JPH0749473Y2 - 電動巻戻の可能なモータ・ドライブ・カメラ - Google Patents

電動巻戻の可能なモータ・ドライブ・カメラ

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JPH0749473Y2
JPH0749473Y2 JP1993021041U JP2104193U JPH0749473Y2 JP H0749473 Y2 JPH0749473 Y2 JP H0749473Y2 JP 1993021041 U JP1993021041 U JP 1993021041U JP 2104193 U JP2104193 U JP 2104193U JP H0749473 Y2 JPH0749473 Y2 JP H0749473Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は電動巻戻しの可能なモー
タ・ドライブ・カメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電動巻戻装置は近年電動巻上装置の普及
に従って、巻き上げ動作と同様に巻き戻し動作も迅速に
行うためその重要性を増している。ところが、カメラが
露光中に巻き戻し操作を行うと、画像が流れて撮影に失
敗してしまう。そこでそれを防止する為に、前記状態で
巻き戻し動作を行うとシャッタを閉じ露光を終了させて
しまう方法や、巻き戻し操作を複雑にし、例えば、2度
の操作にして不用意に巻き戻せなくする方法が実施され
てきた。しかしながら、これらは露出が不適正となった
り、あるいは、誤動作防止が不完全であるなどの欠点が
あった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】そこで本考案は、露光
中の誤った巻き戻し操作を防止し、撮影の失敗をなくす
電動巻戻しの可能なモータ・ドライブ・カメラを提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本考案による電動巻戻しの可能なモータ・ドライブ・
カメラは、フィルムの巻戻し開始信号を発生する巻戻し
操作手段SW14と、モータによりフィルムを巻戻す巻
戻し手段32〜37、159、161、163〜166
と、前記巻戻し操作手段の巻戻し開始信号を受けて前記
巻戻し手段を制御する制御手段604と、フィルムの露
光に関連する露光動作を検出して露光信号を発生する検
出手段SW1と、前記露光信号受信後の露光中に、前記
巻戻し開始信号を受信した場合には、前記巻戻し手段が
フィルムを巻戻すことを禁止する禁止手段INV11と
からなることを特徴とする電動巻戻しの可能なモータ・
ドライブ・カメラ。
【0005】
【作用】前記構成により、露光中にフィルムを巻戻す誤
動作が防止される。
【0006】
【実施例】図1は本考案の実施例であり、カメラ駆動機
構部を示している。
【0007】以下において撮影準備動作のシーケンスに
したがって各部の詳細について説明する。まず、フィル
ム28を装填するために公知の手段によって裏蓋を係止
しているカギを外すと、裏蓋は開放可能となり裏蓋の一
部1は図1中で左下方に移動する。すると、裏蓋連動レ
バー3はばね2の付勢力により軸4を中心として裏蓋の
一部1に追従して左旋する。これにより軸4の下方に固
着された巻戻し解除レバー5も左旋し、巻戻し保持レバ
ー6の一端6aを押す。そのためこのレバー6は右旋
し、巻戻し状態が解除され、巻戻保持レバー6とそれま
で上昇位置にあった巻戻しボタン7との関係は図1に図
示の状態となる。巻戻し状態とその解除については後述
する。
【0008】また巻戻し解除レバー5の左旋によりその
先端5aは裏蓋開閉スイッチSW12、SW17との当
接を解かれ、スイッチSW12はオフ、SW17はオン
となる。このため裏蓋開放中であってもモーター600
を回転させてスプール29、スプロケット49を作動さ
せることができるのであるがこの動作は後述する。
【0009】裏蓋連動レバー3の他端にはピン3aが植
設されており、その左旋にともない軸8のまわりに回転
する巻上制限レバー9の1つの腕部9aを押し、このレ
バー9を右旋させる。この腕部9aの背後には巻上制限
スイッチSW5が配設されており、巻上制限レバー9が
右旋すればONする。このスイッチSW5は後述するモ
ータ制御回路(図13)に接続されており、同回路はス
イッチSW5がONの時には図1中上方にある全押スイ
ッチSW6がONされた時点で、モータ600が図中の
矢印と反対方向に回転、すなわち右旋する回路構成とな
っている。また巻上制限レバー9の右旋時には、別の腕
部先端のフック9bは図1中で左方へ移動するので、巻
上制限盤12の切欠き12aとの結合が外れ、制限盤1
2は回転可能となる。
【0010】裏蓋連動レバー3の左旋時にはまた、枚数
計係止爪13が右旋する。すなわち、係止爪13の一端
に植設されたピン13cが、左旋する連動レバー3によ
り同図中で左方に押され、係止爪13はばね16の付勢
力に逆らって軸15の回りに右旋される。その結果、枚
数計係止爪13の係止部13aは軸18の下端に固着さ
れた枚数計ラチエット車17と係合している位置から同
図中左方に退避する。すると、ラチエット車17、これ
が固着された軸18、この軸18に固着されている空送
りカム19及び枚数盤20は、ばね21の付勢力によっ
て一体的に左旋する。この回動は枚数盤20の下方に植
設されたピン22が不図示の基板に設けられた停止板2
3に当接するに至って終る。この時枚数盤20上のSの
文字が指標24と正対し、枚数計がリセットされたこと
を示す。
【0011】なお、枚数計ラチエット車17には別の送
り爪25が係合可能とされているが、その先端25aは
右旋する枚数計係止爪13の先端13bにより同図中で
左前方に押されるため、送り爪25はばね26の付勢力
に逆らって軸27の回りに左旋させられ、その爪部25
bは枚数計ラチエット車17との係合位置から退避す
る。したがって、この送り爪25はラチエット車17の
左旋を阻害しない。以上が裏蓋を開けた時の動作であ
る。裏蓋を開けたならばフィルムを装填するのである
が、この間モータ600は回転しない。
【0012】次に、フィルムを装填してから、1駒目の
撮影準備が整うまでの動作、すなわちフィルム送り系に
よるフィルム空送りの動作につき説明する。フィルム2
8の先端をスプール29の溝29aに差し込み、押ボタ
ン100を押すと、半押しスイッチSW13を介して押
ボタンスイッチSW6がONする。この時すでに巻上制
限スイッチSW5がONになっており、後述のモータ制
御回路がこれを検知することにより、前述の如くモータ
600は図中の矢印と逆の方向に回転(右旋)しはじめ
る。この回転によりモータ軸31に固着されたピニオン
32、ウオーム58が右旋し、ギヤー33、59及び6
0がそれぞれ矢印と逆方向に回転(左旋)する。ピニオ
ン32の回転は第1ギヤー33及びこれと一体となった
第2ピニオン34、第2ギヤー35及びこれと一体とな
った第3ピニオン36、第3ギヤー37へと伝達され、
第3ギヤー37は同図中の矢印と逆方向に回転(左旋)
される。以上のピニオン32から第3ギヤー37に至る
までの減速ギヤー列は、小型のモータ600からフィル
ム送りに必要なトルクを得るためのものである。
【0013】第3ギヤー37が固着された軸38の下方
にはフィルム送り板39が固着されており、ギヤー37
と同様に同図中の矢印とは逆方向に回転する。そしてこ
の左旋時に送り板39の突起39aとフィルム送り爪4
0のフック部40aとが係合する。ここにフィルム送り
爪40の回転軸41は第4ギヤー42に植設されている
ことから、第4ギヤー42も同じ方向に回転をはじめ
る。したがって公知のスプールフリクション機構43を
介してスプール29は同図中の矢印の方向へ回転(左
旋)し、フィルム28はスプール29に巻き取られて行
く。
【0014】一方、第4ギヤー42の回転は第5ギヤー
44第6ギヤー45と伝わるが、それがそのままスプロ
ケット軸47の回転とはならない。その事情を図2にて
説明する。前述の如く巻戻し保持レバー6の右旋により
巻戻し状態は解除されるのであるが、前回に使用したフ
ィルムの巻戻し終了時点においては一般的に、スプロケ
ット軸47の上部に植設されたスプロケット上ピン47
aと第6ギヤー45の上部に設けられた溝45aとの位
相は一致していない。このため、不図示のスプロケット
軸下降ばねの付勢力はあるが、スプロケット上ピン47
aは図2に示す如く第6ギヤー45の上面45bに当接
するにとどまる。したがって第6ギヤー45の回転にと
もなってスプロケット軸47が回転することにはなら
ず、軸47の中ほどに植設されたスプロケットピン48
も回転しない。そのため溝49aを介してピン48と相
対的に上下動のみ可能とされているスプロケット49の
回転もやはり第6ギヤー45に支配されることにはなら
ない。したがってこの時点では、フィルム28はスプー
ル29に巻き取られることにより移動しており、不図示
のパーフォレーションがスプロケット49の歯49bに
かみ合ってスプロケット49およびスプロケット軸47
を駆動している。
【0015】しかしながら公知の如く同一駆動源にて連
動している場合には、スプール29の方がスプロケット
49よりもより多くフィルム28を巻き取ろうとするよ
うに設定されているため、フィルム28が進行するうち
に、スプロケット上ピン47aと溝45aとはある時点
で位相が一致、係合し、第6ギヤー45の回転によりフ
ィルム28の送り量が決定される状態になるのが普通で
ある。本実施例もまた同様の動作をする。
【0016】再び図1にもどって枚数計のカウントアッ
プについて説明する。スプロケット軸47の上方にはス
プロケット上ギヤー50が固着されており、枚数計ギヤ
ー51と常時かみ合っている。このギヤー51上の偏心
した位置に軸27が植設されており、スプロケット軸4
7が回転している間すなわちギヤー50を介してギヤー
51が回転している間は、軸27にその1端を連結され
ている送り爪25は図1中でほぼ左右方向に往復運動を
行う。この時点では既に裏蓋が閉じられておりその一部
1が裏蓋連動レバー3を右旋させているため、ばね16
の付勢力により枚数計係止爪13は左旋し、図1に図示
の如く係止爪13の係止部13aと枚数計ラチエット車
17は係合可能な位置をとる。
【0017】枚数計係止爪13の左旋にともない、その
先端13bは図1中で右方に移動するため、送り爪25
の先端25aが同図中で右上方に移動可能となり、ばね
26の付勢力により送り爪25は右旋し、爪部25bは
枚数計ラチエット車17と係合可能な位置になる。この
ため、公知であるので詳述はしないが、スプロケット4
9のフィルム28の1駒分の回転によりギヤー51が回
転されて送り爪25が往復動され、爪部25bによって
一歯ずつ前記ラチエット車17は右旋されて行く。その
結果、フィルム送りにともない、枚数盤20は「S」か
ら「1」が指標24に対向する位置までへと回転して行
く。
【0018】その間スプロケット軸47上に取り付けら
れた巻上げ制限盤12は複数回回転する。その際巻上げ
制限レバー9はばね52により左旋方向に付勢されてい
るため、軸8のまわりに左旋して、フック9bは制限盤
12の外周12bに当接することになり、切欠き12a
とフック9bが正対した時に互に係合して、以降のフィ
ルム空送りが中断してしまうおそれがある。この事情に
もかかわらず、1駒目までの空送りを可能にするため
に、枚数盤20と一体で作動する空送りカム19はその
突部19aが巻上制限レバー9の腕部9cに当接して、
その左旋を妨げている。しかしながら、枚数盤20上の
「1」の数字が指標24と正対する直前に上記当接が解
除される様に構成してあるので、フィルム28が所定量
だけ送られた後にレバー9は左旋してフック9bは切欠
き12aに落ち込み、フィルム送りは機械的に阻止され
る。枚数計20が「S」から「1」を示している間、巻
上制限は不動作とされているのである。したがってレバ
ー9の腕部9aにより押圧されていた巻上げ制限スイッ
チSW5はOFFとなり、後述する制御回路185の作
用でモータ600への通電は絶たれ、ここにフィルム空
送りが完了する。
【0019】ここで巻上げ制限保持レバー53の働きに
ついて注記しておく。このレバー53はばね55によっ
て軸54のまわりに右旋方向に付勢されており、その上
に植設されたピン53bが巻上げ制限盤12の外周に設
けられた凹部12cに当接している時にのみ、その先端
53aで巻上げ制限レバー9の先端9dを係止可能なよ
うになっている。レバー53の先端53aは、前記レバ
ー9が充分大きく右旋している時にのみ、その先端9d
を係止する寸法になっている。
【0020】巻上げ制限レバー9が大きく右旋する場合
とは、裏蓋が開けられた時に裏蓋連動レバー3上のピン
3aと腕部9aとの係合によって生じる場合と、後述す
る中間レバー56の左旋によりその端部で前記制限レバ
ー9上のピン9eが押されて生ずる場合とを指す。なお
巻上げ制限盤12の外周部12bとフック9bが当接し
ている場合の前記制限レバー9の右旋角は小さなもので
あるので、先端53aは先端9dを係合しない。したが
ってレバー9はフック9bが外周部12bに当接した状
態から巻上制限保持レバー53に阻止されることなく左
旋し、制限盤12の切欠き12aに落ち込むことが出来
