JP2675798B2 - モータ駆動カメラ - Google Patents

モータ駆動カメラ

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JP2675798B2
JP2675798B2 JP2819288A JP2819288A JP2675798B2 JP 2675798 B2 JP2675798 B2 JP 2675798B2 JP 2819288 A JP2819288 A JP 2819288A JP 2819288 A JP2819288 A JP 2819288A JP 2675798 B2 JP2675798 B2 JP 2675798B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は1つのモータにより複数の機構を駆動するモ
ータ駆動カメラに関する。
〔従来技術〕
近年、モータを駆動源としてフイルム給送や、シヤツ
タのチヤージ,可動ミラーの揺動等を実行するモータ駆
動カメラが各種提案されている。
例えば、特開昭57−42034号や特開昭59−143133号の
ように、カメラ内に1つのモータを内蔵させ、このモー
タによりフイルムの巻上げと巻戻しをクラツチ切換えに
より実行するものが提案されている。
又、特開昭60−45229号のように、2つのモータを用
いてフイルム巻上げと巻戻しとを分担して駆動すること
によって、フイルム給送速度や効率を向上させたカメラ
が提案されている。
又、特開昭60−254028号のように、3つのモータを用
いて、フイルム巻上げ,フイルム巻戻し及びシヤツタチ
ヤージを各々専用のモータを用いて、駒速の向上、及び
効率の向上を極限レベルにまで高めたカメラが提案され
ている。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、1つのモータの同一方向回転によっ
てフイルム巻上駆動機構及びフイルム巻戻駆動機構を駆
動するようにし、モータ出力の伝達制限の切換をモータ
の他方向の回転によって行えるようにして、低コスト化
及び省スペース化を実現できるモータ駆動カメラを提供
することにある。
本発明の目的は、予備巻上げ方式のモータ駆動カメラ
において、1つのモータの同一方向回転によって少なく
ともフイルム巻上駆動機構を含む複数の機構を駆動する
ようにし、モータ出力の伝達制限の切換をモータの他方
向の回転によって行えるようにして、低コスト化及び省
スペース化を実現できるモータ駆動カメラを提供するこ
とにある。
〔発明の特徴〕
本発明は、モータと、前記モータの出力を駆動源と
し、該モータの第1の方向の回転に基づきフイルムを巻
上げするフイルム巻上駆動機構と、前記モータの出力を
駆動源とし、該モータの第1の方向の回転に基づきフイ
ルムを巻戻しするフイルム巻戻駆動機構と、前記モータ
の出力を駆動源とし、該モータの第2の方向の回転に基
づき駆動し、該モータの前記第1の方向の回転時での出
力伝達を制限する伝達制限機構と、前記モータの前記第
1の方向の回転に基づき出力を前記フイルム巻上駆動機
構又は前記フイルム巻戻駆動機構に伝達し、前記第2の
方向の回転に基づき出力を前記伝達制限機構に伝達する
ように切換えるクラッチ手段と、を有し、前記伝達制限
機構は初期状態では前記モータの前記第1の方向の回転
の際に、該モータの出力を前記フイルム巻上駆動機構の
みに伝達するように設定された伝達制限部材を有し、該
伝達制限部材は該モータの前記第2の方向の回転によっ
て駆動されることのより、以後の該モータの該第1の方
向の回転の際には、該モータの出力を前記フイルム巻戻
駆動機構のみに伝達するように切り換えるモータ駆動カ
メラを特徴とする。
本発明は、フイルム装填時に予じめフイルムを全駒分
巻上げてしまい、撮影ごとにフイルムを巻戻していく予
備巻上げ方式のモータ駆動カメラにおいて、モータと、
前記モータの出力を駆動源とし、該モータの第1の方向
の回転に基づきフイルムを巻上げするフイルム巻上駆動
機構と、前記モータの出力を駆動源とし、該モータの第
2の方向の回転に基づき駆動し、該モータの前記第1の
方向の回転時での出力伝達を制限する伝達制限機構と、 前記モータの前記第1の方向の回転に基づき出力を前
記フイルム巻上駆動機構に伝達し、前記第2の方向の回
転に基づき出力を前記伝達制限機構に伝達するように切
換えるクラッチ手段と、を有し、前記伝達制限機構は初
期状態では前記第1の方向の回転の際に、前記モータの
出力を前記フイルム巻上機構に伝達するように設定され
た伝達制限部材を有し、該伝達制限部材は該モータの前
記第2の方向の回転によって駆動されることのより、以
後の該モータの該第1の方向の回転の際には、該モータ
の出力の該フイルム巻上駆動機構への伝達を阻止して、
他の機構に伝達するように切り換えるモータ駆動カメラ
を特徴とする。
〔実施例〕
次に図面に基づいて本発明の実施例を説明する。な
お、本実施例は本発明を一眼レフカメラに適用した場合
を示している。
第1図には一眼レフカメラにおける大まかな構成の配
置が示され、10はカメラボデイを示す。このカメラボデ
イは着脱自在の撮影レンズ1が装着されている。2はレ
リーズボタン、3は強制的に全駒分の巻戻しを行わせる
為の巻戻しボタン、4はカメラボデイの底面位置に配置
される電池を示している。なお、電池4は当然のことな
がら、電池交換の際には簡易に取り出しができるよう
に、カメラボデイ10には電池蓋に相当する部材の取り外
しにより、電池収納室から容易に取り出すことができる
構造が構成されている。M1はモータであり、このモータ
M1はフイルム巻上系及びフイルム巻戻系の駆動の両方の
駆動源となると共に、前板系のチヤージ・ミラー駆動の
為の駆動源となる。5はフイルム巻上駆動機構、6はフ
イルム巻戻駆動機構、7は前板系としてのミラーボツク
ス駆動機構、8はフイルムカウンター機構を示してい
る。
第2図は各構成の斜視図を示している。
次に上記第2図と各構成ごとの詳細図面とを基に、各
構成を詳細に説明する。
まずモータM1について説明すると、モータM1は出力軸
が上下2本形成され、両出力軸は同期回転するように構
成されている。
次にフイルム巻上駆動機構について説明する。図にお
いて、20はモータM1の下方の出力軸に固着された第1ピ
ニオン、22は第1ピニオン20と噛合する伝達ギヤであ
り、この伝達ギヤ22は連結軸24を介して太陽ギヤ26と連
結している。26〜30はクラッチ手段としての遊星クラツ
チを構成するものであり、太陽ギヤ26には遊星レバー30
(太陽ギヤ26とフリクシヨン結合)により公転移動可能
な遊星ギヤ28が噛合している。32は伝達ギヤであり、遊
星ギヤ28の公転により噛合,非噛合が行われる位置に配
置され、太陽ギヤ26の反時計方向カーテンに伴なう公転
運動により該遊星ギヤ28と噛合してモータM1の出力回転
の伝達が行われる。又、モータM1が逆回転して太陽ギヤ
26が時計方向に回転した際には、伝達ギヤ32と遊星ギヤ
28との噛合は断たれることになる。34,36は伝達ギヤ32
の回転を伝達するための伝達ギヤであり、ここでの2段
ギヤ状の伝達ギヤ36は太陽ギヤ38と噛合している。
38〜42は第1遊星キラツチを構成するものであり、2
段ギヤ状の太陽ギヤ38の小ギヤとは第1遊星レバー42
(太陽ギヤ38の小ギヤとフリクシヨン結合)により公転
移動可能な第1遊星ギヤ40が噛合している。又、38,44
及び46は第2遊星クラツチを構成するものであり、太陽
ギヤ38の小ギヤとは第2遊星レバー44(太陽ギヤ38の小
ギヤとフリクシヨン結合)により公転移動可能な第2遊
星ギヤ46が噛合している。
48はスプール駆動用の伝達ギヤであり、上記第1遊星
ギヤ40の公転により噛合,非噛合が行われる位置に配置
され、太陽ギヤ38の時計方向回転に伴なう公転運動によ
り該第1遊星ギヤ40と噛合して上記モータM1の出力回転
の伝達が行われる。なお、モータM1が逆回転した場合で
は、上述した上流側の遊星クラツチ機構26〜30により伝
達が断たれることになるので、特に第1遊星レバー42の
反時計方向への回動は行われない。
50はスプール駆動用のスプールギヤ、52はフイルム巻
取用のスプールである。このスプールギヤ50は上記伝達
ギヤ48と常時噛合し、且つ上記スプール52とは固着関係
にある(第2図では図を理解し易くする為にスプールギ
ヤ50とスプール52とは離して描いているが、両者は実際
には固着されている)。上記スプール52の周面にはフイ
ルムFのパーフオレーシヨンと噛合するスプール爪52a
が形成されている。
一方、54はスプロケツト駆動用の伝達ギヤであり、2
段ギヤ状に形成されて大ギヤの方が上記第2遊星ギヤ46
の公転により噛合,非噛合が行われる位置に配置され、
太陽ギヤ38の時計方向回転に伴なう公転運動により該第
2遊星ギヤ46と噛合して上記モータM1の出力回転の伝達
が行われる。
56はスプロケツト駆動用のスプロケツトギヤ、58は駆
動スプロケツトである。スプロケツトギヤ56は上記伝達
ギヤ54の小ギヤと常時噛合し、且つ上記駆動スプロケツ
ト58とは回転連動関係にある(第2図では図を理解しや
すくする為にスプロケツトギヤ56と駆動スプロケツト58
との連動機構は省略したが、実際には軸等により両者は
回転連動が行えるように連結している)。上記駆動スプ
ロケツト58にはフイルムFのパーフオレーシヨンと噛合
する歯58aが形成されている。
なお、駆動スプロケツト58よりスプール52の方が周速
比は大きくなるように設定されている。
上記第2遊星クラツチ機構の第2遊星レバー44の先端
部近傍には、第2遊星ギヤ46と伝達ギア54とを非噛合と
すると共に、その状態で保持する為の構造が形成されて
いる。この構造について、要部拡大底面を示す第3図を
含めて説明する。
すなわち、第2遊星レバー44の先端近傍には切欠き44
a,突出部44b及び山形状のクリツク山44cが形成されてい
る。60は回動中心60aにより揺動自体に支持されたリセ
ツトレバーであり、折曲された規制部60b,第1突出部60
c及び背蓋側へ突出した第2突出部60dが形成されてい
る。62は保持レバーであり、上記リセツトレバー60の回
動中心60aと同心にて支持されて、上記規制部60bで規制
される若干角度、揺動自在となる。そして、この保持レ
バー62には上記第2遊星レバー44の切欠き44aと対応す
る位置にピン62aが、又山形状の上記クリツク山44cと対
応する位置にクリツク突起62bが形成されている。64は
上記リセツトレバー60に固定された保持バネであり、上
記保持レバー62を弾性押圧して上記クリツク山44cに上
記クリツク突起62bを当接させている。66はリセツトバ
ネであり、リセツトレバー60を反時計方向(第3図にお
いて)に弾性押圧している。70は回動軸70aにて開閉成
揺動自在に支持されたカメラの背蓋であり、背蓋の閉成
状態では、押動部70bが上記第2突出部60dを押動するこ
とにより、上記リセツトバネ66に抗してリセツトレバー
