JP6783309B2 - ナノセルロースを製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法 - Google Patents

ナノセルロースを製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法 Download PDF

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Description

本発明は、ナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法、及び前記方法を実施するための装置に関する。
特許文献1は、処理されるベースセルロース材料が、例えばマイクロフルイダイザー等の、ホモジナイザーでの高剪断又は高圧に曝される前に、モルホリン又はピペリジンの膨潤溶液中で膨潤される、ナノセルロースを製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法を開示する。ベースセルロース材料を膨潤させることにより、ホモジナイザーでベースセルロース材料をナノセルロースに処理するのに必要なエネルギーの量を減らすことができる。この方法は、ナノセルロースを製造する際の全体のエネルギー消費を大幅に低減することを可能にしたが、それでも、ナノセルロースを製造する際のエネルギー消費をさらに低減することは、なお望ましいままである。
特許文献2は、機械パルプ又は化学パルプのいずれかを、低コンシステンシーで、0.1mmより小さいリング状リファイニングギャップを有するコニカルリファイナーに導入し、パルプをリファイナーの連続しているが異なるリファイニングゾーンに移動させる、ナノセルロースを製造する方法及び装置を開示する。パルプは、カルボキシメチル、アルデヒド、(TEMPO酸化由来の)カルボキシル又は4級アンモニウム基等の、元のセルロースに存在した以外の官能基を導入することによって化学的に前処理されてもよいし、されなくてもよい。
特許文献3は、低コンシステンシーのパルプを、第1のリファイナーでリファイニングし、次いでスクリーニングし、沈殿させた後、第2の粗い表面のリファイナーにおいて低コンシステンシーでリファイニングする、ナノセルロースを製造する方法及びシステムを開示する。出願人によれば、この方法は、従来技術の方法と比較してエネルギーコストを1/3に低減することを可能にする。リファイナーは、コニカルリファイナー又はディスクリファイナーであってもよく、パルプは、セルロースにカチオン性基又はカルボキシメチル基を導入することによって化学的に前処理して、リファイナーのエネルギー消費を低減し、従って、ナノセルロースを製造する際の全体のエネルギーコストを低減できる。
特許文献4は、予め叩解したパルプをMASUKO製「スーパーグラインダー」等のラビング装置に通してミクロフィブリル化セルロースを得て、このミクロフィブリル化セルロースを「ナノマイザー」等の高圧ホモジナイザーに低コンシステンシーで通して、平均フィブリル長が0.05〜0.1mmのセルロース繊維の懸濁液を得る、スーパーミクロフィブリル化セルロースを製造する方法を開示する。
特許文献5は、狭いリファイニングギャップを形成する3μm未満の表面粗さを有する2つの対向するディスクを備えたディスクリファイナーに、低コンシステンシーで機械パルプ又は化学パルプを導入する、ナノセルロースの製造方法及び装置を開示する。狭いリファイニングギャップ及びディスクの粗さは、使用されるリファイナーがMASUKO製リファイナーである方法と比較して、よりエネルギー効率の高いナノセルロースの生産をもたらし、TEMPOを用いたパルプの酸化は、ナノセルロースのより効率的な生産(即ち、リファイナーによって消費される所与の量のエネルギーに対して、より高い粘度)をもたらす。
国際公開第2014/009517号 国際公開第2012/089930号 国際公開第2012/072874号 米国特許第6214163号明細書 国際公開第2012/175806号
本発明は、セルロース材料の均質化をより効率的にする中間処理工程を追加することによって、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法を提供する。
本発明によるベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法は、
(i)所定量の膨潤が達成されて、膨潤液中の膨潤したセルロース材料の分散液を形成するまで、膨潤溶液中でベースセルロース材料を膨潤させる工程、
(ii)膨潤したセルロース材料の分散液を低剪断又は中剪断によって粉砕して、所定の細かさを有する、膨潤溶液中の粉砕したセルロース材料の分散液を工程からなる中間工程、及び
(iii)粉砕したセルロース材料の分散液を、高剪断又は高圧によって均質化して、ナノセルロース分散液を形成する工程
をこの順番で含む。
本発明はさらに、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって、膨潤溶液が、モルホリン、ピペリジン又はこれらの混合物の水溶液であり、好ましくは60〜99重量%のモルホリン、ピペリジン又はこれらの混合物を含む、より好ましくは70〜95重量%のモルホリン、ピペリジン又はこれらの混合物を含む、最も好ましくは73〜83重量%のモルホリン、ピペリジン又はこれらの混合物を含む方法を提供する。
本発明はさらに、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって、膨潤したセルロース材料の分散液を低剪断又は中剪断によって粉砕して、粉砕したセルロース材料の分散液を形成することを、ビーター又はリファイナーにおいて、好ましくはリファイナーにおいて、より好ましくはコニカルリファイナー又はダブルディスクリファイナーにおいて行う方法を提供する。