るようになっている。この空送りの間、絞り79、シヤ
ッタの先幕115及び後幕115′及び保持枠132に
保持されたクイックリターンミラーは何れも駆動されな
い。これらについてはそれぞれ後に詳述する。
【0021】次に撮影及びそれに引き続く巻上動作につ
いて説明する。再び押ボタン100を図1中で下方に押
し下げると半押しスイッチSW13がONする。これに
より後述する回路の一部に通電が開始される。レンズ7
8を通った光は保持枠132に保持されたクイックリタ
ーンミラーで反射され受光素子PDに入射する。受光素
子PDの出力は露出制御回路に導入され演算される。次
にさらに深く押ボタン100を押し下げると全押スイッ
チSW6がONし受光素子PDによる測光結果が露出制
御回路によって記憶される。
【0022】またスイッチSW6のONにより以下のよ
うな別の動作も開始される。すなわち、この時巻上げ制
限スイッチSW5はOFFになっているので、モータ制
御回路の働きでモータ600は図1中の矢印の方向へ回
転(左旋)をはじめる。したがってモータ軸31に固着
されたピニオン32及びウオーム58が回転する。ピニ
オン32には前記第1ギヤー33が、またウオーム58
には第7ギヤー59と第10ギヤー60とがそれぞれ常
時かみ合っているので、これらが同時にそれぞれ矢印方
向に回りはじめる。
【0023】まずピニオン32と第1ギヤー33のかみ
合いに連動する系統(以下「フィルム送り系」と略称す
る)につき説明する。モータ軸31の回転は前記減速ギ
ヤー列により適当な回転数とトルクに変換され、第3ギ
ヤー37を図中の矢印の方向へ回転(右旋)させる。第
3ギヤー37の右旋にともない、これが固着された軸3
8も回転し、これに固着された回転規制盤61及びフィ
ルム送り板39もともに図1中の矢印の方向に回転(右
旋)する。回転規制盤61の外周にはミラー上昇係止爪
62がばね63により左旋方向に付勢されて当接してお
り、規制盤61が図1に示した状態から所定の回転角だ
け右旋した時、規制盤61の係止部61aを係止して規
制盤61の回転を阻止する。その結果、後述する絞り駆
動系、ミラー駆動系、シヤッタチャージ系においてこれ
がストッパ作用をなすこととなる。同じく軸38に固着
されたフィルム送り板39は、撮影開始時にはその突部
39aとフィルム送り爪40のフック部40aとが係合
する位置にあるが、送り板39が右旋するので係合が解
かれ送り爪40には回転は伝わらない。したがってこの
場合には先に説明をしたフィルム空送りの際と異なり、
第4ギヤー42以下が回転しないのでフィルムが送られ
ることはない。
【0024】以上の右旋の途中で第3ギヤー37上に固
着されたピン37aが巻上げ制限解除レバー65の腕部
65aを押し、ばね66の作用に逆らってこのレバー6
5を軸67回りに左旋させる。しかし、解除レバー65
の他の腕部に植設されたピン68は中間レバー56の一
端56aより遠ざかる方向に移動するので、レバー56
に影響を及ぼすことはない。従ってレバー56によって
制限レバー9が回転されることはなく、巻上げは制限さ
れている。
【0025】次にウオーム58と第7ギヤー59のかみ
合いに連動する系統(以下「絞り駆動系」と略称する)
につき説明する。モータ600の左旋による第7ギヤー
59の図1中の矢印方向への回転(右旋)にともない、
これが固着された軸69、第8ギヤー70、絞り込みカ
ム71はすべて一体となって同方向へ回転をはじめる。
しかし、フィルム送り系の中の回転規則盤61はミラー
上昇係止爪62により右旋が規制されているため、ギヤ
ー列を介してモータ軸31の回転が制限され、軸69も
所定の回転角しか右旋できない。軸69が図1に示した
状態から右旋しはじめると、絞り込みカム71の先端7
1aが保持解除レバー102の一端102aを押すが、
レバー102は絞り保持レバー75に植設された軸73
の回りに回動(左旋)することはできない。それはレバ
ー102の腕部102bが絞り保持レバー75に植設さ
れたピン74に当接しているためである。したがって、
レバー102は絞り保持レバー75と一体となってばね
76の付勢力に逆らって軸77の回りに左旋する。
【0026】本実施例においてはレンズ78の絞り機構
と連動する絞り連動レバー79は図中で下方への付勢力
を受けているものとする。このレバー79は絞り規制レ
バー80の先端80aにて下降を阻止されており、その
時は絞りが開放となっている。先の絞り保持レバー75
の左旋によってそのフック部75aと絞り規制レバー8
0に植設されたピン81の係合が外れ、絞り規制レバー
80は絞り運動レバー79とばね82の付勢力により、
先端80aが下降する方向に運動可能(軸84の回りに
右旋可能)となる。これにより以降は絞り規制レバー8
0は別な位置に植設されたピン83と絞り込みカム71
との当接を介して図1に示した状態から右旋してリフト
量をしだいに減少させるかカム71に追従して、軸84
回りに右旋し、絞りは絞り込まれていく。
【0027】絞りの絞り込み量は、抵抗体302と規制
レバー80の一端80cに設けたブラシ303により測
定されており、先の測定結果と設定されたシヤッタスピ
ード、フィルム感度等に基づいて算出された適当な抵抗
値に達した時に後述する露出制御回路の働きでコイル8
5に通電される。すると、それまで永久磁石86により
ヨーク87に吸着されていたアマチュア88は一時的に
吸着力が小さくなるため、ばね89の付勢力に負けて、
これが取り付けられている絞り係止爪90と共に軸91
の回りに左旋する。そして係止爪90の爪部90aがギ
ヤー93a、93b、93c等から成る拡大ギヤー列9
3を係止するため、ギヤー93cと一体となっている絞
り規制レバー80は停止し、適正露出が得られる絞り値
が設定される。拡大ギヤー列93は絞り値設定の分解能
を高め、より精度を上げるために設置されている。
【0028】次にこの間ウオーム58と第10ギヤー6
0のかみ合いに連動する系統(以下「シャッタチャージ
系」と略称する)がどのように動作するかについて図1
をもとに説明する。
【0029】モータ600の左旋に伴ない、ギヤー59
の右旋と同時に第10ギヤー60は図中の矢印の方向に
回転(左旋)をはじめる。するとそれに固着された軸1
05、さらに軸105に固着された第11ギヤー106
も左旋する。これにより常時第11ギヤー106にかみ
合っている第12ギヤー107が右旋し、軸108を介
して一体となっている先幕チャージギヤー109も右旋
する。
【0030】ギヤー109はその右旋途中で先幕セクタ
ーギヤー110とかみ合いはじめ、ある区間かみ合い状
態が続いている間ギヤー110は軸112の回りに左旋
され、やがて歯が形成されていない部分に対応するに至
ると、先幕チャージギヤー109と先幕セクターギヤー
110のかみ合いが外れ、これ以後先幕チャージギヤー
109のみが右旋をつづける。ギヤー109の右旋は前
記フィルム送り系の中の回転規制盤61とミラー上昇係
止爪62との係合に至って停止する。
【0031】一方チャージギヤー109との連結を絶た
れた先幕セクターギヤー110は、ばね111の付勢力
によって図1に示す位置まで復帰する。このようにまず
先幕セクターギヤー110が先幕アーム113に立設さ
れた軸112のまわりに左旋し、この時にギヤー110
と同軸に設けられた先幕アーム113がセクターギヤー
110の一端に設けられたピン114によって押されて
左旋され、その鉤部113aは先幕爪116に係止可能
な位置に至る。セクターギヤー110には別にピン11
7が設けられており、ギヤー110の左旋にともなって
ばね118を押す。このばね118の付勢力により先幕
爪116は右旋し、この爪116に取り付けられている
アマチュア119をヨーク120に押しつける。これ以
降、永久磁石121の吸着力によりヨーク120とアマ
チュア119はばね122の付勢力に逆らって吸着状態
を保つ。このような状態においては、不図示の先幕駆動
ばねに逆らって爪116のフック116aとアーム11
3のカギ部113aの係合が保たれ、先幕走行準備が完
了する。なお、先幕補助アーム123は先幕アーム11
3と共同して先幕115を支持する作用をなす。
【0032】後幕についても、第12ギヤー107が図
1中矢印の方向に回転する動作から後幕走行準備完了ま
で全く同じ動作となっているので、先幕チャージ機構と
対応する部分については同一の番号にダッシュを付して
示し、詳細な説明は省略する。
【0033】以上のようにして行われる動作は公知のシ
ャッタチャージ動作の一例であるが、このシャッタチャ
ージが行われるのは主として絞り込みを行っている時期
である。つまり絞り制御を精度良く行うための減速効果
をこのシャッタチャージが果たしている。
【0034】以上の絞りを絞り込んで行く過程において
第8ギヤー70と第9ギヤー124とは常時かみ合って
いるため、軸125も左旋を続けている。この軸125
はレフックスミラーを駆動するためのものである。
【0035】軸125の左旋にともない、それに固着さ
れた第1アーム126も左旋する。このアーム126の
先端に植設された軸127も軸125回りに左旋し、軸
127に回転可能に取り付けられた第2アーム128の
先端128aは図1の状態から右方へ移動する。ここで
ミラー保持枠132に植設された軸131と第3アーム
130は回転可能に結合されており、ミラー保持枠13
2は軸64のまわりに回動可能となっている。再び第2
アーム128の右旋に話をもどし先端128aが右方に
移動すると図3に示すように第3アーム130に固定さ
れた板ばね133の先端の爪部133aが第2アーム1
28に引掛かるためこのアーム128と第3アーム13
0とは係合状態となり、以降は1つのアームとして作用
する。これがロッドの働きをし、第1アーム126が軸
125を回転中心とするクランク、軸127がクランク
ピンとなって、ミラー保持枠132を押し上げる働きを
する。この時、囲い部126aには開口部が設けてある
ので、軸129の動きは制限されない。つまり、軸12
5の半回転によってこれを押し上げる。ミラー保持枠1
32が軸64の回りに左旋を始め、やがてミラー保持枠
132と一体に設けられた腕132aとミラー下降位置
スイッチSW1の当接が解かれスイッチSW1はオフと
なる。このスイッチSW1がオフになるのは、軸125
の左旋の途中であり、先に説明したようにこの間にはシ
ャッタチャージ動作も行われている。
【0036】ここで一時左中部にあるシャッタに話をも
どす。後幕アーム113′には一体に別の腕113′a
が設けられており、シャッタをチャージする動作によっ
て同アーム113′は軸112′のまわりを左旋し、後
幕走行完了スイッチSW4と腕113′aとの当接が解
かれて同スイッチSW4はオフとなる。そして前述のミ
ラー下降位置スイッチSW1がOFFするより前に後幕
走行完了スイッチSW4がOFFするように構成されて
いる。この2つのスイッチの働きについては後述する。
【0037】再びミラー系に話をもどす。先に説明した
クランク機構は軸125が半回転だけ左旋したとき第1
アーム126が第2アーム128、第3アーム130と
略一直線となるように第8ギヤー70と第9ギヤー12
4のギヤー比が設定されている。すなわちこの時が、フ
ィルム送り系の中の回転規制盤61とミラー上昇係止爪
62が係合した時である。
【0038】ミラーが上昇し終った時の状態を図4に示
す。この状態ではミラー保持枠132と一体に設けられ
た腕132aがこの枠132の上昇完了付近でミラー停
止スイッチSW7をONする。この信号により制御回路
の作用でモータ600は停止する。なおモータ600は
不図示のスリップ機構を持っており、外力で回転を停止
された時にはスリップ可能であるものとする。これはカ
メラをモータで駆動する場合の付属機構として公知であ
り、かつ常識となっているものなので図示しない。
【0039】図4の状態があまり長くつづくと、一直線
となっている第2アーム128と第3アーム130が図
中で軸129が右方に移動する方向に座屈する心配があ
る。これに対処するためには板ばね133に第2アーム
128の裏面と当接する付勢力を持たせておくことが望
ましい。このようにすれば、第2アーム128の裏面と
板ばね133の表面の間に摩擦力が生ずるので、この座
屈を防止することができる。
【0040】以上の様にして、絞りを開放絞りから所望
の絞りまで絞るとともにシャッタをチャージし、またレ
フレックスミラーを光路から退避させシャッタの電光動
作に備える体勢が出来た。
【0041】ここで適宜のタイミングで先幕コイル13
5に通電すると、一時的に永久磁石136の吸着力が弱
まり、ばね137の付勢力によりアマチュア119とヨ
ーク120との吸着が失われて先幕爪116は左旋し、
フック116aは先幕アーム113の鉤部113aの係
合を解放するので、不図示の先幕駆動ばねの力で先幕1
15が走行する。次に設定したシャッター速度が得られ
る時期に後幕コイル135′に通電すると、先幕の場合
とまったく同様に後幕115′が走行する。後幕走行の
始め又は終り付近で、それまでのチャージ状態ではOF
Fであった後幕スイッチSW4が、後幕アーム113′
の別の腕部113′aに当接することにより、ONとな
る。
【0042】この信号により後述する制御回路の作用で
だだちに又は適当なタイムラグを与えて今度はモータ6
00が図中の矢印とは反対に回転(右旋)をはじめる。
