JP2509769Y2 - 小形噴霧器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、ノンガス形の小形噴霧器に関する。

「従来の技術」 従来の小形噴霧器としては手動操作形が知られてい
る。この形のものは周知のように、容器体口部にシリン
ダーを内設し、このシリンダー底部から容器体内下方に
吸上げ管を連通垂下し、またこのシリンダー内の筒状ピ
ストンに下端を連通固定し、かつ復帰ばねで付勢されて
上方外部の突き出た上下動可能なステム上端にノズル孔
を開孔した押下げヘッドを設け、前記シリンダー底部開
口に吸込み弁を、ステムに吐出弁を設けたものであり、
復帰ばねに抗し押下げヘッドを押下げてシリンダー内液
を加圧し、この加圧液で吐出弁を開弁し、ノズル孔から
液を霧状に突出させたものである。

「考案が解決しようとする課題」 上記説明から判るように、手動操作形の噴霧器は、押
下げヘッドを押込んだときにのみ液を加圧して噴霧で
き、復帰ばねが戻る復帰時には噴霧しない不連続噴霧形
であり、噴霧を継続させるには繰返し押下げ操作が必要
である。

これに対し、エアゾール形は、押下げヘッドを操作し
ている間連続的に噴霧でき至極便利であるが、このエア
ゾール形は地球規模の環境破壊につながるとして公害問
題になっているフロンガスを内容物と共に容器内に封
入、気化したガスの圧力を利用するものである。

本考案は、液の加圧部材としてカスに代えて弾性材を
用い全く公害のおそれのないノンガス形の小形噴霧器を
提供することを目的とする。

「課題を解決するための手段」 本考案の小形噴霧器は、カップ状の基台１と、伏せ椀
状の上半部６及び椀状の変形可能な柔軟材からなる下半
部７とで形成された蛤状の胴体８を有し、胴体上半部６
頂部から細長なステム９を貫通立設し、かつ胴体下半部
７を前記基台１に格納してこの基台１上に立設された容
器体２と、前記基台１に内設され、前記胴体下半部７を
上方に押上げて容器体２内液を加圧する弾性部材３と、
前記ステム９上端に嵌着されたエアゾール弁４と、一側
にノズル孔10を開孔して前記エアゾール弁４上部に連通
結合された押下げヘッド５とで構成している。

「作用」 上記において、常時はエアゾール弁４は閉弁状態にあ
り、そして容器体２内の液は変形可能な胴体下半部７を
介し弾性部材３により押上げ加圧さている。

ここで、押下げヘッド５を押下げ操作し、エアゾール
弁４を開弁すると、容器体２内の加圧液体はエアゾール
弁４を経て押下げヘッド５のノズル孔10から霧状に噴出
される。この噴霧により容器体２内の液量が減少しても
弾性部材３による液加圧は持続するので、押下げヘッド
５操作中は連続的に噴霧できる。

「実施例」 以下図面を参照して実施例を説明するに、本考案の小
形噴霧器はカップ状の基台１、椀状の下半部７を柔軟材
で形成した蛤状の胴体８を有する容器体２、前記胴体下
半部７を介し容器体２内液を加圧する弾性部材３、前記
容器体２のステム９上端のエアゾール弁４、このエアゾ
ール弁４に連通結合された操作ヘッド５の主部材で構成
している。

第１の実施例（第１図乃至第３図） 基台１はカップ状の形状で、外面上半部にねじ山を形
成し、また内面下半部には周方向とびとびにリブ11を形
成し、底壁中心部に空気孔12を開けている。

容器体２は、上半部６が伏せ椀状、下半部７が椀状の
全体として蛤状の外形の胴体８を有し、上半部６頂部か
ら細長なステム９を上方に貫通立設し、また頂部まわり
上面からステム９外周に位置する外部筒13を立設した形
状であり、胴体下半部７は変形可能な柔軟材、例えばゴ
ム或いは軟質合成樹脂材で形成し、この胴体８の上、下
半部６と７を周縁の合わせ目を噛合させて液密に組合わ
せ、そして胴体上半部６下端周縁からやや拡形した取付
け用周壁14を垂設し、この周壁14を前記基台１外面に螺
着し、胴体下半部７を基台１内に格納させてこの基台１
から上方に立設するよう取付けてある。15は外部筒13上
部に内嵌固定されてこの外部筒13とステム９間空所を塞
いでいる頂板部材で、中央部に噴霧ヘッド５を案内する
直筒状の凹陥部16を形成している。