本発明はさらに、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって、工程(ii)の後かつ工程(iii)の前に、工程(ii)の膨潤溶液中の粉砕したセルロース材料の分散液のコンシステンシーより2〜25倍、又は、好ましくは2〜10倍小さいコンシステンシーを有する、膨潤溶液中の粉砕したセルロース材料の分散液を形成するように選択された膨潤溶液の量を添加する工程(iia)をさらに含む方法を提供する。理想的には、こうして希釈された粉砕液のコンシステンシーは、0.5〜2.5%の範囲である。
本発明はさらに、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって、均質化工程の前に、水中の粉砕したセルロース材料の分散液を形成するために、粉砕したセルロース材料の分散液の膨潤溶液を水に交換し、水中の形成された粉砕したセルロース材料の分散液を均質化する工程で形成されるナノセルロース分散液は、ナノセルロース水性ゲルの形態である方法を提供する。
本発明はさらに、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって、均質化工程の前に、有機溶媒中の粉砕したセルロース材料の分散液を形成するために、膨潤液中の粉砕したセルロース材料の分散液を有機溶媒に交換し、形成された水中の粉砕したセルロース材料の分散液を均質化する工程で形成されるナノセルロース分散液は、ナノセルロースオルガノゲルの形態であり、ただし、有機溶媒は、標準状態でセルロースを膨潤又は溶解することができないように選択される方法を提供する。好ましい実施形態では、有機溶媒が、C1−C6アルコールであり、好ましくは直鎖若しくは分枝のC1−C6アルキルアルコール又はC5−C6シクロアルキルアルコール等の1価アルコール;C2−C3ジオール又はトリオール(エチレングリコール、プロピレングリコール又はグリセロール)等の多価アルコールである。
本発明はさらに、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって、膨潤溶液中の粉砕したセルロース材料の分散液を形成するための低剪断又は中剪断は、7.5×10−1以下、又は10〜7.5×10−1、又は10〜7.5×10−1であり、及び/又は、ナノセルロース分散液を形成するための高剪断は、7.5×10−1より大きい、又は7.5×10−1より大きく1.5×10−1までであり、高圧は、5000psi以上、又は5000psi以上65000psiまでである方法を提供する。
本発明はさらに、ナノセルロース分散液のセルロース繊維の少なくとも70%が、1.20mm以下のフィブリル長及び/又は5〜30nmの平均フィブリル幅を有し、最も好ましくは5〜20nmの平均フィブリル幅を有する、上記方法によって得られたナノセルロース分散液を提供する。
本発明はさらに、ナノセルロース分散液のセルロース繊維の少なくとも70%が、1.20mm以下のフィブリル長及び/又は5〜30nmの平均フィブリル幅を有し、最も好ましくは5〜20nmの平均フィブリル幅を有する、上記方法によって得られた水性ゲルを提供する。
本発明はさらに、ナノセルロース分散液のセルロース繊維の少なくとも70%が、1.20mm以下のフィブリル長及び/又は5〜30nmの平均フィブリル幅を有し、最も好ましくは5〜20nmの平均フィブリル幅を有する、上記方法によって得られたオルガノゲルを提供する。
本発明のさらなる実施形態は従属請求項に記載されている。
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して説明するが、これは本発明の好ましい実施形態を例示するためのものであり、本発明を限定するものではない。図面では、
図1は、硬材亜硫酸パルプ(100%ブナ)の、水、及び78重量%モルホリン水溶液におけるリファイニングの「叩解曲線」比較データ(「SRろ水度」対「比リファイニングエネルギー」)を示す(後者は本発明の中間粉砕工程を表す)。 図2は、方法の概略図を示し、工程(i)、(ii)及び(iii)が膨潤工程、粉砕工程及び均質化工程にそれぞれ対応する。膨潤工程はミキサー(2a)を使用し、粉砕工程はリファイナー(2b)を使用し、均質化工程はマイクロフルイダイザー(2c)で行う。 図3は、異なる倍率(x400、x500、x25000、x45000)で、本発明の方法により得られた水性ゲル中の一つひとつのナノセルロースフィブリルのSEM画像(3a、3b、3c、3d)を示す。
本発明の文脈において、「ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費」という表現は、ベースセルロース材料からナノセルロースを製造するために必要な装置、ほとんどの場合はリファイナー及び/又はマイクロフルイダイザー、を運転するのに必要なエネルギーを意味する。
本発明の文脈において、以降で使用される「ナノセルロース」という用語は、(交換可能に使用される)用語「ナノフィブリル化セルロース」又は「NFC」を包含し、細長い形態を有し、アスペクト比が1より大きく、15−1200nmの範囲の、好ましくは50−1000nmの範囲の、より好ましくは70−800nmの平均長さを有することを特徴とするセルロース粒子を指す。平均厚さは、好ましくは3〜200nmの範囲、好ましくは5〜100nmの範囲、より好ましくは5〜30nmの範囲、最も好ましくは5〜20nmの範囲である。ナノセルロースは化学的に誘導体化されていてもよいし、化学的に誘導体化されずに天然であってもよく、好ましくは本発明の目的のためにナノセルロースは天然ナノセルロースである。