するとミラーがリターンするとともに絞りが開放され、
各部が図1に示した状態に戻る。
【0043】まずミラーのリターンであるが、第7ギヤ
ー59が左旋すると、第8ギヤー70、第9ギヤー12
4と回転が伝えられ、軸125、第1アーム126が右
旋し始める。これにともない、第2アーム128及び、
第3アーム130は図1中で下方に引張られ、ミラー保
持枠132は図4に示す上昇状態から下降して行く。そ
して、第1アーム126が下方を向いた時に囲い部12
6aが軸129に当接し、両者は同軸上に並び図1の状
態にもどって保持枠132は動かなくなる。すなわちミ
ラーのリターン時においては、軸125の回転(右旋)
によって保持枠132が下降し、以降においては全く移
動しない態勢となる。
【0044】この状態で軸125が何回右旋したとして
も、アーム126とアーム128はピン127を介して
共に軸125及び129の回りに回転し板ばね133の
爪部133aの背後に設けられたテーパ部133b(図
4)により、第2アーム128が板ばね133に当接し
ても、爪部133aは変位して逃げるためやはり第3ア
ーム130は回転せず、ミラー保持枠132は動かな
い。
【0045】先の、保持枠132が軸64回りに右旋す
る際には左旋時と逆にミラー停止スイッチSW7はオン
からオフに切り換わりまたミラー下降位置スイッチSW
7はオフからオンに切り換わる。このミラーのリターン
動作の初期においてピン127はリセットレバー306
の一端306aに当接して同レバー306を軸307回
りにばね308の付勢力に逆らって左旋させるため、同
レバー306の別の腕306bは図中で上方へ移動しマ
グネットリセットばね73を押圧することになりアマチ
ュア88をヨーク87に吸着させる。このため係止爪9
0の係止部90aとギヤー93aのかみ合いが解除され
ギヤー列93は回転可能となる。
【0046】次に絞りの開放動作について述べると、ギ
ヤー59の左旋にともない絞り込みカム71も左旋する
がリフト量が一定の部分が設けてあり、前記係止部90
aとギヤー93aのかみ合いが解除された後にリフト量
をしだいに増加させる。したがってピン83は上方に押
し上げられ、絞り規制レバー80は左旋しレバー79を
上昇させるのでレンズ78の絞りは開放になる。レバー
80の左旋時にはばね76の付勢力により絞り保持レバ
ー75は右旋し、そのフック部75aがピン81を係止
するため、絞りの解放状態は維持される。なお、絞り込
みカム71の左旋にともないその先端71aが保持解除
レバー102の端部102aを持ち上げるが、この時に
はレバー102がばね141に逆って右旋するだけであ
り、絞り保持レバー75が左旋することはない。したが
って絞り込みカム71が何回左旋したとしても、絞りは
解放状態に保たれる。
【0047】絞り規制レバー80の左旋時には拡大ギヤ
ー列93も共に回転するが、このときにおいてはすでに
絞り係止爪90の爪部90aがギヤー93aを係止しな
い状態になっている。このように、モータ600は露光
後に右旋して軸69を左旋させることによりミラーを撮
影光路中に復帰させるとともに、絞りを解放状態に復帰
させ、その後その状態に保ったままさらに右旋を続ける
ことが可能となるように構成されている。次にこの期間
のシャッタチャージ系の作動につき説明する。露光後の
モータ600の右旋に伴い第10ギヤー60が図中の矢
印と反対の方向へ回転(右旋)をはじめると、先幕チャ
ージギヤー109は左旋し、先幕セクターギヤー110
とかみ合うと、このギヤー110をばね111の作用に
逆らって右旋させる。しかし、ギヤー110に植設され
たピン114が先幕アーム113からむしろ遠ざかる方
向であるので、この時先幕アーム113は動かない。同
様に後幕アーム113′も動かない。
【0048】その後、先幕チャージギヤー109と先幕
セクターギヤー110とのかみ合いが外れて、先幕セク
ターギヤー110はばね111の付勢力により左旋して
図示の位置にもどる。後幕セクターギヤー110も同様
に右旋後ばね111′の作用で左旋してもどる。このよ
うにシャッタチャージ系についても露光後モータ600
の右旋が何回行なわれても構わない構成になっている。
【0049】今度はフィルム送り系の動作について説明
する。露光後モータ600すなわちピニオン32が右旋
すると、減速ギヤー列を経由して、第3ギヤー37は左
旋する。この時第3ギヤー37に植設されたピン37a
もそれに伴って移動し、巻上げ制限解除レバー65の腕
部65aを押すためこのレバー65は右旋する。
【0050】それにともないレバー65の他端下面に植
設されたピン68が中間レバー56の腕部56aを押す
ため、このレバー56は左旋する。その結果、レバー5
6の他方の腕部56bが巻上制限レバー9の一端に植設
されたピン9eを押すのでこのレバー9は右旋し、先端
のフック9bと巻上制限盤12の切欠き12aとの係合
が外れて巻上制限盤12は回転可能となる。すなわちモ
ータ600の駆動によって巻上の制限を確実に解除ずき
る。またこれに伴ないレバー9の先端9dが巻上制限保
持レバー53の先端53aに係止され、巻上制限解除状
態が保持される。
【0051】第3ギヤー37の左旋時には同時に回転規
制盤61がミラー上昇係止爪62に係止された位置から
左旋を始めるとともに、フィルム送り板39も同方向に
回転する。そして図1に示すように送り板39の突起3
9aとフィルム送り爪40のフック部40aとが係合す
ると、第4ギヤー42が左旋を始める。ギヤー42が回
れば、フリクション機構43を介してスプール29は矢
印方向へ回転する。第4ギヤー42の回転はまた第5ギ
ヤー44第6ギヤー45と伝わり、溝45aとスプロケ
ット上ピン46との係合を介してスプロケット軸47も
左旋する。したがってフィルム28は進行して行く。
【0052】フィルムの進行が開始されるとまもなくし
て、巻上制限盤12の凸部12cに代わって最大外径部
12bが巻上制限保持レバー53に植設されたピン53
bに当接することになり、このレバー53はばね55の
作用で軸54のまわりに左旋して、レバー9の先端9d
の係止を解除する。すなわち、これにより巻上制限解除
保持状態が解除される。そのためレバー9はばね52の
作用で左旋し、そのフック部9bは制限盤12の最大外
径部12bに当接するようになる。
【0053】なおこの後、切欠き12aの部分がピン5
3bに相対することになるが、ピン53bの形状が丸い
こと、及び巻上げ制限保持レバー53の所定量以上の右
旋が巻上げ制限レバー9の先端9dにより制限されてい
ることにより、ピン53bが切欠き12aに嵌入して巻
上げ制限盤12の回転を係止してしまうことはない。
【0054】巻上げ制限盤12が回転してその切欠き1
2aが巻上げ制限レバー9のフック9bと対向する状態
になると、両者はかみ合って制限盤12は回転不能とな
り、以降の巻上げは進行しなくなる。これによってフィ
ルム一駒分の巻上げが完了する。これと同時に左旋する
巻上げ制限レバー9の腕部9aが図1中で右方に変位す
るため、巻上げ制限スイッチSW5はOFFとなりモー
ター制御回路がこれを検知してモータ600の右旋を停
止させる。
【0055】なお、この間スプロケット軸47に固着さ
れスプロケット上ギヤー50及び枚数計ギヤー51も回
転をつづけており、送り爪部25の図1中左方への移動
にともなってその爪部25bは枚数計ラチエット車17
を一歯分だけ送り、枚数盤20の一つ進んだ目盛か指標
24と反対することになる。一方、送り爪25が右方へ
返って行く時には、枚数計係止爪13の係止部13aに
より枚数計ラチエット車17の逆転は阻止される。また
このフィルム送りの間、前記絞り駆動系、シャッタチャ
ージ系及びミラー駆動系は何れも空回りしている。以上
が撮影及びそれに引き続くフィルム送りに関する動作の
説明である。次に撮影を行なうためには再び押ボタン1
00を押せば良くこのとき前述のシーケンスが繰り返さ
れることとなる。
【0056】次にフィルム1本の撮影が終った後の巻戻
し動作について説明する。巻戻しボタン7を上方へ押す
と、常時下方に付勢されているスプロケット軸47は上
昇し巻戻し保持レバー6の一端6bがばね139の付勢
力によりボタン7の段付部7aの下に入り込みスプロケ
ット軸47を上昇位置に保つ。
【0057】この巻戻し保持レバーの左旋にともないこ
れまでオンであった巻戻しボタンスイッチSW15はオ
フとなる。このスイッチSW15の働きは後述する。
【0058】このような軸47の上昇によりスプロケッ
ト上ピン47aは第6ギヤー45の溝45aから上方に
脱出し、スプロケット49及びスプロケット軸47は第
6ギヤー45及びそれに連動しているギヤー44、42
とは別に自由に回転できるようになる。
【0059】一方、スプロケット上ギヤー50とスプロ
ケット軸47とは一体になっているため軸47の上昇時
にはギヤー50も同様に上昇位置となり、このギヤー5
0に設けられた円錐形状部50aにより巻戻し連動第1
レバー150をばね151に逆らって軸152のまわり
に左旋させる。このレバー150の軸152には巻戻し
連動第2レバー153が同様に固着されており、レバー
150の左旋時にはその先端153aは図1中で左方に
移動する。
【0060】次に巻戻しレバー155をほぼ90°右旋
方向に回すと、軸156を介して一体となっている巻戻
しカム157も同じ角度だけ回転し、下方に付勢されて
いる巻戻し軸158はこのカム157により上昇する。
軸158はピン158aと長孔159aを介してプーリ
159に上下動可能に保持されるとともに上端には巻戻
しフオーク161を備えており、軸158が上昇すると
フオーク161は不図示のパトローネのスプールと係合
可能となる。前記カム157の右旋時には巻戻しスイッ
チSW14が押され、ONとなる。この信号で制御回路
の作用によりモータ600は右旋をはじめ、フィルム送
り板39は左旋し、この送り板39とフィルム送り爪4
0との係合は間もなく解除される。すなわち、巻戻しボ
タン7を押して前記レバー153の先端153aが左方
に移動した時点では全フィルムの巻上が完了し最後の巻
上げ一駒分に満たないうちに不能になる場合がほとんど
であるので、フィルム送り爪40の突起40bは前記第
2レバー153の先端153aと対向した位置になると
は限らないが、上記巻戻し操作によりフィルム送り板3
9が左旋すると一回転以内で突起40bはレバー153
の先端153aにより押され、フック部40aは図1中
で右方へ変位し、送り板39の突起39aとの係合が解
除される。
【0061】一方第3ギヤー37と巻戻しギヤー163
とは常時かみ合っているために、ギヤー37の左旋時に
はこれが固着された軸164及び第1プーリ165は右
旋する。第1プーリ165と前記第2プーリ158との
間にはベルト166がたるみ取りローラ167により与
えられる張力を持って張られている。したがって第1プ
ーリ165の右旋時には第2プーリ158も同方向へ回
転し、それの上部に設けられた縦溝159aとピン15
8aの係合により、ピンの取り付けられている巻戻し軸
159も回転する。よって巻戻しフオーク161を介し
て不図示のパトローネのスプールが回転してフィルムが
巻戻される。
【0062】この時前述の如くスプロケット49は自由
に逆転できるが、スプール29はフリクション機構43
のスリップにより逆転が可能となっているのは従来の機
構と同じである。フィルムの巻戻しが終った時点で、フ
ィルムに当接して回転していたローラー801はフィル
ム28による押圧がなくなるためスイッチSW16の付
勢力によって図中で前方に変位し、同ローラーがとり付
けられているレバー802は軸803の回りに右旋し、
スイッチSW16はオンとなる。このため制御回路の働
きでモータ600は停止する。
【0063】この後巻戻しレバー155を図1の位置ま
で戻すと、巻戻しフオーク161は下降しまた巻戻しス
イッチSW14もオフになる。なお、フィルム28のカ
ーリング力のため、または、巻戻し時にギヤー42が回
転されるのを防ぐために逆転防止爪189が設けられて
いる。以上で巻きもどしが終る。この後で裏蓋を開けて
パトローネを取り出せばよい。
【0064】今度は多重露出時の動作につき説明する。
カメラは常にフィルム送り完了の状態で停止しているた
め、多重露出を指令する操作は第1露光を与える前に行
う。多重露出レバー171を右旋させると、軸172、
多重レバー173も一体となって右旋し、このレバー1
73の先端173aは、ピン174に当接する。
【0065】レバー173は右旋時に巻上制限解除レバ
ー65の腕部65bを押すため、このレバー65はばね
66に逆らって左旋させられ不図示の機構によりその位
置で保持される。このため解除レバー65の腕部65a
は第3ギヤー37に植設されたピン37aと係合し得る
位置から退避してしまう。従ってレバー65、56を介
してレバー9が右旋されることはない。
【0066】またレバー173の右旋によりそれまで同
レバー173に当接した多重識別スイッチSW2が解放
され同スイッチSW2はそれまでのオン状態からオフ状
態に切り替わる。このスイッチSW2の働きについては
後述する。
【0067】このように多重露出の指令を行った場合に
は、露光(後幕走行完了)後モータの所定回転角の右旋
(ミラー復帰行程)においても、巻上制限盤12が回転
可能とならない。そのためモータ600の右旋すなわち