60を第2図,第3図(a),(b)の位置に押動保持す
る。
したがって、第2遊星レバー44はフイルム巻上げの開
始状態では第3図(a)に示すように、第2遊星ギヤ46
と伝達ギヤ64とが噛合した状態となる。そして、フイル
ム巻上げによってフイルムのリーダー部がスプール52に
巻付いた後には今度は駆動スプロケツト58はフイルムF
によって従動されるようになり、第2遊星ギヤ46と伝達
ギヤ54との回転数が合致しなくなってしまう。したがっ
て、フイルム巻上げ初期においては第2遊星レバー44に
は時計方向(第3図の底面方向から見た図において)に
回動する力が反発力として働らき、該レバー44を時計方
向に回動させる。この回動の際第3図(b)に示すよう
にクリツク突起62bがクリツク山44cを乗り越え、上記第
2遊星ギヤ46と伝達ギヤ54との噛合が断たれる。又、こ
の状態は保持バネ64により保持レバー62が第2遊星レバ
ー44方向へ押されて、クリツク突起62bがクリツク山44c
の頂部から斜面にかかる位置を押圧する為保持される。
そして、この状態(第3図(b)の状態)は、背蓋70
を次に開成するまで保持され、以後フイルムFを巻上げ
る為の駆動力を発揮するのはスプール52のみ(スプール
ドライブ)となる。
第3図(c)に示すように背蓋70が開成されると、リ
セツトレバー60はリセツトバネ66に押圧されて反時計方
向に揺動するので、保持レバー62も同様に反時計方向に
揺動し、今度はピン62aが突出部44bを押して第2遊星レ
バー44を反時計方向に揺動させ、第2遊星ギヤ46を伝達
ギヤ54と噛合可能な初期位置に復帰させる。
次に、フイルムカウンター機構及びフイルム給送検出
機構を説明すると、第2図にもどって、80は従動スプロ
ケツトであり、上記駆動スプロケツト58とは連動せず、
フイルムFの動きに従動してのみ回転する。82は上記従
動スプロケツト80と固着関係にある伝達ギヤ。84は伝達
ギヤ82と噛合する検出ギヤであり、フイルム1駒分に相
当するフイルム給送(通常、8パーフオレーシヨン分)
によって1回転するように設定されている。86は上端部
に切欠き歯86aが形成されたカウンター送り軸であり、
上記検出ギヤ84と連動して回転する。この両者の回転連
動は検出ギヤ84の中心孔に形成した内歯84a(第4図参
照)と、カウンター送り軸86の下端部に形成した外歯86
b(第4図参照)とが噛合することによって行われる。
ただし、上記内歯84aと上記外歯86bとの噛合は径寸法面
にて弛くなるように設定されており、したがって該カウ
ンター送り軸86は該検出ギヤ84に対して径方向に若干移
動できることになる。88は中心軸88aにて回転可能に支
持されると共に不図示のバネにより時計方向に回動付勢
されたカウンターギヤであり、周面には上記切欠き歯86
aと噛合して上記カウンター送り軸86の1回転で1ピツ
チ分回転する為の歯部88bが形成され、又、上面には該
歯部88bのピツチと一致する間隔にてフイルム駒数表示8
8cが付されている。90は中心軸90aによって揺動可能に
支持されたカウンターリセツトレバーであり、背蓋70の
閉成時に押動部70cに押動される突出ピン90b及び反時計
方向揺動時に該カウンター送り軸86を押動する押動部90
cが形成されている。92は上記カウンターリセツトレバ
ー90に形成されたピン90dに中心部が支持されたバネで
あり、このバネ92の一端は固定ピン92aと当接し、他端
はカウンター送り軸86と当接して、背蓋70の閉成時(第
2図の状態)では、該カウンター送り軸86をカウンター
ギヤ88の中心方向に弾性押圧し、該送り軸86の上端部
(切欠き歯86a位置)と該ギヤ88の歯部88bとの当接を確
実にして適正な該ギヤ88の送りと初期位置への復帰防止
を果している。一方、背蓋70を開成すると、カウンター
リセツトレバー90自体の保持が解除され、上記バネ92の
付勢力により該リセツトレバー90は反時計方向に揺動し
て上記押動部90cが上記カウンター送り軸86を上記カウ
ンターギヤ88とは逆方向に押動する。それによってカウ
ンターギヤ88は回転フリーとなり、不図示のバネ力によ
り初期位置(表示窓にフイルム駒数表示としての「E」
が位置する)まで時計方向に回転する。なお、その後、
背蓋70を閉成すると、また、カウンター送り軸86の上端
部はカウンターギヤ88の歯部88b内に入り込み、回転に
より該ギヤ88を切欠き歯86aにより1歯分ずつ加算方向
に間欠的に送ることができる。
94は検出基板であり、上記検出ギヤ84の下面位置に配
設されている。この検出ギヤ84と検出基板94は、フイル
ムFの給送量を検出する機構を構成しており、以下、第
4図及び第5図を含めて詳細な構造を説明する。第4図
には検出ギヤ84を裏面側から見た図が示され、この裏面
には摺動ブラシ85が取着されている。第5図は検出基板
94を表面側から見た図が示され、上記検出ギヤ84の回転
に伴なう上記摺動ブラシ85の摺動領域にはクシ歯状パタ
ーン94a,デユーテイ制御パターン94b,ブレーキ制御パタ
ーン94c及びグランドパターン94dが形成されている。そ
して、各パターン94a〜94dは端子95〜97と接続されてい
る。なお、上記摺動ブラシ85が実際に摺動する幅の領域
を2点鎖線にて符番98によって示した。ここで、端子96
へは後述の回路によりグランドレベル信号が供給される
ので、端子95はフイルムFの駒送り途中での移動信号
(パルス信号)の検出が可能となり、端子97はフイルム
の駒送り終端付近でのデユーテイ制御範囲の検出が可能
となり、又、両端子95及び97によってフイルムFの駒送
り終端でのブレーキ制御範囲の検出が可能となる。具体
的に第6図のフイルム巻戻しの際のタイムチヤートを参
照して説明すると、端子96にグランドレベル信号を供給
しておけば、1駒分の巻戻しによって最初に摺動ブラシ
85がクシ歯状パターン94aとグランドパターン94dを摺動
することにより、端子95にはパルス状信号が得られる。
このパルス状信号の発生間隔フイルム給送速度に同期す
ることから、このパルス状信号の発生間隔が所定時間よ
り短かければ、フイルムFが適正に給送(巻上げ及び巻
戻しの両方)されていることが検知でき、逆に所定時間
より長ければ電池電圧が低下したかもしくはフイルムF
の巻上げもしくは巻戻しが全駒分終了した(フイルムの
全駒分の巻上げが終了した、通称フイルム突っぱり状態
もしくはフイルムのパトローネへの巻込みが終了した状
態)ことが検知できる。
次に摺動ブラシ85がデユーテイ制御パターン94bとグ
ランドパターン94dを摺動することにより、端子97には
グランドレベル信号が得られる。このタイミングはフイ
ルムFの1駒分の巻戻し(駒送り)の終端付近に同期す
るように該デユーテイ制御パターン94bの開始端94b−1
が設定されており、ここからモータM1は減速する為にフ
ル通電からデユーテイパルス通電に切換えられて減速制
御が行われる。
そして、更に摺動ブラシ85がデユーテイ制御パターン
94b,ブレーキ制御パターン94c及びグランドパターン94d
の全てと摺動することにより、端子95及び97の両方にグ
ランドレベル信号が得られる。このタイミングはフイル
ム1駒分の巻戻しの終端直前(オーバーラン分を見込ん
で)に同期するように該ブレーキ制御パターン94cの開
始端94c−1が設定されており、ここからモータM1は急
速停止する為に短絡に切換えられて停止制御が行われ
る。
次に、フイルム巻戻駆動機構及びミラーボツクス駆動
機構を説明する。
第2図にもどって、100はモータM1の上方の出力軸に
固着された第2ピニオン、102は第2ピニオン100と噛合
する2段ギヤ状の伝達ギヤである。104〜108はクラッチ
手段としての遊星クラツチを構成するものであり、伝達
ギヤ102と噛合する2段ギヤ状の太陽ギヤ104には遊星レ
バー108(太陽ギヤ104とフリクシヨン結合)により公転
移動可能な2段ギヤ状の遊星ギヤ106が噛合している。1
10は巻戻しギヤであり、遊星ギヤ106の第1の方向の公
転(モータM1の時計方向回転による太陽ギヤ104の時計
方向回転)により、該遊星ギヤ106の小ギヤと噛合が行
われる位置に配置されている。112は周知のフイルムパ
トローネ軸と噛合する巻戻しフオークであり、上記巻戻
しギヤ110とは強いフリクシヨンにて結合している。
一方、102はミラー・チヤージ駆動伝達系での伝達ギ
ヤであり、遊星ギヤ106の第2の方向の公転(モータM1
の反時計方向回転による太陽ギヤ104の反時計方向回
転)により該遊星ギヤ106の大ギヤと噛合が行われる位
置に配置されている。122は伝達ギヤ120に一端が固着さ
れた伝達軸であり、他端にウオームギヤ124が固着され
ている。126は上記ウオームギヤ124と噛合して時計方向
(モータM1の反時計方向回転時)に回転するミラー駆動
ギヤであり、表面側にはミラー駆動カム128が一体的に
形成され、裏面側には位置検出用のブラシ130(後述)
が固定されている。132は2個のレバー体から成るミラ
ー駆動レバーであり、上記ミラー駆動カム128のカムフ
オロアーとしての役目を持つ。すなわち、このミラー駆
動レバー132は一端部132aが上記ミラー駆動カム128の登
りカム面128a(第7図参照)と摺接することにより反時
計方向への回動駆動を受け、平坦カム面128b(第7図参
照)と摺接することにより該反時計方向への回動状態を
保ち、そして下りカム面128c(第7図参照)と摺接(実
際に摺接しない場合でも、一端部132aと下りカム面128c
とが位置的に対応している状態)することにより、時計
方向への回動(復帰)が許容される。そして、このミラ
ー駆動レバー132の他端部132bは、上述のミラー駆動カ
ム128の各カム面の回動位置に応じた揺動制御を受ける
ことにより、ミラー駆動を行う。134は可動ミラーであ
り、不図示のフアインダー光学系へ撮像レンズを透過し
てきた被写体光を反射させるフアインダー観察位置(第
2図,第7図(a)に示したミラーダウン状態)と、回
動して被写体光をフイルム方向へ向かわせる露光退避位
置(第7図(b)に示したミラーアツプ状態)との2状
態が得られるように回動可能に支持されている。136は
可動ミラー134が固定された支持枠であり、両側端部に
回動軸136aが形成され、この回動軸136aによってミラー
ボツクス内に回動叶に指示されている。138は支持枠136
の一方側面に形成されたミラーピンであり、このミラー
ピン138と上記ミラー駆動レバー132の他端部132bとは当
接している。なお、上記支持枠136はバネ140により、常
時反時計方向(ミラーダウン方向)にバネ付勢力を受け
ている。したがって、上記ミラー駆動レバー132は一端
部132aが上記ミラー駆動カム128の登りカム面128aと摺
接することにより反時計方向への回動駆動を受け、平坦
カム面128bと摺接することにより該反時計方向への回動
状態を保ち、そして下りカム面128cと摺接することによ
り時計方向への回動(復帰)が許容される。そして、こ
