の硬質樹脂を以つて、上半部を上面に透孔３を
有する小径の上部シリンダー部４、ならびに下半
部を圧縮容器内に嵌合する垂下筒５によるやや大
径の下部シリンダー部６に形成されている。７は
周面をピストンとして上記シリンダー部に嵌合さ
れる立管であつて、適度の弾力性を有する合成樹
脂で作られ、上端を上部シリンダー部４に適合す
る上部ピストン部８、中間を円板状に張り出して
下部シリンダー部６に適合する下部ピストン部９
に形成されスプリング１０を介して常に圧下状態
に保持されている。この立管７の上端には硬質樹
脂で作られ、上下端を針弁１１，１２に形成した
弁杆１３が自重により管口を閉塞して載架保持さ
れている。１４は、立管７に接続された給液管で
あつて下端が圧縮容器１の底部に近く達してい
る。

次に、蓋部材２の上部シリンダー部４を形成す
る隆起部には、外周面に噴射部１５を有する合成
樹脂製のキヤツプ状部材１６が嵌装固定されてお
り、このキヤツプ状部材１６は内部上方を区画し
て一端を噴射部１５に開口し、他端を下方に通ず
る小孔１７とした筒室１８を有し、この筒室１８
内には周面に縦溝１９−−を設けた硬質樹脂より
なる短杆状の中子２０および、この中子２０の前
面に圧接して奥部に噴出孔２１を有する弾力性樹
脂よりなる倒容器状の噴射部材２２が嵌挿固定さ
れている。この筒室１８は、下端の小孔１７を前
記上部シリンダー部４の上面に開設された透孔３
に一致して位置しており、立管７がスプリング１
０に抗して上昇した際、前記弁杆１３の上部針弁
１１が透孔３を閉塞することにより筒室１８との
連通も遮断されるようになつている。なお、図に
おいて２３は空気抜孔、２４は輪状のパツキンを
示す。

この考案は上記の構造であつて、圧縮容器１を
指先で挟圧して扁平化させることにより、圧縮容
器１内の圧力を高め、ピストン９をスプリング１
０に抗して上方に押し下げ、充分蓄圧したのち、
前回の吸入により蓄積されていた空気混和液を押
し上げて噴出部１５から噴霧させるものであつ
て、この点は従来の装置と同様であるが、この考
案においては弁体を従来の単なる逆止弁に比べ
て、上下端を針弁１１，１２とする弁杆１３とし
て、立管７の上昇時、この上部針弁１１が噴出部
１５に通ずる透孔３を閉塞するようにしたから、
前回に蓄積されていた空気混和液が次に流入して
くる空気混和液で押し出されたり、あるいは下方
に逆流のおそれがなく常に定量に保たれるから、
したがつて従来のもののように噴霧が滴状となる
おそれがない。また噴出部１５は、従来の単なる
小孔を有するノズルのものと異なり、中子２０と
倒容器状の噴射部材２２を組み合わせて形成した
から空気混和液は中子２０の縦溝１９−を介して
細流に分割されたのち、噴射部材２２の弾力性に
抗して噴出孔２１から噴霧され、したがつて上部
シリンダー部４内の圧力が弱まり噴霧が停止され
ると噴射は同時に停止され滴下のおそれがないと
ともに、噴射部材２２の肉厚、弾力度、噴出孔２
１の径等を適宜選択することにより噴霧状態を変
化することができる。

さらに、スプリング１０に抗して立管７つまり
上部ピストン部８を上昇する力は、受圧面積の大
きい下部ピストン部９を併用しているため、噴霧
の勢がよくなり、また、噴射部１５はキヤツプ状
部材１６に設けたため、噴射方向を予め蓋部材２
に停止するまでねじ込まれた圧縮容器１の扁平方
向に随時一致させることができる等多くの利点を
有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示す縦断面図であ
る。 １……圧縮容器、２……蓋部材、３……透孔、
４……上部シリンダー部、５……垂下筒、６……
下部シリンダー部、７……立管、８……上部ピス
トン部、９……下部ピストン部、１０……スプリ
ング、１１……上部針弁、１２……下部針弁、１
３……弁杆、１４……吸液管、１５……噴射部、
１６……キヤツプ状部材、１７……小孔、１８…
…筒室、１９……縦溝、２０……中子、２１……
噴出孔、２２……噴射部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧縮容器１の上端口部に、上半部を上面に透孔
   ３を有する小径の上部シリンダー部４、下半部を
   垂下筒５としてやや大径の下部シリンダー部６に
   各形成した蓋部材２を螺装取付するとともに、蓋
   部材２内には上端を上部シリンダー部４に嵌合す
   る上部ピストン部８、中間を円板状に張り出して
   下部シリンダー部６に嵌合する下部ピストン部９
   とした立管７を、スプリング１０により常時圧下
   させて収容し、かつ立管７の上端には上下端を針
   弁１１，１２とする弁杆１３を上記立管７の上昇
   時、上部針弁１１が上部シリンダー部４の透口３
   を閉塞するようにして載架保持し、さらに上部シ
   リンダー部４には内部上方を区画して一端を外周
   面に開口し、他端を下方に通ずる小孔１７とした
   筒室１８を有するキヤツプ状部材１６をその小孔
   １７を前記透孔３に一致させて被嵌固定し、かつ
   筒室１８内部に周面に縦溝１９を有する短杆状の
   中子２０およびこの中子２０の一端に圧接して奥
   部に噴出孔２１を有し弾性材料よりなる倒容器状
   の噴射部材２２を外部から順次嵌挿してなる押圧
   型噴霧容器。