ギヤー37の左旋は、フィルム送り板39とフィルム送
り爪40が係合する時点で機械的に阻止され、モータ6
00の慣性により引き続いてフィルム送りに入ることは
ない。これは前記撮影動作とは異なる現象である。すな
わち撮影時にはミラーの途中でピン37aが前記レバー
65を右旋させることにより、レバー56を介してレバ
ー9を右旋させ、巻上制限盤12が巻上げ制限レバー9
により係止状態になっているのを解除されていたのであ
る。
【0068】モータ600への通電は、第3ギヤー37
に設けられたピン37aが多重スイッチ連動レバー17
6を軸177のまわりに左旋させることにより多重用停
止スイッチSW3がONされ、これを検出する制御回路
の作用で断たれることとなる。その時点は送り板39の
係止部39aと送り板40のフック部40aとが係合す
る前である。
【0069】前述した通常の撮影モードにおいては制御
回路の作用により後幕スイッチSW4がシャッタの作動
に関連してONとなると、モータ600が右旋をはじ
め、巻上制限スイッチSW5がミラーの復帰に伴なって
一旦ONとなり、フィルム送り完了でOFFとなるとモ
ータ600への通電が断たれる。しかし、多重撮影モー
ドの場合は、スイッチSW5はミラー復帰時もOFFの
ままであるので、このスイッチSW5がOFFでかつス
イッチSW3がONの時、制御回路の作用でモータ60
0が停止されるようになっている。以上で第1露光が終
了する。
【0070】次いで第2露光を行なうわけであるが、こ
の場合にはレリーズボタン100を押圧する前に多重露
出レバー171を手動で左旋させて元に戻すか、又は第
1露光に関連して公知の方法で左旋させれば、巻上制限
解除レバー65はばね66の付勢力により右旋されて図
示の位置へもどり、前に詳述した動作を行う。つまり、
第2露光終了後フィルム28を一駒分送って停止するの
である。三重露光以上の多重露光についても事情は全く
同様で最後の露光のためにボタン100を押圧する前に
レバー171を元に戻せば良い。
【0071】ここで、撮影者が多重露光の最後の露光前
に、多重レバー171を手動で戻し忘れた場合、最後の
露光後もフィルムが送られないため、その次の撮影は、
新規の画面の撮影ではなく先ほどの多重露光画面に意図
せざる再露光が行われてしまうことになる。
【0072】そこで図5に多重レバー171の戻し操作
を多重露光の最後の露光前ではなく後に行なうようにし
た変形例を示す。多重レバー171と一体の軸172の
下方にはカム651が固着されており、多重レバー17
1を右旋させた時にはカム651はレバー652の1つ
の腕652aを側面から押圧する。そのためレバー65
2はばね654の付勢力に逆らって軸653の回りを左
旋される。カム651はさらに左旋してレバー652を
乗り越える。レバー652はカム651に干渉されなく
なるので右旋して図示の位置に復帰して、その位置に保
持される。この時レバー173は、レバー65を左旋さ
せてその腕65aを図1のピン37aの回転経路から退
避させている。軸653はレバー655に植設されてい
るが、ばね657の付勢力によって同レバー655は左
旋方向に付勢されているためレバー652の左旋によっ
てレバー655が動くことはない。
【0073】しかし多重露光の最後の撮影終了後に多重
レバー171を左旋させるとカム651はレバー652
の1つの腕652aの先端を捕え、押圧してレバー65
2を右旋させようとする。しかしレバー652は、レバ
ー655のピン655aに当接しているので右旋でき
ず、この押圧力は、レバー655を軸656回りに右旋
させる。
【0074】レバー655の1つの腕の先端にはピン6
58が植設されておりそれが図1で説明したレバー56
に当接可能となっているためレバー56は左旋し、これ
また図1で説明した巻上制限レバー9もそれに連動して
右旋する。
【0075】この時図1に示す巻上制限スイッチSW5
がオンとなるため、回路の働きでフィルム送りが開始さ
れる。すなわち多重露光の終った画面はフィルム28が
スプール29に巻き取られて行くため移動し、次の未露
光画面が不図示のアパーチュアに対向して停止する。こ
のフィルム送りの終了については従来から説明している
通りの作動なので再度触れない。以上で多重撮影の説明
を終わる。
【0076】尚、この機構はフィルム巻上音を立てるこ
とがはばかれる状況での撮影上用いることができる。す
なわちその撮影前に多重レバー171を右旋させて露光
後直ちにフィルム巻上が行なわれないようにしておき、
巻上音が許される状況になってからレバー171を左旋
させてフィルム巻上を行なうことができる。
【0077】以上各系の作動とそれを制限するスイッチ
等との関係を図6に基づいてまとめる。全押スイッチS
W6は線図が高いレベルを示している時がオンで、低い
レベルを示している時はオフである。モータ600は線
図が停止時を示す基準線より上の時が左旋を示し、下の
時が右旋を示す。抵抗体302の線図はその抵抗値レベ
ルを示す。絞り制御用マグネット85のコイルの線図は
電流値を示す。ミラー保持枠132の線図は上昇、下降
を示す。ミラー下降位置検出スイッチSW7及びミラー
停止スイッチSW7の線図は高いレベルの時がオンで、
低い時がオフである。シャッタ先幕115の線図は基準
線より下へ向かうのがチャージ方向であり、基準線が走
行完了位置である。これはシャッタ後幕115′につい
ても同様である。先幕マグネット135用のコイルの線
図は電流を示す。これは後幕マグネット用のコイル13
5′についても同様である。後幕走行完了スイッチSW
4、多重巻上停止スイッチSW3、巻上制限スイッチS
W5及びフィルム巻き戻し終了スイッチSW16の線図
については何れも高いレベルがオン、低いレベルがオフ
を示す。
【0078】ここで、図6のタイムチャートに従って撮
影シーケンスを概括してみる。フィルムカウンタが
「1」を示した処で被写体を決定してスイッチSW6を
ONさせると、モータ600が左旋し、絞り駆動系及び
シャッタチャージ系が駆動される。それと並行してミラ
ー駆動系が駆動されて保持枠132が観察位置から上昇
し、撮影位置となる。保持枠132が上昇するとスイッ
チSW7がオンとなり、モータ600が停止する。続け
て露光のためにチャージされていた先幕115及び後幕
115′が走行し、その際マグネット135、135′
の励磁電流がオンとなる。
【0079】後幕135の走行が完了すると、スイッチ
SW4がオンとなり、これによってモータ30が右旋し
始める。これによってミラー保持枠102が下降すると
ともに絞りが開放されることとなる。モータ600は引
き続き右旋し、巻上系を駆動してフィルムを一駒送る。
この間絞り駆動系、シャッタチャージ系及びミラー駆動
系は何れも駆動されない。モータ600の右旋は、スイ
ッチSW5がオフすることによって停止する。全駒撮影
後ボタン7を押してピン47aと溝45aとの係合を解
放し、モータ600と巻上系との連結を断ち、巻戻しカ
プリング161をパトローネに係合させる。巻戻時には
図1のスイッチSW14がオンして巻戻しが始まり、モ
ータ600が右旋して露光済のフィルムをパトローネに
格納する。巻戻しが終了するとスイッチSW16がオン
してモータ600が停止する。なお、多重露出時にはス
イッチSW3がオンになると、モータ600の右旋が停
止して以後の行程がカットされる。
【0080】さてこのような作動をするカメラを極めて
静粛に作動させるための低速駆動すなわちサイレント・
モードにつき説明する。図7は本カメラの外傍の略図で
ある。401が速度切換スイッチの操作レバーであっ
て、図8の上方から見た図に示すようにH,N,Lの3
段階に切り換えることができる。
【0081】今これをLの指標402とレバー401を
対向せしめると後述のスイッチがカメラ内部で切り換わ
り図6中のミラー復帰と絞り開放の行程及びフィルム送
り行程のみを後述の制御回路の働きによりモータ600
を制御して超低速で駆動することになる。したがって絞
り制御行程やミラー上昇行程の所要時間は変化せずシャ
ッタチャンスを撮影者が正確に捕えることがてき、かつ
絞り制御の精度も変化せず好都合である。一方カメラの
作動騒音の大部分を占める撮影後の音量はきわめて小さ
くできる。またこのサイレント・モードを活用して極寒
冷地におけるフィルムの破損を防止するためのゆっくり
としたフィルム送りにも応用できる。
【0082】次にカメラ本体404に対して交換可能と
なっている図9のバッテリーパック403をより高電圧
を発生する別の図10に示すハイパワーパック405に
変換すると、図11に示すようにカメラ本体内にあるス
イッチ406の接片411が端子408と導通する状態
から端子407と接触する状態に切り換わる。それはパ
ック403、405に設けられた取付け時の位置決め用
の基準ピン409、410及び409′、410′のう
ち409と409′の有効長さhが異なるため、カメラ
本体404に取り付けた時に接片411の先端の絶縁部
411aを押圧するか否かによって動作する。
【0083】なお412及び412′はカメラ本体40
4に給電するための端子である。これらの端子及び基準
ピンに対してカメラ本体404にも適切な受け入れ機構
が設けられているが、公知の手段により行なうため図示
しない。
【0084】スイッチ406が図11の状態の時、図8
のレバー401をHに切り換えると後述のスイッチがカ
メラ内部で切り換わり、図6中のミラー復帰と絞り開放
の行程及びフィルム送り行程が後述の回路の働きにより
モータ600を制御してより高速で駆動することにな
る。したがって絞り制御行程やミラー上昇行程の所要時
間は変化せずシャッタチャンスを撮影者が正確に捕える
ことができてかつ絞り制御の精度も変化せずさらに高速
に過ぎる作動のためにミラーのバウンドが生じて撮影画
面がかけられることもない。一方撮影の1サイクルに要
する時間は短縮されるためにシャッタチャンスが確率的
に増すことになる。
【0085】図12は図1の機構部を制御する回路の実
施例である。同図においてミラー下降位置スイッチSW
1は図1に述べたようにミラー保持枠132が所定の位
置に下降している時ONとなり、上昇するとOFFであ
る。多重撮影切換スイッチSW2は図1で述べたように
多重撮影切替レバー171が普通撮影位置の時ON、多
重撮影位置の時OFFである。多重巻上停止スイッチS
W3は図1で述べたようにフィルム送りをする寸前から
所定位相の間及び、フィルムの送りが完了する寸前から
所定位相の間ONし、それ以外はOFFになっている。
後幕走行完了スイッチSW4は図1で述べたようにシャ
ッタの後幕が閉じるとONになり、シャッタがリセット
されるとOFFになる。巻上制限スイッチSW5は図1
で述べたようにミラーの復帰行程の途中でONになり、
フィルム送りが完了するとOFFになる。全押スイッチ
SW6は図1に述べたように押ボタン100が最終行程
まで押し込まれた時ONになり、押ボタンが戻されると
OFFになる。ミラー停止スイッチSW7は図1で述べ
たようにミラー保持枠132が所定の位置に上昇すると
ONになり、下降するとOFFになる。SC切替スイッ
チSW8は図1では図示されていないスイッチで、図示
なき切換レバーが一駒撮影のモードを選択している時S
側(ON)、連続撮影モードを選択している時C側(O
FF)に各々切替る事により後述する如く一駒又は連続
撮影の制御が行なわれる。
【0086】切替スイッチSW9は図8、図9に示され
る如く速度切換スイッチの操作レバー401に連動して
a又はb端子が選択されるスイッチで操作レバーが最高
速を選択した時b端子側、それ以外はa端子側である。
操作レバー401に連動しているのは他にモータ速度可
変用の可変抵抗VR2及びフィルム終了検出タイマーの
検出時間可変用の可変抵抗VR3にも連動している。そ
の連動の関係は可変抵抗VR2は操作レバーがモータ速
度を高速に選択するに従ってその抵抗値は高くなり、可
変抵抗VR3は高速側が選択されるに従ってその抵抗値
は低くなる。
【0087】スイッチSW10はメイン電源スイッチで
図1には図示されていないスイッチであり、カメラを使
用する時ONにセットし、カメラを使用しない時は不用
意に図1の押ボタン100が操作されてもカメラの撮影
が行なわれないように電源をOFFにするスイッチであ
る。
【0088】スイッチSW11は図1に図示されていな
い電源切替スイッチで図12の外部電源コネクタ605
に外部より電源供給の為のコネクタが差し込まれると自
動的に605側に切替り電池EB は切離されて外部の電
源側になる。コネクタ605に外部電源のコネクタが接
続されていない時は電池EB により回路に給電される側
に切替っている。なお、切替スイッチSW11は図11
に示すスイッチ406とし、図9、図10に示す如くバ
ッテリパック403、405が選択的に使用できるよう
にしても良い。
【0089】裏蓋開閉スイッチSW12で図1で述べた
ように裏蓋が開いている時OFF、閉じている時ONに
なる。図13のスイッチSW17も裏蓋開閉用に連動す
るスイッチで図1の解除レバー5に連動し、裏蓋が開い
ている時ON、閉じている時OFFになる。
【0090】半押スイッチSW13は図1で述べたよう
に押ボタン100が半押された時にONになり、押ボタ
ンが戻された時OFFになる。巻戻スイッチSW14は
図1の巻戻しレバー155が巻戻し状態にセットされる