のミラー駆動レバー132の他端部132bは、上述のミラー
駆動カム128の各カム面の回動位置に応じた制御を受け
ることにより、ミラーピン138を押動して可動ミラー134
のミラーアツプ動作,該ミラーピン138の押動を継続し
てミラーアツプ状態の保持,そして該ミラーピン138の
押動を解除してミラーダウンの許容を行わせる。
142は上記ミラー駆動ギヤ126と噛合して反時計方向に
回転するシヤツタチヤージギヤであり、表面側にシヤツ
タチヤージカム144が一体的に形成されている。なお、
このシヤツタチヤージギヤ142は上記ミラー駆動ギヤ126
と1対1の伝達(減速比1.0)をするものである。ここ
において、シヤツタチヤージカム144は後述のシヤツタ
チヤージレバー146を反時計方向に駆動させる為の登り
カム面144a(第7図参照)、該レバー146の回動位置
(チヤージ状態)を保つ為の平坦カム144b(第7図参
照)及び該レバー146の時計方向への回動を許容する下
りカム面144c(第7図参照)が形成されている。
146は略L字状に形成されたシヤツタチヤージレバー
であり、中心軸146aにて回動可能に支持され、上記シヤ
ツタチヤージカム144のカムフオロアーとしての役目を
持つ。すなわち、このシヤツタチヤージレバー146は一
端部に支持されたコロ146bが、上記シヤツタチヤージカ
ム144の登りカム面144aと当接することにより反時計方
向への回動駆動を受け、平坦カム面144bと当接すること
により反時計方向への回動状態を保ち、そして下りカム
面144cの位相に該コロ146bが到達することにより、時計
方向への回動が許容される。そして、このシヤツタチヤ
ージレバー146の作動端に支持されたコロ146cは、上述
のシヤツタチヤージカム144の各カム面の回動位置に応
じた制御を受けることにより、シヤツタユニツトにおけ
るチヤージの為のレバーの一端を押動して、シヤツタの
チヤージ動作,該チヤージの為のレバーの押動を継続し
てチヤージ動作の保持(この時、同時にシヤツタ先羽根
群,後羽根群両方の走行準備位置でのメカ的保持を行わ
せることができる。なお、シヤツタユニツト単体はすで
に実願昭61−39629号(実開昭62−151528号)として出
願してあるので詳細な説明は省略する。)、該チヤージ
の為のレバーの押動を解除して復帰(シヤツタ先羽根
群,後羽根群両方の走行準備位置でのメカ的保持を解除
して、以後、制御用電磁石の通電制御によってシヤツタ
走行を可能とできる)を行わせる。
なお、第7図(b)及び第7図(c)の両方を比較参
照すると容易に理解されるように、上記ミラー駆動カム
128による上記ミラー駆動レバー132のミラーアツプ駆動
位相と、上記シヤツタチヤージカム144による上記シヤ
ツタチヤージレバー146のチヤージ駆動位相とは完全に
ずらして設定してある。すなわち、第7図(c)に示す
ように、シヤツタチヤージカム144にてシヤツタチヤー
ジレバー146がチヤージ駆動されている時には、ミラー
駆動カム128はミラー駆動レバー132を押動せず、可動ミ
ラー134はミラーダウン状態となる。又、第7図(b)
に示すように、ミラー駆動カム128にてミラー駆動レバ
ー132を押動して可動ミラー134をミラーアツプ状態とし
た時には、シヤツタチヤージカム144はシヤツタチヤー
ジレバー146をチヤージ解除として、シヤツタ先羽根
群,後羽根群の走行準備位置でのメカ的保持(緊定)を
解除する。
次に、シヤツタチヤージ,ミラーアツプの位相を電気
的に検出する機構について第8図を含めて説明する。
上記ミラー駆動ギヤ126の裏面側のブラシ130が摺動で
きる位置には信号基板160(第2図では図が複雑となる
為省略した)が配置されている。この信号基板160上に
は3本の位置検知用のパターン、すなわちグランドパタ
ーン161,動作終了検知パターン162及びオーバーラン検
知パターン163が蒸着等により形成されている。この各
パターン161〜163と、上記ミラー駆動ギヤ126の裏面に
固定されたブラシ130との関係を第8図(a),(b)
を用いて説明する。
ここで、このブラシ130の摺動部130aは、くし歯状に
分割され、信号基板160上の各パターン161〜163との接
触の安全性を高めている。なお、この摺動部130aにおけ
る実際の摺動位置、すなわち接触ポイントはブラシ先端
より若干内側の線上130b位置である。
第8図(a)は上記第7図(c)と対応するシヤツタ
チヤージ完了を検出している位相を示しており、ブラシ
130はミラー駆動ギヤ126の時計方向の回転に応じて矢印
に示すように時計方向に回動して、第8図(a)の状態
にて摺動部130aがグランドパターン161と動作終了検知
パターン162との両方と接触し、該検知パターン162のコ
ネクタ部(ランド部)162aの電位がグランドレベルに変
化することによりシヤツタチヤージ完了を検知する。こ
の検知についてもう少し詳しく説明すると、グランドパ
ターン161のコネクタ部(ランド部)161aにはグランド
レベル信号が供給され、一方、動作終了検知パターン16
2のコネクタ部162aの出力は該カメラ制御回路に供給さ
れている。そして、ブラシ130が第8図(a)の状態の
手前の位置(ブラシ130を第8図(a)の位置より反時
計方向に回動させた位置に置き換えることにより理解が
可能)にあるときは、ブラシ130の摺動部130aはグラン
ド検知パターン161とのみ接触しており、まだこの検知
パターン162はグランドレベルに変化していない。そし
て、ここからミラー駆動ギヤ126が更に時計方向に回転
し、同時にブラシ130も時計方向に回動して、第8図
(a)の位置まで到達すると、ブラシ130(導電材)が
動作終了検知パターン162にも接触するようになって、
上記動作終了検知パターン162の電位が該ブラシ130を介
してグランドレベルに変化し、カメラ制御回路はシヤツ
タチヤージ完了状態を検知して、上記モータM1の回転駆
動を停止制御する。
一方、第8図(b)は上記第7図(b)と対応するミ
ラーアツプ完了を検出している位相を示しており、ブラ
シ130はミラー駆動ギヤ126の同じく時計方向の回転に応
じて矢印に示すように第8図(a)の状態から時計方向
に回動して、第8図(b)の状態にて摺動部130aがグラ
ンドパターン161と動作終了検知パターン162の両方の接
触から該検知パターン162の非接触に切換り、該検知パ
ターン162のコネクタ部(ランド部)162aの電位がグラ
ンドレベルから初期レベル(通常Hレベル)に変化する
ことによりミラーアツプ完了を検知する。この検知につ
いても更に詳説すると、ブラシ130が第8図(b)に状
態の手前の位置(ブラシ130を第8図(b)の位置より
反時計方向に回動させた位置に置き換えることにより理
解が可能)にあるときには、ブラシ130の摺動部130aは
グランドパターン161と動作終了検知パターン162の両方
と接触しており、まだ該動作終了検知パターン162のコ
ネクタ部162aの出力は、カメラ制御回路に対してグラン
ドレベル信号を供給している。そして、ここからミラー
駆動ギヤ126が更に時計方向に回転し、同時にブラシ130
も時計方向に回動して、第8図(b)の位置まで到達す
ると、ブラシ130が動作終了検知パターン162と非接触状
態に移行して、上記動作終了検知パターン162の電位が
グランドレベルから初期レベルに変化し、カメラ制御回
路はミラーアツプ完了状態を検知して、上記モータM1の
回転駆動を停止制御する。
次に上述したフイルム巻上げ,巻戻し及びミラー駆動
・チヤージの各機構の切換え機構について第2図と第7
図を中心にして説明する。
170は伝達制限機構を構成する伝達制限部材としての
切換レバーであり、図においては2点鎖線で示してある
(図の複雑化を避ける為)。この切換レバー170は中心
軸170aを中心として揺動可能に支持され、上端部に第1
規制突部170b,下端部に第2規制突部170cが形成されて
いる。172はバネであり、上記切換レバー170を時計方向
に揺動付勢する。174は上記切換レバー170上に揺動可能
に支持された緊定レバーであり、一端にラツチ爪174a
が、他端に突出部174bが形成されている。176は上記緊
定レバー174を反時計方向に回動付勢するバネであり、
一端が切換レバー170に係止され、他端が緊定レバー174
上に係止されている。なお、この緊定レバー174のラツ
チ爪174aは初期状態(第2図,第7図(a)参照)では
切換レバー170上に形成された緊定突起170dに係止さ
れ、バネ176の付勢力を受けて該係止は継続される。一
方、緊定レバー174の突出部174bは上記ミラー駆動レバ
ー132に形成された押動突部132cの移動軌跡内に位置し
ており、第7図(b)に示すようにミラーアツプ駆動の
為に該ミラー駆動レバー132が反時計方向に揺動する
と、該突出部174bは該押動突部132cに押動されて該緊定
レバー174は時計方向に揺動して緊定を解除する。その
状態では切換レバー170はバネ172により第7図(b)に
示す位置まで若干角度時計方向に揺動する。
178は揺動可能に支持されたリセツトレバー(第2
図,第9図参照)であり、一端に突出部178aが、他端に
押動突部178bが形成されている。このリセツトレバー17
8は強いバネ180により時計方向に揺動付勢されている。
なお、この強いバネ180は、上記切換レバー170を揺動付
勢する為のバネ172より強いバネ力に設定されている。
したがって、このリセツトレバー178は背蓋70の閉成時
には押動突部70dにより突出部178aが押されて第2図及
び第9図(a)の状態に保持され、上記切換レバー170
の時計方向の揺動が許容される。しかしながら、背蓋70
の開成により押動が解除されると、リセツトレバー178
は反時計方向に揺動して、この時にはすでにバネ172に
より時計方向に揺動している切換レバー170をバネ172に
抗して反時計方向に揺動させて第2図に示す初期状態に
復帰させる。なお、この切換レバー170の初期状態への
復帰の際に緊定レバー174は、該レバー174上に形成され
たピン174cが切換レバー170の裏面側に形成されたカム
面を有するガイド突起170eにガイドされることにより、
ラツチ爪174aが緊定突起170dに係止されるように誘導さ
れることになる。この後には背蓋70を閉成してリセツト
レバー178をふたたび揺動させたとしても、切換レバー1
70は初期位置に保持される。
この切換レバー170の役目について第9図及び第10図
を含めて説明する。
切換レバー170が第2図及び第7図(a)に示した初
期位置にあるときには、上端部の第1規制突部170bは遊
星ギヤ106と巻戻しギヤ110との間に入り込み(第9図
(a)参照)、又、下端部の第2規制部170cは遊星ギヤ
28と伝達ギヤ32の間から離間している(第10図(a)参
照)。したがって、この状態ではモータM1の時計方向回
転によって、遊星ギヤ28は伝達ギヤ32と噛合する方向の
