JPH06105522A - ブラシレスモータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明はブラシレスモータの構造に関し、構成
部品を少なくして組立性を良くすることにある。 【構成】ブラシレスモータのマグネットを所謂プラマグ
で凸部付略円板状とし所定の磁気境界を持つよう軸方向
に磁化すると共に、鉄キバン上にロータの位置検出用磁
気検出素子を設け、かつ、発電機用パターンの引出し部
をリードセンの一部と重畳させるよう構成したことによ
り達成される。 【効果】３項目の目的を有する変則形状のマグネットを
所謂プラマグで簡単に製作出来、かつ、周波数発電機の
特性低下をリードセンの構成を考慮することにより補償
出来るので、構成部品が少なくなり、組立工数も低減出
来る効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ブラシレスモータに係
り、特にＶＴＲのドラム回転用として使用したとき好適
なドラム用ブラシレスモータの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のブラシレスモータは、例えば実開
昭６３−９３７７０号公報に示すように回転トルクを得
るための駆動部と、回転速度を電気信号化するための周
波数発電機部と、ロータ位置を電気信号化するためのパ
ルス発電機部と、等よりなり、各々専用のマグネットと
コイル等により構成されていた。

【０００３】このように構成されているブラシレスモー
タに於いて、構成を簡略化し生産価格を低減する方法と
して、例えば実開平１−１８０８７１号公報に示すよう
に駆動マグネットと周波数発電機用マグネットの共通化
や、駆動コイルの接続パターンと周波数発電機用パター
ンを同一面に配設する方法、及び、実開昭６２−１８５
４７５号公報に示すように周波数発電機用マグネットと
パルス発電機用マグネットを共通化する方式が提案され
ている。

【０００４】しかし、１ケのマグネットで回転トルクと
周波数発電機とパルス発電機用をすべて共通化できるよ
うにには、なっていなかった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、各々
２項目の組み合わせでなされたものであるから、総合的
に組み合わせているものは実在していなかった。

【０００６】本発明の目的は前記従来技術を複合的に適
用することにより、その効果を更に拡大せしめるもの
で、部品数と工程数を低減すると共に組立を簡単にし、
この種ドラム用ブラシレスモータを安価に提供すること
にある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的は、凸部付略円
板状マグネットを軸方向に磁化してなるロータと、プリ
ント配線を施した磁性材料よりなる鉄キバンの表面に周
波数発電機用パターンを設けその上面から空心状コイル
を貼付ると共に、磁気検出用素子を設置したステータと
の構成により達成される。

【０００８】

【作用】マグネットをフェライト又は希土類など強磁性
材の粉末をベース、プラスチックをバインダー材として
成形した所謂プラマグとし、円板状の外径部に凸部を設
けた形状にして軸方向に磁化し、円板状部分の磁界で回
転トルクと周波数発電機の電気信号を、外径部の凸部部
分による磁界でロータの位置検出用電気信号を得るよう
にする。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１〜図５により説
明する。

【００１０】図１〜図５に於いて、１は回転ドラム、２
はビデオヘッド、３は回転支持体、４は回転軸、５は固
定ドラム、６ａは上部軸受、６ｂは下部軸受、７はボス
で、ビデオヘッド２を搭載した回転ドラム１は回転支持
体３を介して回転軸４に取付られ、固定ドラム５に対し
ては上部軸受６ａと、下部軸受６ｂに支承され、かつ、
ボス７に軸方向動きを制限されて、回転自在となってい
る。

【００１１】８は磁性材料よりなる有底円筒状のケー
ス、９は例えばフェライトや希土類などの強磁性材料か
らなる微粉末をプラスチックで混練し公知の技術で成形
した凸部付略円板状マグネットで、円板状部分９ａと外
径側に突出した凸部部分９ｂよりなる。９ｃと９ｄは前
記凸部付略円板状マグネット９を軸方向から磁化したと
き、Ｎ極とＳ極の境界に表れる仮想線で凸部部分のマグ
ネット９ｂの仮想線９ｃが円板状部分マグネット９ａの
仮想線９ｄと同一線上になるよう設定する。ロータ１０
は前記ケース８とマグネット９より構成されるもので、
ドラム側のボス７に図示しないネジなどにより固定さ
れ、回転ドラム１と共に回転自在となる。

