JPH0610287A - 微細繊維状セルロースの製造方法 - Google Patents

微細繊維状セルロースの製造方法

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JPH0610287A
JPH0610287A JP16581992A JP16581992A JPH0610287A JP H0610287 A JPH0610287 A JP H0610287A JP 16581992 A JP16581992 A JP 16581992A JP 16581992 A JP16581992 A JP 16581992A JP H0610287 A JPH0610287 A JP H0610287A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セルロース微粉体または粒子を原料として、
水保持力が高く、低濃度でも高い増粘性を有し、安定な
懸濁液を与える微細繊維状セルロースを効率よく製造す
る方法を提供する。 【構成】 粒径500μm以下のセルロース微粉体また
は粒子懸濁液を振動ミル粉砕装置にて湿式粉砕処理し、
剪断力、切断力、摩擦力等をセルロース粒子に作用させ
て、微細な繊維状に粉砕し、2重量%での懸濁液の粘度
が50cp以上の高い粘性を示し、0.5重量%懸濁液
の安定性が50%以上で、且つ水保持力が150%以上
の微細繊維状セルロースを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低濃度懸濁液でも高い
粘度を有し、懸濁安定性の高い懸濁液を形成することが
可能な、微細繊維セルロースの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】セルロース微粉体または粒子の微細繊維
状粉砕物は、その表面積が大きいため水との親和性が高
く、水を保持する力が強く、低濃度でも高い粘度を有
し、懸濁安定性の優れた懸濁液を形成することができる
ため、優れた保湿剤、分散剤、増粘剤として有用なもの
である。
【0003】セルロース繊維を機械的に粉砕して表面積
の大きい微小な粒子を作製することは従来からよく知ら
れており、その粗粉砕にはロールクラッシャーや粗砕カ
ッターが用いられ、またその微粉砕には高速衝撃粉砕機
として知られている回転盤ミルなどが主に使用されてい
る。
【0004】機械的粉砕により製造、市販されているセ
ルロース粉体または粒子としては、溶解パルプ製造の際
の精製工程より副生する微小繊維を原料とし、これを凝
集し、脱水後、乾燥、粗粉砕、分級して得られた主に柔
細胞からなるパルプフロックや、針葉樹パルプを機械的
に粉砕して平均粒径300μm程度にしたものが知られ
ている。
【0005】しかしながら、セルロースは有機物であっ
て柔らかいため、機械的な粉砕処理のみでは十分に微小
化させたセルロース粒子を得ることが困難であり、この
ような微小セルロース粒子を得るためには、化学的処理
と機械的処理を組み合わせた方法が一般的に使用されて
いる。
【0006】セルロース繊維の化学的処理による微小化
法としては、セルロース繊維が結晶領域と非晶領域から
なっており、非晶領域が薬品に対して易反応性であるこ
とを利用し、例えばセルロース繊維を鉱酸と反応させる
ことにより非晶領域を溶出し、結晶部主体のセルロース
粒子、いわゆる微結晶セルロースを得る方法が知られて
いる。また、この化学処理を軽度にとどめ、セルロース
繊維の機械強度を低くした後に、機械的に粉砕する方
法、すなわち、化学的処理と機械的処理とを組み合わせ
た方法も知られている(紙パルプ技術タイムス昭和60
年8月号5〜11ページ参照)。
【0007】このように製造されたセルロース微粉体ま
たは粒子の用途としては、濾過助剤、ゴム用充填剤、医
薬錠剤などの賦形剤、懸濁安定剤、増粘剤、保形剤等広
範囲、且つ様々な分野が知られている。
【0008】しかしながら、セルロース微粉体または粒
子懸濁液が示す増粘性、分散安定性、ゲル形成性等の効
果を利用して、懸濁安定剤、増粘剤、保形剤としてセル
ロース粒子を使用する場合、セルロース繊維と水との親
和性が低いため、これを高濃度または高添加率で使用す
る必要がある。
【0009】上記の欠点を改善するために、特に食品用
途向きに水溶性高分子を表面にコーティングした微結晶
セルロースが知られている(特公昭52−120717
号参照)。しかし、このような微粉末は、吸湿性が高か
ったり、水に分散させた状態では腐敗しやすかったり、
或いは粘性が加熱によって低下したりする問題がある。
【0010】また、微結晶セルロース懸濁液の均質化方