公転が許容されてフイルム巻上げが行われるが、遊星ギ
ヤ106は巻戻しギヤ110と噛合する方向の公転が上記第1
規制部170bによって禁止(遊星ギヤ106の中心軸106aが
第1規制部170bと公転途中で当接)されることによって
フイルム巻戻しが禁止される。ただし、モータM1の反時
計方向回転では上記第1規制部170bには影響されずに、
遊星ギヤ106は伝達ギヤ120と噛合する方向の公転が行
え、それによってミラー駆動・チヤージ駆動が行われ
る。
一方、切換レバー170が第7図(b),(c)に示し
たように時計方向に揺動した場合には、上端部の第1規
制突部170bは遊星ギヤ106と巻戻しギヤ110の間から離間
(第9図(b),(c)参照)し、又、下端部の第2規
制部170cは遊星ギヤ28と伝達ギヤ32との間に入り込む
(第10図(b),(c)参照)。したがって、この状態
ではモータM1の時計方向回転によって、遊星ギヤ106は
巻戻しギヤ110と噛合する方向の公転が許容されてフイ
ルム巻戻しが行われるが、遊星ギヤ28は伝達ギヤ32と噛
合する方向の公転が上記第2規制部170cによって禁止
(遊星ギヤ28の中心軸28aが第2規制部170cと公転途中
で当接)されることによってフイルム巻上げが禁止され
る。なお、この状態においてもモータM1の反時計方向回
転による遊星ギヤ106と伝達ギヤ120との公転による噛合
は行える。
次に第11図によりカメラ制御回路を説明する。
図においてCPUはマイクロコンピユータ,BATは電池で
ある。SW1はレリーズボタン2(第1図参照)の第1ス
トローク押圧によりONする電源スイツチであり、この電
源スイツチSW1のONによりダイオードDSW1及び抵抗R2
介してトランジスタTRBATをONし、各回路への電源供給
が開始される。又、電源スイツチSW1の出力はマイクロ
コンピユータCPUの入力ポートSW1に供給されている。後
述する背蓋スイツチSWBPのON(閉成)に伴なうワンシヨ
ツト回路OSの一定時間動作によってもダイオードDOS
び抵抗R2を介してトランジスタTRBATはONする。この背
蓋閉成に伴なうトランジスタTRBATのオンは、カメラに
フイルムを装填して背蓋70を閉成した際に、フイルムロ
ーデイング並びにフイルムをあらかじめ全駒分巻取る、
いわゆる予備巻上げ方式の制御を行う為にマイクロコン
ピユータCPUに電源供給を行うことを目的としている。
なお、トランジスタTRBATは、マイクロコンピユータCPU
が動作状態になつて出力ポートVONがHとなっていれ
ば、インバータI1及び抵抗R2を介してON状態に保持され
る。
図において、REGはレギユレータであり、トランジス
タTRBATのコレクタ出力と接続されていて各回路に安定
した一定電圧Vccを供給する(図において一定電圧Vccは
マイクロコンピユータCPUの入力ポートVcc及び測光演算
を行うアナログ回路METに供給している。)METは測光演
算を行うアナログ回路であり、測光センサSPCにより求
めた被写体輝度情報(BV)と、プリセツト絞り値情報
(AV)に対応した抵抗RAVとをBV−AVの演算を行い、出
力BV1outとしてマイクロコンピユータCPUのAD変換入力
としての入力ポートADIN1に情報入力するように構成さ
れている。RISOはフイルム感度情報SVに対応した抵抗で
あり、マイクロコンピユータCPUの入力ポートADIN2に情
報入力している。なお、VBATは電池BATの電池電圧であ
り、マイクロコンピユータCPUの入力ホートADIN3及び後
述のトランジスタブリツジ回路MDに供給されている。
SWPTINはフイルム装填検出スイツチであり、例えばカ
メラのパトローネ室に配設されたリーフバネより成り、
フイルムのパトローネをパトローネ室に装填された際に
該リーフバネが押されてスイツチがONしてフイルム装填
を検出できるように構成され、このスイツチの出力はマ
イクロコンピユータCPUの入力ポートPTINに供給されて
いる。
SWBPは背蓋スイツチであり、背蓋70(第2図参照)の
閉成にてON,開成にてOFFとなり、マイクロコンピユータ
CPUの入力ポートBP及びワンシヨツト回路OSに出力を供
給している。
SWCMSPは信号基板160(第8図参照)におけるブラシ1
30と動作終了検知パターン162との摺動に伴なうスイツ
チを意味しており、出力がLからHに変化した時点がミ
ラーアツプ(シヤツタチヤージ解除)位相であり、Hか
らLに変化した時点がミラーダウン(シヤツタチヤー
ジ)位相であって、この出力はマイクロコンピユータCP
Uの入力ポートCMSPに供給されている。
SWFLSP及びSWFLDYは検出ギヤ84(第2図及び第4図参
照)の回転を検出するスイツチを意味しており、スイツ
チSWFLSPは検出基板94(第5図参照)の端子95の出力と
対応するスイツチ出力をマイクロコンピユータCPUの入
力ポートFLSPに供給し、又、スイツチSWFLDYは端子97の
出力と対応するスイツチ出力を入力ポートFLDYに供給す
る。
SW2はレリーズボタン2の第2ストローク押圧時にON
するレリーズスイツチであり、その出力を入力ポートSW
2に供給している。
LEDは警告用発光ダイオードであり、フアインダーの
視野近傍もしくはカメラの外装に配設されており、抵抗
RBCを介してマイクロコンピユータCPUの出力ポートLED
と接続されている。
MDは公知のトランジスタブリツジ回路であり、モータ
M1(第2図参照)をマイクロコンピユータCPUの指示ど
おりに制御するものであって出力ポートPM0,PM1と接続
されている。
MG1はシヤツタ先羽根群用マグネツトであり、通電に
よりシヤツタ先羽根群の走行を開始させるように構成さ
れており、具体的にはマイクロコンピユータCPUの出力
ポートPS0をHとすることによい抵抗RMG1を介してトラ
ンジスタTRMG1をONさせてマグネツトMG1の通電が行われ
る。又、MG2はシヤツタ後羽根群用マグネツトであり、
通電によりシヤツタ後羽根群の走行を開始させるように
構成されており、具体的には出力ポートPS1をHとする
ことにより抵抗RMG2を介してトランジスタTRMG2をONさ
せてマグネツトMG2の通電が行われる。
DATEは公知のデート写し込み装置であり、日付や曜日
等のデータを背蓋70側からフイルム面に写し込むもので
あり、この写し込み動作はマイクロコンピユータCPUの
出力ポートDTONがHとなることによって行われる。
なお、図においてGNDはグラントを意味している。
次にカメラ制御回路の動作を第12図及び第13図のフロ
ーチヤートに基づき説明する。
(予備巻上げ) [ステツプ1] マイクロコンピユータCPUが電源供給を受けると、先
頭番地STARTよりプログラムは実行される。
[ステツプ2] 出力ポートVONをHとして(VON=1)、トランジスタ
TRBATのONを継続させて電源保持制御を行う。
[ステツプ3] カメラにフイルムが装填されているか否かをフイルム
装填検出スイツチSWPTINの出力によって判断し、フイル
ムが装填されていればステツプ4へ、未装填の場合には
ステツプ5へ進む。
[ステツプ4] 背蓋70が閉成されているか否かを背蓋スイツチSWBPの
出力によって判断し、閉成している場合にはステツプ7
へ、開成している場合にはステツプ50のRELEASAルーチ
ンへ進む。
[ステツプ5] ステツプ4と同様に背蓋スイツチSWBPを検知し、背蓋
70が閉成している場合にはステツプ6へ、開成している
場合にはステツプ50のRELEASAルーチンへ進む。
[ステツプ6] マイクロコンピユータCPUにはEEPROM(不揮発性メモ
リー)が内蔵されており、そのEEPROM内の1ビツトをEF
Pフラツグとして使用し、このフラツグに1を立てる。
後述のシーケンスで詳細に述べるが、このEFPフラツグ
は背蓋70を閉成した際に予備巻上げを実行するか否かを
決定するための判断フラツグとして用いられる。
なお、EFPフラツグに1を立てた後はステツプ50のREL
EASEルーチンへ進む。
[ステツプ7] 上述したEFPフラツグに1が立っていれば(EFP=1)
ステツプ8へ、初期状態(EFP=0)であればステツプ5
0のRELEASEルーチンへ進む。
[ステツプ8] 入力ポートADIN3(AD変換入力)のアナログ入力に基
づき電池BATの電圧VBATをチエツクする。マイクロコン
ピユータCPU内のAD変換器によって電圧VBATはAD変換さ
れ、所定の電圧以下であった際にはカメラが誤動作する
可能性がある為ステツプ9へ進み、所定の電圧を超えて
おり能力に問題のない場合はステツプ10へ進む。
[ステツプ9] 出力ポートLEDをHとして警告用発光ダイオードLEDを
点灯させて、電池電圧VBATが低下してカメラを動作させ
ることができないことを表示する。なお、この命令の中
には一定時間後、再度出力ポートLEDをLとして、該発
光ダイオードLEDを自動的に消灯させる機能も含まれ
る。そして、ステツプ47のSTOPルーチンへ進む。
[ステツプ47] 全てのシーケンスの最後には必ずこのルーチンを通る
ようにしてある。
出力ポートVONをL(VON=0)にし、それによりトラ
ンジスタTRBATをOFFにし更にレギユレータREGも不動作
として回路系電源をOFFにする。
又、時間待ちをする。通常ではマイクロコンピユータ
CPUがこの時間待ちを介している間に電源VccがOFFされ
る。
なお、この時間待ちが終了しても電源Vccが存在して
いる場合がある。それはトランジスタTRBATが出力ポー
トVONの出力以外の要因でONしている時であり、具体的
には電源スイツチSW1のONや、背蓋スイツチSWBPのONに
よりワンシヨツト回路OSが動作している時である。この
ような状態ではスタート番地としてのステツプ1に戻っ
て新たなシーケンスを実行する。
[ステツプ10] フイルムが装填され、背蓋が閉成され、EFPフラツグ
が1であり、更には電池電圧VBATが動作上問題のないレ
ベルにある時には、フイルムの予備巻上げを行う。
すなわち、モータM1を正転(第2図における時計方向
回転)させることにより駆動スプロケツト58及びスプー
ル52を駆動し、最初にフイルムのリーダー部をスプール
52にローデイングし、その後フイルムを全駒分巻取って
しまう予備巻上げ制御を行う。
ここで、マイクロコンピユータCPUによるモータM1の
動作制御は以下の表のように行う。
又、タイマTMRを初期リセツト(TMR=0)する。この
タイプTMRとはフイルムが正確ローデイングできない状
態や、フイルムの全駒分の予備巻上げが完了して突張り
状態となっていることを検知する為のものであり、すな
わち両状態の際にはフイルムが移動しないことになり、
このタイマTMRにより設定された時間内に所定量フイル
ムが移動していない場合に前記両状態と判断できる。
又、後述の電池電圧チエツク用のレジスタVR,VNRを初
期リセツト(VR=0,VNR=0)する。
又、マイクロコンピユータCPU内のEEPROM(不揮発性
メモリー)のレジスタECOUNTを初期リセツト(ECOUNT
