JPH061034Y2 - 手洗機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は手洗器内に挿入された手に向って石けん液容器
内の石けん液と手洗水を夫々吐出して手の洗浄を行なう
手洗機に関する。

〈従来の技術〉 従来、この種の手洗機として例えば実開昭62-75786号公
報に開示される如く、石けん液容器の側面上部にオーバ
ーフロー孔を開設し、該オーバーフロー孔に接続される
オーバーフロー管を垂下させてその末端を手洗器のボウ
ル部内に臨ませることにより、石けん液容器に石けん液
を注入し過ぎた時これをボウル部へ排出するものがあ
る。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかし乍ら、このような従来の手洗機では、ボウル部に
石けん液が垂れ流しとなりボウル部を清掃しない限りは
いつまでも石けん液がボウル部に付着しているため、石
けん液に含まれる成分が気化する等、特に僅かな異物の
持ち込みも嫌うＩＣや半導体等の電子工場や精密工場や
薬品工場等のクリーンルームには配備できないという問
題がある。

本考案は斯る従来事情に鑑み、オーバーフローした石け
ん液がボウル部に付着することなく直接排出することを
目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 上記問題点を解決するために本考案が講ずる技術的手段
は、石けん液容器にオーバーフロー孔を開設し、該オー
バーフロー孔に接続されるオーバーフロー管の末端を手
洗器の排水管に連結したことを特徴とするものである。

〈作用〉 本考案の作用は石けん液容器に石けん液を入れ過ぎる
と、オーバーフローした石けん液がオーバーフロー管を
介して手洗器の排水管に排出され捨てられる。

〈実施例〉 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

この実施例は第１図で示す如く、手洗器（１）を、石け
ん液吐出機構（２）及び手洗水吐出機構（３）と共にケ
ーシング（４）内に収めたものであり、更にボウル洗浄
機構（５）及び乾燥機構（６）をも該ケーシング（４）
内に備えている。

手洗器（１）は陶磁器や合成樹脂等により略する鉢状に
形成して内部にボウル部(1a)を形成すると共に、その前
面上部に手差し込み用の開口部(1b)を開設して該開口部
(1b)及びその周囲の前面壁(1c)のみをケーシング（４）
前面より露出させ、底面には排水口(1d)を開穿してこれ
に排水管(1e)を接続する。

石けん液吐出機構（２）は石けん液容器(2a)と、この容
器(2a)の下端出口に接続した石けん液供給管(2b)と、該
石けん液供給管(2b)の途中に設けた電磁ポンプや電磁弁
等の供給部(2c)と、石けん液供給管(2b)の末端にボウル
部(1a)内へ臨むように取付けた石けん液吐出ノズル(2d)
からなり、上記供給部(2c)を通電させることによって石
けん液が石けん液容器(2a)から石けん液吐出ノズル(2d)
に送され、これを該ノズル(2d)から吐出する。

図示例では上記供給部(2c)を電磁ポンプで構成し、該電
磁ポンプ(2c)は後述する感知部（７）による使用者の感
知或いは操作パネル（９）の石けん用スイッチ(9a)の押
動に基づいて作動開始信号を制御部（８）に出力するこ
とにより、所定時間例えば１〜２秒間作動させるように
なっている。

石けん液容器(2a)は合成樹脂等により箱状又は円筒状に
形成された中空体で、上記ケーシング（４）内に手洗器
（１）の上方に位置して略水平状に設けた取着プレート
(4a)の上面に載置固定し、その上面に開設した漏斗状の
注ぎ口(2a₁)を設けると共に、下面に開設した流出口(2a
₂)には石けん液供給管(2b)の一端を接続する。

また、石けん液容器(2a)の側面上部にはオーバーフロー
孔(2a₃)を開設し、このオーバーフロー孔(2a₃)にオーバ
ーフロー管(2a₄)の一端が接続され、該オーバーフロー
管(2a₄)はオーバーフロー孔(2a₃)より垂下して他端を手
洗器（１）の排水管(1e)に連結せしめる。

従って、オーバーフローした石けん液は排水管(1e)に誘
導され、これによって排出される。

一方、手洗水吐出機構（３）は給水源に連絡する手洗水
供給管(3a)と、この手洗水供給管(3a)の途中に設けた電
磁フラッシュバルブ(3b)及び加熱タンク(3c)と、手洗水
供給管(3a)の末端にボウル部(1a)内へ臨むように取付け
た手洗水吐出ノズル(3d)とからなり、上記電磁フラッシ
ュバルブ(3b)を通電させることによって加熱タンク(3c)
内に貯溜された湯が押し出され手洗水吐出ノズル(3d)か
らシャワー状に吐出される。