とONになり、通常のフィルム送りの位置ではOFFに
なっている。巻戻ボタンスイッチSW15は図1で述べ
たように巻戻しボタン7が押されて巻戻し可能な状態で
はOFFであり、通常の撮影状態ではONである。フィ
ルム巻戻スイッチSW16は図1で述べたようにフィル
ム28がスプール29に巻きついている時はOFF、フ
ィルムがスプールからはずれた時、又はフィルムが無い
時ONになる。
【0091】モータ600のモータ軸に連結されている
直流速度発電機601は、図1に於ては隠れて見えな
い。直流速度発電機601はモータ600の回転方向に
依存してその発電極性は変化する。図1に於てモータ6
00が右旋状態の時速度発電機601の出力はダイオー
ドD1、D2との接続点側が正極に、モータ600が左
旋状態の時ダイオードD3、D4との接続点側が正極に
なり、それぞれの極性に於て発電電圧はモータ600の
回転数に比例している。図12のMg1 、Mg2、Mg
3 は図1の絞り制御マグネットコイル85、シャッタ先
幕スタートマグネットコイル135、シャッタ後幕スタ
ートマグネットコイル135′に相当する。図13の可
変抵抗VR1は図1の302、303により構成される
絞り制御の為の可変抵抗である。図12のLED1は図
1に図示されていない多重撮影モード時の警告表示用の
発光ダイオードで多重撮影モード時に点滅する。LED
1はファインダー内等の公知の見易い位置に配設されて
いる。図12のLED2は図1に図示されていない警告
表示用の発光ダイオードで、フィルムの撮影が全て終了
した時、巻戻しが終了した時には点灯し、巻戻しを行な
う際に巻戻しボタンの操作を行なわなかった場合には点
滅する。LED2もLED1と同様にファインダー内に
配設されていても良い。次に回路の動作を説明する。外
部電源コネクタ605には何も接続されていないので回
路の給電はカメラ内の電池EB によって行なうように電
源切替スイッチSW11はEB 側になっている。以下の
説明に於てメイン電源スイッチSW10はONになって
いる。 (1) フィルム装填時の回路の作動 (1)−1 裏蓋が開いている時の動作 この時は図1の説明で述べた如く裏蓋開閉スイッチSW
12はOFF、スイッチSW17はON、巻上制限スイ
ッチSW5はONである。図1の巻戻しレバー155は
通常の位置にしてあるので巻戻しスイッチSW14はO
FFになっている。スイッチSW9はa端子側に接続さ
れているものとする。この状態で押ボタン100を押す
と半押スイッチSW13はONになり、トランジスタQ
11は抵抗R8を介してONに制御され回路に通電が行
なわれる。図12に於て特に電源ラインの表示をしてい
ない回路の通電はトランジスタQ11によって行なわれ
る。トランジスタQ11がONになるとトランジスタQ
12もONになるがスイッチSW12がOFFの為にト
ランジスタQ11の制御には何ら作用しない。従って回
路の通電は半押スイッチSW13がONになっている時
のみ行なわれる。回路に通電されると、通電の初期に於
てコンデンサC1、抵抗R1により定まる所定期間イン
バータINV4の出力はLになりフリップフロップ回路
(G7、G8)、(G20、G21)、(G26、G2
7)のリセット及び図示されていない他のデジタル回路
のリセット動作を行なう。リセット動作によりNAND
ゲートG7出力はL、G8出力はH、G20出力はH、
G21出力はLになっている。図1で述べた如く巻上制
限スイッチSW5はONに保持されているため、G3出
力はH、インバータINV1出力はLになっている。従
ってG6出力はHに保持されており、フリップフロップ
回路G7、G8の後述する押ボタンスイッチSW6によ
るセット動作は行なわれない。
【0092】巻戻しスイッチSW14はOFFの為イン
バータINV13出力はL、ANDゲートG16、G1
7、G23、G31出力はL、G32出力はHである。
インバータINV5の出力はNANDゲートG7の出力
がLの為Hになっている。ANDゲートG9の入力は全
てHなので出力はHであり、NORゲートG10出力は
Lになる。トランジスタQ16はOFFの為コンデンサ
C6は可変抵抗VR3を介して充電されるがコンパレー
タA2の出力はコンデンサC6の電圧が所定電圧になる
まで、即ち時定数回路VR3、C6で定まる所定時間経
過するまではHの状態を保持している。従って、AND
ゲートG13出力はL、ANDゲートG14、ORゲー
トG15出力はHである。ORゲートG15のH出力
は、ダイオードD6を介してトランジスタQ10をON
してコンデンサC11を短絡して放電させかつトランジ
スタQ9のOFF状態を保持する。それとともにトラン
ジスタQ6を抵抗を介してONにバイアスするのでトラ
ンジスタQ1、G7がONになる。ANDゲートG13
はLなのでトランジスタQ3、Q4、Q2はOFFであ
る。従ってモータ600には電池EB よりトランジスタ
Q1→モータ600→トランジスタQ7の方向で電流が
流れこの方向の電流ではモータ600は右旋する。モー
タ600が右旋すると直流速度発電機601も同一方向
に回転し前述の如くダイオードD1、D4を介して可変
抵抗VR2、抵抗R7に電流が流れる。モータ600の
回転速度が上昇すると共に抵抗R7とコンパレータA1
の(+)入力端子の電圧が上昇し基準電圧ES の電圧を
越えるとコンパレータA1の出力はHになりトランジス
タQ5、Q8はONになる。トランジスタQ8のONに
よりトランジスタQ6はOFFにされトランジスタQ
1、Q7もOFFになるのでモータ600には給電され
なくなり回転速度が低下する。即ちモータ600の回転
には速度帰還が施されているので可変抵抗VR2に設定
されている抵抗値に依存する所定の回転数に制御され
る。以上の速度帰還の動作は速度切換スイッチの操作レ
バー401に連動して切替スイッチSW9がa端子側を
選択している時に行なわれる。切替スイッチSW9がb
端子側、即ち最高速を選択している時は直流速度発電機
601の発電電圧は伝達されないので速度帰還の動作は
行なわれず、電源EB の電圧に依存する最高速でモータ
600は回転する。この状態でのトランジスタQ17の
ON、OFFの状態は制御動作に関与しないので説明は
省略する。半押スイッチSW13がOFFされるか、時
定数回路VR3、C6で定まる所定時間が経過するとト
ランジスタQ6、Q10はOFFになり、コンデンサC
11を介して抵抗とコンデンサC11の容量で定まる所
定時間が経過するとトランジスタQ9はONになり、ダ
イオードD9、D10を介してトランジスタQ1、Q2
のみを所定時間でONにする。モータの回転は右旋状態
であった為ダイオードD7、トランジスタQ2を介して
モータ600は短絡される事になりモータにはブレーキ
がかかり急速に停止する。モータ600が停止した後に
コンデンサC11の充電が完了してトランジスタQ9は
OFFになり、トランジスタQ1、Q2もOFFにな
る。即ちこの状態では半押スイッチSW13が押されて
いる間はその時間が可変抵抗VR3、コンデンサC6に
より定まる所定時間以内の時は半押スイッチSW13を
ONしている間だけ、又半押スイッチSW13が押され
ている時間が所定時間より長い時はその所定時間だけモ
ータ600は右旋する。
【0093】ところで裏蓋が開いている状態ではスイッ
チSW17はONしているのでコンパレータA2の
(+)側に印加されている基準電圧はスイッチSW17
がOFFの時に対して低くなっている。従って同じ可変
抵抗VR3の設定値に対してスイッチSW17がONし
ている時のコンパレータA2の出力がLに反転するまで
の所定時間は、スイッチSW17がOFFしている時の
それに比し短くなっている。その理由は後述する如く裏
蓋を閉じた後フィルムを最初の一駒の撮影位置に巻上げ
る為の必要な時間以上にタイマー回路VR3、C6、A
2によるタイマー時間を長くする必要があるのでその様
に設定されており、他方裏蓋が開いている時にその時間
が長いままであるとその時半押スイッチSW13のON
される時間が長いとフィルムがスプールに必要以上に巻
取られてフィルムの無駄な消費が起る。これは特に切替
スイッチSW9がb端子側に切替られている高速巻上の
状態でフィルムの装填を行なう場合にスプールの巻取速
度に対して使用者の押ボタン操作が追つかない為に起る
が、その他に不注意によっても起る。従ってその様な事
をさける為に裏蓋を開いた状態ではタイマ時間を短くす
る為にスイッチSW17をONさせて基準電圧を下げて
タイマ時間を短くする為にスイッチSW17をONさせ
て基準電圧を下げてタイマ時間を短くしている。そのタ
イマ時間は図1のスプール29が約1回転する範囲に設
定されており、それはモータの回転速度と関連して設定
される可変抵抗VR3によりモータの速度と関連して制
御される。従って通常の操作としてはフィルム28の先
端を巻取スプール29に差し込んでから押ボタン100
をモータがタイマによる所定時間で停止するまで押し続
ければ必要な巻取量を得る事ができる。 (1)−2 裏蓋を閉じた時の動作 (1)−1の動作によりフィルム28を確実にスプール
29に巻取らせた後カメラの裏蓋を閉じると図1の説明
で述べた如くフィルムの1駒目の撮影位置までフィルム
の空送り動作をする。その動作は次の様に行なわれる。
裏蓋を閉じた状態では裏蓋開閉スイッチSW12はO
N、スイッチSW17はOFFに変化し、巻上制限スイ
ッチSW5はONのままである。この状態で押ボタン1
00を押すと半押スイッチSW13がONとなり、トラ
ンジスタQ11がONするので回路に給電が行なわれ、
(1)−1の動作と同じ理由でモータ600は右旋す
る。半押スイッチSW13がOFFされてもトランジス
タQ12の正帰還動作により抵抗R8、コンデンサC1
2により定める所定時間(通常20秒〜数分程度が選択
される)の間Q11のON動作は保持されて回路への給
電は持続される。
【0094】従ってフィルムが送られ、図1で述べた如
く所定量のフィルムが送られて、一駒目の撮影位置にな
ると巻上制限スイッチSW5はOFFする。後幕走行完
了スイッチSW4は図1で述べた如くカメラがレリーズ
されてモータ600が左旋することによってシャッタが
チャージれた時にOFFとなるのでこの状態ではONの
状態であるがミラー132は下に降りているのでミラー
下降位置スイッチSW1はONになっている。従ってA
NDゲートG1、G2の出力はLに保持されているので
巻上スイッチSW5がOFFする事によりORゲートG
3の出力はLになり、ANDゲートG9、G14、OR
ゲートG15の出力はLになりモータ600の右旋状態
は急停止してフィルムの空送り動作が終了する。NOR
ゲートG10の出力はHとなり、トランジスタQ16が
ONとなるのでタイマー回路のコンデンサC6はリセッ
トされている。フィルムの空送りが行なわれている間、
トランジスタQ16はOFFで可変抵抗VR3、コンデ
ンサC6によるタイマー回路が動作するが、モータ60
0の右旋速度を設定する可変抵抗VR2に連動して可変
抵抗VR3は設定され、かつ空送り量は図1のフィルム
カウンター機構により所定量に定まっている為にモータ
600の右旋速度に関連して空送りの時間は定ってお
り、それに比してVR3、C6によるA2の出力が反転
するまでの時間は長く設定されているので通常の空送り
動作中はA2の出力がLに反転する事によるモータ停止
動作は行なわれない。この場合の所定の時間は(1)−
1の動作で述べた所定の時間より長くなっている。それ
は裏蓋が閉じられる事によりスイッチSW17がOFF
する為にコンパレータA2の(+)側基準電圧が上昇す
る事により制御される。フィルムが引掛って途中で停止
した場合、或は機構の故障により空送り動作が行なわれ
ない場合等の時はVR3、C6による所定時間内に巻上
制限スイッチSW5がOFFにならないのでA2出力が
Lになりモータは停止し、インバータINV10の出力
がHとなり、ORゲートG18の出力がHとなり、発光
ダイオードLED2が点灯して警告表示を行なう。以上
述べた(1)の動作ではフリップフロップ(G7、G
8)(G27、G26)の反転は行なわれないので次の
(2)で述べる露光制御は行なわれない。この時の空送
り動作の速度は速度切替レバー401により前述同様任
意に選択される。
【0095】(2) 撮影時の動作 (2)−1 通常の連続撮影時の動作 以下の説明に於ては切替スイッチSW9はa端子側が選
択されているものとする。SW9がb端子側を選択して
いる状態の説明は後述する。このモードではSC切替ス
イッチSW8はC側(OFF)を選択している。多重撮
影切替スイッチSW2は通常撮影モードを選択している
のでONになっておりANDゲートG1の出力はLに保
持されている。又ミラー下降位置スイッチSW1はレリ
ーズされる前のミラーが下降している時にはONの状態
なのでANDゲートG2の出力もLになっており、フィ
ルム空送りを完了した時点で巻上制限スイッチSW5も
OFFになっているのでORゲートG3の出力はLにな
っておりNANDゲートG30及びインバータINV1
の出力はHである。図1の押ボタン100の操作により
押ボタンスイッチSW6がONされるとインバータIN
V2の出力がHになり、NANDゲートG30の出力が
Hの為にANDゲートG4の出力はHとなり、インバー
タINV3の出力はHからLに変化する。一方時定数回
路G1、R1による所定のリセット時間を経過している
ものとすればインバータINV4の出力はH、又ミラー