0)する。なお、レジスタECOUNTは電気的フイルムカウ
ンターとして用いる。
[ステツプ11] 予備巻上げの途中で背蓋70が開成されたか否かを判断
するために、背蓋スイツチSWBPの状態を見る。背蓋開成
の場合はステツプ12へ、閉成されたままであった場合は
ステツプ13へ進む。
[ステツプ12] 予備巻上げの途中で背蓋70が開成された場合には、モ
ータM1を停止させて予備巻上げを中止してステツプ47の
STOPルーチンへ進む。なお、再度背蓋70を閉成すると、
EFPフラツグはリセツトされずまだ1が立っている為、
ステツプ1のSTARTからプログラムは進行してステツプ1
0の予備巻上げ動作を再び実行する。ただし、レジスタE
COUNTは0にリセツトされる為、後述するステツプ50のR
ELEASAルーチンの際での現状まで行った予備巻上げ区間
のフイルム領域への撮影は自動的に禁止できる。
[ステツプ13] フイルムが予備巻上げによって移動しているか否か
を、マイクロコンピユータCPUの入力ポートFLSPの状態
を見る。入力ポートFLSPへの供給信号に変化があればス
テツプ14へ、変化がなければステツプ22へ進む。
[ステツプ14] 入力ポートFLSPへの供給信号に変化があることからフ
イルムは移動しているので、フイルム停止検出用のタイ
マTMRを初期リセツトする(TMR=0)。
[ステツプ15] 電池電圧検出用の入力ポートADIN3のアナログ電圧
を、マイクロコンピユータCPU内のAD変換器によってデ
ジタル変換した値ADIN3に対して、レジスタVRの内容を
加算して再びレジスタVRにストアする(VR=VR+A
DIN3)。レジストVRはステツプ10によって初期リセツト
されているので、ここではステツプ13によって入力ポー
トFLSPの供給信号が変化する毎に電圧値が加算され、そ
の結果再びレジスタVRにストアされることになる。
又、レジスタVNRの内容を1インクリメントする(INC
VNR)。なお、後述するレジスタVRに加算される電圧値
の加算回数がレジスタVNRに表わされる。
[ステツプ16] 入力ポートFLDYの状態を見る。入力ポートFLDYにHレ
ベルの信号が供給されている際、すなわちブラシ85のブ
レーキ制御区間、デユーテイ制御区間以外の時にはステ
ツプ11へ戻り、一方、入力ポートFLDYにLレベルの信号
が供給されている際、すなわちブレーキ制御区間、デユ
ーテイ制御区間の時はステツプ17に進む。
尚、第6図に示したタイムチヤートにおいては、予備
巻上げ動作中は時間方向が右から左への方向となる。
[ステツプ17] 入力ポートFLSPへの供給信号がHかLかを見て、Hレ
ベルの時にはステツプ18へ、Lレベルの時にはステツプ
19へ進む。
今、第6図のタイムチヤートを基に説明すると、予備
巻上げ動作は右側から左側に時間とともに信号が変化し
ており、仮にブレーキ制御区間の右側に動作状態が至っ
た場合ではステツプ13,14,15,16,19とフローは進むこと
になる。
[ステツプ18] ブラシ85がブレーキ制御区間からデユーテイ制御区間
に入った時に入力ポートFLSPへの供給信号はLレベルか
らHレベルに変化し、この状態にて電気的フイルムカウ
ンターとしてのレジスタECOUNTを1インクリメントし、
次にステツプ11へ戻る。このことは、予備巻上げ動作中
にブラシ85がブレーキ制御区間からデユーテイ制御区間
に移る時点でレジスタECOUNTを1インクリメントして、
フイルム駒数を機械式カウンター(カウンターギヤ88)
とは独立して計数することになる。
[ステツプ19] ステツプ15での電圧の平均値を求める(V=VR÷VN
R)。
これはブラシ85がブレーキ制御区間に入った時点で、
それまでに入力ポートFLSPへの供給信号が変化する毎に
演算(VR=VR+ADIN3)して求めた電源電圧を平均し
て、電池電圧VBATが使用不可となってしまった時には以
後のステツプでモータM1の駆動を中止する。
なお、ステツプ19における平均化する目的は、モータ
M1の駆動中における電源ノイズをキヤンセルすることに
ある。
[ステツプ20] ステツプ19にて求める電圧Vが所定値Mより高いか否
かを見る。電圧Vが所定値Mより高い電圧であり、カメ
ラ動作に問題がない場合にはステツプ11へ戻り、一方、
所定値M以下の電圧であり、電池BATが使用不可と判断
した場合にはステツプ21へ進む。
なお、予備巻上げの最初の時点では、電源ノイズの影
響が大きくなるが、レジスタVNRが所定時以上でない場
合は自動的にステツプ11へ戻るようにしてあるので問題
は生じない。
[ステツプ21] モータMを停止させて予備巻上げ動作を中止し、警告
用発光ダイオードLEDを点灯させ、その後にSTOPルーチ
ンへ進む。なお、この場合、再度電源を立上げた場合、
あるいは電池BATを新しいものに交換した場合には、EEP
ROMの内容は記憶された状態が続いているので、再度予
備巻上げ動作を行う。
[ステツプ22] ステツプ13にて入力ポートFLSPへの供給信号に変化が
ない場合には、タイマTMRの状態を見て、まだ所定値K
に到達していない際にはステツプ11へ戻ってステツプ1
1,13,22のルーチンを繰返し、一方、所定値Kを計数し
ても該供給信号に変化がない場合にはステツプ23へ進
む。
[ステツプ23] 値として「3」を判別値として、電気的フイルムカウ
ンターとしてのレジスタECOUNTの値が3より大きい時は
正常と判断してステツプ24へ進み、3以下の時はスプー
ル52へのローデイング失敗としてステツプ12へ進んでモ
ータM1を停止させる。
予備巻上げ動作によってフイルムがスプール52へロー
デイングされると、フイルム全駒分の巻上げが行え、そ
の状態にてフイルムは突張り、ステツプ22ではステツプ
23へ分岐するルーチンへと進む。ただしフイルムの装填
の仕方が悪く、予備巻上げの初期におけるフイルムのス
プール52へのローデイングが行えなかった場合でもフイ
ルムは移動しないので、上述の突張りの際と同様にステ
ツプ22からステツプ23へ分岐するルーチンを進むことに
なる。ステツプ23はどういう状態でフイルムが移動しな
いのかを判別することを目的とするステツプである。す
なわち、レジスタECOUNTが3より大きい場合は突張りに
よりフイルムが移動できなくなった(正常)と判断し、
該レジスタECOUNTが3以下の場合にはフイルムのスプー
ル52へのローデイングが行えないでフイルムが移動しな
い(異常)と判別している。
なお、ローデイングが行えないことによりステツプ12
へ進んでモータM1が停止した際には、撮影者は機械的な
フイルムカウンター(カウンターギヤ88)により異常状
態が判断でき、再度フイルムを装填することができる。
[ステツプ24] 予備巻上げを実行するか否かを決定するための判断フ
ラグとして用いるEFPフラツグをリセツトする(EFP=
0)。したがって、次のシーケンスではステツプ7にお
いてステツプ50へ分岐し、上述した予備巻上げのルーチ
ンには移行しない。
[ステツプ25] 予備巻上げが正常に行われたのでモータM1を停止させ
て予備巻上げ動作を終了する。
[ステツプ26] 機械的フイルムカウンターとしてのカウンターギヤ88
と電気的フイルムカウンターとしてのレジスタE
COUNTは、ブラシ85のブレーキ制御区間とデユーテイ制
御区間との切換りポイントで加算もしくは減算するよう
に両者の位相を合わせてある。
ここで、予備巻上げ動作の終了時点(フイルム突張
り)でブラシ85がブレーキ制御区間からデユーテイ制御
区間に少し移行している状態を考えてみる。この場合、
最終的に機械的及び電気的カウンターは各々、上記切換
りポイントで1加算される。しかしながら、モータM1の
駆動(通電)を停止した段階でフイルムが張力で若干パ
トローネ側に戻り、従動スプロケツト80を巻戻し方向に
若干角回転させる場合がある。この時、ブラシ85の位置
がブレーキ制御区間に戻ってしまうと、機械的カウンタ
ーとしてのカウンターギヤ88は1駒分巻戻し方向に間欠
送り(1減算)されるが、電気的カウンターとしてのレ
ジスタECOUNTは見過してしまい、両者の間で1カウント
誤差を生じることになる。その結果、以後フイルムを巻
戻しながら撮影していくと、本来撮影できないはずの
駒、すなわち予備巻上げにおいての感光部分にまで撮影
を実行してしまうことになる。
したがって、ステツプ26〜30は予備巻上げの最終にお
いてレジスタECOUNTの値をカウンターギヤ88に合わせる
ことによって、上記問題を未然に解決することを目的と
するルーチンである。
ステツプ26では入力ポートFLDYへの供給信号を判別
し、Lの場合はステツプ27へ、Hの場合はステツプ31へ
進む。
[ステツプ27] 入力ポートFLSPへの供給信号を判別し、Hの場合はス
テツプ28へ、Lの場合はステツプ31へ進む。
[ステツプ28] 時間待ちである。フイルム張力によってフイルムがパ
トローネ方向に戻る為に要する充分な時間が設定されて
いる。
[ステツプ29] ステツプ28での時間待ちをした後に、再度入力ポート
FLSPへの供給信号の状態を見る。ここで、入力ポートFL
SPへの供給信号がHのままで変化がない場合はステツプ
31へ進み、Lに変化して上述の現象(フイルム張力によ
り機械的カウンターが1駒分巻戻し方向に回転してしま
った)になったことが判別された場合にはステツプ30へ
進む。
[ステツプ30] 電気的フイルムカウンターとしてのレジスタECOUNT
値をデクリメント、すなわち1減算して、機械的フイル
ムカウンターと電気的フイルムカウンターとを合わせ
る。
[ステツプ31] モータM1を逆転させる。モータM1が逆転(第2図にお
ける反時計方向回転)することによって、遊星ギヤ106
をミラー駆動・チヤージ駆動系の伝達ギヤ120と噛合さ
せてミラー駆動ギヤ126及びシヤツタチヤージギヤ142を
回転させて、緊定レバー170による初期位置保持を解除
して切換レバー170を揺動させる(第7図(c)への移
行。)これにより、以後モータM1が再び正転した際には
出力はフイルム巻戻し系にのみ伝達されることになる。
[ステツプ32] 入力ポートCMSPへの供給信号の状態を見て、初期状態
のLレベルからHレベルに変化した時点でステツプ33へ
進む。
[ステツプ33] さらにモータM1が逆転を続けることによって、入力ポ
ートCMSPへの供給信号が再びLレベルに変化した時点で
ステツプ34へ進む。
[ステツプ34] モータM1を一旦停止させる。ステツプ32,33はモータM
1の逆転に伴なう空チヤージの終了を検知する為のステ
ツプであり、入力ポートCMSPへの供給信号がLレベルか
らHレベルに切換った位相とはミラーアツプ・シヤツタ
チヤージ解除を表わし、HレベルからLレベルに切換っ
た位相とは、ミラーダウン・シヤツタチヤージを表わ
す。したがって、ステツプ32及び39を経てステツプ34へ
至った時点では1回の空チヤージが行われたことにな
る。
次に、モータM1を再び正転させる。ただし、この時は