本発明の文脈において、「天然ナノセルロース」という用語は、化学的に誘導体化されておらず、本質的に化学的に失われた部分のないセルロースI結晶型のドメインを含むか、又は本質的に化学的に失われた部分のないセルロースI結晶型のドメインからなるナノセルロースを指す。
本発明の文脈において、「コンシステンシー」という用語は、スラリー又は分散液の総重量を基準にした、スラリー又は分散液の重量によるセルロースの固形分を指す。
本発明の文脈において、以降で使用される用語「ベースセルロース材料」は、微結晶セルロース、微生物セルロース、海洋又は他の無脊椎動物由来のセルロース、木材パルプ、化学(溶解)パルプ、(植物繊維、茎又は殻の形態の)天然バイオマス、及びタイヤコード及びマルセル化セルロース等の他のセルロースII供給源等のセルロース人工繊維を含む。ベースセルロース材料は、例えばカルボキシメチル化、カルボキシル化、酸化、硫酸化又はエステル化によって化学的に誘導体化されてもよいし、されなくてもよい。
本発明による方法において使用するのに適したベースセルロース材料は、好ましくは木材パルプ、例えば化学木材パルプ又は再生木材パルプである。他のベースセルロース系材料は、FMCコーポレーションのアビセルPH−101等の微結晶セルロースから選択することができ、例えばコーデンカ700(スーパー3)の商品名でコーデンカ社から供給されるような、織物又は工業用織物もベースセルロース材料の出発原料として使用することができる。木材パルプは、砕木繊維、再生又は二次木材パルプ繊維、漂白及び未漂白の木質繊維から得られる。軟材と硬材の両方を利用することができる。さらに、バガス及び竹等の適切なバイオマス材料も、ベースセルロース材料の供給源として使用することができる。
膨潤溶液中でベースセルロース材料を膨潤させるステップにおいて、ベースセルロース材料は、好ましくは、所定のコンシステンシーになるように膨潤溶液と混合される。ベースセルロース材料及び膨潤溶液の量は、原則的には自由に調整することができるが、得られた膨潤したセルロース材料が粉砕装置における効率的な処理に適したコンシステンシーを有するように、ベースセルロース材料と膨潤溶液との混合物のコンシステンシーを調整することが好ましい。一般に、市販の粉砕装置は、2〜15%又は2〜10%のコンシステンシーで運転することができる。例えば、粉砕装置がリファイナーである場合、2〜6%のコンシステンシーが有用であることがわかっている。当業者であれば、膨潤したセルロース材料中で所望の目標コンシステンシーに達するように、膨潤溶液及びベースセルロース材料の量の調整法がわかる。
「膨潤溶液」という用語は、膨潤剤の水溶液、純粋な膨潤剤又は膨潤剤の有機溶媒溶液のいずれかを指す。
「膨潤剤」という用語は、結晶間結合を破壊する、又は、結晶間結合の破壊、及びベースセルロース材料に通常存在する結晶内結合の部分的破壊(即ち完全にではなく)の両方をし得る化合物又はその組成物であると定義される。
結晶間結合のみを破壊する(そして結晶内構造には最小限の影響しか及ぼさない)膨潤剤は、使用される反応条件とは無関係に、膨潤させるだけである。そのような膨潤剤は、ベースセルロース材料の完全な溶媒和(結晶内結合の有意な又は完全な破壊の結果である)を決してもたらさない。膨潤の程度は、相互作用条件に依存する。
結晶間結合及び結晶内結合の両方を破壊可能な膨潤剤は、反応条件に応じて膨潤(部分的であり、結晶内結合の完全な破壊ではない)又は溶媒和(結晶内結合の完全破壊)のいずれかをもたらすことができる。従って、反応条件の選択は、膨潤又は溶媒和のどちらが得られるかを決定する。本発明では、潜在的に結晶間結合も完全に破壊する膨潤剤を使用する場合、膨潤(即ち、結晶間結合の破壊のみを達成するか、又は結晶間結合の破壊を達成し、結晶内結合の部分的な(ただし完全ではない)破壊のみを達成する)のみを得て、完全な溶媒和を防止するために適切な反応条件、例えば、濃度、温度、反応時間を選択しなければならない。結晶内結合の完全な破壊は望ましくなく、本発明では防止されなければならない。
適切な膨潤剤は、有機若しくは無機膨潤剤又はそれらの混合物(純粋な形態又はその溶液)であり得る。膨潤剤は、固体であっても液体であってもよいと理解される。固体膨潤剤は、水又は有機溶媒等の1つ又はそれ以上の適切な溶媒に溶解又は懸濁されてもよく、液体膨潤剤は、純粋な形態で使用されてもよく、又は水若しくは有機溶媒等の1つ又はそれ以上の適切な溶媒でさらに希釈されて膨潤溶液を形成して使用されてもよい。
典型的な無機膨潤剤は、無機金属ハロゲン化物又は無機金属擬ハロゲン化物又は無機水酸化物である無機ハロゲン化物等の無機塩基を含む。
典型的な有機膨潤剤には、当該分野で開示されている任意の有機膨潤剤が含まれ得る。例えば、ポリマーハンドブック第3版1989年(J Wiley&Sons出版、J Brandrup&EH Immergut編)の記載、より具体的には「Properties of Cellulose Materials」の項、具体的には「Solvents for Cellulose」の項の記載を参照されたい。