停止スイッチSW7は図1の説明の如くレリーズ前のミ
ラーが下降位置にある時はOFFであり、図1の巻戻し
レバー155に連動している巻戻しスイッチSW14は
OFFであり、巻戻しボタンスイッチSW15はONし
ているのでANDゲートG16、G31出力はL、NO
RゲートG32出力はHになっている。ANDゲートG
5の入力は全てHになっているのでその出力はHになっ
ている。又前述の如くインバータINV1の出力もHに
なっている。従って押ボタンスイッチSW6がONにな
ってから時定数回路R2、C2で定める所定期間NAN
DゲートG6の出力はLになり、その為にフリップフロ
ップG7、G8は反転し、NANDゲートG7の出力は
Hに転ずる。R2、C2による所定時間はフリップフロ
ップG7、G8の反転に要する時間だけで良く、反転後
すぐにNANDゲートG6の出力はHに戻る。NAND
ゲートG7の出力がHになる事によりインバータINV
5はLになり、ADNゲートG9の出力をLに保持する
と共にNOR回路G10出力はLになる。これによりト
ランジスタQ16はOFFとなるのでVR3、C6、A
2によるタイマー回路の計時がスタートする。それと共
にAND回路G13の出力がHになり、トランジスタQ
3がONしトランジスタQ2、Q4がON、及びダイオ
ードD5を介してトランジスタQ10がONされるので
トランジスタQ9はOFFに保持されている。ANDゲ
ートG14はANDゲートG9の出力がLに保持されて
いるのでその出力はLであり、ANDゲートG16の出
力もLになっているのでORゲートG15の出力はLで
あり、トランジスタQ6、Q7、Q1はOFFしてい
る。トランジスタQ2、Q4のONによりモータ600
にはQ2→モータ600→Q4の方向の電流が流れこの
時は左旋するので速度発電機601も左旋し、その場合
の発電電圧はダイオードD3のアノードに接続されてい
る側が正極性となる為にD3→R6→R7→D2の向き
で電流が流れ、抵抗R7の両端に発生する電圧がES
電圧になるとコンパレータA1が反転してトランジスタ
Q5をONにする事により前述同様に速度帰還の制御が
左旋状態に於ても行なわれる。即ちR6、R7の分圧比
で所定の左旋速度になるようにモータ600の速度制御
が行なわれ、その場合の設定速度は絞り値の制御を電気
的に行なう場合に制御精度を確保するに足る充分な速度
に、又シャッタレリーズタイミングを一定に保つ為に定
速度制御されている。モータ600の左旋により図1の
説明の如くシャッタのチャージ及びミラーの上昇が行な
われ、最初に後幕走行完了スイッチSW4がOFFにな
り、次よミラー下降位置スイッチSW1がOFFするの
でゲートG2、G3出力は相変らずLに保持されてい
る。一方記憶固定スイッチSW18はOFFとすればO
RゲートG11出力はG7出力がHの為Hとなり、その
状態は後述するミラーが上昇してミラー停止スイッチS
W7がONする事によりフリップフロップG7、G8の
リセットが行なわれG7の出力がLに転じてもミラー下
降位置スイッチSW1がOFFの為に保持される。OR
ゲートG11のHレベルの信号は露出制御部604のP
1端子に伝達される。露出制御部604のP1端子がH
レベルの間は露出制御部604内の公知の測光値記憶回
路が作動し、具体的には受光素子であるフォトダイオー
ドPDの測光値を記憶する。即ち押ボタンスイッチSW
6がONされると同時に測光値が記憶され、それは露光
が完了して図1のミラー132が所定位置に下降するま
で保持される。図1のミラー132が所定位置まで上昇
するとミラー停止スイッチSW7がONになり、AND
ゲートG5の出力がLになり、NANDゲートG6の出
力はHに保持され、フリップフロップG7、G8はリセ
ットされてG7の出力はLになる。押ボタンスイッチS
W6がONされてフリップフロップG7、G8のG7出
力がHの間ANDゲートG19の出力は露出制御部60
4の絞り制御信号端子P2の出力に応答可能となる。シ
ャッタ優先モード、プログラムモード等の絞り制御を電
気的に行なうモードに於ては露出制御部604の測光記
憶値に基づいて予定された絞り値になるとP2端子はL
からHに変化し、ANDゲートG19の出力はHになる
のでトランジスタQ14がONしてコンデンサC7に充
電された電荷を絞り制御のマグネットMg1 を介して放
電するので図1の説明で述べた絞り制御機構が作動して
絞りを所定の値に制御する。所定の絞り値に制御する為
の絞り値のフィードバックは露出制御部604に接続さ
れている可変抵抗VR1により行なわれる。モータ60
0の左旋による発電機601の発電電圧は露出制御部6
04の絞り速度補償入力端子P7に同時に印加されてい
る。その理由は絞り制御マグネットMg1 に通電されて
から実際に絞り制御機構の係止動作が行なわれるまでに
マグネットMg1 の特性、係止機構の慣性等により定ま
る定常的な遅れを有しているのでその遅れ時間とモータ
600の回転速度との関係が固定的でない場合に補償動
作を行なわないと絞りを電気的に制御するモードでは絞
りの制御値の正確さが損われるからである。特にモータ
600の回転子を含む駆動機構の慣性により定速制御さ
れるまで有限の速度の立上り特性を有しているのでその
領域においては前述の遅れ時間とモータ600の回転速
度の関係が固定的でない為に制御誤差を生ずる。又その
立上り特性も電源EB の電圧により変動する。従ってそ
の影響を除去する為に発電機601によるモータ600
の速度に関する電圧を露出制御部604に伝達して絞り
制御の補償動作を行なっている。補償動作は図14の説
明で後述する。露出制御部604中の露出モード選択手
段が絞り優先モード、手動露出設定モード等の絞り値の
電気的制御を行なわないモードに於てはP2出力はLに
保持されているのでANDゲートG19の出力がHにな
る事は無く、従って絞り値の電気的制御は行なわれな
い。
【0096】ここで図1に於て図示されていない記憶固
定部材の操作により切替られ、通常の撮影時はOFFさ
れている。記憶固定スイッチSW18がONされた時は
ORゲートG11出力はHに保持されて測光値の記憶が
継続的に保持される。即ち押ボタンスイッチSW6がO
Nされる前に測光値を記憶させたい対象物にカメラを向
けて記憶固定スイッチSW18をONする事により測光
値を継続的に記憶され、その後に別の被写体に向けて押
ボタンスイッチSW6をONさせる事により被写体の測
光値ではなく記憶された測光値に基づいた自動露出制御
が行なわれる。ミラーが所定位置に上昇するとフリップ
フロップG7、G8のG7出力はHからLに変化し、ミ
ラーが上昇位置にありミラー停止スイッチSW7がON
している間はANDゲートG5出力はLに保持されるの
でNANDゲートG6出力はHに保持される。従ってフ
リップフロップG7、G8はミラーが上昇位置にある時
はその反転動作は禁止される。フリップフロップG7、
G8のG7出力がHからLに変化するとモータ600の
左旋駆動は停止され又、ORゲートG3の出力はLの為
右旋駆動される事は無く、トランジスタQ9が所定時間
ONする事によりモータ600は急停止する。又フリッ
プフロップG7、G8のG7出力がHからLに変化する
事によりインバータINV6の出力は時定数回路R3、
C3による所定時間後にLからHに変化する。インバー
タINV6の出力がLからHに変化する事によりAND
ゲートG12の出力はR4、C4で定まる所定時間の間
HとなりトランジスタQ13をONさせてコンデンサC
5に蓄積している電荷を先幕制御のマグネットMg2
介して放電させるので図1のシャッタ先幕115がスタ
ートして露光を開始する。時定数回路C3、R3による
所定の遅延時間はモータ600がブレーキをかけてもす
ぐ停止するわけではないので完全に停止するまでの見込
時間に一般的に設定される。これはモータ600の振動
が撮影に影響を与えない様にする為で、振動が無視しう
る場合は、この遅延時間は零でも良い。抵抗R3に並列
接続されているダイオードD15、抵抗R4に並列接続
されているダイオードD14はコンデンサC3及びC4
の充電時は急速に充電すると共に、その放電時にそれぞ
れの所定の遅延時間を発生させている時には無関係とな
っている。所定時間トランジスタQ13のONによる先
幕スタートの動作と同時にインバータINV8の出力は
HからLに変化しフリップフロップG20、G21のG
21出力はLからH、G20出力はHからLに変化す
る。この時G22の出力は変化せずにLの状態の為トラ
ンジスタQ15はOFFしている。NANDゲートG2
1のLからHに変化した先幕スタート信号は露出制御部
604の入力端子P3に伝達され、露出制御部604内
の公知のシャッタタイマー回路がスタートする。
【0097】シャッタタイマー回路は絞り優先モード、
シャッタ優先モード、プログラムモード等の自動露出を
行なう場合は前述の測光記憶値に基づいて演算されたシ
ャッタ秒時を制御し、それはP3端子に伝達された先幕
スタート信号を起点として計時を開始し、演算値による
所定の計時を終了すると出力端子P4に後幕スタート信
号としてHからLに変化する信号をNANDゲートG2
0に出力する。P4端子の信号変化は具体的に述べる
と、先幕スタート信号がP3に伝達される前にはP4出
力はLに保持されており、先幕スタート信号が伝達され
るとP4出力はそれと同時にLからHに変化し、シャッ
タタイマー回路の計時が終了するとP4出力はHからL
に変化して後幕スタート信号を発生し、Lの状態はその
後再び先幕スタート信号が発生するまで保持される。手
動露出モード時は露出制御部604内の図示なきシャッ
タ秒時設定部材により選択されたシャッタ秒時でシャッ
タタイマー回路を作動する。露出制御部604の入力端
子P5には押ボタンスイッチSW6のON,OFF信号
が伝達される。
【0098】手動露出設定モード時に選択された秒時が
バルブの時はP4出力はシャッタタイマー回路とは無関
係となり入力端子P3に先幕スタート信号が伝達される
とP4出力はHになる。その時P5入力は押ボタンスイ
ッチSW6がOFFされていればHの為出力端子P4は
すぐにHからLに変化する後幕スタート信号を出力す
る。又押ボタンスイッチSW6がONされていればP5
入力はLなのでP4出力はHに保持されその後任意の押
ボタンスイッチSW6がOFFされた時点でP5入力は
Hになりその時にP4出力はHからLに変化する後幕ス
タート信号を出力する。
【0099】出力端子P4より後幕スタート信号が発生
するとフリップフロップG20、G21の出力は反転
し、NANDゲートG20はLからH、NANDゲート
G21はHからLに変化し、時定数回路R5、C8によ
り定まる所定時間G22出力はHになってトランジスタ
Q15はONする。トランジスタQ15のONによりコ
ンデンサC9に蓄積している電荷を後幕制御のマグネッ
トMg3 を介して放電させるので図1のシャッタ後幕1
15′がスタートして露光を終了する。後幕が閉じる事
により後幕走行完了スイッチSW4がONすると、まだ
この状態に於てはミラー下降位置スイッチSW1はOF
Fの為G2出力はHとなりORゲートG3を介してAN
DゲートG9の出力をHにする。従ってANDゲートG
14、G15を介して、トランジスタQ6はONとなる
のでモータ600は右旋する。ORゲートG3の出力が
Hの間、インバータINV1の出力はLとなっているの
でG6出力によりフリップフロップG7、G8が反転し
てモータ600の左旋信号を出力する事はない。モータ
600の右旋開始により図1で述べた如く右旋の初めの
行程はミラーの下降制御及び絞り制御機構のリセットが
行なわれる。モータの右旋によりミラーが所定位置まで
降下するとミラー下降位置スイッチSW1はONするの
でG2出力はLになるがその前に図1で述べた如く巻上
制限スイッチSW5がONするのでG3出力はHに保持
され、モータ600の右旋は続行される。ミラーが完全
に下降するとフィルムの巻上が開始されるが、図1で述
べた如く巻上開始の寸前で多重巻上停止スイッチSW3
がONするが多重撮影のモードではないので多重撮影切
替スイッチSW2によりG1出力はLに保持されてお
り、動作には無関係である。巻上制限スイッチSW5の
ONによりG3出力はHを保持されているのでモータ6
00の右旋は続行されフィルムの巻上が行なわれる。所
定量のフィルム巻上が行なわれると巻上制限スイッチS
W5はOFFしてG3出力はLになりモータの右旋は停
止されてフィルム巻上の行程は完了する。モータ右旋時
は前述同様に可変抵抗VR2、スイッチSW9により右
旋速度は選択される。フィルムの巻上完了によりG3出
力がLになると、インバータINV1の出力はHにな
る。又ミラーは下降しているのでミラー停止スイッチS
W7はOFFの為G5出力はHであるのでNANDゲー
トG6は、ANDゲートG4の出力変化に応答可能とな
っている。SC切替スイッチSW8はC側(OFF)の
為に、NANDゲートG30の出力が巻上完了に伴いL
からHに変化すると、ANDゲートG4の出力はその時
押ボタンスイッチSW6がONされていればLからHに
変化する。前述同様に時定数回路R2、C2で定まる所
定時間G6出力はLになり、フリップフロップG7、G
8が反転されてモータ左旋信号を出力するので押ボタン
スイッチSW6がONされている間は前述のモータ左旋
(ミラー上昇、絞り込み)→モータ停止→シャッタ制御
→モータ右旋(ミラー復帰、絞り開放)→モータ右旋