切換レバー170の揺動により、モータM1の出力はフイル
ム巻戻系に伝達される。すなわち、遊星ギヤ106が巻戻
しギヤ110と噛合い、モータM1により該巻戻しギヤ110が
駆動される。
[ステツプ35] レジスタPCOUNTの内容を初期リセツトする(PCOUNT
0)。
[ステツプ36] フイルム巻戻しの初期においてブラシ85がどの位置に
あるかを見る為に入力ポートFLSPへの供給信号の状態を
判別し、ブレーキ制御区間にある場合Lとなりステツプ
40へ、それ以外の区間にある(例えばデユーテイ制御区
間)場合Hとなりステツプ37へ進む。
[ステツプ37] ブラシ85がどの位置にあるかを入力ポートFLDYへの供
給信号でも判別し、Hの際(ブラシ85がブレーキ及びデ
ユーテイ制御区間以外の状態)にはステツプ40へ進み、
Lの際(ステツプ36の判別と合わせてブラシ85がデユー
テイ制御区間にあることが判別される)にはステツプ38
へ進む。
[ステツプ38] フイルム巻戻しの初期においてブラシ85がデユーテイ
制御区間に位置していることが判別された為、電気的フ
イルムカウンターとしてのレジスタECOUNTの値を1デク
リメントする。
なお、第6図のタイムチヤートはフイルム巻戻し動作
の際には左側から右側へ時間は進行する。
[ステツプ39] 入力ポートFLDYへの供給信号がHとなる(デユーテイ
及びブレーキ制御区間以外にブラシ85が位置する)まで
待ってステツプ40へ進む。
[ステツプ40] 入力ポートFLSPの状態を見て、供給信号に変化があっ
た場合にはステツプ41へ、変化していない場合にはステ
ツプ42へ進む。
[ステツプ41] 初期リセツトしておいたレジスタPCOUNTの値を1イン
クリメントして、再びステツプ40へ戻る。
[ステツプ42] 入力ポートFLDYの状態を見て、供給信号がHの場合に
はステツプ40へ戻り、Lの場合にはステツプ43へ進む。
ステツプ40〜42までは、入力ポートFLDYがHの間に入
力ポートFLSPに供給される信号(第5図に示したくし歯
状パターン94a)の数をレジスタPCOUNTにストアするこ
とを目的としている。
[ステツプ43] レジスタPCOUNTの値を所定値Mと比較し、所定値Mよ
り小さい値の場合にはステツプ35へ戻り、所定値M以上
の場合にはステツプ44へ進む。
本実施例でのルーチンでは予備巻上げの動作終了時に
はフイルムの露光駒と従動スプロケツト80の回転位置
(すなわちブラシ85の回転位置)との位相合せの為に、
フイルムを予じめ巻戻し動作させるようにしている。し
かし、その巻戻し量が少ないと、フイルムの現像処理の
段階でフイルムをフイルムパトローネから切断する際、
露光(撮影)駒にまでかかってしまう可能性が予想でき
る。このステツプ43は確実に問題が生じないだけの量、
フイルムを巻戻すことを目的としている。すなわち、フ
イルム巻戻し初期の状態からブラシ85がデユーテイ制御
区間に至るまでの量を、実際にブラシ85と摺動したくし
歯状パターン94a(第5図)の数で置換えて判断し、そ
の数が所定量Mより小さい場合は巻戻し量が少なすぎる
として、もう一駒分巻戻してから実際の撮影に入れるよ
うに設定している。
[ステツプ44] ブレーキ制御開始から実際にモータM1が停止するまで
のオーバーランを一定とする為、ブレーキ区間の手前で
モータM1をデユーテイ制御する。なお、モータのデユー
テイ制御自体は公知の為、詳細な説明は省略するが、モ
ータM1をフル通電せずに交番パルス状に通電して実効電
圧を下げて制御を与えることである。
[ステツプ45] ブラシ85がデユーテイ制御区間内を移動している間は
モータM1のデユーテイ制御を行い、ブレーキ制御区間内
に入ったことを入力ポートFLSPへの供給信号のLへの変
化にて判別した時点でステツプ46へ進む。
[ステツプ46] モータM1をブレーキ制御する。そして、レジスタE
COUNTの値を1デクリメント(1減算)する。
ここまでのルーチンにて撮影の準備が全て完了したこ
とになり、STOPルーチンへ進む。
(撮影) [ステツプ50] 予備巻上げ制御以外はRELEASEルーチンとなる。
[ステツプ51] 測光演算回路METの出力としてのBV1OUTからのアナロ
グ信号をマイクロコンピユータCPUにてAD変換したデジ
タル値ADIN1をレジスタBV1にストアする(BV1=A
DIN1)。アペツクス値でいうところのBV−AVの値がレジ
スタBV1にストアされる。
又、フイルム感度を同じくAD変換したデジタル値AD
IN2をレジスタSVにストアする(SV=ADIN2)。アペツク
ス値でのSVの値がレジスタSVにストアされる。
又、上記のレジスタBV1及びレジスタSVのストア情報
に基づいてシヤツタ秒時を得て(TV=BV1+SV)、レジ
スタTVにストアする。なお、レジスタTVの内容はアペツ
クス値のTVである。
[ステツプ52] レリーズボタン2の第2ストロークの押圧にてONする
レリーズスイツチSW2の状態判別を行い、ONしている時
のみステツプ53へ進む。
[ステツプ53] ステツプ8と同様に、電池BATの電圧VBATをチエツク
し、所定の電圧以下であった場合にはステツプ54へ進
み、所定の電圧を超えている場合にはステツプ55へ進
む。
[ステツプ54] ステツプ9と同様に、出力ポートLEDをHとして警告
用発光ダイオードLEDを点灯させて、電池電圧VBATが低
下してカメラを動作させることができないことを表示す
る。
[ステツプ55] ミラーアツプ及びシヤツタチヤージ解除を行う為にモ
ータM1を逆転させる。
[ステツプ56] 入力ポートCMSPにHの供給信号が得られるまでモータ
M1の逆転を行い、次のステツプ57に進む。なおこれによ
りミラー駆動ギヤ126及びシヤツタチヤージギヤ142は駆
動され、可動ミラー134はミラーアツプ(露光退避状
態)し、且つシヤツタはチヤージが解除されてシヤツタ
動作可能な状態になる。
[ステツプ57] ブレーキ制御を行ってモータM1を停止させる。
[ステツプ58] ステツプ51で求めたアペツクス値TVを実際のシヤツタ
秒時に変換する(実時間伸長)。
[ステツプ59] 出力ポートDTONをHとしてデート写込み装置DATEによ
るフイルム面へのデータ写込みを開始させる。
デート写込み装置自体は公知であるので詳しい図示は
省略したが、例えば白字状のLCDセグメントを複数横に
並べて背蓋側のフイルム面と対向する位置に設け、この
セグメントの透過場所を選択して日付,時間等の数字も
しくは文字情報とし、フイルム面に露光させるように構
成されている。
写込み時間用のタイマDTMRをスタートさせる。このタ
イマDTMRの内容はフイルム感度がストアされたレジスタ
SVの内容に依存した値である。ただし、レジスタSVの内
容としての値SVはアペツクス値であるので実時間に変換
された値α×2β−SV(α,βは定数)がタイマDTMRの
内容である。
又、ここで、タイマDTMRのタイマインターラプトを許
可する(ENI)。この期、タイマDTMRのタイマ時間が終
了すると、メインルーチンのプログラムとは独立にイン
ターラプトがかかり、インターラプトルーチンで、 DTON=0 出力ポートDTONをLに切換え DTMR・STOP タイマDTMRをストツプ RTN メインルーチンへ戻る を、実行することによって写込みは終了する。
[ステツプ60] 出力ポートPSOをHとして、シヤツタ先羽根群を走行
開始させる為のマグネツトMG1に通電する。これにより
シヤツタ先羽根群が走行してフイルムへの露光が開始さ
れる。
又、ステツプ58で求めたシヤツタ秒間の実時間を実際
に計数する。この時間が露光時間となる。
そして、実時間計数が終了した時点で出力ポートPS1
をHとして、シヤツタ後羽根群を走行開始させる為のマ
グネツトMG2に通電し、これによりシヤツタ後羽根群を
走行させてフイルムの露光を停止させる。
[ステツプ61] シヤツタ後羽根群の走行に要する時間を待つ。
[ステツプ62] 両出力ポートPS0,PS1をLとして、両マグネツトMG1,M
G2の通電を停止する。
[ステツプ63] ミラーダウン及びシヤツタチヤージを行う為にモータ
M1を逆転させる。
[ステツプ64] 入力ポートCMSPにLの供給信号が得られるまでモータ
M1の逆転を行い、次のステツプ65へ進む。なお、これに
より再びミラー駆動ギヤ126及びシヤツタチヤージギヤ1
42は駆動され、可動ミラー134はミラーダウン(フアイ
ンダ観察状態)し且つシヤツタはチヤージされる。
[ステツプ65] ブレーキ制御を行ってモータM1を停止させる。
又、出力ポートDTONが仮にまたHであっても(タイマ
DTMRのタイマ時間がまだ終了していない)、強制的にL
に切換えてデータ写込みを終了させる(DTON=0)。こ
れは、フイルム感度が非常に低感度になると、チヤージ
時間内に写込みが終わらない可能性がある。しかしなが
らチヤージが終了すると、次のステツプで次駒撮影の為
のフイルム巻戻しが行われる為、そのまま写込みを続行
すると写込み数字、文字が流れてしまうことになる。こ
のステツプ65では仮にチヤージが終了した時点でもまだ
写込みが続行していた際には、強制的に写込みを終了さ
せて上述の写込み数字、文字の流れを防止する。又、イ
ンターラプトをデイスエーブルして、それ以後のインタ
ーラプトを禁止する(DISI)。
[ステツプ66] フイルム装填検出スイツチSWPTINの状態を入力ポート
PTINへの供給信号によって判別し、Hレベルであるフイ
ルム未装填の場合はステツプ67へ、Lレベルであるフイ
ルム装填の場合はステツプ68へ進む。
[ステツプ67] フイルムの1駒分の巻戻しに要する標準的な時間待っ
た後STOPルーチンへ進む。この目的はフイルムが未装填
の時には実際にはフイルムの巻戻し動作をしないように
すると、ユーザーがカメラ店で連写の操作をした時に、
フイルム装填した実際の撮影時と比べて駒速が速くなり
すぎ、ユーザーに対して誤った仕様を与えてしまうこと
を防止することにある。
[ステツプ68] 次駒撮影の為にモータM1を正転させてフイルムの巻戻
しを行う。
[ステツプ69] 入力ポートFLDYへの供給信号がHとなるまで待ってか
らステツプ70へ進む。すなわち、モータ正転開始時はブ
ラシ85がブレーキ制御区間の位相であるので、まずはそ
の位相からはなれるのを待つ。
[ステツプ70] 入力ポートFLDYへの供給信号がLとなるまで待ってか
らステツプ71へ進む。すなわち、ブラシ85がデユーテイ
制御区間に入るのを待つ。
[ステツプ71] モータM1のデユーテイ制御を行う。
[ステツプ72] 入力ポートFLSPへの供給信号がLとなるまで待ってか
らステツプ73へ進む。すなわち、ブラシ85がブレーキ制
御区間に入るのを待つ。
[ステツプ73] ブラシ85がブレーキ制御区間に入ったので、電気的フ
イルムカウンターとしてのレジスタECOUNTを1減算する
(DEC ECOUNT) [ステツプ74] レジスタECOUNTの減算した際の値が「2」以外の場合
にステツプ75へ進み、値が「2」の場合にステツプ76へ
