JPH06105327B2 - レンズ移動装置 - Google Patents

レンズ移動装置

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JPH06105327B2
JPH06105327B2 JP23800686A JP23800686A JPH06105327B2 JP H06105327 B2 JPH06105327 B2 JP H06105327B2 JP 23800686 A JP23800686 A JP 23800686A JP 23800686 A JP23800686 A JP 23800686A JP H06105327 B2 JPH06105327 B2 JP H06105327B2
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lever
gear
shaft
lens barrel
planetary
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孝之 坪井
浩 前野
功 中沢
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の利用分野) 本発明は、カメラの撮影レンズ等、光学系を構成するレ
ンズユニットに繰出し或いは繰込み等の移動を行わせる
レンズ移動装置の改良に関するものである。
(発明の背景) 従来より、測距回路からの情報に基づいて撮影レンズの
繰出し(繰込み)位置を調節するこの種の装置としては
種々のタイプが提案されている。例えば本発明の実施例
として取り上げているコンパクトカメラに於ては、被写
界深度を利用して、被写体がどのような距離に位置して
いても予め設定された許容錯乱円径内に像のボケがおさ
まるような間隔で撮影レンズの停止位置を設定してお
き、上記測距回路よりの被写体距離情報にいちばん近い
停止位置にマグネット等を用いて撮影レンズを停止させ
る方式をとっている。このような構成のカメラでは、上
記許容錯乱円径を小さくすればよりシャープな写真が得
られることになるが、それによって、撮影レンズの停止
間隔は当然狭く設定しなければならず、撮影レンズを停
止制御する位置が増えてしまう。
上記のようにレンズを停止制御する位置が増えると、一
つの停止位置のための制御時間(例えば10msec)を同じ
ままに設定した場合、必然的にレンズを所定量繰り出し
のに要する時間は長くなり、速写性に欠ける(レリーズ
タイムラグが大きくなる)といった問題点が生じてく
る。一方、撮影レンズが最大繰出し位置まで繰り出され
るのに要する時間を同じ時間に設定し、制御すると、今
度は一つのレンズ停止位置あたりの制御時間が短くな
り、マグネットの動作のバラツキ(例えば電源電圧の変
動や温湿度変化による摩擦の増減に伴ない)により、停
止位置の制御性が悪くなる(停止位置のバラツキが増え
る)といったことになる。
(発明の目的) 本発明は、以上の事情に鑑みなされたもので、光学系の
焦点調節並びに焦点距離の変更を高速且つ高精度に行え
るレンズ移動装置を提供しようとするものである。
(発明の特徴) 上記目的を達成するために、本発明は、第1の変速比で
駆動力を伝達し、光学系を構成するレンズユニットを移
動させるための第1の駆動力伝達手段と、前記第1の変
速比とは異なる第2の変速比で駆動力を伝達し、前記レ
ンズユニットを移動させるための第2の駆動力伝達手段
と、前記光学系の焦点調節のための信号を出力する第1
の信号出力手段と、前記光学系の焦点距離を変更するた
めの信号を出力する第2の信号出力手段と、前記第1の
信号出力手段からの信号に対して前記第1の駆動力伝達
手段と前記第2の駆動力伝達手段の作用すべき量を決定
する第1の作用量決定手段と、前記第2の信号出力手段
からの信号に対して前記第1の駆動力伝達手段の作用す
べき量を決定する第2の作用量決定手段とを有するレン
ズ移動装置とするものである。
(発明の実施例) ここで、実施例の詳細な説明に入る前に図示の実施例に
おける概要を以下の如くカメラを例にとって述べると、
撮影レンズを繰り出すための機構として粗いピッチと細
かいピッチの2種のレンズ繰出し機構を備え、測距回路
よりの撮影レンズの停止位置情報を前記2種のレンズ繰
出し機構用として2つのケタに分割し、夫々の分割情報
に基づいて繰出し制御を行わせることにより、制御位置
の数を見かけ上少なく構成するようにしたものである。
すなわち、例えば54ケ所のレンズ停止位置を従来と同じ
1ケ所10msecで制御する場合、540msecの時間が必要と
なるが、これを6丁目(6ケ所の上位桁単位用の粗送り
ピッチ)と9番地(9ケ所の下位桁単位用(例えば粗送
りピッチの1/9)の微細送りピッチ)の様に2桁に分け
ることにより、停止位置は(6+9=15)となり、その
結果150msecで制御が可能となる。又以上のことから1
ケ所に要する繰出し時間を十分に取れ、よって安定した
制御を行うことができる。
以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明す
る。
第1〜3図は本実施例のカメラに於ける動力伝達機構の
要部及びレリーズレバー周辺の機械的構造を示した斜視
図であり、第1図にはレリーズ釦が押されていない非撮
影状態を、第2図にはレリーズ釦が押されて撮影が開始
された時の状態を、第3図にはフィルム巻戻し中の状態
を、それぞれ示している。
第1〜3図において、撮影開始に際して押圧操作される
レリーズ釦1はカメラ本体に対してスライド可能(第1
図上下方向)なレリーズレバー2の上端折り曲げ部2a上
に固定されている。前記レリーズレバー2には長手方向
に長穴2b,2cに形成されており、該長穴2b,2cに挿入され
たビス3,4に案内されて前記の如く上下方向にスライド
可能となっている。又レリーズレバー2は前記上端折り
曲げ部2aの他に、該レバーを上方向に付勢するばね5が
掛けられるばね掛け部2d及び固定基板7に固着された導
電パターン上を摺動するスイッチ片6が取り付けられる
スイッチ片支持部2eを有している。前記固定基板7に固
着された導電パターンと前記スイッチ片6はその摺動位
置によって公知の第1ストロークスイッチsw1と第2ス
トロークスイッチsw2の働きをするもので、後述するス
イッチインターフェースに接続されている。
前記レリーズレバー2の背面側には該面に平行に副レリ
ーズ板8が配置されており、その下端側に備えられたば
ね掛け部8dに掛けられたばね9により常に上向き付勢さ
れている。又副レリーズ板8にはレリーズレバー2の長
穴2b,2cと合致する長穴8b,8cが形成されており、該長穴
8b,8cに挿入されたビス3,4によって前記レリーズレバー
2と同様上下方向にスライド可能となっている。更に副
レリーズ板8には、下端側に前記レリーズレバー2の第
1ストローク時にその下端面が係合する折り曲げ部8a
が、前記ばね掛け部8dが備えられた側面とは逆の側面に
腕部8e,8fが、それぞれ備えられており、前記腕部8eの
先端には後述する遊星レバー18の一部と係合する位置決
め用の係合部8gが形成され、また前記腕部8fの先端には
後述する係止レバー10の爪部10aに係止される折り曲げ
部8hが形成されている。
係止レバー10は不図示の構造部材に取り付けられたビス
11を中心として回動可能になっており、中間部分に前述
した爪部10aが形成され、下端のばね掛け部10bに掛けら
れたばね12により常に反時計方向に付勢されている。ま
た、係止レバー10の頂部10cは後述する遊星レバー18の
公転軌跡内に位置するが、これについては後程説明す
る。
モータ13はカメラのフィルム巻上げ、巻戻し用の駆動源
であると共に、オートフォーカスや焦点距離変更のため
に後述のレンズ鏡筒移動機構、シャッタ制御を行うため
に後述のシャッタ制御機構を駆動するものであり、フィ
ルム巻取用スプール26の中に収納され(第1図参照)、
後述するCPU及びモータ駆動回路により指示される方向
に回転する。その出力側にはピニオン14が取り付けら
れ、該ピニオン14は段歯車として構成された減速ギア15
の大歯車部に常時噛み合っている。前記減速ギア15の小
歯車部には遊星ギア機構を構成するうちの一つである太
陽ギア16が噛み合っている。前記遊星ギア機構は前記太
陽ギア16,遊星ギア17,遊星レバー18及び遊星押え19で構
成されており、太陽ギア16及び遊星ギア17は共に遊星レ
バー18及び遊星押え19に対して相対回転(つまり自転)
可能に支持されているが、遊星ギア17と遊星レバー18と
の間にはばね20が圧縮された状態で配置されているた
め、遊星ギア17はそれ自身に加わるトルクが前記ばね20
によって加えられている摩擦トルク以上にならなければ
自転することはできず、該摩擦トルク以下のトルクが加
わっている時には自転することなく遊星レバー18と一体
となって太陽ギア16の周りを公転する(なお遊星レバー
18の形状や遊星ギア機構の機能については後で詳述す
る)。
巻戻しギア21はフィルム巻戻し時に前記遊星ギア17より
伝達される動力を巻戻しギア列22を介してフォーク23に
伝えるものであり、巻上げギア24はフィルム巻上げ時に
前記遊星ギア17より伝達される動力を減速ギア25を介し