弾性部材３は喇叭状のコイルばねで形成され、大径下
部を前記基台１のリブ11部に内嵌固定し、小径上部を前
記胴体下半部７下面の脚筒17に嵌合し、常時この胴体下
半部７を押上げ付勢している。

エアゾール弁４は常時は閉弁し、押下げヘッド５を下
方に押圧すると、その押圧している間開弁を継続するも
のである。このエアゾール弁は多種あるが、第３図はそ
の１例である。このエアゾール弁４は、縮径した底部開
口をステム９上端に連通結合した弁筒18内に、下端を復
帰ばね19で支持された押下げ可能な連通管20を差込み、
この連通管20の中間部外面の溝部に、弁筒18の上部開口
を塞ぐように設けたドーナツ状のゴム等の弾性弁体21を
嵌めて溝部一側の連通孔22を閉塞させ、前記連通管20に
連通結合した押下げヘッド５を下方に押込んだとき、弾
性弁体21を下方に弯曲変位させて連通孔22を開通させる
ようにしたものである。23は押え部材である。

押下ヘッド５は、一側にノズル孔10を開孔し、このノ
ズル孔10に連通して下面に開口した吐出路を前記連通管
20に連通結合してある。24はキャップを示す。

上記構成において、容器体２内に収納する液は、押下
げヘッド５を装着する以前にエアゾール弁４を開弁状態
としてその連通管20から逆に内部に強制的に圧入するこ
とにより収納できる。

この構造によれば、容器体２内の液は変形可能な胴体
下半部７を介し弾性部材３により常時加圧されているの
で、押下げヘッド５押下げによるエアゾール弁４の開弁
中、継続して噴霧させることができる。

第２の実施例（第４図、第５図） この実施例は、取付け用周壁14を独立の別部材とし、
従って胴体８の上半部６と下半部７の接合部を金属カー
ル25で圧着固定し、この金属カール25部を、螺着した取
付け用周壁14の内向きフランジ26で基台１上端に押え固
定するようにしたものである。

第３の実施例（第６図、第７図） この実施例は、弾性部材３として下拡がりの逆カップ
状のゴムを用いたもので、ゴムの復元力により胴体下半
部７を介し液体を加圧させるようにしている。この場合
のゴムは、ゴム単一材でもよく、復元力を増大させるた
めに他の素材と組合わせたものでもよい。なお、この種
のものとして、ゴムと繊維を重ね合わせ三層構造のチュ
ーブ状のものがある。これは液体の中に入れて使用する
もので、液体類に入れると膨張し元に戻ろうとする力で
液体を外に噴出させるのである。

上記各実施例において、弾性部材３、胴体下半部７、
復帰ばね19、金属カール25以外の各部は合成樹脂材で成
形製作される。

「考案の効果」 上記したように、本考案の小形噴霧器では、容器体２
の胴体下半部７を変形可能な柔軟材で形成し、この下半
部７を介し弾性部材３で容器体２内液を加圧するノンガ
ス形構成としたので、公害のおそれが全くなく安全であ
る。また容器体２の胴体８は、上半部６と下半部７とを
蛤形の形状としたので、弾性部材３による加圧は効果的
である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案小形噴霧器の第１の実施例を
示し、第１図は縦断面図、第２図は分解斜視図、第３図
はエアゾール弁の縦断面図、第４図は第２の実施例の縦
断面図、第５図は第４図の一部の拡大図、第６図と第７
図は第３の実施例の縦断面図を示し、第６図は液封入状
態、第７図は液未封入状態の図である。 １……基台、２……容器体 ３……弾性部材、４……エアゾール弁 ５……押下げヘッド

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カップ状の基台１と、伏せ椀状の上半部６
   及び椀状の変形可能な柔軟材からなる下半部７とで形成
   された蛤状の胴体８を有し、胴体上半部６頂部から細長
   なステム９を貫通立設し、かつ胴体下半部７を前記基台
   １に格納してこの基台１上に立設された容器体２と、前
   記基台１に内設され、前記胴体下半部７を上方に押上げ
   て容器体２内液を加圧する弾性部材３と、前記ステム９
   上端に嵌着されたエアゾール弁４と、一側にノズル孔10
   を開孔して前記エアゾール弁４上部に連通結合された押
   下げヘッド５とからなる小形噴霧器。