法として、微結晶セルロースを小径オリフィスを通過さ
せるに際し、その懸濁液に少なくとも200kg/cm
2 の圧力差で高速度を与え、次にこれを衝突させて急速
に減速させることにより、剪断及び切断作用を行わせる
工程と、この工程を繰り返して前記微結晶セルロースが
実質的に安定な懸濁液となるようにする工程とにより製
造された微結晶セルロース懸濁液は、非常に低い固形分
濃度でも安定な分散性と高い粘性を示すことが知られて
いる(特開昭59−120638号参照)。
【0011】しかし、前記高圧均質化装置による方法で
は繊維状セルロース懸濁液に高圧をかけて細いオリフィ
スを繰り返し通す必要があるため、処理効率が低くコス
ト高になるという問題が有る。このため低濃度でも高粘
度且つ安定な懸濁液を与えるセルロース微細物を、より
効率よく製造し得る方法が要望されている。
【0012】
【発明が解決しようとする問題点】本発明の目的は前記
のごとき欠点を解決し、セルロース粉体または粒子を原
料として、低濃度でも高い増粘性を有する安定な懸濁液
を与えるセルロース粒子微細繊維状粉砕物を、効率よく
製造する方法を提供することを目的とする。
【0013】本発明者らは、セルロース粉体または粒子
を微細繊維状に粉砕し、表面積を増加させ、水との親和
性を高めることにより、低濃度でも高い増粘効果を有す
る安定な懸濁液が得られるのではないかと考え、セルロ
ース微粉体または粒子の湿式粉砕について検討した結
果、振動ミル粉砕装置を用いて湿式粉砕処理を行うこと
によりセルロース微粉体または粒子が効率よく微細繊維
状に粉砕され、生成した微細繊維状粉砕物が、非常に優
れた懸濁安定性と高い粘性や水保持力を有することを見
い出し、それに基いて本発明を完成させるに至った。
【0014】
【問題点を解決するための手段】本発明の微細繊維状セ
ルロースは、セルロース微粉体または粒子を振動ミル粉
砕装置にて微細な繊維状に湿式粉砕処理し、それによっ
て2重量%懸濁液の粘度が50cp以上、0.5重量%
懸濁液の懸濁安定性が50%以上であり、且つ水保持力
が150%以上の微細繊維状粉砕物が得られる。
【0015】本発明方法に用いられる振動ミル粉砕装置
は、粉砕容器を振動させることにより、粉砕容器に充填
した粉砕媒体(ビーズまたはボール)を運動させ試料に
剪断力、衝撃力、摩擦力等を与えて粉砕する装置であ
る。本発明で用いられる粉砕機は振動ミル粉砕装置であ
れば円形振動ミル、旋動振動ミル、遠心ミル等どの装置
でも使用可能である。
【0016】粉砕媒体(ビーズまたはボール)の材質と
しては、ガラス、アルミナ、ジルコニア、ジルコン、ス
チール、チタニア等が使用可能である。また粉砕媒体の
粒径は平均粒径が0.5mmの微小のものから、平均粒
径30mmの大粒径のものが使用可能であるが、粉砕機
の性能により制限を受け、好ましくは1mmから8mm
の範囲である。これらメディアの種類、平均径、粉砕機
の回転数および処理濃度等の処理条件は、粉砕試料であ
るセルロース微粉体または粒子及び要求されるセルロー
ス粒子微細繊維状粉砕物の物性により適宜選択すること
が可能である。
【0017】粉砕容器の中に入れる粉砕媒体の量は、粉
砕容器容積の20%〜90%である。充填率が低いと、
試料が十分粉砕されずに粉砕容器から出てくるいわゆる
ショートパスを起こす。また充填率を高めると一般に粉
砕効率は良好であるが、高めすぎると試料が通り難くな
る問題が生じるため40%〜80%が適当である。
【0018】粉砕処理時におけるセルロース粒子懸濁液
の濃度は粉砕試料の性質及び粒径により異なるが、重量
百分率で最大15%であり、好ましくは0.5%以上1
0%以下である。濃度が10%より高くなると、特に粒
径の大きいセルロース粒子では粉砕時に粘度があがりす
ぎることがある。
【0019】粉砕工程に供されるセルロース微粉体また
は粒子としては、例えば市販されているものとして、
(1)セルロース繊維の機械的粉砕によって得られるも
の(パルプフロック(山陽国策パルプ(株)社製)、セ
ルフロックPB(ジョージアパシフィック社製)、セル
ロースパウダーB(レッテンマイヤー兄弟会社製)
等)、(2)セルロース繊維の非晶領域を鉱酸により溶
出させる化学処理により得られるもの(アビセル(旭化
成工業(株)社製、メルク社製)等)、(3)軽い鉱酸
処理の後、粉砕機を用いて粉砕を行う化学処理と機械的
粉砕を組合せたもの(KCフロック(山陽国策パルプ
(株)社製)、ソルカフロック(ジェイムスリバー社
製)等)、および(4)紙の抄紙工程でワイヤーパート
のワイヤーから抜けでてきた、いわゆる白水中の微小セ
ルロース繊維を用いることが出来るが、上記に限定する