てスプール26と一体の歯部26a(後述の第4〜6図参
照)に伝えるものである。
尚、後述の第4〜6図に示す様に前記巻戻しギア21から
減速ギア25までの多くは小歯車部と大歯車部とから成る
段歯車として構成されており、これらは減速機能を有し
ている。又前記各部材の位置関係は実際は後述の第4〜
6図の如き状態となっているが、第1〜3図では一部位
置をずらすなどして各部の関係がわかり易いように画い
てある。
レンズ鏡筒101を光軸方向に沿って移動させるための動
力を伝達する伝達軸28は鉛直方向に配置され、該軸28の
上端に固定されたギア27は遊星ギア17の公転軌跡内に配
置されており、該遊星ギア17が遊星レバー18と共に第1
図の位置から時計方向に究極位置(第2図の状態)まで
公転した時にギア27と噛み合う様になっている。前記伝
達軸28の回転力はベベルギア29及び103aを介して水平な
軸103に伝達され、該軸103に固定されたギア104を介し
て後述する第10図のレンズ鏡筒移動機構に伝達される。
第4図〜第6図には遊星ギア機構の各部、巻戻しギア21
からスプール26の歯車26aまで、レリーズレバー2,副レ
リーズレバー18等の要部を示しており、第4図は第1図
の平面図を、第5図は第2図の平面図を、第6図は第3
図の平面図を、それぞれ表している。なお、一部のギア
(ギア15等)に関しては同一平面状に画いてある。
第4図〜第6図に示す様に、遊星レバー18はそれ自身の
全長のほぼ中間部に近い位置で太陽ギア16の軸に回転可
能に嵌合されており、また以下のように他の部材と係合
する種々の係合部位を備えている。即ち遊星レバー18
は、遊星ギア17側の端部に形成された第一係合部18a,回
転中心近傍の側縁部に突設された第二係合部18b,前記第
一係合部18aとは反対側の端部に屈曲して形成された第
一係合面18c,該第一係合面18cとは反対側の側縁に形成
された凹部18d,該凹部18dと同じ側の側縁において前記
第一係合面18cの反対側に形成された第二係合面18e等の
部分を有している。以下にそれぞれについて述べる。
前記第一係合部18aは巻上げギア24の近傍に配置された
第一のストッパ38と係合して遊星レバー18を反時計方向
への公転の極限位置に停止させるための部位であり、第
4図に示すように遊星ギア17が巻上げギア24と噛み合っ
ている時に第一のストッパ38に係合する。前記第二係合
部18bは後に説明するゼロセットレバー35の一端に設け
られたロック部35dと係合した時に遊星レバー18を所定
の位置に停止させる役割を有しており、この時の状態
(ゼロセットレバー35のロック部35dと該第二係合部18b
との係合状態)が第5図である。
前記第一係合面18cは遊星レバー18が第4図の位置にあ
る時に前記係止レバー10の頂部10cに当接して該レバー1
0を回動させるための部分である。また、前記第二係合
面18eは第6図に示すように遊星ギア17を巻戻しギア21
と噛み合い状態に保たせておくためのストッパの役割を
有している。なお、第6図の状態では、第二係合面18e
が副レリーズ板8の腕8eの先端面に係合して遊星レバー
18の公転が阻止されると共に、この阻止状態でレリーズ
釦1を押しても副レリーズ板8の係合部8gが第二係合面
18eに当接するので押し下げることができなくなるよう
になっている。
また、凹部18dは段歯車15の中心位置とほぼ同じ位置に
設けられた第二のストッパ37に係合する部分であり、第
5図のように第二のストッパ37に遊星レバー18の凹部18
dが係合した時には遊星ギア17とギア27とが噛み合い、
遊星レバー18は第5図の状態に保たれる。
上記からわかるように、遊星レバー18公転軌跡(第4〜
6図の2点鎖線C)内での位置決めは、ストッパ37及び
38の他、副レリーズ板8の各部と後記のゼロセットレバ
ー35のロック部35d等の各部材によって行われる。
ここで、第1図〜第6図に示した実施例の動力伝達機構
においては、遊星ギア17に噛み合う被動歯車(巻戻しギ
ア21,ギア27)と遊星ギア機構との平面的配置関係につ
いて以下の様な配慮の下に設計が行われており、このよ
うな設計によって本発明の如き動力伝達機構の実現が可
能となっている。
つまり、本発明の実施例における動力伝達機構において
は、ギア27と遊星ギア17とが第5図のように噛み合って
いる時、両者の噛み合い点における接線に対してギア27
及び17の歯の圧力角θだけ傾き且つ該噛み合い点を通る
線L上に太陽ギア16の中心が位置するように太陽ギア16
及び遊星ギア17並びにギア27の平面的配置関係と大きさ
とが定められている。このような各ギアの配置による
と、第5図の如く、遊星ギア17とギア27とが噛み合い状
態にあって遊星ギア17が時計方向に回転駆動されている
時、両ギアの噛み合いによって遊星レバー18に作用する
反時計方向のトルク(すなわち遊星ギア17をギア27から
離そうとする力)をほぼ零にすることができ、ごく小さ
な力で遊星レバー18を公転させることができる。換言す
れば、ごく小さな力で遊星ギア17の反時計方向の回転を
ギア27へ伝達することが可能となる。
次に第1〜3図を再び参照すると共に、第7図〜第9図
を参照して遊星レバー18の公転を制御するためのもう一
つの係合部材乃至はストッパであるゼロセットレバー35
について説明する。
第1〜第3図において、レンズ鏡筒応動レバー30は、一
方の先端部に前記レンズ鏡筒101と係合するピン状の係
合部30aを、他方にフックレバー32の一端部32aに当接す
る端部30bを、夫々有しており、前記レンズ鏡筒101が移
動に応じてその中間部の孔に挿入された軸31を中心とし
て回動する。前記フックレバー32は前述の如く前記レン
ズ鏡筒応動レバー30の端部30bに係合する一端部32aを有
する他に、前記軸31と平行な軸33を中心として常に該フ
ックレバー32を反時計方向に付勢するばね34のばね掛け
部32b及びゼロセットレバー35の一端部35aを第9図の如
く係止するフック部32cを有している。
前記ゼロセットレバー35(第7〜9図参照)はフックレ
バー32の軸33とほぼ直交する方向に設けられた軸36を中
心として回動可能となっている。該ゼロセットレバー35
の他端側には、遊星レバー18の第二係合部18bと係合し
て遊星レバー18を所定の位置に停止、つまり反時計方向
の公転を阻止するロック部35dと(第5図状態)、伝達
軸28の外周面に形成された凹部28a(第7〜第9図参
照)に当接してこの伝達軸28の回転に伴って該レバー35
を軸36のまわりを回動させる従動部35cと、該従動部35c
と一体に形成されたばね掛け部35bとが形成されてお
り、ばね掛け部35bに掛けられたばね39によって該レバ
ー35は第7〜9図において時計方向に付勢されており、
また従動部35cが伝達軸28の外周面の凹部28aに圧接され
ている。
次に、第10図を参照して本実施例のカメラにおけるレン
ズ鏡筒移動機構とそれに連動するシャッタ制御機構の構
造を説明する。
第10図において、ベベルギア103a,軸103,ギア104は既に
第1〜3図で示した部分であり、ギア104にはギア27及
び遊星ギア17等を介してモータ13から動力が伝達され
る。ギア104の回転はギア105及び106を介してギア107a
に伝達され、ギア107aが固定されているヘリコイド軸10
7に回転が伝達される。前記ヘリコイド軸107はその外周
面上に所定のピッチのねじが形成されている軸であり、
該軸107はそれに担持されている以下の如き移動部材と
共にレンズ鏡筒移動機構を構成している。また、ヘリコ
イド軸107にはレンズ鏡筒101の移動量を検出するための
部材として透明部と不透明部のパターンから成るパルス
シート108が取り付けられており、該パルスシート108の
回転を光学的に検知して電気的なパルス信号に変換する
フォトカプラ109が該パルスシート108を挟む様にして配
置されている。
前記ヘリコイド軸107上には該軸107上のねじと噛み合う
ねじ孔110aを有した筒状の第一の移動部材110が嵌装さ
れており、該移動部材110はヘリコイド軸107の回転時に
該軸107上を軸方向に沿って移動することができる。該
移動部材110は図に示すようにその前端側にフランジ部1
10bを具備する一方、外周面には軸線方向と平行な一条
のキイ110cが突設され、該キイ110c以外の外周面は平滑
な円筒面として構成されている。
前記第一の移動部材110の外周面上には後端側に爪車111
aを具備した第二の移動部材111が嵌装されており、この
移動部材111の中心に貫設された軸孔111bの内周面には
前記第一の移動部材110のキイ110cに相対摺動可能に嵌
合するキイ溝111cが形成されている。即ち、第二の移動
部材111は第一の移動部材110上を相対的に軸方向に移動
は可能であるが、相対的回転は不可能に嵌装されてい
る。また、第二の移動部材111の軸孔111bの直径は第一
の移動部材110のフランジ部110bの外径よりも小さくな
っており、従って、該フランジ部110bは第二の移動部材
111の前方移動を阻止するストッパとなっている。
前記第二の移動部材111の前端部の外周面にはヘリコイ
ド軸107上のねじの例えば1/5のピッチのねじ部111dが形
成されており、このねじ部111dにはレンズ鏡筒101のね
じ孔が嵌合している。従ってレンズ鏡筒101は前記第二