進む。すなわち、レジスタECOUNTが「2」になっている
場合は、撮影終了の制御を行うため異なるルーチンへ進
む。ここで、レジスタECOUNTが2の時には機械的フイル
ムカウンターとしてのカウンターギヤ88は「0」に示す
(カメラボデイに設けられた表示窓89からフイルム駒数
表示88cの数字「0」が対応する状態)。なお、カウン
ターギヤ88の該表示88cは予備巻上げ開始時にマーク
「E」が表示窓89と対応しており、撮影可能なフイルム
領域はこのマーク「E」より3駒先となる。レジスタE
COUNTは上記マーク「E」の時に「0」に設定されてい
るので、撮影可能なフイルム領域(駒)はECOUNT=3ま
でである。
[ステツプ75] レジスタECOUNTが「2」ではないことからフイルムに
まだ撮影可能駒が残っていることが判断できるので、モ
ータM1にブレーキをかけてフイルム巻戻しを停止させ
る。その後、STOPルーチンへ進み、次駒の撮影の妙に待
機する。
通常撮影時はこのルーチンが撮影終了を決定する。
[ステツプ76] レジスタECOUNTが「2」の為、撮影可能駒の全ての撮
影が終了したことになるので、フイルムをフイルムパト
ローネに巻取る制御を行う為、モータM1の正転を継続さ
せる。
[ステツプ77] フイルム停止検出用のタイマTMRを初期リセツトする
(TMR=0)。
[ステツプ78,79] 上記ステツプ13,22と同様に、フイルムの移動がなく
なった場合に次のステツプ80へ進む。なお、このステツ
プ78,79においてフイルムの移動がなくなったというこ
とはフイルムがフイルムパトローネ内に巻込まれた状態
を意味する。
[ステツプ80] モータM1にブレーキをかけてフイルム巻戻し動作を停
止させる。
[ステツプ81] モータM1を逆転させて空チヤージを行う。
[ステツプ82,83] 上記ステツプ32,33と同様に、ミラー駆動ギヤ126及び
シヤツタチヤージギヤ142が1回転するまでモータM1を
連続的に逆転させる。この空チヤージはフイルム巻戻し
動作によって巻戻しギヤ110と噛合している遊星ギヤ106
を逃がし、この後の切換レバー170の初期位置への揺動
を可能とすることを主目的とする。
[ステツプ84] モータM1にブレーキをかけて空チヤージ動作を終了さ
せる。そして、予備巻上げを実行するか否かを決定する
ための判断フラツグとしてのフラツグEFPに1を立て(E
FP=1)、次のフイルム装填時の予備巻上げ制御の準備
を行う。
又、電気的フイルムカウンターとしてのレジスタE
COUNTを初期リセツトする(ECOUNT=0)。
そして、ステツプ47のSTOPルーチンへ進み、制御を終
了する。
次に、メカ機構の動きを中心としたカメラ動作を説明
する。
(予備巻上げ動作) 本実施例は撮影に先だって、フイルムを全駒分巻上げ
ておき、撮影ごとにフイルムを1駒分づつ巻戻していく
予備巻上げ方式をとっている。
フイルムパトローネが装填され、背蓋70が閉成された
ことが背蓋スイツチSW3のONによって判別された時に
は、マイクロコンピユータCPUはモータM1の時計方向回
転(以後、正転と称す)させる。
モータM1の正転によって下方の出力軸側の伝達系であ
る遊星ギヤ28は公転により伝達ギヤ32と噛合し(第10図
(a)参照)、伝達ギヤ34,36を介して太陽ギヤ38を時
計方向に回転させる。そして、この太陽ギヤ38の回転に
より最初は第1遊星ギヤ40が公転によりスプール駆動用
の伝達ギヤ48と噛合すると共に、第2遊星ギヤ46が公転
によりスプロケツト駆動用の伝達ギヤ54と噛合し(第3
図(a)参照)、スプール52及び駆動スプロケツト58の
両方をフイルム巻上げ方向に回転させる。それによっ
て、フイルムFのリーダー部は最初は駆動スプロケツト
58によりスプール52方向へ送られ、パーフオレーシヨン
がスプール爪52aと噛合することによってスプール52に
巻取られていく。
なお、モータM1の上方の出力軸側の伝達系である遊星
ギヤ106は公転により巻戻いギヤ110との噛合方向へ移動
しようとするが、この状態では切換レバー170の第1規
制突部170bより阻止されて空転しているだけである(第
9図(a)参照)。
フイルムFのリーダー部がスプール52に巻取られるよ
うになると、スプール側の伝達系と駆動スプロケツト側
の伝達系との周速比が異なることから、第2遊星ギヤ46
(モータM1の駆動により回転)と伝達ギヤ54(フイルム
の移動に従動する駆動スプロケツト58により回転)との
回転数が合わなくなり、第2遊星レバー44が時計方向
(第3図において)に飛びはねる。そして、この第2遊
星レバー44は時計方向の飛びはねによるクリツク山44C
が保持レバー62のクリツク突起62bを乗り越え、上記第
2遊星ギヤ46が上記伝達ギヤ54と非噛合となった状態で
保持される(第3図(b)参照)。これにより、以後の
フイルム巻上げはスプール52のみの駆動となる。この方
式はフイルムFのオートローデイングを確実に行わせる
ことができる。すなわち、最初から単にスプール52のみ
の駆動ではフイルムリーダー部をスプール52へ確実に送
ることができず、スプール52にフイルムリーダー部が巻
付くまでは駆動スプロケツト58によってもフイルムFを
駆動することは確実なオートローデイングを行うことに
対して大きな利点を有する。
そして、フイルムリーダー部がスプール52に巻付いた
後は、駆動スプロケツト58を駆動する意味がなくなるの
で自動的にスプール52のみの駆動に切換えられる本実施
例は効率的なフイルム巻上げを可能とし効果が大きいも
のである。なお、第2遊星レバー44の上述保持はフイル
ムリーダー部がスプール52に完全に巻付いた直後に行わ
れるように、スプール52と駆動スプロケツト58の周速比
を設定しておくことが望ましい。
フイルム巻上げは以後、フイルム全駒分が巻上げられ
るまで続けられる。そして、この巻上げの状態は従動ス
プロケツト80の従動回転に基づくカウンターギヤ88の間
欠送り回転によって撮影者が確認できる。上述したよう
にこのカウンターギヤ88にはフイルム駒数表示88cが付
されており、カメラボデイに設けられた表示部89(第2
図にて領域を2点鎖線にて囲った)から該表示88cに係
る数字の変化を見ることによりフイルムFの巻上げが実
行されていることが理解できる。
フイルムFが全駒分巻上げられて突張ると従動スプロ
ケツト80に連動する検出ギヤ84の回転が停止し、それに
よって検出基板94からマイクロコンピユータCPUへ送ら
れ続けていたフイルム移動を表わす信号(第6図参照)
が出力しなくなり、フイルムFの巻上げ完了を検知し、
モータM1の回転は停止する。
次にモータM1を反時計方向回転(以後、逆転と称す)
させる。モータM1の逆転により巻上げ系の遊星ギヤ28は
伝達ギヤ32と離れる方向に公転し、一方、上方の出力軸
側の伝達系である遊星ギヤ106は公転によりミラー駆動
・チヤージ駆動系の伝達ギヤ120と噛合し、ミラー駆動
ギヤ126及びシヤツタチヤージギヤ142を回転させる。こ
の回転は両ギヤ126及び142を1回転させて、可動ミラー
134を初期状態のミラーダウン→ミラーアツプ→ミラー
ダウンと駆動し、シヤツタチヤージレバー146をチヤー
ジ→チヤージ解除→チヤージと駆動して、信号基板160
(第8図参照)から次のシヤツタチヤージ完了位相とし
ての検知パターン162からのグランドレベル信号の出力
があるまで空チヤージを行われる。
このモータM1の逆転による空チヤージ動作によって、
切換レバー170は緊定レバー174による初期位置保持が解
除されて時計方向に揺動する(第7図(a)→第7図
(b)→第7図(c)への移行)。これにより、切換レ
バー170の第1規制突部170bは遊星ギヤ106と巻戻しギヤ
110との間から離れ(第9図(b)参照)、一方、第2
規制突部170cは遊星ギヤ28と伝達ギヤ32の間に入り込む
(第10図(b)参照)。したがって以後のモータM1の正
転において、遊星ギヤ106と巻戻しギヤ110との噛合が行
えるようになり、逆に遊星ギヤ28と伝達ギヤ32との噛合
が阻止されることになる。
次にモータM1を正転させる。これはフイルムFを所定
の位置、すなわち1駒ごとの巻戻しが以後正確に行える
ようにする為の割出し位置までフイルムを巻戻すことを
意味する。そして、この状態でのカウンターギヤ88のフ
イルム駒数表示88cの数字が撮影可能な駒数を表わして
いる。
ここまでで、予備巻上げ動作は完了し、以後はレリー
ズ操作がない限り、この状態で動作は保持される。
(撮影動作) レリーズボタン2(第1図参照)を押動操作して、レ
リーズスイツチSW2がオンしたことをマイクロコンピユ
ータCPUが判別するとモータM1を逆転させる。そしてミ
ラー駆動ギヤ126及びシヤツタチヤージギヤ142を回転さ
せて可動ミラー134ををミラーアツプさせると共にシヤ
ツタチヤージレバー146をチヤージ解除動作(第7図
(b)参照)させたときにモータM1を停止させる。そし
てその状態にてシヤツタ動作が為され、シヤツタ後羽根
群の走行完了に伴ない、モータM1は、更に逆転され、ふ
たたびミラー駆動ギヤ126及びシヤツタチヤージギヤ142
を回転させて、今後は可動ミラー134をミラーダウンさ
せると共に、シヤツタチヤージレバー146をチヤージ動
作(第7図(c)参照)させたときにモータM1を停止さ
せる。そして、ただちにモータM1は正転制御され、モー
タM1の上方の出力軸側の伝達系である遊星ギヤ106は公
転により巻戻しギヤ110と噛合しフイルム巻戻しが行わ
れる。なお、モータM1の正転においては下方の出力軸側
の伝達系である遊星ギヤ28も公転して伝達ギヤ32と噛合
しようとするが、この状態では切換レバー170は第7図
(c)に示すように時計方向に揺動して第2規制突部17
0cが遊星ギヤ28と伝達ギヤ32の間に入り込んでいるので
(第10図(b)参照)、両ギヤ28と32との噛合は行われ
ず。モータM1の出力は巻上げ伝達系には伝わらない。
フイルムの巻戻し動作が行われると、フイルムの動き
に従動して従動スプロケツト80が時計方向(第2図にお
いて)に回転して、検出ギヤ84も同期して回転する。そ
して、フイルムFが1駒分巻戻しされる若干前に、モー
タM1をデユーテイ制御駆動して減速し、丁度1駒分巻戻
しが行われた時に、モータM1をブレーキ制御して停止さ
せる。
この状態で次の駒の撮影の為の待機状態となり、カウ
ンターギヤ88も1ピツチ分時計方向に回動し、駒数表示
を1つ減算表示する。
以後、レリーズボタンSW2が押動操作される度に上述
の動作が繰返えされ撮影が行われる。
(巻込み動作) 撮影動作の完了時点で現状のフイルム駒数が2駒目と
なっているかを電気的フイルムカウンターにて確認し、
2駒目であればモータM1を正転制御してフイルムをパト
ローネに巻込む。ここでいう電気的フイルムカウンター
とはマイクロコンピユータCPU内に内蔵されたカウンタ
ー(レジスタECOUNT)を示し、フイルム予備巻上げ動作
の際での1駒分に相当する巻上げ毎にカウントアツプ