ものではなくセルロース微粉体または粒子であればどの
ようなものでも使用可能である。
【0020】セルロース微粉体または粒子の形状は、球
状または桿状であることが送液操作の点で望ましいが、
棒軸状、短繊維状あるいは不定形状等どのような形状で
あってもかまわない。平均粒径は500μm以下が送液
操作の点で望ましく、小さい分にはいくら小さくてもか
まわない。
【0021】処理する懸濁液の媒体としては、水を用い
ることが基本であるが、処理工程で化学的に不活性で、
且つセルロースの担体となり得るような流動性を有する
低級アルコール、エチレングリコールあるいはグリセリ
ンの如き有機溶媒または水との混合溶媒が使用できる。
【0022】粉砕方法としては、バツチ式あるいは連続
式のいずれでもよく、数台の粉砕装置を直列に接続し
て、第一段で粗く処理し、後の段で微細に処理すること
も可能である。
【0023】セルロース粒子の粉砕過程における粒子形
態の変化を光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡で観察し
た。処理条件や原料セルロースの品種により異なるが、
未処理セルロース粒子の平均粒径は、小さいもので15
〜50μm、大きいもので500μmであり、その形は
球状または棒軸状である。平均粒径33.6μmのセル
ロース粒子を本発明による振動ミル装置にて湿式粉砕処
理したところ、粉砕初期では、見かけ上繊維幅に変化は
見られないが、粉砕処理を進めると繊維幅約2〜4μm
の微細な繊維同士或いは繊維と未粉砕部分が相互に数本
から数十本、一部で結合ないしは絡まった形になり、更
に粉砕処理を行うと繊維幅は0.7μm以下の微細な繊
維状粉砕物になる。
【0024】以上、述べてきたようにセルロース微粉体
または粒子を振動ミル粉砕装置で湿式粉砕処理すると、
セルロース微粉体または粒子は微細化されるにつれて表
面積が増大し、水との親和性が増大して粘度や、水を保
持する能力(水保持力)や、懸濁液の安定性が高くな
る。
【0025】本発明により得られるセルロース粒子の微
細繊維状粉砕物は、それを水懸濁液としたときの粘度、
安定性、水保持力などの点で、原料であるセルロース微
粉体または粒子とは全く異なる特性を持っており、どの
程度微細化が進んでいるかはこれらの3つの物性から推
測できる。このため、粘度、懸濁安定性、水保持力を微
粉砕化の程度を表す指標とすることができる。
【0026】粘度の測定は(株)東京計器 DVL−B
型粘度形を用い、2重量%水懸濁液濃度、20℃、ロー
ター回転数30rpmで測定を行った。
【0027】懸濁液の安定性の測定は、セルロース粒子
微細繊維状粉砕物を水で希釈し、0.5重量%懸濁液を
調製して500mlメスシリンダーに入れ、減圧により
脱気し、20℃で1時間静置した後に、沈降しないで残
っている容量のもとの容量に対する割合を測定し、これ
を懸濁安定度とした。
【0028】水保持力の測定は、低部に穴の開いた円筒
状の遠心管にG3のガラスフィルターを取付け、300
0Gで15分間遠心力を作用させることにより脱水処理
し、この遠心脱水された湿潤試料の重量を測定し、さら
に105℃で少なくとも5時間にわたって乾燥させ乾燥
重量を測定した。水保持力は、遠心処理後の湿潤試料重
量から乾燥試料重量を減算し、これを乾燥試料重量で除
算し、これに100を乗算して得たものである。
【0029】なお、遠心脱水処理する供試試料について
は、粉砕処理生成物の水の保持力が高く、そのまま水保
持力測定をすると脱水が困難であり水相が試料上部に残
るため、前処理として濾過等により予め固形分濃度8%
〜12%程度に予備脱水し、水保持力測定に供した。
【0030】微粉体または粒子の粒径測定は、島津製作
所製SA−CP3型の遠心粒度測定機による。測定試料
は、約30分間超音波処理にて脱気した後、測定に供し
た。
【0031】未処理のセルロース微粉体または粒子は、
その2重量%の水中懸濁液の粘度は水とほぼ同定度であ
り、0.5重量%懸濁液の安定性は5%以下、水保持力
が20〜80%であるのに対し、本発明により得られた
微細繊維状粉砕物は、非常に多くの水を保持する能力を
もっており、その2重量%の水中懸濁液の粘度は50c
p以上、条件によれば2,000cp以上であり、懸濁
安定性が極めて良く、水保持力は150%以上、条件に
よっては300%以上にも達する。
【0032】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例について説明
する。実施例1 山陽国策パルプ(株)社製セルロース粒子(パルプフロ
ックW−4)を試料として用い、これを水にて濃度6.