の移動部材111上に担持されると共に第一及び第二の移
動部材110及び111を介してヘリコイド軸107上に担持さ
れてヘリコイド軸107上を軸方向移動することができ、
また、第二の移動部材111に対して相対的に軸方向移動
が可能である。即ち、ヘリコイド軸107及び第一の移動
部材110並びに第二の移動部材111はレンズ鏡筒移動機構
を構成しており、ヘリコイド軸107上のねじは該移動機
構における粗送り部を形成し、第二の移動部材111上の
ねじ部111dは該移動機構における微細送り部を形成して
いる。
又前記第二の移動部材111と一体の爪車111aは後述する
係止爪112と共に前記両送り部における送りを切換える
ための送り切換装置を構成しており、該係止爪112によ
って第二の移動部材111の回転が阻止されるようになっ
ている。
前記係止爪112はヘリコイド軸107と平行な軸112aを中心
として回動可能にレンズ鏡筒101に支持されると共に、
前記爪車111aの外周部の近傍に配置されており、ばね11
2Aにより前記軸112aを中心に常に時計方向に付勢されて
いる。このため、爪車111aの各爪の先端に係合する係合
爪112bは爪車111aの各爪から通常は退避する方向に位置
する。係止爪112を軸112aを中心として反時計方向に回
動させる力は係止爪112を反時計方向に押し上げるため
のピン123cを有したアマーチュアレバー123(詳細は後
述する)によって与えられる。
ヘリコイド軸107と平行に一列に並んだ鋸刃状の係止歯1
30は、不図示の構造部材によってヘリコイド軸107と平
行方向にスライド可能に保持されて、第二の移動部材11
1に追従して移動すべく構成されており、該係止歯130の
前方移動(つまりレンズ鏡筒101の前方移動)を所定位
置で停止させるための停止爪113が軸113aを中心として
回動可能に不図示の構造部材に保持されている。該停止
爪113は爪部113bを一端に有し、ばね114によって第10図
において軸113aを中心として反時計方向に付勢されてお
り、該停止爪113の後方の端部113cはアマーチュアレバ
ー123の腕123dに固定されたピン123fによって押し下げ
られるようになっている。
以上の説明から明らかな様に、停止爪113及び係止歯130
はレンズ鏡筒101を任意の位置に停止させるためのレン
ズ鏡筒停止機構を構成している。
これまでに説明した部分はレンズ鏡筒移動機構とレンズ
鏡筒停止機構であるが、以下に説明する部分はシャッタ
制御機構に関する部分及び前記各機構を制御する制御部
材に関する部分である。
軸115aを中心として回動可能な二又のレバー115は前記
レンズ鏡筒101に担持されており、該レバー115の一方の
腕の先端に突設されたピン115bが前記第一の移動部材11
0の前端面に当接されている。また、該レバー115の他方
の腕の先端に突設されたピン115cが後に説明する羽根開
きレバー117の一方の腕117bに当接され、該レバー115は
ばね116によって第10図で軸115aを中心として時計方向
に常に付勢されている。
羽根開きレバー117はシャッタ制御機構の要部を構成し
ており、ヘリコイド軸107と平行な軸117aを中心として
回動可能にレンズ鏡筒101に担持されている。該レバー1
17は平板状の腕117cとピン状の腕117bとを有し、ばね11
8によって第10図で反時計方向に付勢されている。該羽
根開きレバー117の腕117c上には軸119aを中心として回
動可能な羽根解除レバー119が担持されており、該レバ
ー119は二つの腕119b,119cを有し、ばね120によって軸1
19aを中心として第10図で反時計方向に付勢されてい
る。また、ヘリコイド軸107と平行な軸121aを中心とし
て回動可能な羽根駆動レバー121はレンズ鏡筒101に担持
されている。該レバー121の一方の腕121bは前記羽根解
除レバー119の一方の腕119cに係合し、他の腕に設けら
れたピン121cは不図示のシャッタ羽根に貫設された穴へ
挿入されて該シャッタ羽根を駆動するようになってい
る。そして腕121bに掛けられたばね122によって通常該
レバー121は軸121aを中心として時計方向に付勢されて
いる。
前記係止爪112及び停止爪113並びに羽根解除レバー119
はアマーチュアレバー123によって位置制御され、該ア
マーチュアレバー123は後述するCPUよりの指示に従って
励磁或いは消磁する電磁マグネット129によってその姿
勢が制御される。
前記アマーチュアレバー123はヘリコイド軸107と平行な
軸123aを中心として回動可能にカメラ本体等に支持され
ている。該レバー123は、前記羽根解除レバー119の腕11
9bと係合している腕123bと、ピン123c及び123fを保持し
た腕123dと、平板状のアマーチュア125を担持した腕123
eとを有しており、ばね124にて軸123aを中心に反時計方
向に付勢されている。また、該レバー123に対向する位
置に配置された前記電磁マグネット129はレンズ鏡筒移
動機構を制御するための電磁駆動部材であると共に、シ
ャッタ制御機構の電磁駆動部材であり、該電磁マグネッ
ト129はヨーク128を介してカメラ本体の非可動部に固定
され、ヨーク128上に配置されたコイル126から突出した
軸ヨーク127がアマーチュア125を吸引するようになって
いる。
次に、前記第1〜10図を参照しながら本実施例のカメラ
における機械的部分の動作(電気的部分の構成並びにそ
の動作は後述する)を説明する。
まず、非撮影時(つまりレリーズ釦1が押されていない
状態時)について述べる。この場合の各部の位置関係は
第1,4,7図に示す如き状態にあり、また、レンズ鏡筒101
は第10図においてパルスシート108に最も近い位置に停
止している。又係止爪112は爪車111aに係合せず、更に
停止爪113の爪部113bは係止歯130の歯130aの間に入り込
んでいるが、爪部113bと歯130aの間には隙間があいてい
る。さらに又、電磁マグネット129には通電されていな
いため、アマーチュア125は該電磁マグネット129に吸引
されておらず、よってアマーチュアレバー123はばね124
により反時計方向に付勢されている。
一方、遊星ギア17は第1図及び第4図に示すように巻上
げギア24と噛み合っているので、遊星ギア機構はフィル
ム巻上げ機構にのみ動力伝達を行う態勢にある。また、
副レリーズ板8の腕8eと位置決め用の係合部8gは遊星レ
バー18の公転軌跡上に位置している。
更に、ゼロセットレバー35の端部35aは第7図のように
フックレバー32のフック部32cから外れており、ゼロセ
ットレバー35の従動部35cは伝達軸28の凹部28aに落ち込
み、該レバー35のロック部35dは遊星レバー18の公転面
よりも下に位置している。
次に、撮影者によりレリーズ釦1の押圧操作が行われ、
レリーズレバー2がその第1ストローク位置まで押し下
げられると、該レバー2の下端が副レリーズ板8の折り
曲げ部8aに突き当って該レバー2の下方へのスライドが
一旦停止する。この時レリーズレバー2の腕2eに固定さ
れている摺動スイッチ片6も基板7の導電パターン上を
摺動しつつ下方にスライドし、ある所定の第1の位置に
停止する。これにより後述する第1ストロークスイッチ
sw1がオンしたことになり、該オン信号が後述するスイ
ッチインターフェースを介してCPUへ入力し、公知の方
法でバッテリーチェックや測光,測距等が開始される。
尚これらについては電気的動作説明時に詳述する。
次いでレリーズ釦1がさらに押し込まれると、レリーズ
レバー2とともに副レリーズ板8が一体となって下方に
スライドし、副レリーズ板8の腕8e及び位置決め用の係
合部8gが遊星レバー18の公転面から下降する一方、副レ
リーズ板8の下方の腕8fの先端折り曲げ部8hが係止レバ
ー10の爪部10aの下方に下降して該折り曲げ部8hが前記
爪部10aに第2図の如く係止され、副レリーズ板8は第
2図の位置に保持される。この場合、前記レリーズレバ
ー2とともに一体の摺動スイッチ片6も基板7の導電パ
ターンに沿って下方にスライドし、第2図の如きある所
定の第2の位置に停止する。これにより後述する第2ス
トロークスイッチsw2がオンしたことになり、該オン信
号が後述するスイッチインターフェースを介してCPUへ
入力する。尚第2図では既に遊星ギア17とギア27とが噛
み合った状態となっているが、これはこれから後に実現
する状態であり、モータ13への通電開始前の時点ではま
だ遊星ギア17は第1図及び第4図の状態に位置してい
る。
前述の様に第2ストロークスイッチsw2のオン信号が発
生すると、後述するCPUよりモータ13を正転(第4図に
おいて時計方向の回転)させるリワインド信号REWIND
(後述する)が出力され、これによりモータ13は後述す
るモータ駆動回路により起動され、正転し始める。する
と第1図及び第4図において、減速ギア15が反時計方向
に回転し、該ギア15に噛み合っている太陽ギア16が時計
方向に回転する。このように太陽ギア16が時計方向に回
転し始めると、該太陽ギア16の回転が伝達される遊星ギ
ア17は当初はばね20のフリクショントルクがあるため回
転せず遊星ギア17に加えられたトルクは遊星レバー18を
太陽ギア16の軸を中心として第4図において時計方向に