本発明で使用するのに適した膨潤剤は、これに限らないが、(i)モルホリン、ピペリジン等の、結晶間領域のみを膨潤させるセルロース非溶剤である膨潤剤、及び(ii)結晶間及び部分的に(完全にではない)結晶内領域の両方を膨潤させることができる膨潤剤を含む。これらの後者の膨潤剤のいくつかは、特定の反応条件下でセルロース溶剤としても作用し得る(これは本発明の目的にとって望ましくない)。ベースセルロース材料の結晶間領域及び部分的に(完全にではない)結晶内領域の両方を膨潤させることができる適切な膨潤剤は、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物(例えば水酸化カリウム、水酸化リチウム)、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、珪酸アルカリ、アルミン酸アルカリ、炭酸アルカリ、チオシアン酸アルカリ、チオシアン酸アルカリ土類、ハロゲン化アルカリ(例えば、塩化物、フッ化物、臭化物);脂肪族炭化水素アミン、好ましくは低級脂肪族アミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン)、カプリエチレンジアミン、アンモニア、アンモニア水酸化物を含むアミン;テトラメチルアンモニア水酸化物;トリメチルベンジルアンモニウム水酸化物;塩化リチウム;4級アミン酸化物(例えば、N−メチルモルホリン−N−オキシド)、イオン性液体(例えば、酢酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム)、尿素及びそれの混合物、亜鉛アンモニウム錯体、塩化亜鉛、銅アンモニウム錯体、銀アンモニウム錯体、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等、又はそれらの混合物である。
膨潤剤の適切な混合物は、有機膨潤剤と、無機金属ハロゲン化物又は金属擬ハロゲン化物との混合物、例えば、チオシアン酸ナトリウムと、エチレンジアミンとの混合物を含む。
本発明における使用のための膨潤剤の範囲から除外されるのは、すべての酸ハロゲン化物であり、例えば、塩酸、及び従来の鉱酸、例えば、硫酸、リン酸及び硝酸が挙げられる。
好ましい実施形態において、膨潤剤は、60〜99重量%のモルホリン、ピペリジン又はこれらの混合物を含む、又は70〜95重量%のモルホリン、ピペリジン又はこれらの混合物を含む、より好ましくは73〜83重量%のモルホリン、ピペリジン又はこれらの混合物を含む、モルホリン、ピペリジン又はこれらの混合物の水溶液である。
さらなる実施形態において、液体有機膨潤剤は、N−メチルモルホリンN−オキシドである。好ましくは、N−メチルモルホリンN−オキシドは、80℃より高い、好ましくは85℃より高い温度で、50%より高く、好ましくは70%より高く、しかし81%より低い濃度で使用される。N−メチルモルホリンN−オキシド(NMMO)の最も好ましい条件は、78重量%の濃度及び85℃である。これらの条件(82重量%及び85℃)を超えると、ベースセルロース材料の溶剤として作用する。
当業者であれば、膨潤剤の濃度等の適切な反応条件は、膨潤剤の選択及びそのセルロース膨潤剤としての能力に依存することがわかると理解される。特に、セルロース溶剤でもあると認識された膨潤剤を使用する場合には、セルロース膨潤剤として働くように、即ち、ベースセルロース材料中の全ての結晶内結合の完全な破壊及びその結果の溶解の段階より前に、その溶解濃度及び/又は温度以下(当業界で公知であり、例えばポリマーハンドブック第3版1989年(J Wiley&Sons出版、J Brandrup&EH Immergut編)を参照されたい。より具体的には、「Properties of Cellulose Materials」の節、具体的には「Solvents for Cellulose」の節に記載されている)で、それを使用する必要がある。
結晶内結合が完全に破壊されると、ベースセルロース材料の粒子内のナノセルロースドメインの結晶構造が破壊されるので、溶媒和は好ましくは避けるべきである。
膨潤の程度は様々な手段で決定することができる。本発明の文脈において、膨潤の程度は、水に懸濁された同じベースセルロース(セルロースは、意図された機械的技術を介した処理に適した粉末状である)の相体積分率と比較した、系内のベースセルロース材料の相体積分率の見かけの増加と、簡便に定義される。
所与の膨潤剤又は膨潤溶液の有効性(即ち、膨潤の程度)を定量するために、粉末状のベースセルロース材料(1.0g)を20mLガラスシンチレーションバイアルに秤量し、目的の液体膨潤剤又は膨潤溶液(9.0mL)を、マイクロピペット装置を用いて加える。次いで、系を手動攪拌によって混合して、ベースセルロース材料を膨潤剤又は膨潤溶液の連続相中に分散させ、20℃で24時間平衡化させる。
ベースセルロース材料は、分子的に分散した鎖の真溶液に溶け込むのではなく、むしろ、分子間及び分子内水素結合の破壊によって促進される、連続相の一部を吸収することが期待される。次いで、得られた膨潤したセルロース粒子(及び関連する間質液)の見かけの相体積分率を目視で/巨視的に定規の1mmの目盛りを用いて概算され、上部(液体上清、hUpper)及び下部(hLower)相の高さは、0.01mmまで概算される。円筒状(一定の直径/断面積)のシンチレーションバイアルを使用すると、測定された相の高さ(vCell≒hLower/(hUpper+hLower))から、セルロース相体積分率vCellを簡便に概算することができる。次いで、見かけの膨潤指数Sを、脱イオン水(S=vCell(膨潤溶液)/vCell(水))に対する膨潤溶液の体積分率の比によって定義する。
あるいは、膨潤の程度は、常温よりも高い温度でのインキュベーション後に、目的の膨潤溶液に適切なように決定してもよい。それぞれの場合において、膨潤溶液の代わりに脱イオン水を用いて、同一の標準試料を調製することができる。
ナノセルロースを製造する際の全体のエネルギー消費を低減するために、上記定義の膨潤指数Sが1〜10の間であり、最も好ましくは1.5〜3の間の値で特徴付けられる膨潤溶液を選択することができる
膨潤したセルロース材料の分散液を膨潤溶液中に形成するために、所定量の膨潤が達成されるまで、膨潤溶液中でベースセルロース材料を膨潤させる工程は、例えば羽根車等の撹拌手段を備えた、温度制御された容器等の適切な容器で行うことができる。