0重量%に調製した懸濁液1300mlを実験用振動ミ
ル粉砕装置(中央化工機(株)製、MB−1型、容量3
400ml)の粉砕容器に入れ、また平均粒径5mmの
ガラスビーズ1600mlを粉砕容器に入れて、5分、
10分、30分、60分と処理時間を変えバッチ式で湿
式粉砕処理した。この時の振動ミルの振幅は8mm、回
転数は1200rpmで処理を行った。また、粉砕容器
の冷却用循環水の温度調製により処理温度を20℃に保
ちながら処理した。
【0033】表1には処理時間と、得られるセルロース
粉砕物の2重量%水懸濁液の粘度、0.5重量%水懸濁
液の懸濁安定性、水保持力、平均粒径、顕微鏡観察によ
る繊維幅を示した。平均粒径は、島津製作所製SA−C
P3型遠心粒度測定機で測定した。表1から明かなよう
に、10分間の粉砕処理で既に粘度750cp、懸濁安
定性98%、水保持力224%にまで達し、処理時間が
長くなるにしたがい粘度、懸濁安定性、水保持力とも更
に増大した。また、処理時間を長くしても平均粒径の低
下が少ないないのは、粒子の微小化よりも微細化が優先
的に進むためとと考えられる。
【0034】繊維幅については、粉砕処理時間5分で
は、未処理とほぼ同じ20〜30μmであるが、水保持
力が高くなっていることから粒子内にクラック等が生じ
微細繊維化が内部で起こっていると考えられる。粉砕処
理時間10分では、まだ繊維幅は20〜30μmである
が、粒子全体の形状が壊れ出している。更に粉砕処理時
間30分では、繊維幅2〜4μmの微細化したものが多
く、これらの繊維同士が相互の数十本、一部が結合した
または絡まった形状になっていた。粉砕処理時間60分
では、光学顕微鏡で観察すると繊維幅2〜4μmである
が、走査電子顕微鏡で観察すると0.05〜0.7μm
の微細な繊維物となっていた。
【0035】
【表1】
【0036】実施例2 軽度な鉱酸処理により機械的強度を弱めた後、機械粉砕
することにより得られたセルロース粒子(山陽国策パル
プ(株)社製KCフロック400)を試料として用い、
これを水中にて濃度6.0重量%に調製した懸濁液14
00mlを実験用振動ミル粉砕装置(中央化工機(株)
製、MB−1型、容量3400ml)の粉砕容器に入
れ、また平均粒径3mmのジルコニアビーズ2000m
lを粉砕容器に入れて、10分、30分、60分と処理
時間を変えバッチ式で湿式粉砕処理した。この時の振動
ミルの振幅は8mm、回転数は1200rpmで処理を
行った。また、粉砕容器の冷却用循環水の温度調製によ
り処理温度を60℃に保ちながら処理した。
【0037】表2には、処理時間と2重量%水懸濁液の
粘度、0.5重量%水懸濁液の懸濁安定性、水保持力、
平均粒径との関係の結果を示した。平均粒径は、島津製
作所製SA−CP3型遠心粒度測定機で測定した。表2
から明らかなように、処理時間が長くなるにしたがい粘
度、懸濁安定性、水保持力とも更に増大した。
【0038】
【表2】
【0039】実施例3 鉱酸により非晶部分を溶解することにより得られた微結
晶セルロース(メルク社製アビセル)を試料として用
い、水にて濃度6.0重量%に調製した懸濁液1400
mlを実験用振動ミル(中央化工機(株)製、MB−1
型、容量3400ml)の粉砕容器に入れ、また平均粒
径5mmのガラスビーズ2000mlを粉砕容器に入れ
て、10分、30分、60分と処理時間を変えバッチ式
で湿式粉砕処理した。この時の振動ミルの振幅は8m
m、回転数は1200rpmで処理を行った。また、粉
砕容器の冷却用循環水の温度調製により処理温度を20
℃に保ちながら処理した。
【0040】表3には、処理時間と、得られたセルロー
ス粉砕物の2重量%水懸濁液の粘度、0.5%重量水懸
濁液の懸濁安定性、水保持力、平均粒径との関係を示し