回転させる力となり、その結果、遊星レバー18が第4図
の位置から時計方向に公転し始め、遊星ギア17はまず巻
戻しギア21に噛み合う。しかし、巻戻しギア21の外周は
遊星ギア17の外周面の公転軌跡Cに接して配置されてい
る上、この場合は遊星レバー18の公転を停止させるスト
ッパがなく、しかも遊星ギア17は反時計方向に回転する
トルクを与えられているので、遊星ギア17は一旦、巻戻
しギア21と噛み合った時に瞬間的に反時計方向に回転す
るが、巻戻しギア21の抵抗トルクの方が大きいため、遊
星ギア17は巻戻しギア21の外周を反時計方向に自転しな
がら回転し、その結果、遊星ギア17と遊星レバー18は前
記巻戻しギア21を通過し、遊星ギア17は巻戻しギア21を
通過した直後から再び静止状態となって遊星レバー18と
一体となってギア27の方向への公転を続ける。そして、
遊星ギア17がギア27に突き当って両ギアが噛み合い状態
になると(第5図参照)、遊星レバー18の時計方向への
公転は停止する。この時遊星レバー18の凹部18dがスト
ッパ37に当接するので遊星レバー18の時計方向の回動は
確実に阻止される。
以上のようにして第2図及び第5図の如く、遊星ギア17
がギア27に噛み合った状態になると、遊星ギア17にはば
ね20によるフリクショントルクを越えるトルクがかかっ
てくる上、遊星レバー18の時計方向への公転が阻止され
ているため、太陽ギア16から遊星17に与えられるトルク
はすべて遊星ギア17を回転させるトルクに転換され、よ
って遊星ギア17は反時計方向に回転するようになり、そ
れと噛み合うギア27は時計方向に回転するようになる。
一方、第2図及び第5図の如く遊星ギア17がギア27に噛
み合った後も暫くの間は、ゼロセットレバー35の従動部
35cは伝達軸28の凹部28aに落ち込んでおり、従ってゼロ
セットレバー35及びフックレバー32は第7図の状態にあ
るが、ギア27を介して伝達軸28が時計方向に回転される
と、ゼロセットレバー35の従動部35cは前記伝達軸28の
凹部28aより抜け出して伝達軸28の外周面上に上ってく
るため、第8図のようにゼロセットレバー35の端部35a
が第7図の位置よりも下に押し下げられる。これに伴い
ゼロセットレバー35のロック部35dが遊星レバー18の公
転面よりも上に上昇して第5図に示すように遊星レバー
18の第二の係合部18bの隣接位置に突出してくるため、
該ロック部35dが遊星レバー18の反時計方向への公転を
阻止するストッパとなる。また、前述のようにして伝達
軸28が回転されることによって、ベベルギア29及び103
a,軸103,ギア104,ギア105,ギア106,ギア107に順次その
回転が伝達され、その結果、ヘリコイド軸107が回転す
るようになる。
ヘリコイド軸107を含むレンズ鏡筒移動機構には前述し
たように該ヘリコイド軸107と第一の移動部材110との
間、及び第二の移動部材111のねじ部111dとレンズ鏡筒1
01のねじ孔との間にそれぞれ相対的軸方向移動を生ぜし
めるピッチの異なるねじ係合部(すなわち送り部)があ
るため、ヘリコイド軸107が回転すると、これら二つの
ねじ係合部において相対的回転と相対的軸方向移動を生
ずる可能性があるが、この場合は、第二の移動部材111
のねじ部111dのピッチがヘリコイド軸107のねじのピッ
チよりも小さく(例えば1/5)、しかも抵抗も小さいた
め、ヘリコイド軸107が回転すると、まず第二の移動部
材111のねじ部111dにおいて該移動部材111とレンズ鏡筒
101との間に相対的軸方向移動が生じることになる。従
ってこの場合、第一の移動部材110と第二の移動部材111
とはヘリコイド軸107と一体となって回転し、レンズ鏡
筒101は第二の移動部材111のねじ部111d上を軸方向に、
すなわち保持する撮影レンズ(不図示)の光軸方向に向
って微細な送りピッチにより移動し始める。この時、係
止歯130は、第二の移動部材111が軸方向に移動しないの
で、停止したままである 前記の如くレンズ鏡筒101が前方へ移動し始めると、該
レンズ鏡筒101にその一端の係合部30aが係合しているレ
ンズ鏡筒応動レバー30は第2図に示す矢印A方向に軸31
を中心として回動するようになるため、その他端30bは
フックレバー32の端部32aを押しながら時計方向へと移
動し、これによりフックレバー32はばね34の力によって
軸33を中心として矢印B方向に回動するようになる。従
ってフックレバー32の上端のフック部32cは第2図にお
いて軸33を中心として反時計方向に(つまりゼロセット
レバー35の端部35aに近付く方向に)移動し、最終的に
は第9図に示す様にフック部32cがゼロセットレバー35
の端部35aを係止して該端部35aの上向き移動を阻止する
状態となる。このためこの時点以後は、伝達軸28が回転
してゼロセットレバー35の従動部35cが伝達軸28の凹部2
8aに落ち込みうる状態となってもゼロセットレバー35の
回動がフックレバー32によって阻止されているため、レ
ンズ鏡筒101が初期位置から前方に繰り出されている間
は該従動部35cは該凹部28aには落ち込まず、第9図の状
態に保持される。この関係は、例えば伝達軸28の一回転
あたりレンズ鏡筒101が2mmのストロークで動くとする
と、レンズ鏡筒101が1mm動いたところで、フックレバー
32がゼロセットレバー35をロックするように構成してや
ればよい。なお、第8図及び第9図の状態では前述した
ようにゼロセットレバー35のロック部35dが遊星レバー1
8の公転面上に突出して第5図の如く該レバー18の係合
部18bに係合した状態となる。つまり遊星レバー18の反
時計方向への公転を規制するストッパの働きをする。前
記レンズ鏡筒101が第二の移動部材111のねじ部111dを軸
方向に移動する距離はヘリコイド軸107の回転数として
フォトカプラ109(後述する)によって検出され、その
時々の位置情報がCPUへ送られる。これを受けてCPUは前
記ねじ部111d上におけるレンズ鏡筒101の前方への移動
量が所定値(詳細は電気的動作説明時に行う)に達した
か否かを検知し、達したことを検知することにより後述
する電磁マグネット駆動回路を介して電磁マグネット12
9を励磁させる。
前述の様にして電磁マグネット129が励磁されると、ア
マチュア125が該電磁マグネット129により吸引されてそ
れを担持するアマーチュアレバー123が軸123aを中心と
して第10図で時計方向に回動する。このため、アマーチ
ュアレバー123の腕123dに固定されているピン123cが上
昇して係止爪112をその軸112aを中心として第10図で反
時計方向に回動させてその爪部112bを爪車111aの爪の間
に跳び込ませる。これにより爪車111aの回転(この場
合、爪車111aの回転方向は第10図において反時計方向で
ある)が停止する。
以上の結果、爪車111aと一体の第二の移動部材111の回
転も停止し、該第二の移動部材111とキイ110cを介して
係合している第一の移動部材110の回転も停止する。従
ってこの時点以後は、ヘリコイド軸107と第一の移動部
材110との間にのみ相対回転と相対的軸方向移動が生
じ、レンズ鏡筒101は第一及び第二の移動部材110及び11
1と一体となってヘリコイド軸107上をさらに前方へ向っ
て粗い送りピッチにより移動し始める。以後前記レンズ
鏡筒101の微細な送りピッチ制御を第1の制御と呼ぶ。
爪車111aの回転停止後におけるレンズ鏡筒101の前進移
動量もヘリコイド軸107の回転数としてフォトカプラ109
及びフォトカプラ検出回路によって検出され、その時々
の位置情報がCPUへ送られ、前述と同様CPUによりレンズ
鏡筒101の前方への移動量が前記位置から所定値(詳細
は電気的動作説明時に行う)だけ前方に移動したか否か
が検知され、移動したことが検知されることにより電磁
マグネット駆動回路を介して電磁マグネット129への通
電が停止され、電磁マグネット129が消磁する。
前記の様に電磁マグネット129が消磁されると、アマチ
ュア125が該電磁マグネット129から離れ、アマーチュア
レバー123はばね124の力により第10図で反時計方向に回
動する。このため、アマーチュアレバー123の腕123dに
固定されているピン123fが下降して停止爪113の端部113
cを押し下げ、その結果停止爪113の他端に設けられてい
る爪部113bが係止歯130の歯の間に跳び込んで該係止歯1
30の前進を停止させる。このため、第二の移動部材111
及びレンズ鏡筒101の前進が停止され、レンズ鏡筒101は
所定位置(後述のAF処理回路により求められた測距値に
応じた位置)に停止する。なおこの場合、係止爪112の
爪車111aへの喰い付きにより、係止爪112は爪車111aに
係合した状態に保持されるので第二の移動部材111の回
転も阻止された状態に保たれる。以後前記レンズ鏡筒10
1の粗い送りピッチ制御を第2の制御と呼ぶ。
ところで、前記第1及び第2の制御は共にレンズ鏡筒10
1の繰出し量の制御を行っているわけだが、これは多数
の繰出し歯数を精度良く短時間で制御するための機構
で、以下に具体例を示して詳述する。
例えばレンズ鏡筒101の繰出しピッチを0.2mm,総ストロ
ークを18mmとした場合、総繰出し歯数は90歯(=18÷0.