(フィルム巻上)→モータ左旋(ミラー上昇、絞り込
み)→・・・・、のサイクルが繰り返されて連続撮影が行な
われる。押ボタンスイッチSW6がOFFされるとイン
バータINV2の出力はLの為にG4出力はLに保持さ
れ、フィルムの巻上が完了した状態でモータは停止され
次の撮影シーケンスには入らない為に連続撮影が中止さ
れる。
【0100】次に切替スイッチSW9がb端子側、即ち
最高速モードが選択されている時の動作を述べる。押ボ
タンスイッチSW6がONされる前はG29の出力はL
でありG25出力はHに保持され、フリップフロップG
26、G27は強制リセットされており、G26出力は
L、G28出力もLになっている。従ってトランジスタ
Q17はOFFである。押ボタンスイッチSW6がON
されるとG29出力はHに保持されて強制リセット動作
は解除される。又前述同様フリップフロップG7、G8
の反転動作が行なわれモータ600は左旋してミラーの
上昇、絞りの制御が行なわれるがこの時はまだANDゲ
ートG12のHレベルのパルス出力が生じないのでNA
NDゲートG25の出力はHの状態で変化しない。従っ
てフリップフロップG26、G27の状態は変化せずG
26出力L、G28出力L、トランジスタQ17はOF
Fである。従って左旋時のモータ速度は速度帰還により
定速度制御される。ミラーの上昇が完了するとスイッチ
SW7のONによりフリップフロップG7、G8はリセ
ットされてモータは停止すると共にR3、C3による所
定時間後にANDゲートG12の出力は一定時間Hにな
る。ANDゲートG12のH出力によりシャッタの先幕
はスタートされて露光開始され、又NANDゲートG2
5の出力はLになり、フリップフロップG26、G27
はセットされてG26出力はHになる。露出制御部60
4の露出モード出力信号端子P6はシャッタ優先モー
ド、プログラムモードの如き絞りが電気的に制御される
モードが選択されている時はその出力はLであり、絞り
優先モード、手動露出設定モードの如き絞りが電気的に
制御されないモードにおいてはその出力はHになってい
る。
【0101】従ってシャッタ優先モード、プログラムモ
ード時においてはANDゲートG28の出力は、NAN
DゲートG26の出力状態とは無関係にLに保持されて
いるが、絞り優先モード、手動露出設定モードではAN
DゲートG28の出力はNANDゲートG26の出力状
態に依存して決定される。絞り優先モード、又は手動露
出設定モードが選択されているものとすればフリップフ
ロップG26、G27がセットされてNANDゲートG
26がH出力になるとANDゲートG28の出力はHに
なりトランジスタQ17はONになる。トランジスタQ
17がONする事によりモータ600の右旋及び左旋に
対する速度帰還の制御は行なわれなくなる。前述の如く
シャッタ後幕の制御が行なわれて露光が完了するとモー
タ600は右旋してミラー下降及びフィルム巻上等の動
作を行なう。この時スイッチSW9がb端子側の最高速
を選択しているので速度帰還の制御は行なわれず電源E
Bの電圧に依存する最高速で制御が行なわれる。巻上が
完了するとその時に押ボタンスイッチSW6がONされ
ていれば前述の如くフリップフロップG7、G8が再び
セットされてモータ600は左旋して次の駒の撮影が行
なわれる。トランジスタQ17のONにより定速度制御
は行なわれず最高速で左旋する。以後押ボタンスイッチ
SW6が押され続けて連続的な撮影が行なわれている間
はトランジスタQ17のON状態は保持されて速度帰還
が行なわれないのでモータ600の回転は最高速で行な
われる。押ボタンスイッチSW6がOFFされる事によ
り、この連続撮影はフィルム巻上を完了した状態で停止
され、又NANDゲートG29の出力はLになるのでフ
リップフロップG26、G27はリセットされてNAN
DゲートG26、G28の出力は共にL、トランジスタ
Q17はOFFになる。再びスイッチSW6をONすれ
ば最初に一駒撮影におけるモータ左旋時には速度帰還の
制御が行なわれるがそれ以後の連続撮影におけるモータ
回転時の速度帰還は行なわれないで最高速で回転する状
態を得る事ができる。シャッタ優先モード、プログラム
モードにおいては露出制御部604のP6出力はLの為
にG28はLに保持されているのでQ17はOFFのま
まであり、従ってモータ左旋時には毎回速度帰還による
定速制御が行なわれるが右旋時は常に最高速になる。
【0102】以上の様に絞り優先モード又は手動露出モ
ードに於て最高速の連続撮影モードが選択されている時
のみ連続撮影の最初のレリーズ時の左旋時に定速度制御
を行ない以後の連続撮影中は左旋、右旋共に最高速とな
る。そうする事の利点は連続撮影の最初の駒のレリーズ
タイミングはカメラ使用者が与える為にどのモードに於
ても常に一定とする事が望ましく。その後の連続撮影の
タイミングはカメラ装置側が決定するのでモータの左旋
を定速制御する必要はなく不要な時間を短縮する事によ
り高速連続撮影を得る。シャッタ優先モード、プログラ
ムモードではモータ左旋時に絞りの電気的な制御を行な
うので絞り制御の精度を確保するために左旋速度は所定
の左旋速度に制御される必要がある。従って左旋時には
常に速度帰還の定速度制御が行なわれる。尚、フリップ
フロップG26、G27のリセット信号を発生するNA
NDゲートG29は、フリップフロップG7、G8のG
8出力により制御されている。これは、連続撮影中任意
の時点で押ボタンスイッチSW6がOFFされて撮影が
中止されるのであるがそのタイミングがモータ左旋中の
時はその駒の撮影を終了してフィルム巻上を完了した時
点で停止するのでトランジスタQ17のONによるモー
タ左旋時の速度帰還の禁止動作を左旋時は継続させ、左
旋が終了した時点でフリップフロップG26、G27の
リセット信号を発生させる為である。
【0103】(2)−2 通常の一駒撮影時の動作 このモードではSC切替スイッチSW8はS側を選択さ
れている。多重撮影切替スイッチSW2は通常撮影モー
ドを選択しているのでONになっており、G1出力はL
に保持されている。このモードでは(2)−1で述べた
フィルムの巻上完了時に同期して押ボタンスイッチSW
6のONに関連する再レリーズの動作が行なわれないだ
けで他の動作は(2)−1と同じである。即ちSC切替
スイッチSW8がS側(ON)の為にG30出力はHに
保持される。G4出力はG3の出力には関係なしに押ボ
タンスイッチSW6のみに応答するのでG5出力及びI
NV1出力がHの時に押ボタンスイッチSW6がONさ
れるとG4出力はLからHに変化し、G6出力はR2、
C2による所定期間L出力を発生してフリップフロップ
G7、G8を反転させてモータ左旋による前述のレリー
ズ動作が開始される。露出制御及びフィルムの巻上が完
了しても押ボタンスイッチSW6のONが保持されてい
る間はG4出力はHに保持されたままであり、G4出力
がLからHに変化した時のみR2、C2による所定期間
G6出力はLに変化するがその後はHに保持されている
のでG6出力がLになる事はない。再レリーズする為に
は押ボタンスイッチSW6を一度OFFさせる事により
C2を充電させれば良く、C2の再充電後に押ボタンス
イッチSW6をONさせればその時にANDゲートG
5、インバータINV1の出力がHの時には即ちモータ
が右旋状態になっていなければNANDゲートG6出力
はLに変化して再レリーズされるので押ボタンスイッチ
SW6をONする度に撮影が一駒づつ行なわれる。この
一駒撮影モードではSC切替スイッチSW8はONの為
にNANDゲートG25の出力はHに保持されているの
でフリップフロップG26、G27はリセット状態のま
まで反転する事は無く従ってトランジスタQ17は常に
OFFしている。従って切替スイッチSW9がb端子側
の最高速モードを選択している場合でもモータ左旋に対
しては速度帰還による定速度制御が行なわれる。その理
由は絞りを電気的制御するモードに対しての効果のみで
はなく、絞りを電気的に制御しないモードにおいても一
駒撮影のレリーズタイミングはカメラ使用者が毎回与え
る為にどのモードにおいても一定とする事が望ましいか
らである。従ってモータの左旋時及び右旋時は互に独立
して設定された速度に応じてモータ600の回転速度は
制御される事になる。
【0104】(2)−3 多重連続撮影時の動作 このモードではSC切替スイッチSW8はC側(OF
F)に選択されており、又図1の多重撮影切替レバー1
71が多重撮影の位置にあるので多重撮影切替スイッチ
SW2はOFFされ、又巻上制限スイッチSW5は多重
撮影の位置ではOFF状態に保持されている。切替スイ
ッチSW9はa側を選択されているものとする。多重撮
影切替スイッチSW2 OFFの為に多重警告回路OS
C602にHレベルの信号が伝達され発光ダイオードL
ED1の点滅信号をOSC602は出力して多重撮影モ
ードにある事を警告する。LED1は公知の如くファイ
ンダ内に配置されているのが望ましい。レリーズ前のフ
ィルム巻上完了状態に於てはミラー下降位置スイッチS
W1はON、多重巻上停止スイッチSW3はON、後幕
走行完了スイッチSW4はON、巻上制限スイッチSW
5はOFF、ミラー停止スイッチSW7はOFFであ
る。従って各ゲートG1、G2、G3出力はLである。
インバータINV1、ゲートG5、G30出力はHの為
に押ボタンスイッチSW6のONによりG6出力は所定
時間Lとなり、フリップフロップG7、G8は反転して
モータ左旋信号を出力する。モータ左旋により前述の如
くミラー上昇及び絞り制御が行なわれミラーが所定位置
に上昇するとミラー停止スイッチSW7がONとなる。
これによりフリップフロップG7、G8はリセットさ
れ、モータは停止してシャッタの露光が開始され、シャ
ッタの後幕が閉じられると後幕走行完了スイッチSW4
のONによりG2及びG1出力はHなのでG3出力はH
となりモータ600は右旋してミラー下降及び絞り制御
機構のリセットを行ない、ミラーが所定位置まで降下す
るとミラー下降位置スイッチSW1がONしてG2出力
はLになるが多重巻上停止スイッチSW3はフィルムの
巻上が開始される寸前の所定位相まではOFFしている
のでG1出力はHであり従ってモータの右旋は持続され
る。フィルムの巻上が開始される寸前の所定位相になる
と多重巻上停止スイッチSW3がONするのでG1出力
はLになる。G1出力Lによりモータの右旋は停止さ
れ、インバータINV1、ゲートG30の出力はLから
Hに変化するので(2)−1の時と同様にその時押ボタ
ンスイッチSW6がONされていればG4出力はLから
Hに変化するので、R2、C2による所定時間G6出力
はLになりフリップフロップG7、G8は反転してモー
タ左旋信号を出力して再びレリーズ動作が行なわれる。
従って押ボタンスイッチSW6をONしている間はフィ
ルム移送は行なわれずに多重撮影が繰り返し行なわれ、
押ボタンスイッチSW6がOFFされるとフィルム巻上
寸前の位相状態で停止し、又再び押ボタンスイッチSW
6をONすれば多重露出が何回でも行なわれる。レリー
ズされてモータの左旋によるミラー上昇行程の最初に於
て多重巻上停止スイッチSW3が後幕走行完了スイッチ
SW4がOFFする前にOFFになるのでG1出力は一
度Hになりモータ右旋信号を発生するがその前にフリッ
プフロップG7、G8の左旋信号が出ておりその間はイ
ンバータINV5によりG9出力はLに保持されてお
り、従ってANDゲートG1によるモータ右旋信号はA
NDゲートG9以後のモータ制御回路には伝達されない
事とG1出力の一時的なH状態はミラー停止スイッチS
W7のONによるフリップフロップG7、G8のリセッ
トが行なわれる以前にLに復帰するのでモータ左旋中に
生ずる一時的なG1の右旋信号の発生は多重撮影のシー
ケンスには何らの影響も与えない。多重撮影のモードを
通常撮影のモードに戻すには多重撮影の終了後に図1の
多重撮影切替レバーを通常撮影の位置に戻せは良く、図
5の説明に述べてある如く通常撮影に戻せば巻上制限ス
イッチSW5がONする事によりG3出力はHとなりモ
ータ右旋信号を発生するのでフィルムの巻上が行なわ
れ、所定量のフィルム移送を終了すると巻上制限スイッ
チSW5がOFFしてモータの右旋は停止する。なお図
1及び図13では多重撮影モードで撮影を一度中止し
て、Q11、Q12、R8、C12による回路へ所定時
間給電する動作が終了した状態で多重撮影切替レバーを
通常撮影のモードに切替た時には回路の給電が停止して
いるのでモータは右旋せず、押ボタン100を押して半
押スイッチSW13をONして回路の給電を開始させれ
ば前述のフィルム移送が行なわれる。この様な状態で多
重撮影切替レバー171を通常撮影に戻して撮影を続行
させようとする時に押ボタン100を押してもカメラは
レリーズされずにフィルム巻上のシーケンスからスター
トする為にシャッタが走行するまでのレリーズタイミン
グの見込時間が狂ったり、あるいは、SC切替スイッチ
SW8がS側(ON)にある時はレリーズされないとい
う問題が発生する事がある。この点を改良するには半押
スイッチSW13を押ボタン100の操作とは無関係に
多重撮影切替レバー171を通常撮影モードに戻す行程
に於て過渡的に一時ONさせる機構を付加するか、又は
半押スイッチSW13と並列接続になるスイッチを別設
し、該スイッチを通常撮影モードに戻す行程に於て過渡
的に一時ONさせる機構を付加する事により解決され