た。平均粒径は、島津製作所製SA−CP3型遠心粒度
測定機で測定した。表3から明らかなように、粉砕時間
が長くなると粘度、懸濁安定性、水保持力が増大した。
パルプフロック、KCフロックの粉砕物と比較すると、
粘度、水保持力とも若干低めで、高い懸濁安定性を得る
ためにはやや時間を必要とする。また、平均粒径につい
ては10分処理すると未処理に比べ約1/5に急激に低
下するが、それ以後処理時間を長くしても急激な低下は
見られなかった。
【0041】
【表3】
【0042】実施例4 広葉樹の漂白クラフトパルプをナイアガラビーターにて
フリーネス426mlに叩解し、このパルプをバウワー
マクネツト篩分け機にてパルプの篩分けを行い150メ
ッシュパス分を沈降濃縮、更には遠心分離機にて濃縮し
たものを粉砕試料とした。この時の試料の数平均繊維長
は、80μmであった。数平均繊維長は、フィンランド
KAJAANI社製FS−200型繊維長測定装置で測
定した。これを水にて濃度4.0重量%に調製した懸濁
液1300mlを実験用振動ミル(中央化工機(株)
製、MB−1型、容量3400ml)の粉砕容器に入
れ、また平均粒径5mmのガラスビーズ1600mlを
粉砕容器に入れて、10分、30分、60分と処理時間
を変えバッチ式で湿式粉砕処理した。この時の振動ミル
の振幅は8mm、回転数は1200rpmで処理を行っ
た。また、粉砕容器の冷却用循環水の温度調製により処
理温度を20℃に保ちながら処理した。
【0043】表4には、処理時間と、得られたセルロー
ス粉砕物の2重量%水中懸濁液の粘度、0.5重量%水
懸濁液の懸濁安定性、水保持力、数平均繊維長との関係
を示した。表4から明かなように、処理時間が長くなる
にしたがい粘度、懸濁安定性、水保持力とも更に増大し
た。
【0044】
【表4】
【0045】
【発明の効果】本発明は、セルロース微粉体または粒子
を振動ミル粉砕機にて湿式粉砕処理することにより、高
い水保持力と低濃度でも高粘度を有し、懸濁安定性の高
い微細繊維状粉砕物を効率的に作るものである。本発明
により、2重量%水懸濁液の粘度が50cp以上を有
し、懸濁安定性が極めて良く、水保持力は150%以上
にも達するような微細繊維状セルロースを効率よく製造
することが可能になった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース微粉体または粒子を振動ミル
    粉砕装置にて湿式粉砕処理することにより、2重量%懸
    濁液の粘度が50cp以上、0.5重量%懸濁液の懸濁
    安定性が50%以上、且つ水保持力が150%以上の微
    細粉砕物を得ることを特徴とする、微細繊維状セルロー
    スの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010037526A (ja) * 2008-08-08 2010-02-18 Kao Corp 低結晶性セルロースの製造方法
WO2010073678A1 (ja) * 2008-12-26 2010-07-01 王子製紙株式会社 微細繊維状セルロースシートの製造方法および前記微細繊維状セルロースシートに樹脂含浸した複合体
JP2016211084A (ja) * 2015-04-30 2016-12-15 レンゴー株式会社 表面塗工用紙力増強剤及びこれを塗工した紙力増強紙
KR102276167B1 (ko) * 2020-12-16 2021-07-13 주식회사 아진피앤피 산업용 제지의 와이어 파트 공정에서 발생되는 슬러지 재활용 방법

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