膨潤の所定量は、凝集物を崩壊させ、ベースセルロース材料の分散体を膨潤溶液中に形成するために、一定の又は断続的な攪拌下で、膨潤溶液を適切な容器中のベースセルロース材料と混合すること、好ましくは徐々に混合することによって達成される。
このように形成された膨潤溶液中のベースセルロース材料の分散液が、所定の膨潤量に達し、膨潤したセルロース材料の分散液を膨潤溶液中に形成するのに必要な時間は、ベースとなる特定の膨潤溶液、並びに膨潤溶液中のベースセルロース材料の分散液が曝される温度及び攪拌の程度に依存する。一般に、膨潤を延長することによってさらなる膨潤が達成されない場合、膨潤の最適量に達しており、このことは、一件ごとに一回の実験によって容易に評価することができる。膨潤溶液が60〜99重量%のモルホリンを含む水溶液であり、ベースセルロース材料が微結晶セルロースである場合、最適な膨潤に達するのに必要な時間は、25℃で、10000RPMで運転するローターステーターミキサーを使用して、10〜20分である。一方、25℃で攪拌せずに化学溶解パルプを使用するには、60〜99重量%のモルホリンを含む水溶液中で、2時間の膨潤が必要である。
ベースセルロース材料を膨潤させる工程の後、ナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減するための本発明の方法は、膨潤したセルロース材料の分散液を低剪断又は中剪断によって粉砕し、所定の細かさを有する粉砕したセルロース材料の分散液を膨潤溶液に形成する工程からなる中間工程を含む。適用される低剪断又は中剪断は、好ましくは7.5×10−1、又は10〜7.5×10−1、又は10〜7.5×10−1の剪断に相当し、好ましくは4.0×10〜7.5×10−1、より好ましくは6.5×10−1〜7.5×10−1である。あるいは、4.0×10〜6.5×10−1の剪断を用いることもできる。
所定の細かさは、例えば、ショッパーリグラー(SR)値として表すことができる。一実施形態では、本発明の方法による処理で有用な細かさは、ISO5267/1に従って測定した場合に、75を超える、又は75〜95、又は75〜90のSR値をとり得る。
膨潤したセルロース材料の分散液は、得られたものをそのまま用いることもできるし、必要に応じて、粉砕装置のエネルギー効率を高めるために、好ましくは10%以下又は0.1〜10%、より好ましくは2〜6%、最も好ましくは3〜5.5%のコンシステンシーとなるようにコンシステンシーを調整することもできる。膨潤した材料の分散液のコンシステンシーの調整は、膨潤溶液の一部を蒸発させてコンシステンシーを高めるか、又は膨潤溶液で希釈してコンシステンシーを減少させるかのどちらかによって行うことができる。
低剪断又は中剪断を使用する粉砕は、摩砕、研削、叩解、超音波処理、又はセルロースベース材料のナノフィブリル及び/又はナノ結晶を遊離する他の任意の手段によって、膨潤したセルロース材料を機械的に処理する適切な粉砕装置によって発揮され得る。本質的に、繊維を物理的に分離する任意のタイプのミル又は装置を利用することができる。このようなミルは、業界ではよく知られており、限定するものではないが、通常高剪断で運転するマイクロフルイダイザー等の高剪断ホモジナイザーを除いた、バレービーター、シングルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、広角及び狭角の両方を含むコニカルリファイナー、円筒リファイナー及び他の同様の摩砕又は研削装置が挙げられる。例えば、Smook、Handbook for Pulp&Paper Technologists、Tappi Press、1992;及びHubbe et al.、"Cellulose Nanocomposites:A Review"、BioResources 3(3)、929-980(2008)を参照されたい。好ましくは、低剪断又は中剪断による処理は、コニカル又はダブルディスクリファイナー等のリファイナーを用いて行われる。粉砕装置がリファイナーである場合、リファイナーギャップは、チップの速度及び充填ギャップに依存する。充填ギャップが0.01mm−0.3mm、ローター直径が0.825mのリファイナーの場合、1000〜1500rpmの回転速度で運転するときの剪断は、1.4×10−1〜7.5×10−1の範囲である。
リファイナーでは、セルロース繊維の一次壁が除去され、それにより、より小さいセルロースミクロフィブリルが露出される。これは、ベースセルロース材料を予め膨潤させることによって簡易化され、所与の細かさを達成するために必要な、リファイナーへ投入するエネルギーを減少させる効果を有する。本出願人の知見によれば、高剪断又は圧力による均質化の前に、最初に膨潤させた後に低剪断又は中剪断の使用を組み合わせることによるエネルギー消費の減少は、高剪断又は高圧による膨潤及び均質化の組み合わせのみを使用して同じレベルの細かさを達成するのに必要とされるエネルギー消費と比較して、50〜80%の範囲にある。
リファイニングの程度は、粉砕したセルロース材料の製造された分散液の細かさで測定することができ、ショッパーリグラー(°SR)又はカナダ標準ろ水度で表すことができる。適切な細かさは、ISO5267/1に従って測定したとき、75を超える、又は75〜95、又は75〜90の°SR値に対応する。
所定の細かさに達し、粉砕したセルロース材料の分散液のコンシステンシーが調整されると、粉砕したセルロース材料の分散液を高剪断又は高圧でそのまま均質化されるか、又は粉砕したセルロース材料の分散液を有機溶媒中又は水中に形成するために、粉砕したセルロース材料の分散液の膨潤溶液が、予め有機溶媒又は水に交換される。