ボウル洗浄機構（５）は、上記ボウル部(1a)の上端周縁
部に環状に形成した通水路(1f)に給水する洗浄水供給管
(5a)と、この洗浄水供給管(5a)の途中に設けた電磁フラ
ッシュバルブ(5b)とからなり、上記フラッシュバルブ(5
b)を通電させることによって通水路(1f)の底面に多数開
穿した流水孔(1g)…からボウル部(1a)内面に洗浄水が流
れて洗浄する。

乾燥機構（６）は送風ファン(6a)の吹き出し口にエアフ
ィルタ(6b)と加熱ヒータ（図示せず）を配設した温風発
生機(6c)と、この温風発生機(6c)に接続した温風ダクト
(6d)と、該ダクト(6d)の末端にボウル部(1a)内へ臨むよ
うに取付けた温風ノズル(6e)とからなり、上記温風発生
機(6c)を通電させることによつて温風ノズル(6e)から温
風が吹き出す。

また、乾燥機構（６）が作動してボウル部(1a)内に吹き
出された温風は、ボウル部(1a)の後方に隣接して形成さ
れる排気路(1h)から排気ダクト(6f)を介して上記温風発
生機(6c)へ誘導され循環し、この循環空気中に含まれる
チリはエアフィルタ(6b)で取除かれる。

そして上述した各機構、即ち石けん液吐出機構（２），
手洗吐出機構（３），ボウル洗浄機構（５）及び乾燥機
構（６）は感知部（７）の使用者感知に基づいてその作
動を制御部（８）より電気的に制御される。

感知部（７）は例えば拡散反射型の赤外線センサにより
構成され、ボウル部(1a)上方の開口部(1b)内周面に、そ
の投射光線が開口部(1b)を横断し、手洗いのために開口
部(1b)からボウル部(1a)内に挿入される手を感知し得る
ように取付けられている。

更に、制御部（８）は上記石けん液吐出機構（２）の電
磁ポンプ(2c)，手洗水吐出機構（３）の電磁フラッシュ
バルブ(3b)，ボウル洗浄機構（５）の電磁フラッシュバ
ルブ(5b)，乾燥機構（６）の温風発生機(6c)及び感知部
（７）に夫々電気的に連絡し、感知部（７）の感知信号
に基づいて所定の信号を発生し、上記各機構を夫々自動
的に作動せしめて手洗い及び乾燥を行う。

また、手洗い及び乾燥を所望時間行うためには各機構の
作動を主動制御することが必要であり、本実施例ではそ
の主動制御を操作パネル（９）においてスイッチ操作に
より行うようにしてある。

操作パネル（９）はケーシング（４）において手洗器
（１）の上方位置に設けられ、第４図に示す如く押しボ
タンスイッチからなる石けん用スイッチ(9a)，洗浄用ス
イッチ(9b)及び乾燥用スイッチ(9c)とその入力状態を示
す発光ダイオード(9d)(9e)(9f)(9g)と、同じく押しボタ
ンスイッチからなる停止用スイッチ(9h)と、制御が自動
であるか主動であるかの表示とその実行を示す発光ダイ
オード(9i)(9j)とが設けられ、制御部（８）に電気的に
接続されている。

〈考案の効果〉 本実施例は上記の構成であるから、以下の利点を有す
る。

石けん液容器に石けん液を入れ過ぎると、オーバーフ
ローした石けん液がオーバーフロー管を介して手洗器の
排水管に排出され捨てられるので、オーバーフローした
石けん液がボウル部に付着することがない。

従って従来のもののように石けん液に含まれる成分が気
化せず、クリーンルームに配備可能となる。

ボウル部に石けん液が付着しないので、ボウル部を常
に清潔に保つことでき、外観も良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す手洗機の縦断正面図、
第２図は同縦断側面図、第３図は石けん液吐出装置の給
水系統を示す拡大断面図、第４図は主動制御用操作パネ
ルの拡大正面図である。 １…手洗器 １ｅ…排水管 ２…石けん液吐出機構 2a₃…オーバーフロー孔 2a…石けん液容器 2a₄…オーバーフロー管 ３…手洗水吐出機構

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】手洗器と、石けん液容器から石けん液を導
   いて手洗器内に吐出する石けん液吐出機構と、手洗水を
   手洗器内に吐出する手洗水吐出機構を備えた手洗機にお
   いて、前記石けん液容器にオーバーフロー孔を開設し、
   該オーバーフロー孔に接続されるオーバーフロー管の末
   端を手洗器の排水管に連結したことを特徴とする手洗
   機。