2)となる。電磁マグネット129が励磁されてから係止爪
112の爪部112bが爪車111aに跳び込むまでの遅れ時間や
諸ノイズによるバラツキ等を考慮すると、一般的に1歯
当り10msの時間があれば余裕のある制御が可能である。
すると、レンズ鏡筒101を最大18mm繰り出すのに必要な
前記時間は900ms(=90×10)となり、非常に長い時間
を要する。
本実施例では、ヘリコイド軸107のねじ部にはリード5
のヘリコイドおねじが形成され、第二の移動部材111の
ねじ部111dにはリード1のおねじが形成されているもの
とする。そしてヘリコイド軸107は50msで一回転するよ
うにギア比及び後述の回路が構成されており、爪車111a
は等間隔に5爪形成され、係止歯130に形成された歯130
aは1mm間隔で17歯備えられている。前記爪車111aはリー
ド1のねじ一回転に対して5爪形成されているので、1
爪当りのレンズ鏡筒101の繰出し量は0.2mmで、それに要
する時間は10msである。また係止歯130の歯130aは、リ
ード5のヘリコイド軸107の一回転に対してレンズ鏡筒1
01は5mm繰り出されるので5歯であり、1歯当り10msで
ある。
そこで例えばレンズ鏡筒101を7.6mm繰り出す場合には、
第二の移動部材111のねじ部111dによりレンズ鏡筒101が
0.6mm繰出した位置まで移動させる。即ち爪車111aの第
3爪へ係止爪112を跳び込ませて係止する。次に係止歯1
30が7mm移動した位置まで移動させる。即ち係止歯130の
歯130aの第7歯へ停止爪113の爪部113bを跳び込ませて
係止する。これによりレンズ鏡筒101がトータルとして
7.6mm繰り出されることになる。この7.6mmの繰出し量
は、例えば従来においては38歯(=7.6÷0.2)に相当
し、それに要する制御時間は380ms(=38×10)必要と
なるが、前記実施例では、第1の制御に必要とする3爪
分の30msと第2の制御に必要とする7歯分の70msとの合
計100msの時間で制御が可能となる。
また、レンズ鏡筒101を最大の18mm繰り出すのに必要と
する時間も、第1の制御に必要とする5爪分の50ms(繰
出し量は1mm)と第2の制御に必要とする17歯分の170ms
(繰出し量は17mm)との合計220ms(従来では900ms)の
時間で制御が可能となり、大きなストロークを短時間で
制御することが可能となる。なお、該実施例ではレンズ
鏡筒101の繰出し量を大きくした例を述べたが、各ねじ
部のリードを少なくすれば従来のストロークをより細分
した分解能の高い繰出し制御(制御時間を従来程費やす
ことなく)を達成することができることは言うまでもな
いであろう。又以上の実施例の説明においては詳述して
いないが、不図示の撮影レンズの焦点調節と同時に、焦
点距離の切換えをも前記第1及び第2の制御時に行なっ
ている(後述する)。
先の説明に戻って、前記レンズ鏡筒101の位置制御(第
1及び第2の制御)が終了した後も前記ヘリコイド軸10
7の回転は続くが、前記レンズ鏡筒101及び第二の移動部
材111はともにその動きが阻止されているので第一の移
動部材110のみがヘリコイド軸107上を前進し、その結果
該第一の移動部材110は第二の移動部材111の前端よりも
前方へ突出してくる。すると、レンズ鏡筒101に担持さ
れているレバー115の一方の腕に取り付けられているピ
ン115bが該移動部材110の前端面によって押されるた
め、レバー115が軸115aを中心として反時計方向に回動
し始める。従ってその他方の腕に取り付けられているピ
ン115cが羽根開きレバー117の腕117bを押し、羽根開き
レバー117をその軸117aを中心として第10図において時
計方向に回動させる。よって該羽根開きレバー117上に
固定された羽根解除レバー119の腕119cを介して羽根駆
動レバー121の腕121bが軸121aを中心として反時計方向
に回動し、その結果軸121aを中心として反時計方向に回
動される他方の腕のピン121cに嵌合された不図示のシャ
ッタ羽根が開かれ、露出動作が開始される。
前記露出開始から終了までのシャッタ開口量も、前記第
1及び第2の制御時と同様ヘリコイド軸107の回転数と
してフォトカプラ109により検出されており、後述するA
E処理回路により求められた測光値と前記ヘリコイド軸1
07の回転数に対応した値が一致したことがCPUにより検
知されると、すなわちシャッタ開口量が適切な値になっ
たことが検知されると(詳細は電気的動作説明時に行
う)、前記CPUより再び電磁マグネット129への通電開始
信号が出力され、又モータ13への正転方向の通電が停止
される。前記の如く電磁マグネット129への通電開始信
号が出力されると、電磁マグネット129が励磁されてア
マーチュア125が吸引され、その結果、アマーチュアレ
バー123が再び軸123aを中心として時計方向に回動する
ので腕123dとともにピン123fが上昇して前記停止爪113
の端部113cに対する押圧力が解除されるが、停止爪113
の爪部113bは、係止歯130の歯130aに喰い付いているた
め、は外れない。
一方、腕123bが時計方向に回動して羽根解除レバー119
の腕119bを軸119aを中心として時計方向に回動させるた
め、他方の腕119cも同方向に回動して羽根駆動レバー12
1の腕121bから離れる方向に動き、その結果ばね122の力
によって羽根駆動レバー121は軸121aを中心として時計
方向に回動し、ピン121cに嵌合されたシャッタ羽根が閉
じられて露光が終了する。以後前記シャッタ制御機構の
制御を第3の制御と呼ぶ。
その後撮影者によるレリーズ釦1の押圧操作が解除さ
れ、第2ストロークスイッチsw2のオフ信号が発生する
と、CPUより今度はモータ13を逆転させる方向のワイン
ド信号WINDが出力され、モータ13が逆転し始める。この
ようにモータ13が逆転し始めると、第5図において太陽
ギア16が反時計方向に回転し、遊星ギア17が時計方向に
回転し始める。この時太陽ギア16が反時計方向に回転す
るので遊星レバー18には反時計方向への公転力が加わる
が、前述したように該遊星レバー18の係合部18bにはゼ
ロセットレバー35のロック部35dが係合しているので該
レバー18は反時計方向には公転することはできず、従っ
て遊星ギア17がギア27に対する噛み合い状態を保つので
該遊星ギア17にはばね20によるフリクショントルク以上
の負荷トルクがかかる。よって、前記遊星ギア17は太陽
ギア16によって第5図の位置で時計方向に回転し、ギア
27が反時計方向に回転するようになる。
ギア27が反時計方向に回転すると、この回転力は伝達軸
28、ベベルギア29及び103a、ギア104〜107aを介してヘ
リコイド軸107に伝達され、ヘリコイド軸107が前記とは
逆向きに回転するようになる。すると、レンズ鏡筒10
1、第一の移動部材110、第二の移動部材111が今までと
は逆方向へ移動し、それぞれ初期位置へ復帰する。
一方、レンズ鏡筒101が初期位置へ復帰する過程でレン
ズ鏡筒応動レバー30の端部30aは第9図において矢印Ao
の方向へ動かされるため、フックレバー32は第9図にお
いて矢印Boの方向へ回動し、その結果、第2図及び第9
図に示すようにフックレバー32のフック32cがゼロセッ
トレバー35の端部35aから外れ、ゼロセットレバー35は
軸36を中心としてばね39の力により第8図において時計
方向に回動される。このため、それまでは軸28の外周面
から離れていた従動部35cが軸28の外周面に接するとと
もに係合部35dが遊星レバー18の公転面より下降する。
なお、このような動作はレンズ鏡筒101が初期位置近く
まで移動してきた時に起きる。そして、軸28が更に回転
して軸28の凹部28aにゼロセットレバー35の従動部35cが
落ち込むと第7図の状態となり、レンズ鏡筒101は初期
位置に復帰する。
レンズ鏡筒101が初期位置に復帰すると同時に遊星レバ
ー18はそれ自身に加えられている種々の力のため、第5
図において反時計方向に公転してギア27から離れ、巻戻
しギア21の方向へ向い、遊星ギア17が巻戻しギア21と一
旦は噛み合うが、その位置に遊星レバー18を静止させて
おくためのストッパがないので、前記時計方向への公転
時と同様に遊星ギア17は巻戻しギア21を通過して第4図
の如く巻上げギア24に噛み合った時点で停止する。この
場合、遊星レバー18の係合部18aがストッパ38に当接し