有機溶媒を使用する場合、有機溶媒は、標準状態(25℃、1気圧)でセルロースを膨潤又は溶解することができないようなものが選択される。有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール又はn−プロパノール、ブタノール又はペンタノール又はヘキサノールの任意の位置異性体、シクロヘキサノール、シクロペンタノール、エチレングリコール、プロパン―1,2―ジオール、プロパン−1,3−ジオール又はグリセロールであってよい。
高剪断又は高圧による、粉砕したセルロース材料の分散液を均質化してナノセルロース分散液を形成する工程は、高剪断、微小流動化(例えば、2つのチャンバーを並べて備えるM110−EHマイクロフルイダイザープロセッサー)、高圧均質化(例えば、NanoDeBee高圧ホモジナイザー(BEE International Inc))、ConCor高圧/高剪断ホモジナイザー(Primary Dispersions Ltd))、制御された流体力学的キャビテーション(例えば、制御されたフローキャビテーション装置(Arisdyne Systems)を使用)、高い摩擦力(例えば、スーパーマスコライダーコロイド/摩擦ミル(Masuko))、及びそれらの組み合わせ等、当業界で知られている従来技術を用いて行うことができる。
高圧又は高剪断ホモジナイザーは、所望のナノセルロースへの分解を達成するために、粉砕したセルロース材料の分散液内に高い機械的応力が発生することに依存する。これは、粉砕したセルロース材料の分散液を、明確に定義されたマイクロ流体相互作用チャンバーを介して、ポンピングすることによって達成され、事実上、流体力学の分野で定義されている制限流に対応する状態である。
本発明の文脈における「マイクロ流体」という用語は、流れ方向に直交する幅が500ミクロン未満、好ましくは400〜50ミクロンである制限流形状又は相互作用チャンバーを指す。一般に遭遇する相互作用チャンバーの設計には、急激な絞り(軸方向又は矩形スロットのいずれか)、Z形状(流れの経路における急激な屈曲)及びY形状(流れが衝突/対向するジェットとして分離及び再結合する)が含まれる。上記の相互作用チャンバー設計の各々は、剪断と引張り効果の両方が共存するような(従って、この型の複雑な流れでは、剪断速度の単一値を定義することは不可能である)運動力学の複雑な流れを生成するものとみなされる。このような状況は、剪断速度、剪断応力及び境界条件が明確に定義されている、いわゆるレオメトリックフローとは明らかに異なり、粘度や第一法線応力差等の材料特性に流体の特性値が割り当てられる。さらに、流線の収束/流体の加速(絞り、Z形状)又は停滞点の生成(Y形状/対向するジェット)に関する形状は、流れ場内の高い引張り成分又は伸張成分によって特徴付けられ、機械フィブリル化及び分散混合の効率への主要な寄与を果たす(しかし、この処理の特徴的な剪断速度を定義することがさらに複雑にする)。
本発明の範囲内の高剪断ホモジナイザーの使用の文脈における「高剪断」という用語は、50ミクロン半径(R)の軸対称キャピラリー(これは例えば、M110−EHマイクロフルイダイザーで使用されるZ形状の一部と考えることができる)における剪断速度の実例を用いて最も明確にされている。80:20体積%のモルホリン:水(500ml)中に分散されたMCC(5.0g、アビセルPH−101)のバッチは、25000psiの運転圧力(P)において、2分間でそのような形状を通過することがわかった。これは4.16ml/分の体積流量(Q)、従って42.4×10−1の剪断速度(定常流であって、流体のずり流動化を許容しないと仮定)に相当する。
キャピラリー(ポアズイユ)流における剪断速度(γの微分)は、以下の式を用いて簡便に概算することができる。
例えば、M110−EHマイクロフルイダイザー中のフローが脈動性であるとすれば、相互作用形状のこの部分において、剪断速度の真のピーク値がはるかに高くなる可能性がある。従って、本発明の目的のためには、高剪断ホモジナイザータイプの処理装置の運転範囲は、8.5×10−1〜102×10−1(上記のように定義される)で5000psi〜60000psiであり、最も好ましくは34×10−1〜72×10−1(上記のように定義される)で20000psi〜42500psiである。
一般に、粉砕したセルロース材料の分散液からナノセルロース分散液を形成するのに必要な高剪断は、7.5×10−1より大きく、又は7.5×10−1より大きく1.5×10−1までであり、高圧は5000psi以上、又は5000psi以上65000psiまでである。
ナノセルロースを得るためにセルロース材料を膨潤、粉砕及び均質化する3つの工程を連結することにより、中間粉砕工程が除かれた方法と比較して、全体のエネルギー消費が2〜3の因数で劇的に減少する。換言すれば、中間粉砕工程に投入されるエネルギーは、中間工程に投入されるエネルギーを超えるエネルギー消費の低減を均質化工程にもたらし、それによってこの方法の全体のエネルギー消費を効果的に低減する。
本発明による方法で得られたナノセルロースは、処理に応じて、水、有機溶媒又は膨潤溶液でもよい液体中の分散液としてナノセルロースが存在するゲルの外観を有する。
その意図された用途に応じて、ナノセルロース分散液をさらに粉末の形態に処理するか、又はゲルの形態で使用することができる。
実施例1−膨潤溶液中での高剪断均質化による木材パルプからのナノセルロース分散液の調製
供給されたシートをナイフミリングによって調製した粗粉末(公称径〜5mm)の形態の亜硫酸木材パルプ(100%ブナ原料)を、78重量%モルホリン水溶液の膨潤溶液中でスラリー化した。スラリーのコンシステンシーを1%固形分に固定し、実験用ローターステーターミキサー(Ultra Turrax、IKA)を用いて10分間混合した。これは、均質な外観を与え、パルプ粒子の崩壊をもたらすのに十分な時間であることが見出された。