る。詳述していない自動露出制御、手動露出制御は
(2)−1の説明と同様に行なわれる。以上の動作では
(2)−1のSW9がa端子側にある時の動作と同様に
モータの右旋、左旋それぞれにおいて速度帰還により設
定された定速度制御が別個に行なわれる。
【0105】スイッチSW9がb端子側にある時の動作
は(2)−1のスイッチSW9がb端子側にある時の動
作と同様に絞り優先モード、手動露出設定モードにおい
てはスイッチSW6をONされた初回の露光時はレリー
ズタイミングを一定にする為にモータの左旋は定速度制
御が行なわれその後の右旋は速度帰還がないので最高速
となり、続いて連続的に行なわれる多重露光の為の左
旋、右旋は全て速度帰還のない最高速の状態で制御され
る。シャッタ優先モード、プログラムモードにおいては
左旋時は常に定速度制御される。
【0106】(2)−4 多重一駒撮影時の動作 このモードは(2)−3の状態に対しSC切替スイッチ
SW8をS側(ON)にする事により得られる。このモ
ードではNANDゲートG30の出力はHに保持された
ままとなるのでレリーズの動作は(2)−2と同様にイ
ンバータINV1、ANDゲートG5の出力がHの時に
押ボタンスイッチSW6のONによりフリップフロップ
G7、G8が反転してモータ左旋によるカメラのレリー
ズが開始され、押ボタンスイッチSW6がONされ続け
てもカメラは露出が完了してミラーが下降してフィルム
移送が行なわれる寸前の状態で自動的に停止する。再び
レリーズする為には押ボタンスイッチSW6をOFFさ
せてからONさせれば多重撮影が行なわれる。多重撮影
から通常撮影に戻すには(2)−3で述べた如く図1の
多重撮影切替レバー171を通常撮影の位置に戻せば良
い。この多重一駒撮影では(2)−2と同じ理由により
スイッチSW9の選択状態及びシャッタ優先モード、絞
り優先モード等の露出モードの選択状態とは無関係にモ
ータの左旋は常に定速度制御され、右旋は任意に選択さ
れた速度での制御が行なわれる。
【0107】(3) フィルム終端時の動作 フィルム終端の動作は通常撮影モード時のフィルム移送
のシーケンスの際に行なわれる。即ちフィルム移送中に
フィルムの終端に於てフィルムがパトローネから引出せ
なくなる事により所定量のフィルム移送が行なわれず従
って巻上制限スイッチSW5がOFFしたままなので可
変抵抗VR3、コンデンサC6、コンパレータA2によ
る選択された巻上時間に応じた所定の経過時間後にA2
出力がLとなり、ANDゲートG13、G14の出力を
Lに保持させてモータを停止させ、又インバータINV
10はHになりORゲートG18出力がHになるので警
告表示用の発光ダイオードLED2が点灯してモータが
自動停止した事を警告表示する。
【0108】(4) フィルム巻戻し時の動作 これは図1で述べた如く次の手順で動作する。最初に巻
戻しボタン7を押してから巻戻しレバー155を巻戻し
の位置にする事により巻戻しが開始される。巻戻しボタ
ン7を押す事により巻戻しボタンスイッチSW15がO
FFになり、又巻戻しレバーが巻戻しの位置にされる事
によりさらにフィルム終了スイッチSW16はフィルム
があればOFFになっているのでG16出力はHにな
る。G17出力はインバータINV12がL出力の為L
になっており、巻戻し警告回路603は動作せずORゲ
ートG18への出力はLである。G24出力はSW14
がONされている為にLになっている。G23出力はイ
ンバータINV14がフィルム終了スイッチSW16が
OFFの為にLになっているのでLとなっている。G16
出力がHになるとG15出力もHになりモータは右旋を開
始してフィルムの巻戻しを行なう。又G16出力がHの
為にNORゲートG32の出力はLに保持され、従って
G5出力もLに保持されるのでフリップフロップG7、
G8はリセットされた状態で保持されるのでこの状態で
はモータ左旋信号を出力する事はない。
【0109】インバータINV11はミラー下降位置ス
イッチSW1がOFFしている時、即ちミラーが上昇し
て露出が行なわれている間に誤ってフィルム巻戻しが設
定されてもすぐにはフィルムを巻戻さずに露出が完了し
てミラーが下降してからモータ右旋によるフィルム巻戻
しを開始する為の禁止信号を与える為の信号を発生す
る。NORゲートG32の巻戻し時のL出力はG9出力
をLに保持するのでフィルム巻戻しが開始されると同時
にQ16はONに保持されてVR3、C6、A2による
タイマー回路の作動はモータの回転が行なわれても停止
させられている。又巻戻しスイッチSW14がONされ
ている間はD11を介してQ11をONさせて回路への
給電を保持している。
【0110】フィルムの巻戻しが完了するとフィルム終
了スイッチSW16がONするのでG16出力はLにな
り一方G31はH出力になるのでG32出力はLのまま
なのでG9はL出力、フリップフロップG7、G8はリ
セット状態を保持されているのでモータは停止されG2
3出力はHになりLED2が点灯して巻戻しが終了した
事を警告する。巻戻しボタンを押さないで巻戻しレバー
を巻戻しにセットした状態ではG16出力はLであり、
又G17出力はHとになるので巻戻し警告回路603が
動作してLED2を点滅させて巻戻し不可能である事を
警告する。
【0111】このフィルム巻戻し時は全押スイッチSW
6をONしている必要はないので通常はOFFになって
おり、従ってフリップフロップG26、G27はリセッ
トされた状態にありトランジスタQ17はOFFしてい
る。又スイッチSW6がONされたままでかつフリップ
フロップG26、G28がセットされている状態でも巻
戻し時はG32出力はLになっているのでG28出力も
LになっておりトランジスタQ17はOFFしている。
従って巻戻し時のモータ速度は、速度切換用操作レバー
により任意に選択された速度となる。
【0112】尚、図12の本考案の実施例ではモータの
定速度制御の為に直流速度発電機による速度検出で速度
帰還制御を行なっているが、本考案はそれに限定される
ものではなく、例えばモータの回転数を光電素子、磁気
センサ、機械接点等によりパルス的に検出する公知の検
出手段により速度帰還の制御が可能なのは自明である。
又本考案の実施例では定速度制御がアナログ的に行なわ
れている例で示してあるがこの様な方法は電源EB の電
圧との関連においてモータ電流制御用のパワートランジ
スタQ1、Q2、Q4、Q7の熱的な負担に大なるもの
を要求する事があり、大電力トランジスタを放熱を良く
して使用しなければならずカメラを小型にする場合に問
題となる。それを解決する為にはQ1、Q2、Q4、Q
7をパルス的にON、OFFさせてON、OFFのデュ
ーティ比を、即ちパルス巾変調的に制御すれば熱的な発
生は最少になるので小型のトランジスタが使用できるの
で好ましい。
【0113】図13は図12の露出制御部604の特に
絞り速度補正回路の実施例を示すものである。図13に
おいて図12に図示されている部分に関しては同一記号
を付してある。対数圧縮回路610はフォトダイオード
PDによる測光電流を対数圧縮された電圧に変換する。
記憶回路611は前述のORゲートG11のH出力がP
1端子を介して伝達された時に対数圧縮回路610によ
る測光値を記憶する回路である。演算回路612は記憶
回路611及びフィルム感度設定回路613、レンズプ
リセット環絞り値及びレンズ開放絞り値検出回路、シャ
ッタ秒時設定回路615の各出力を演算入力として、モ
ードセレクタ回路617により選択されたモードに応じ
て演算処理し、表示回路616に露出設定値の表示出
力、シャッタタイマー回路618による制御シャッタ秒
時を指定する出力、及び絞り制御の為の絞り値指定出力
をそれぞれ出力する。モードセレクタ回路617は前述
の絞り優先モード、手動露出設定モードが選択された時
はP6端子にHレベルの出力を、プログラムモード、シ
ャッタ優先モードが選択された時はLレベルの出力をす
る。619は絞り速度補正回路でP7端子を介して伝達
される速度発電機の発生電圧を増巾するA10、R1
0、R11により構成される同相増巾回路と、演算回路
612より伝達される制御絞り値電圧とA10出力電圧
とを入力とするA11、R12、R13、R14、R1
5により構成される差動増巾回路とにより構成される。
演算回路612の出力する制御絞り値電圧は制御目標絞
り値が小口径絞り値になるに従い、その出力電圧は上昇
する関係になっている。ES は基準電圧、VR1 は前述
の絞り制御レバーの動きに関連する可変抵抗であり、I
S は定電流吸込源である。可変抵抗VR1は小口径絞り
値になるに従ってその抵抗値を減ずる関係になっている
ので、可変抵抗VR1と定電流吸込源IS の接続点に生
ずる電圧も小口径絞り値になるに従ってその電圧は上昇
する。A12はコンパレータで絞り速度補正回路619
の出力よりも可変抵抗VR1による電圧が等しいかまた
は上昇するとその出力はHになりP2端子を介して絞り
係止信号を出力する。絞り速度補正回路619の出力は
モータの速度が上昇するとその出力は演算回路612の
出力よりも低下する。即ち演算回路612の制御目標絞
り値よりも開放径側にモータ速度に応じて補正された電
圧となる。可変抵抗VR1は絞り開放側より小口径絞り
側に変化するのでコンパレータA12の絞り係止信号は
モータ速度の上昇に従って演算回路612の出力する制
御目標絞り値にVR1が至るよりも早く出力される事に
なる。それはモータ速度が上る程より早めに絞り係止信
号が出力される事になりそれにより前述の絞り係止機構
の係止遅れが補償されるので正確な絞りの制御が行なわ
れる。
【0114】本考案の実施例の電動巻戻しの可能なモー
タ・ドライブ・カメラは、ミラーが上昇して露出が行わ
れている間、ミラー下降位置スイッチSW1がOFFに
なっているので、インバータINV11が禁止信号を出
し、それによって、フィルムの巻戻しのためにモータ6
00により巻戻しフォーク161等が駆動されることを
禁止することができる。
【考案の効果】本考案は、フィルムが露光されている間
は、フィルムを巻き戻すことを禁止する禁止手段を設け
たので、撮影者が、露光中に誤って巻戻し操作手段を操
作しても巻戻し動作が行われることがない。従って、本
考案は、画面が流れて撮影に失敗してしまうという誤動
作を防止でき、かつ、露光済みフィルムが2重露光され
ることを防止できる。即ち、本考案は、フィルムに未露
光の撮影駒がまだ残っているときに、撮影中のフィルム
を保護すること、かつ露光済みのフィルムを保護するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のカメラの一実施例の駆動機構部の概略
的斜視図である。
【図2】図1のスプロケット機構部を取出して示す概略
的斜視図である。
【図3】図1のミラー機構部を取出して示す概略的斜視
図である。
【図4】ミラー上昇状態を示す概略的斜視図である。
【図5】多重露光機構の変形例の概略的斜視図である。
【図6】上記実施例の作動とそれを制御するスイッチ等
との関係を示すチャート図である。
【図7】上記実施例のカメラの外傍概略図である。
【図8】図7の一部の平面図である。
【図9】上記実施例に使用するバッテリパックの一例を
示す概略図である。
【図10】図9のものよりハイパワーのバッテリパック
の一例を示す概略図である。
【図11】図9及び図10に示すバッテリパックに応じ
て切替わるスイッチの概略図である。
【図12】上記実施例の回路図である。
【図13】図12の露出制御部の詳細回路図である。
【符号の説明】
600 モータ 604 露出制御部 SW4 後幕走行完了スイッチ SW14 巻戻しスイッチ INV11 インバータ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルムの巻戻し開始信号を発生する巻戻
    し操作手段と、 モータによりフィルムを巻戻す巻戻し手段と、 前記巻戻し操作手段の巻戻し開始信号を受けて前記巻戻
    し手段を制御する制御手段と、 フィルムの露光に関連する露光動作を検出して露光信号
    を発生する検出手段と、 前記露光信号受信後の露光中に、前記巻戻し開始信号を
    受信した場合には、前記巻戻し手段がフィルムを巻戻す
    ことを禁止する禁止手段とからなることを特徴とする電
    動巻戻しの可能なモータ・ドライブ・カメラ。
JP1993021041U 1993-04-22 1993-04-22 電動巻戻の可能なモータ・ドライブ・カメラ Expired - Lifetime JPH0749473Y2 (ja)

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JPS53142225A (en) * 1977-05-18 1978-12-11 Ricoh Co Ltd Motor drive control device of motor-driven cameras
JPS55120021A (en) * 1979-03-08 1980-09-16 Nippon Kogaku Kk <Nikon> Misexposure preventive device of camera
JPS5838940A (ja) * 1981-09-02 1983-03-07 Canon Inc カメラの巻戻し装置

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