て停止する前に該レバー18の係合面18cが係止レバー10
の頂端部10cに係合してこれを第2図において左側から
右側へ向って押動するため、係止レバー10の係止部10a
が副レリーズ板8の折り曲げ部8hを解放し、その結果、
副レリーズ板8及びレリーズレバー2はばね5及び9の
力によって引き上げられて初期位置に復帰する。
モータ13は前記の如き過程においても回転しているの
で、遊星レバー18が第4図の状態に戻ると、遊星ギア17
の時計方向の回転により巻上げギア24が反時計方向に回
転し、更にギア25を介してスプール26が回転し、巻上げ
が行われる。この巻上げ工程において、フィルム送り量
が不図示の検出器で検出され、所定量巻上げられると、
CPUによってモータ13への逆回転方向の通電が停止(ワ
インド信号WINDの出力停止)される。これにより、前記
種々の部材は第1図,第4図,第7図に示す初期の状態
に復帰した、いわゆるリセット状態となっているので、
直ちに次の撮影を始めることができる。
フィルムをパトローネに巻戻しする時には前述のフィル
ム送り量検出器等によりフィルム終了を検知するか、図
示せぬ巻戻し釦が押されると、第4図において、CPUに
よりモータ13が正転回転制御されてピニオン14が時計方
向に回転する。このため太陽ギア16が時計方向に回転す
るようになるので遊星レバー18は第4図の位置から時計
方向に公転し始める。この時、レリーズレバー2及び副
レリーズ板8は押圧されていないので副レリーズ板8の
上部の腕8e及び係合部8gが遊星レバー18の公転軌跡内に
存在するため、前記遊星レバー18が第4図の位置から時
計方向に公転すると、該レバー18の先端の第二の係合面
18e及び第一の係合面18cが第6図に示すように前記副レ
リーズ板8の腕8e及び係合部8gに突き当ってしまい、遊
星レバー18はそれ以上時計方向に公転できなくなる。こ
れにより、遊星ギア17が巻戻しギア21と噛み合った状態
に保たれる。遊星ギア17が巻戻しギア21と噛み合うと、
遊星ギア17にばね20によるフリクショントルク以上の負
荷がかかってくるため、遊星ギア17が反時計方向に回転
を始め、よって巻戻しギア21が時計方向に回転し始め、
これに伴ってギア列22を介してフォーク23が回転するよ
うになり、その結果、パトローネ中にフィルムが巻戻さ
れる。
フィルム巻戻しの終了が不図示の検出器で検出される
と、前記CPUによりモータ13が逆転せられ、その結果、
遊星レバー18は第6図の位置から反時計方向に公転して
第4図の状態に戻り、再び各部がリセット状態となる。
次に、前記第1及び第2並びに第3の制御を実現するた
めに、前記モータ13や電磁マグネット129等をコントロ
ールする電気回路の説明に移る。
第11図は本発明に用いられる回路構成例をブロック図で
示したものである。第11図において、200は、出力PCON
を出力して前述したフォトカプラ109を含むフォトカプ
ラ検出回路201をイネーブル状態とし、レンズ鏡筒101の
移動量等に応じた信号PCSIGを発生させたり、後述する
各種回路の制御を司る、マイクロコンピュータ或いはハ
ードロジックのいずれかにて構成されるCPU、202は前記
CPU200よりの出力PLGに従って前述した電磁マグネット1
29を駆動する電磁マグネット駆動回路、203は前記CPU20
0よりのワインド信号WIND或いはリワインド信号REWIND
に従って前述したモータ13を正、逆転させるモータ駆動
回路、204は前記CPU200よりの出力iRONに従ってiRED205
を点滅させる、受光センサ206及びAF処理回路207と共に
被写体距離を検出する為の公知のAF回路(自動焦点回
路)を構成するiRED駆動回路、208は受光センサ209と共
に被写体輝度を検出する為の公知のAE回路(自動露出回
路)を構成するAE処理回路、210は前記各回路よりアナ
ログ値の出力AFOUT又はAEOUTが入力するマルチプレク
サ、211は前記マルチプレクサ210より入力するアナログ
値をディジタル値に変換するA/Dコンバータ、212は、シ
ャッタレリーズの第1ストロークスイッチsw1,シャッタ
レリーズの第2ストロークスイッチsw2,焦点距離変更用
のテレ・ワイドスイッチswT/W及びフィルム感度情報を
読取り用の接片スイッチsw ISO1〜sw ISO3の状態を前記
CPUへ伝達するスイッチインターフェースである。
第12図は前記CPU200内の本発明に拘わる部分の制御系を
ハード的に示した回路図であり、第13図(A),(B)
は前記各駆動回路及び各処理回路等の内部構成を示す図
である。また、第14図はそのフローチャートであり、該
フローチャートに従い、以下前記第11〜13図を用いて動
作説明を行う。
初期状態(第1,4,7図の非撮影状態)では第1ストロー
クスイッチsw1がオンするのを待機しているが、この状
態でレリーズ釦1の押圧操作が行われて第1ストローク
スイッチsw1がオンすると、スイッチインターフェース2
12を介してCPU200に該オン信号が入力してこの事が検知
され、CPU200は以後の各回路の動作を保証する為のバッ
テリーチェックを行うために出力PLGを“H"(ハイレベ
ルの信号を意味する)にして電磁マグネット駆動回路20
2を介して電磁マグネット129への通電を開始するする。
不図示のバッテリーチェック検出回路でバッテリーチェ
ック結果が「NG」(各回路の動作保証電圧以下の電池容
量であることを意味する)が検出された場合は、直ちに
前記電磁マグネット129への通電を停止し、第1ストロ
ークスイッチsw1がオフした時点で初期状態へ復帰す
る。一方、バッテリー期間中一度も「NG」が検出されな
かった場合は、充分なバッテリー状態であるとして電磁
マグネット129への通電を停止してから、次のシーケン
スへ移行する。
次にシャッタの開口時間を決定するのに必要となる測光
出力AEOUTの算出が測光センサ209及びAE処理回路208に
よって行われる。つまり第13図(B)において、測光セ
ンサ209にて被写体輝度に対応した光電流が生じ、その
光電流はオペアンプ300,ダイオード301によって圧縮さ
れ、ダイオード302,定電流源303によって逆方向飽和電
流のキャンセルされた値となってオペアンプ304,感温抵
抗305,抵抗306により構成される非反転増幅器へ入力さ
れ、温度係数を持たない測光出力AEOUTとしてマルチプ
レクサ210へ出力される。マルチプレクサ210はA/Dコン
バータ211へのアナログ入力を切換える為のものである
から、この場合前記測光出力AEOUTがA/Dコンバータ212
への入力となり、ここでA/D変換された後に端子SDIを介
してCPU200に入力する。CPU200は、第12図に示すDフリ
ップフロップ400〜404で構成されるシフトレジスタ(こ
の場合5ビット)によってこのデータを受け取り、転送
が終了した時点で生じる信号AEDSET(CPU200内の不図示
の回路にて作成される)の立上りに同期して上記データ
をDラッチ410〜414にデータD1として記憶する。
以上の様にしてデータD1の記憶を終えるとCPU200は次い
でレンズ鏡筒101を繰り出すのに必要となる測距出力AFO
UTを得るために出力iREDを“H"にし、第13図(B)にお
いて、オペアンプ307,抵抗308,309及びトランジスタ310
によって構成されるiRED駆動回路204をイネーブル状態
とし、iRED205を点滅させる。一方、iRED205から投射さ
れた赤外光の被写体上で反射光は受光センサ206で受光
され、周知な三角測量の原理に従って被写体距離に対応
した信号電流Ia,Ibに分離される。そしてそれぞれの信
号電流はオペアンプ311と抵抗312、オペアンプ313と抵
抗314によって構成される各電流−電圧変換器により電
圧値に変換され、更に次段に接続されているオペアンプ
315,抵抗316,317及びキャパシタ318で構成される微分増
幅器、オペアンプ319,抵抗320,321及びキャパシタ322で
構成される微分増幅器とよってiRED205の信号光のみが
増幅され、信号電圧Va,Vbとなる。この信号電圧Va,Vbは
オペアンプ323,抵抗324〜326で構成される加算増幅器に
よって加算(Va+Vb)され、割算回路327へ入力され
る。割算回路327では(Va/(Va+Vb))なる演算が行わ
れ、そしてその結果が測距出力AFOUTとしてマルチプレ
クサ210へ出力され、A/Dコンバータ211にてディジタル
信号に変換されて該CPU200に入力する。この時の測距出