次いで、このようにして得られたパルプスラリーの500mlアリコートを、200μmのセラミック補助処理モジュールと100ダイアモンド相互作用チャンバーを順に備えたM−110−EHマイクロフルイダイザープロセッサー(Idex Corp.)を用いて、高剪断均質化の処理にかけた。運転圧力降下は、25000psi(1724バール)に設定した。この運転圧力は、処理パス数の最小値で、必要な品質(平均フィブリル幅、レオロジー、大きなパルプ繊維残留物が存在しない)のセルロースナノフィブリルを製造する点で、最も効果的であることが以前に見出された。そのようにして製造されたセルロースナノフィブリルの品質を特徴づける手法を以下に簡単に概説する。
所望のナノスケール生成物に混入している親パルプ繊維のより大きな抵抗フラグメントの量の定性的尺度を与えるために、光学顕微鏡分析を行った。手短に言えば、膨潤溶液中のセルロースナノフィブリルスラリーの少量(〜2g)アリコートを処理の適切な段階で採取し、脱イオン水(8g)の添加によって希釈した。これにコンゴーレッド染色液(水中0.1%、1滴)を添加し、試料をよく混合した。ビデオカメラを備えたライツDMRX光学顕微鏡を使用してデジタル画像化(x200)を行った。パルプ繊維残留物(典型的には〜20μmの大きさ、濃い赤色に染色)の存在及び量の定性的視覚評価を行い、一連の標準画像を参照して適切な記述子を割り当てた。所望の生成物(セルロースナノフィブリル)の構成フィブリルは、光学顕微鏡法で分析するには小さすぎ、この物質の大きな綿状凝集物は、典型的に淡いピンク色で染色された広範な領域として存在する。
日立S−4800電界放射形走査電子顕微鏡を用いて、ある範囲の倍率で走査型電子顕微鏡法実施した。処理の適切な段階で採取したスラリーのアリコートを脱イオン水で希釈して、約0.001%固形分の濃度にすることによって、画像化のために試料を調製した。次いで、希釈した試料(20μl)を白雲母マイカディスク(直径9.9mm、厚さ0.22−0.27mm、Agar Scientific、英国)に加え、装置に導入する前に、減圧下(700mbar)で少なくとも12時間乾燥させた。画像解析は、統計的に適切な数(600より多い)のフィブリル幅測定を手動で行うために十分な、最高倍率(x45000)で撮影した顕微鏡写真を適切に選択して、ImageJソフトウェア(パブリックドメイン)を用いて行った(600より多い)。結果は、試料の平均フィブリル幅として表した。
振動剪断レオメトリーは、壁の滑りによる誤差を排除するために、鋸歯状の表面を備えた特別に設計されたカップ及びボブ(同心円筒)を使用して、AR1500応力制御レオメーター(TA Instruments)上で行われた。内側ボブの直径は28mmであり、外側カップの直径は32mmであった。周波数掃引実験を、試料の線形粘弾性領域内によく収まるように選択された一定の歪み振幅とし、周波数を100〜0.01rad・s−1の範囲で段階的に減少させながら、実施した。50rad・s−1での貯蔵弾性率の値G’を試料のコンシステンシーの代表とした。
続いて、パルプ繊維スラリーの一連の500mlアリコートを上述のように調製し、運転圧力降下を25000psiに設定し、処理回数を最大で10まで変化させた。M−110−EHを通過する処理回数の関数として、製造されたセルロースナノフィブリルの品質に関して、試料の特徴付けの結果を表1に要約する。
本実施例の文脈における参考目的のセルロースナノフィブリルのベンチマーク品質は、2520kWh/トンの関連する処理エネルギー消費を伴う、M−110−EHマイクロフルイダイザープロセッサーを9回通過させた場合とした。ベンチマーク品質は、大きなパルプ繊維残留物が概して存在しないこと、及び約15nm未満の目標平均フィブリル幅の達成に基づいて決定された。
実施例2
供給されたシートのナイフミリングによって調製した粗粉末(公称径〜5mm)の形態の亜硫酸木材パルプ(100%ブナ原料)を、78重量%モルホリン水溶液の膨潤溶液中で、密閉式ハイドロパルパー装置で20分間(パルプの粒子を崩壊させるのに十分な時間)混合することによりスラリー化した。スラリーのコンシステンシーは5%固形分に固定した。次いで、このスラリーをOptiFiner RF1パイロットスケールリファイナー(Valmet)に再循環させた。パルプスラリーの試料は、膨潤剤中の粉砕の処理を通じて定期的に採取される。リファイニング中の粉砕の程度は、スラリーのろ水度のモニタリング及びISO 5267/1に従うショッパーリグラー(SR)値の割り当てによって特徴づけられた。この処理に対応するエネルギー消費は、WultschとFlucherの研究から、続くBrechtとSiewertによって開発された、比エッジ荷重アプローチの適用から決定される、比リファイニングエネルギー(SRE)によって与えられた。処理媒体として水を使用した、同一コンシステンシー(5%固形分)のさらなる試料を比較目的のために調製し、リファイニング中のパルプ繊維の粉砕を促進における78重量%モルホリン水溶液膨潤溶液の効能をさらに例証した。比リファイニングエネルギーの関数として明らかにしたパルプスラリーのろ水度を図1にプロットし、データを表2に示す。
上記のようにOptiFiner RF1において、約91.9kWh/トンの比リファイニングエネルギーで粉砕されたパルプスラリーのアリコート(100g)を、78重量%モルホリン水溶液(400g)の添加によって、1%固形分のコンシステンシーに希釈した。次いで、それぞれを、M−110−EHマイクロフルイダイザープロセッサー(実施例1と同様に構成されたもの)に繰り返し通すことにより、さらなる高剪断均質化段階に付した。実施例1で定義した手法を用いて、抵抗パルプ繊維フラグメントの存在、レオロジー(50rad・s−1でのG’)及び平均フィブリル幅(SEM)に関して各試料を特徴付け、全体のエネルギー消費の関数(中間粉砕+高剪断均質化)としての結果を表3に示す。実施例1のベンチマーク条件(M−110−EH、9回通過)と比較した場合の全体のエネルギー消費の減少割合を表4に要約する。
