JPS632122Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は、蓄圧式噴霧器に係る。

従来、エアゾール式噴霧器があり、この噴霧器
は、噴霧ヘツドを押下げている間、該噴霧ヘツド
から連続的自動的に噴霧が得られる。

而して、この噴霧器は、液体容器中に液化ガス
のボンベを内蔵して、その液化ガスの気化により
容器の内圧を増大させており、噴霧ヘツドの押下
げでバルブを開き、加圧液体を噴霧ヘツドへ案内
して噴霧を得るようになつている。

従つて、構造は比較的に簡単であるが、使用さ
れる液化ガスによつては人畜に害の及ぶことがあ
り、また、そのようなボンベを内蔵しているの
で、十分に密封した使い捨てのものとせざるを得
ず、無駄が甚しい。更に、使用済廃棄で火中に投
入されると、密封されているために破裂を生ずる
危険があり、廃棄時に容器へ孔をあけることが奨
励されている。

本案は、斯る従来の欠点を除去しようとするも
のである。

以下、図示の実施例について説明する。

図示のものは、筒体１の上半部に液体容器Ａ
を、また、下半部にエアポンプＢを構成し、筒体
１の上端に液体容器Ａに通じるバルブ付き噴霧装
置Ｃを設けている。

液体容器Ａは、筒体１の内周下半を大径に形成
すると共に、該大径部１ａ上端即ち筒体１中間部
に容器底板２を螺着固定して、構成しており、内
部に噴霧用液体を収容する。

エアポンプＢは、上記容器底板２に装備した吐
出弁３と、容器底板２から垂設したシリンダ４
と、筒体１の下半部内に摺動自在に装備したカツ
プ状の摺動体５と、該摺動体から起立し上記をシ
リンダ４へ出入自在に挿入した管状プランジヤ６
と、該管状プランジヤの上端に装着し上記シリン
ダ４内に摺動自在に内装したピストン７と、該ピ
ストンに設けた吸込弁８と、上記容器底板２と摺
動体５との間に設けた圧縮スプリング９とから成
る。

上記吐出弁３は、容器底板２の中央に弁孔３ａ
を穿設し、且つ、その上面にゴム、軟質合成樹脂
の板等で形成した板状の弁体３ｂを配して、該弁
体の周辺基部を容器底板２の上記螺着に伴いこれ
と筒体１との間で挾持している。

上記シリンダ４は、容器底板２の下面から一体
に垂設しているが、上記弁孔３ａと同心に設け、
内外径を筒体１下半部の約1/2に形成し、長さを
その下端が筒体１下端と一致するところの長さに
している。

上記摺動体５は、カツプ状に形成して、筒体１
下半部へ摺動自在に内装しているが、その外周上
縁に係合突条５ａを設け、また、筒体１の下端内
縁に係合突条１ｂを設けて、抜け止め係合させて
いる。

上記管状プランジヤ６は、摺動体５の底部中央
から従つてシリンダ４と同心状態で一体に起立
し、内部が外気の流通を得るよう開通し、上部外
周に凹溝６ａを周設している。

上記ピストン７は、ゴム、軟質合成樹脂等によ
りキヤツプ状に形成して、管状プランジヤ６の上
端部に嵌着し、その内周面に突条７ａを周設し
て、これを管状プランジヤ６の凹溝６ａに嵌合さ
せて抜けないようしつかり固定し、周縁７ｂをわ
ずかにフランジ状に突出して、これをシリンダ４
内へ気密に摺動させるようにしている。

上記吸込弁８は、管状プランジヤ６の上端に弁
孔８ａを形成し、これを閉じているピストン７に
適宜に切込みを入れて、これを弁体８ｂにしてい
る。

上記圧縮スプリング９は、容器底板２と摺動体
５との間に設けているが、摺動体５を下方へ弾発
して、常時下限に位置させるようにしている。

従つて、上述のエアポンプＢは、摺動体５を圧
縮スプリング９に抗して押上げると、ピストン７
がシリンダ４内を上昇し、同時に、吸込弁８が
閉、吐出弁３が開となつて、シリンダ４内の空気
を液体容器Ａへ加圧供給する。次に、その押上げ
を放すと、圧縮スプリング９の弾力によりピスト
ン７が下降し、吸込弁８を開、吐出弁３が閉とな
つて、管状プランジヤ６を介してピストン７内へ
外気を導入する。この操作を繰返すことにより液
体容器Ａ内を高圧に加圧できる。

バルブ付き噴霧装置Ｃは、基部１０を筒体１の
上端即ち容器Ａの口部１ｃに着脱自在に且つ気密
に螺着し、該基部１０から噴霧ヘツド１を押下げ
可能に突出し、且つ、基部１０から容器Ａ内下部
へとパイプ１２を垂設しており、また、基部１０
内にバルブ（図示せず）を内装して、これが噴霧
ヘツド１１の押下げで開となり、噴霧ヘツド１１
とパイプ１２とが開通するようにしている。

従つて、バルブ付き噴霧装置Ｃは、噴霧ヘツド
１１押下げによりバルブが開き、液体容器Ａ内の
加圧液体が噴霧ヘツド１１から噴霧する。

図中、Ｄはキヤツプである。

本案によれば、エアポンプＢを備え、液化ガス
ボンベを有していないので、人畜にガスによる害
が及ぶことはなく、使い捨てでなくて幾多も液体
を補充しては使用でき、頗る経済的であり、廃棄
に対する問題を解決できる。

また、エアポンプＢが筒体１の下部にあり、突
出した摺動体５を押上げるだけでよいから、操作
が極めて容易であり、構造を簡潔にできる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本案実施例の縦断正面図である。 Ａ……液体容器、Ｂ……エアポンプ、Ｃ……バ
ルブ付き噴霧装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒体１を設け、該筒体の中途に容器底板２を設
   けて、該容器底板２より上方の筒体１上半部を液
   体容器Ａに形成し、また、容器底板２より下方の
   筒体１下半部に液体容器Ａ内へと加圧空気を供給
   するエアポンプＢを装着し、筒体１上端の液体容
   器口部１ｃにバルブ付き噴霧装置Ｃを着脱自在に
   且つ気密に装着し、上記エアポンプＢは、上記容
   器底板２に吐出弁３を設けると共に、その容器底
   板２からシリンダ４を垂設し、上記筒体１の下半
   部内にカツプ状の摺動体５を摺動自在に内装し、
   且つ、該摺動体の外周上縁とその筒体１の下端内
   縁にそれぞれ係合突条５ａ，１ｂを設けて抜け止
   め係合させ、その摺動体５から上下に開通する管
   状プランジヤ６を起立させて上記シリンダ４へ出
   入自在に挿入し、該管状プランジヤ６の上端にピ
   ストン７を設けてそのシリンダ４内へ摺動自在に
   嵌合させ、該ピストン７には吸込弁８を設け、更
   に、上記容器底板２と上記摺動体５との間に圧縮
   スプリング９を介在させて摺動体５を出方向に付
   勢して成ることを特徴とする蓄圧式噴霧器。