力AFOUTは被写体距離と1対1で対応し、レンズ鏡筒101
の繰出し量に比例するものである。尚この時点で前記出
力iREDは“L"(ローレベルの信号を意味する)となる。
CPU200は、前記測光出力AEOUT入力時と同様、第12図に
示すDフリップフロップ400〜404で構成されるシフトレ
ジスタによって前記データを受け取り、転送が終了した
時点で生じる信号AFDSETの立上りに同期して上記データ
をDラッチ405〜409にデータD2として記憶する。
次にCPU200はテレ・ワイドスイッチswT/Wが長焦点側に
あるか短焦点側にあるか調べに行き、前記テレ・ワイド
スイッチswT/Wがオンして長焦点側となっている場合に
は、第12図においてプルダウン抵抗415,インバータ416
を介して“H"を信号TWSET(CPU200内の不図示の回路に
て作成される)の立上りに同期してDラッチ417に記憶
する。このため、長焦点側にある時は鏡筒繰出し量補正
データD3にはaが、AE補正(開口FNO、補正)データD4
には0(零)が入力され、短焦点側にある時は鏡筒繰出
し量補正データD3には0が、AE補正(開口FNO、補正)
データD4にはbが入力される。尚本実施例ではハード構
成上長焦点側にある場合、a=8が入力されることにな
っている。次に、DXコードによるフィルム感度情報を、
接片スイッチsw ISO1,抵抗418,インバータ419を介して
Dラッチ420に、接片スイッチsw ISO2,抵抗421,インバ
ータ422を介してDラッチ423に、接片スイッチsw IS
O1,抵抗424,インバータ425を介してDラッチ426に、デ
ータD5として記憶する。
続いてCPU200内部では前記Dラッチ405〜409により記憶
した測距データD2を第1の制御用のデータM1と第2の制
御用のデータM2に変換するため、ソフト的には測距デー
タD2をある変数xで割ってその商をM2、余りをM1として
記憶することになる。第12図はこの変換をハード的に行
うための回路構成を示すもので、この場合測距データD2
の下位2ビットをM1、上位3ビットをM2に設定すること
により等価的にxを例えば4に設定していることにな
る。更に前記第2の制御用のデータM2に前記鏡筒繰出し
量補正データD3を加算し、これを新たな第2の制御用の
データM2とする。次に、CPU内部では、測光データD1とA
E補正データD4並びにフィルム感度情報を全て加算して
データDSとし、このDSの値に応じて(この間DSの値に対
応する値nがテーブルより選択される)的確なシャッタ
開口時間を保証する為のパルスカウントデータKnをデー
タM3として記憶する。第14図では測光データD1とAE補正
データD4並びにフィルム感度情報を全てデコーダ427の
入力とし、ここから的確なシャッタ開口時間を保証する
為のデータとして5ビットのパルスカウントデータを出
力している。
ここまでがカメラの第1ストロークスイッチsw1のオン
状態時に行われる動作である。
次にこの状態からレリース釦1が更に押し込まれ、第2
ストロークスイッチsw2がオンすると、スイッチインタ
ーフェース212を介してCPU200に該オン信号が入力して
この事が検知される。これによりCPU200はモータ駆動回
路203ヘリワインド信号REWINDを出力する(即ちこのこ
の信号ラインをハイインピーダンスとする)。一方モー
タ駆動回路203では該信号の入力により、第13図(A)
において、定電流源328の定電流がトランジスタ329のベ
ースに流れ込んでこれをオンとし、続いて抵抗330,331
をそれぞれ経由してトランジスタ332,333をオンとする
為、モータ13には矢印X方向の電流が流れ、モータ13は
フィルム巻戻し方向と同じ方向に回転し始める。尚ダイ
オード334〜337はモータ13で生ずる逆起電力等でモータ
駆動用トランジスタが破壊されてしまうのを防ぐ為に付
加されているものである。ここでモータ13への通電によ
って前述した様に種々のギア等を介してヘリコイド軸10
7が回転し、レンズ鏡筒101が前方へ繰り出して行くと、
これに同期してパルスシート108が回転を始め、この動
きを拾ったフォトカプラ信号がフォトカプラ109内の受
光素子345,抵抗346を通して検出される。この信号はオ
ペアンプ347,抵抗348,349で構成される非反転増幅器で
増幅された後、コンパレータ350で基準電圧KVCと比較さ
れ、ロジック信号PCSIGとなり、CPU200への入力として
取り込まれる。第14図のフローチャートに従うと、フォ
トカプラ信号の立上りを検出する毎に、前述した第1の
制御用のデータM1を1つずつ減算していき、M1が0
(零)になるまでこのカウント動作を継続していくこと
になるが、これをハード的に構成した第12図を用いて以
下説明していく。
第1の制御用のデータM1はDラッチ408,409に2ビット
の情報として記憶されているが、まず初めに前記信号PC
SIGの“H"への立上りに応じてDフリップフロップ428,4
29で構成されるバイナリーカウンタがカウントアップを
開始する。カウントアップが順次行われていって、Dフ
リップフロップ428とDラッチ409、Dフリップフロップ
429とDラッチ408の出力がそれぞれ共に等しくなると、
エクスクルーシブノアゲート430,431が共に“H"となっ
てアンドゲート432が“H"となり、RSフリップフロップ4
33がセットされる。この状態ではRSフリップフロップ43
4はまだリセット状態にあるのでインバータ435,RSフリ
ップフロップ433の出力は共に“H"であり、よってナン
ドゲート436は“L"となってナンドゲート438より電磁マ
グネット駆動回路202へ“H"の出力PLGが出力される。こ
のようにしてCPU200より“H"の出力PLGが出力される
と、第13図(A)において、オペアンプ351,抵抗352,35
3,354,トランジスタ355等で構成される電磁マグネット
駆動回路202は、インバータ356,抵抗357を介してトラン
ジスタ358がオフすることにより、電磁マグネット129へ
の通電を開始し、この結果、前述した通りのレンズ鏡筒
101(不図示の撮影レンズ)の細いピッチによる繰出し
制御、即ち第1の制御が終了する。
続いて前記第2の制御用のデータM2を同様の方法にて減
算していくが、この第2のレンズ制御データM2は被写体
の距離情報に撮影レンズの焦点距離情報が加味されたも
のとなっている為、長焦点側ではカウントするパルス数
規定分増加する。第12図の実施例では、長焦点側にある
か否かがDラッチ417に記憶されていて、これとDラッ
チ407,406,405の出力が、Dフリップフロップ439〜442
で構成される4段のバイナリーカウンタの出力と比較さ
れる。前記RSフリップフロップ433のセット後、フォト
カプラ検出回路201よりの出力PCSIGがアンドゲート443
を介してDフリップフロップ439のクロック入力に印加
され、前記出力PCSIGに同期して前記バイナリーカウン
タのカウントアップが開始される。そしてDフリップフ
ロップ439とDラッチ407、Dフリップフロップ440とD
ラッチ406、Dフリップフロップ441とDラッチ405、D
フリップフロップ442とDラッチ417の出力がそれぞれ全
て一致すると、エクスクルーシブノアゲート444〜447の
出力が全て“H"となり、アンドゲート448の出力も“H"
となってRSフリップフロップ434がセットされる。この
状態ではRSフリップフロップ463はまだリセットされて
いるので、ナンドゲート450の出力は“H"、又ナンドゲ
ート436の出力も“H"となり、よってナンドゲート438の
出力PLGが“L"に反転する。この結果、電磁マグネット1
29への通電が停止し、前述した通りのレンズ鏡筒101の
荒いピッチによる繰出し制御、即ち第2の制御が終了す
る。尚本実施例では、長焦点側が短焦点側に比べて8パ
ルス分多くレンズ鏡筒101が繰り出されるように設定し
ている。
この時点からシャッタ制御動作が開始されるが、シャッ
タ開口時間を決定する為の第3の制御用のデータM3は前
述したようにAE処理回路よりのAE出力AEOUT、AE補正デ
ータ、フィルム感度情報の値によって選択される。第12
図の実施例では、Dラッチ410〜414に記憶されたデータ
D1とDラッチ417に記憶されたAE補正データD4とDラッ
チ420,423,426に記憶されたフィルム感度情報D5をデコ