【００１２】１１はコイルで、公知の自己接着性マグネ
ットワイヤーを公知の巻線機で所定形状に空心状に巻回
し固化したもの、１２は例えばホール素子のように磁界
に対して抵抗値が変化する磁気検出素子、１３はフレキ
シブルプリントキバンからなるリード線でモータと外部
回路を電気的に接続するためのもの、１３ａはモータ側
に接続するフレキシブルプリントキバンの一部に設けた
突出部で、銅箔１３ｂを配設しているものである。１４
は鉄キバンで磁性材料の表面に図示しない絶縁層を介し
て銅箔を接着し、公知の加工技術で発電機用パターン１
４ａとコイル１１接続用パターン１４ｂと磁気検出素子
１２接続用パターン１４ｃとフレキシブルプリントキバ
ン１３の接続用パターン１４ｄを設けたものである。
尚、発電機用パターン１４ａの端子は、一方が引出部パ
ターン１４ｅを介して外部接続用パターン１４ｄへ、残
る一方はフレキシブルプリントキバン１３の突出部１３
ａと接続するための端子部１４ｆを介して各々外部回路
へ導びかれるようにしているものである。ステータ１５
は上記鉄キバン１４の表面にコイル１１と磁気検出素子
１２とフレキシブルプリントキバン１３を所定位置に接
着又はハンダ付けなどにより固定してなる。

【００１３】このように構成されたドラム用ブラシレス
モータに於いてドラムモータは、ケース８と凸部付略円
板状マグネット９の略円板状部分９ａと鉄キバン１４の
間で磁気回路を構成し、コイル１１を該磁気回路によっ
て得られる磁界中に置くことにより、図示しない周知の
モータ駆動回路に接続してコイル１１に電力を印加する
と、ロータ１０は回転トルクを得て回転するようにな
る。

【００１４】上記のように作動するドラムモータの前記
磁界は、同時に鉄キバン１４の表面にある発電機用パタ
ーン１４ａに作用して交流電圧を誘起する。この交流電
圧は凸部付略円板状マグネット９の略円板状部分９ａの
磁極数と発電機用パターンのピッチ角度で決定される。
本実施例の場合、略円板状部分９ａの磁極数が８極、発
電機用パターンのピッチ角度が１５°であるからロータ
１回転当たりのパルス数は１２ケになる。したがってこ
のドラムモータをＶＴＲの記録再生方式であるＮＴＳＣ
の場合に当てはめるとドラムの回転速度は３０回転／秒
であるから、周波数発電機のパターン１４ａからは一般
的な特性規格と同値である３６０Ｈｚの交流電圧が得ら
れる。よってこの交流電圧をドラムの回転速度に比例し
た電気信号として利用することができる。尚、発電機の
パターン１４ａを２重にしている理由は、交流電圧の誘
起出力を大きくするためである。もし、発電機のパター
ン１４ａが１周のままの誘起電圧でＶＴＲの機能上問題
なければ２重にする必要ないことは当然である。

【００１５】次に凸部付略円板状マグネット９の凸部部
分９ｂによる磁界は、磁極境界９ｃを有するよう磁化す
るため鉄キバン１４へはあまり作用せず略閉鎖磁界とな
る。したがって、鉄キバン１４の表側に位置検出用発電
機用パターン（図示せず）を設置しても十分な磁界が作
用しないためロータの位置検出用電気信号が発生しな
い。しかし鉄キバン１４のパターン１４ｃに感度の良い
磁気検出素子、例えばホールソシ１２を設置すると、凸
部付略円板状マグネット９の凸部部分９ｂに接近し前記
略閉鎖磁界の中で磁界の作用を受け作動するようにな
る。したがってロータ１０は位置検出の電気信号を得ら
れるようなる。

【００１６】前記凸部付略円板状マグネット９の凸部部
分９ｂによる略閉鎖磁界は、鉄キバン１４の表側に十分
な磁界が作用しないとしながら、発電機用パターン１４
ａの引出し部１４ｅには若干の悪い影響を及ぼす。その
理由は、発電機用パターン１４ａに誘起される交流電圧
の値が他のパターンの電気信号とくらべるとかなり低い
レベルにあるため、相対的に大きく作用するためであ
る。尚、前記の「悪い影響」とは、周波数発電機の電気
信号３６０Ｈｚに対し、３０Ｈｚや１２０Ｈｚ及び３３
０Ｈｚ等の成分がノイズとして重畳することで、通常
「Ｓ／Ｎ比」と呼称されている。この「Ｓ／Ｎ比」特性
が低下するとドラムモータの速度制御精度が悪化するの
で、これらの現象は出来るだけ対策、低減しなければな
らない。