し、フイルム1駒巻戻し完了時点でカウントダウンす
る。そして、この電気的フイルムカウンターは巻上げ初
期での通常のオートローデイングに相当する駒数分(本
実施例では3駒分)、すなわち、フイルムリーダー部か
ら数駒分までのフイルム装填時に露光としてしまう部分
での撮影を禁止する為の情報として用いられる。そして
フイルムFの巻込み(あるいは巻込み直前)が行われて
従動スプロケツト80の回転が停止したことを検出する
と、モータM1は停止させる。
そして、次にモータM1を逆転させて空チヤージを行
い、ミラー駆動ギヤ126及びシヤツタチヤージギヤ142を
1回転(ミラーアツプ位相を通りこしてミラーダウンま
で動作させる)させたときにモータM1を停止させる。
このフイルム巻込み後の空チヤージの意味は、上記の
フイルム巻込み動作によって巻戻しギヤ110と噛合して
いる遊星ギヤ106を伝達ギヤ120側方向に公転移動させる
こと、及び遊星ギヤ28を伝達ギヤ32から引離す方向に公
転移動させることにある。すなわち、この度に生じる背
蓋7の開成(フイルム交換の為)に連動して初期位置に
復帰揺動(反時計方向)させる切換レバー170の動作時
での両遊星ギヤ28,106の位置を特定させておいて、次の
フイルム予備巻上げ動作を確実に実行できるようにする
ことである。
上述の空チヤージにより特に遊星ギヤ106は伝達ギヤ1
20側に公転移動しているので、背蓋70を開成すると第9
図(d)に示すようにリセツトレバー178はバネ180によ
り反時計方向に揺動して押動突部178bが切換レバー170
の上方を押動して反時計方向に揺通させることができる
(バネ180は切換レバー170を時計方向に揺動付勢する為
のバ172より強いバネ力にて設定されている)。この切
換レバー170の反時計方向の揺動により、緊定レバー174
が移動(ピン174cがガイド突起170eにガイドされて)し
てラツチ爪174aを緊定突起170dに係止し、切換レバー17
0の第2図,第7図(a)等に示す初期位置での復帰保
持を行う。したがって、切換レバー170の上端部での第
1規制突部170bは遊星ギヤ106と巻戻しギヤ110との間に
入り込んでモータM1の正転時での噛合を禁止し、一方、
下端部での第2規制突部170cは遊星ギヤ28と伝達ギヤ32
の間から離間して該モータM1の正転時での噛合を許容す
る。
そして、フイルムFを交換し背蓋70をふたたび閉成す
ると、リセツトレバー178は押動突部70dに押動されて時
計方向に揺動し、切換レバー170の押動は解除される。
ただし、上述のように切換レバー170は緊定レバー174が
緊定突起170dに係止されているので保持された状態を継
続できる。
又、背蓋70の開成によりフイルム巻上げ系におけるリ
セツトレバー60は押動突部70bによる押動から解除さ
れ、リセツトバネ66に押圧されて時計方向に揺動する。
したがって、第3図(c)に示すように保持レバー62も
同様に時計方向に揺動し、ピン62aが突出部44bを押して
第2遊星レバー44を時計方向に揺動させ、第2遊星ギヤ
46を伝達ギヤ54と噛合可能な初期位置に復帰させる。な
お、この後に背蓋70をふたたび閉成すると第3図(a)
の状態になるだけであり、第2遊星レバー44の位置には
変化は生じない。
又、背蓋70の開成によりフイルムカウンター機構にお
けるカウンターリセツトレバー90は押動突部70cによる
押動から解除され、バネ92により反時計方向に揺動す
る。したがって、該カウンターリセツトレバー90の押動
部90cがカウンター送り軸86をカウンターギヤ88とは逆
方向に押動して、カウンターギヤ88をフリーとして不図
示のバネ力によって初期位置(「E」が表示窓89に見え
る位置)まで時計方向に復帰させて駒数表示の初期リセ
ツトを行う。ただし、通常の撮影動作では全駒の撮影が
終了してフイルム巻込み動作にまでなった際には、カウ
ンターギヤ88はすでに上記初期位置まで間欠的に戻され
ているので、上述のバネによる復帰動作はデモンストレ
ーシヨン等によりフイルムをカメラに入れないで模擬撮
影操作をしている際にて背蓋70を途中で開成した時に行
われることになる。
なお、上述実施例における、フイルム巻上駆動機構で
はスプール52側伝達系と駆動スプロケツト58側伝達系と
に独立に第1遊星レバー42と第2遊星レバー44を共通の
太陽ギヤ38にて構成しているが、これは仮にフイルムの
全駒の撮影が終っていない巻戻し状態にて背蓋70を開成
し、ふたたび閉成してフイルム巻戻しを行わせた際での
対処である。すなわち、背蓋70の開成によって第2遊星
レバー44の係止が外れて揺動し、第2遊星ギヤ46と伝達
ギヤ54との噛合が許容される状態となるので、フイルム
巻戻しの際でのスプール52及び駆動スプロケツト58の従
動回転(巻上時とは逆回転)に伴なう両遊星ギヤ40,46
の従動回転が起きる。スプール52と駆動スプロケツト58
とは周速比が異なる(スプール52の方が大きい)が、本
実施例のようにスプール52側の伝達系にも遊星クラツチ
機構を設けた場合には第1遊星レバー42が揺動して第1
遊星ギヤ40と伝達ギヤ48との噛合が適宜に外れるので、
対処することができる。
〔発明の効果〕
1つのモータにより少なくともフイルム巻上げ機構と
例えばフイルム巻戻し機構等の他の機構を駆動するよう
にしたので、低コスト化及び省スペース化が図れた。
又、モータ出力の駆動の切換えをモータの回転の切換え
だけにより行えるようにしたので、切換動作の自動化が
図れた。
モータの同一方向の回転により実質2つの機構の駆動
を行わせたので、他方向回転により更にもう1つの機構
の駆動も可能とし、ここでのモータの同一方向回転によ
り駆動する機構はカメラシーケンス的には重なることが
ないものを選択しているので駒速等への悪影響は生じな
い。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例としての一眼レフカメラの構成配置説明
図。 第2図は第1図における各構成の斜視図。 第3図はフイルム巻上駆動機構のスプール側要部を第2
図での下方から見た動作説明図であり、第3図(a)は
予備巻上げ開始時、第3図(b)は予備巻上げ初期にて
フイルムのリーダー部がスプールに巻付いた以後の状
態、第3図(c)は背蓋を開成した状態を示している。 第4図は第2図の検出ギヤを下方から見た図。 第5図は第2図の検出基板を上方から見た図。 第6図は第5図の検出基板の各端子より得られる信号の
タイムチヤート図。 第7図はフイルム巻戻駆動機構及び、ミラーボツクス駆
動機構を側方から見た動作説明図であり、第7図(a)
は初期状態もしくは予備巻上時、第7図(b)はミラー
アツプ状態、第7図(c)はミラーボツクス駆動機構を
作動させた後のミラーダウン状態。 第8図は信号基板上でのブラシの動作説明図であり、第
8図(a)はシヤツタチヤージ完了(ミラーダウン)状
態、第8図(b)はミラーアツプ完了(シヤツタチヤー
ジ解除)状態。 第9図はフイルム巻戻駆動機構を上方から見た動作説明
図であり、第9図(a)は初期状態もしくは予備巻上
時、第9図(b)はモータ逆転によるミラーボツクス駆
動機構の作動時、第9図(c)はモータ正転によるフイ
ルム巻戻駆動機構の作動図、第9図(d)は背蓋開成
時。 第10図はフイルム巻上駆動機構のモータ側要部を下方か
ら見た動作説明図であり、第10図(a)は初期状態もし
くは予備巻上時、第10図(b)はモータ逆転によるミラ
ーボツクス駆動機構の作動時、第10図(c)はモータ正
転によるフイルム巻戻駆動機構の作動時、第10図(d)
は背蓋開成時。 第11図はカメラ制御に係る要部回路図。 第12図及び第13図はフローチヤート図。 M1……モータ、 5……フイルム巻上駆動機構、 6……フイルム巻戻駆動機構、 26〜30,104〜108……クラッチ手段、 170……伝達制限機構を構成する伝達制限部材としての
切換レバー。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータと、 前記モータの出力を駆動源とし、該モータの第1の方向
    の回転に基づきフイルムを巻上げするフイルム巻上駆動
    機構と、 前記モータの出力を駆動源とし、該モータの第1の方向
    の回転に基づきフイルムを巻戻しするフイルム巻戻駆動
    機構と、 前記モータの出力を駆動源とし、該モータの第2の方向
    の回転に基づき駆動し、該モータの前記第1の方向の回
    転時での出力伝達を制限する伝達制限機構と、 前記モータの前記第1の方向の回転に基づき出力を前記
    フイルム巻上駆動機構又は前記フイルム巻戻駆動機構に
    伝達し、前記第2の方向の回転に基づき出力を前記伝達
    制限機構に伝達するように切換えるクラッチ手段と、を
    有し、 前記伝達制限機構は初期状態では前記モータの前記第1
    の方向の回転の際に、該モータの出力を前記フイルム巻
    上駆動機構のみに伝達するように設定された伝達制限部
    材を有し、該伝達制限部材は該モータの前記第2の方向
    の回転によって駆動されることのより、以後の該モータ
    の該第1の方向の回転の際には、該モータの出力を前記
    フイルム巻戻駆動機構のみに伝達するように切り換える
    ことを特徴とするモータ駆動カメラ。
  2. 【請求項2】フイルム装填時に予じめフイルムを全駒分
    巻上げてしまい、撮影ごとにフイルムを巻戻していく予
    備巻上げ方式のモータ駆動カメラにおいて、 モータと、 前記モータの出力を駆動源とし、該モータの第1の方向
    の回転に基づきフイルムを巻上げするフイルム巻上駆動
    機構と、 前記モータの出力を駆動源とし、該モータの第2の方向
    の回転に基づき駆動し、該モータの前記第1の方向の回
    転時での出力伝達を制限する伝達制限機構と、 前記モータの前記第1の方向の回転に基づき出力を前記
    フイルム巻上駆動機構に伝達し、前記第2の方向の回転
    に基づき出力を前記伝達制限機構に伝達するように切換
    えるクラッチ手段と、を有し、 前記伝達制限機構は初期状態では前記第1の方向の回転
    の際に、前記モータの出力を前記フイルム巻上駆動機構
    に伝達するように設定された伝達制限部材を有し、該伝
    達制限部材は該モータの前記第2の方向の回転によって
    駆動されることのより、以後の該モータの該第1の方向
    の回転の際には、該モータの出力の該フイルム巻上駆動
    機構への伝達を阻止して、他の機構に伝達するように切
    り換えることを特徴とするモータ駆動カメラ。
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US07/831,101 US5274407A (en) 1988-02-08 1992-02-04 Camera

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