ーダ427の入力とし、その出力を第3の制御用のデータM
3としている。前記RSフリップフロップ434がセットされ
た後、出力PCSIGがアンドゲート451を介してDフリップ
フロップ452のクロック入力に印加され、前記出力PCSIG
の立上りに応じてDフリップフロップ452〜456で構成さ
れる5ビットのバイナリーカウンタがカウントアップを
開始する。そしてこのバイナリーカウンタのそれぞれの
出力とデコーダ427の出力が全て一致すると、エクスク
ルーシブノアゲート457〜461の出力が全て“H"となり、
アンドゲート462の出力も“H"となってRSフリップフロ
ップ463がセットされる。この時点ではRSフリップフロ
ップ464はリセットされているので、ナンドゲート450の
出力は“L"であり、よってナンドゲート438の出力PLGが
再び“H"に反転する。この結果、電磁マグネット129へ
の通電が再開され、前述した通りシャッタが閉じられ、
フィルムへの露光動作が、即ち第3の制御が終了する。
前記電磁マグネット129への通電再開と同時に、CPU200
はリワインド信号RIWINDを“L"する。これによりモータ
駆動回路203内の定電流源328の電流がシンクされてトラ
ンジスタ332,333,329がオフするため、モータ13へのフ
ィルム巻戻し方向と同じ回転方向への通電(第13図
(A)に示す矢印X方向への通電)が停止される。又CP
U200はフォトカプラ201への出力PCONも“L"とする。よ
ってインバータ338,抵抗339を介してトランジスタ340が
オンするのでトランジスタ343がオフし、LED345への通
電も停止される。また、RSフリップフロップ463がセッ
トされた時点でOSC465の出力がアンドゲート466を介し
てDフリップフロップ467のクロック入力に印加される
ため、OSC465よりのクロックパルスの立上りでRSフリッ
プフロップ464がセットされ、インバータ468を介してナ
ンドゲート450の出力は“H"、ナンドゲート438の出力PL
Gは“L"となって電磁マグネット129への通電が停止され
る。
次いでCPU200はワインド信号WINDを出力する。これによ
りモータ駆動回路203内の定電流源359の電流がトランジ
スタ360のベースに流れ込んでこれをオンにし、さらに
抵抗361,362を介してトランジスタ363,364をオンにする
ので、モータ13にはフィルム巻上げ方向(第13図(A)
の矢印Y方向)に電流が流れ、レンズ鏡筒101を初期位
置に復帰させる動作が前述のようにして行われる。その
後不図示のスイッチ等により前記レンズ鏡筒101が初期
位置に達したことが検知されると、CPU200はワインド信
号WINDを“L"とする。これにより前記定電流源359の電
流がシンクされてトランジスタ363,364,360がオフする
ため、モータ13へのフィルム巻上げ方向と同じ回転方向
への通電が停止される。
以上までの一連の動作によりレンズ鏡筒101の駆動制御
及びシャッタ駆動制御が終了し、次にカメラの動作とし
ては機械的説明にて行った様にフィルム給送制御へと移
行する。尚このフィルム給送においては通常の制御と同
様であるので、ここでは割愛する。
(発明と実施例の対応) 本実施例において、第一の移動部材110が本発明の第1
の駆動力伝達手段に、第二の移動部材111が第2の駆動
力伝達手段に、受光センサ206及びAF処理回路207が第1
の信号出力手段に、テレ・ワイドスイッチswT/Wが第2
の信号出力手段に、CPU200のデータD2からデータM1,M2
を決定するステップが第1の作用量決定手段に、CPU200
のデータD3を決定するステップが第2の作用量決定手段
に、それぞれ相当する。
(変形例) 本実施例では、レンズ鏡筒101の繰出し量を測距回路に
より算出するようにしたが、これに限定されるものでは
なく、像ずれ量を検出して結像光学系の焦点位置までの
駆動制御を行うタイプのものであっても適用することが
できる。又第1の制御と第2の制御とを逆に行うような
構成にすることも可能である。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明によれば、光学系の焦点調
節並びに焦点距離の変更を高速且つ高精度に行うことが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例におけるレリーズ操作部と動
力伝達機構のレリーズ開始前及びリセット時を示す斜視
図、第2図は同じくレリーズが開始された状態を示す斜
視図、第3図は同じくフィルム巻戻し中の状態を示す斜
視図、第4図は本発明の一実施例における動力伝達機構
の主要部分のレリーズ開始前及びリセット時を示す平面
図、第5図は同じくレリーズが開始された状態を示す平
面図、第6図は同じくフィルム巻戻し中の状態を示す平
面図、第7図は本発明の一実施例における動力伝達機構
の一部を成す部材のレリーズ開始前及びリセット時を示
す斜視図、第8図は同じくレリーズが開始された状態を
示す斜視図、第9図は同じくフィルム巻戻し中の状態を
示す斜視図、第10図は本発明の一実施例であるレンズ鏡
筒移動機構とシャッタ制御機構とを示した斜視図、第11
図は本発明の一実施例を示すブロック図、第12図は第11
図図示のCPU内の主要部分をハード的に示した回路図、
第13図は第11図図示の各回路の内部構成を示す回路図、
第14図は同じくそのフローチャートである。 1……レリーズ釦、2……レリーズレバー、8……副レ
リーズ板、13……モータ、16……太陽ギア、17……遊星
ギア、18……遊星レバー、24……巻上げギア、27……ギ
ア、107……ヘリコイド軸、109……フォトカプラ、110
……第一の移動部材、111……第二の移動部材、111a…
…爪車、112……係止爪、113……停止爪、115……レバ
ー、121……羽根駆動レバー、129……電磁マグネット、
130……係止歯、200……CPU、201……フォトカプラ、20
5……iRED、207……AF処理回路、208……AE処理回路。
フロントページの続き (72)発明者 中沢 功 神奈川県川崎市高津区下野毛770番地 キ ヤノン株式会社玉川事業所内 (56)参考文献 特開 昭59−170807(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の変速比で駆動力を伝達し、光学系を
    構成するレンズユニットを移動させるための第1の駆動
    力伝達手段と、前記第1の変速比とは異なる第2の変速
    比で駆動力を伝達し、前記レンズユニットを移動させる
    ための第2の駆動力伝達手段と、前記光学系の焦点調節
    のための信号を出力する第1の信号出力手段と、前記光
    学系の焦点距離を変更するための信号を出力する第2の
    信号出力手段と、前記第1の信号出力手段からの信号に
    対して前記第1の駆動力伝達手段と前記第2の駆動力伝
    達手段の作用すべき量を決定する第1の作用量決定手段
    と、前記第2の信号出力手段からの信号に対して前記第
    1の駆動力伝達手段の作用すべき量を決定する第2の作
    用量決定手段とを有することを特徴とするレンズ移動装
    置。
JP23800686A 1986-03-03 1986-10-08 レンズ移動装置 Expired - Lifetime JPH06105327B2 (ja)

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DE19873706726 DE3706726C2 (de) 1986-03-03 1987-03-02 Kamera
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DE3706735A DE3706735A1 (de) 1986-03-03 1987-03-02 Vorrichtung zum einstellen des optischen systems einer kamera
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US07/296,857 US4870439A (en) 1986-03-03 1989-01-13 Focal length varying device for camera
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