【００１７】本発明はこれらの問題点を次のように構成
して対処した。すなわち発電機用パターン１４ａに誘起
する交流電圧を外部へ引き出す時、一方の端子を鉄キバ
ン１４の表面に設けた引出部１４ｅを介して外部接続用
パターン１４ｄへ接続し、残る一方の端子は発電機用パ
ターン１４ａの一部に設けた端子部１４ｆよりリードセ
ンの役目をするフレキシブルプリントキバン１３の突出
部１３ａへ接続すると共に、そのフレキシブルプリント
キバンの突出部１３ａを前記鉄キバン１４の引出部１４
ｅの上部に重畳するごとく配設するものである。このよ
うに構成すると、凸部付略円板状マグネット９の凸部部
分９ｂによる略閉鎖磁界の一部が、発電機用パターン１
４ａの引出部１４ｅ、及びフレキシブルプリントキバン
１３の突出部１３ａへ作用しても、各々が互いに打ち消
すように作動するので、前記悪影響を排除出来る効果が
得られる。尚、鉄キバン１４の引出し部１４ｅの上に重
畳する導体を、実施例のごとくフレキシブルプリントキ
バンの一部を使用しなくても略同等の効果が得られる。
しかし、部品価格，組立作業性，効果のバラツキ……等
を考慮すると、実施例による内容の方がよりすぐれてい
る。

【００１８】

【発明の効果】本発明によれば、ブラシレスモータのマ
グネットを所謂プラマグで凸部付略円板状とし所定の磁
気境界を持つよう軸方向に磁化すると共に、鉄キバン上
にロータの位置検出用磁気検出素子を設け、かつ、発電
機用パターンの引出し部をリードセンの一部と重畳させ
るよう構成したので、部品数小，低価格，特性良好……
なＶＴＲ用ドラムモータが得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すドラムモータの縦断面
図である。

【図２】本発明の一実施例を示すステータの正面図であ
る。

【図３】本発明の一実施例を示す鉄キバンの正面図であ
る。

【図４】本発明の一実施例を示すロータの正面図であ
る。

【図５】本発明の一実施例を示すロータの側面図で磁界
説明図である。

【符号の説明】

８…ケース、９…マグネット、１０…ロータ、１１…コ
イル、１２…磁気検出素子、１３…フレキシブルプリン
トキバン、１４…鉄キバン、１５…ステータ。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁性材料よりなる有底円筒状のケースに設
   置した凸部付略円板状マグネットを軸方向に磁化してな
   るロータと、プリント配線を施した磁性材料よりなる鉄
   キバンの表面に、空心状コイルを前記凸部付略円板状マ
   グネットに対向するごとく配設して前記ロータとの間に
   磁気回路を構成するようにしたステータとからなるブラ
   シレスモータに於いて、前記凸部付略円板状マグネット
   の円板状部分による磁界は空心コイルに作用してモータ
   の回転トルク、及びキバン表面のパターンに作用して周
   波数発電機の電気信号、凸部部分による磁界は鉄キバン
   表面に設置した磁気検出素子に作用してロータの位置検
   出の電気信号、を各々得るようにしたことを特徴とする
   ブラシレスモータ。
2. 【請求項２】請求項１に於いて、鉄キバン表面上の電気
   配線端子と外部回路を電気的に接続するためフレキシブ
   ルプリントキバンをリードセンとして使用するとき、周
   波数発電機用パターンの引出し部を一方が鉄キバン側、
   残る一方の引出し部をフレキシブルプリントキバン側に
   配設し、鉄キバン表面の発電用パターンへ接続すると共
   に、フレキシブルプリントキバン側の引出し部を鉄キバ
   ン側の引出し部の上面に重畳するように配設して、前記
   凸部付略円板状マグネットの凸部部分の磁界による周波
   数発電機用パターンの引出し部への作用を軽減し、周波
   数発電機から得られる電気信号の不要分を抑制するよう
   にしたことを特徴とするブラシレスモータ。
3. 【請求項３】請求項１に於いて、軸方向に磁化する凸部
   付略円板状マグネットの凸部部分による磁界をロータの
   位置検出用磁界として使用するとき、凸部部分の磁気極
   性の境界は円板状マグネットを軸方向に磁化した磁気極
   性の境界と同一線上にあるよう設定して閉鎖磁界とし、
   該閉鎖磁界をホール素子等の磁気検出素子で感知させ
   て、ロータの位置検出用電気信号を得るようにしたこと
   を特徴とするブラシレスモータ。