結論
従って、表4からわかるように、膨潤の初期工程の後、及び高剪断又は高圧による均質化の最終工程の前に、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する方法におけるリファイニング工程(すなわち、中間工程)の導入は、特定の品質のナノセルロース分散液に到達するために必要なエネルギーを劇的に減少させることを可能にする。上記データを見ると、SEMで測定した平均フィブリル幅が約14.5nmであるナノセルロース分散液を得るために必要なエネルギーは、中間リファイニング工程(651.9kWh/トン)を含む方法を実施することにより、中間リファイニング工程を省略して高剪断均質化(2520kW/トン)のみに頼っている方法と比較して、ほぼ75%に減少する。
なし

Claims (16)

  1. ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって、
    (i)所定量の膨潤が達成されて、膨潤溶液中の膨潤した前記セルロース材料の分散液を形成するまで、膨潤溶液中で前記ベースセルロース材料を膨潤させる工程、
    (ii)前記膨潤したセルロース材料の分散液を低剪断又は中剪断によって粉砕して、所定の細かさを有する、前記膨潤溶液中の粉砕したセルロース材料の分散液を形成する工程からなる中間工程、及び
    (iii)前記粉砕したセルロース材料の分散液を、高剪断又は高圧によって均質化して、ナノセルロース分散液を形成する工程
    をこの順番で含み、
    前記工程(ii)の後かつ前記工程(iii)の前に、
    所定の細かさを有する、有機溶媒中の粉砕したセルロース材料の分散液を形成するために、前記膨潤液中の粉砕したセルロース材料の分散液の膨潤溶液を有機溶媒と交換する工程をさらに含み、
    ただし、前記有機溶媒は、標準状態でセルロースを膨潤又は溶解することができないように選択される、前記方法。
  2. 請求項1に記載の、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって、
    前記膨潤溶液が、モルホリン、ピペリジン又はこれらの混合物の水溶液である、前記方法。
  3. 請求項1又は2に記載の、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって、
    前記膨潤したセルロース材料の分散液を低剪断又は中剪断によって粉砕して、粉砕したセルロース材料の分散液を形成することを、ビーター又はリファイナーにおいて行い、及び/又は、
    前記粉砕したセルロース材料の分散液を高剪断又は高圧によって均質化することを、高圧又は高剪断ホモジナイザーにおいて行う前記方法。
  4. 請求項に記載の、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって
    記形成された有機溶媒中の粉砕したセルロース材料の分散液を均質化する前記工程(iii)で形成される前記ナノセルロース分散液は、ナノセルロースオルガノゲルの形態である、前記方法。
  5. 請求項に記載の、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって、
    前記有機溶媒が、C1−C6アルコールである前記方法。
  6. 請求項に記載の、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって、
    前記工程(ii)における前記低剪断又は中剪断の剪断速度、1〜7.5×10 あり、及び/又は、前記工程(iii)における前記高剪断の剪断速度、7.5×10−1より大きく1.5×10−1までであり、前記工程(iii)における前記高圧の圧力、34.47MPa(5000psi以上448.16MPa(65000psiまでである前記方法。
  7. 前記ナノセルロース分散液のセルロース繊維の少なくとも70%が、1.20mm以下のフィブリル長及び/又は5〜30nmの平均フィブリル幅を有する、請求項に記載の方法によるオルガノゲル。
  8. 請求項1に記載の、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって、
    前記膨潤溶液が、モルホリン、ピペリジン又はこれらの混合物の水溶液であり、60〜99重量%のモルホリン、ピペリジン又はこれらの混合物を含む、前記方法。
  9. 請求項1に記載の、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって、
    前記膨潤溶液が、モルホリン、ピペリジン又はこれらの混合物の水溶液であり、70〜95重量%のモルホリン、ピペリジン又はこれらの混合物を含む、前記方法。
  10. 請求項1に記載の、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって、
    前記膨潤溶液が、モルホリン、ピペリジン又はこれらの混合物の水溶液であり、73〜83重量%のモルホリン、ピペリジン又はこれらの混合物を含む、前記方法。
  11. 請求項1に記載の、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって、
    前記有機溶媒が、直鎖若しくは分枝のC1−C6アルキルアルコール又はC5−C6シクロアルキルアルコールである前記方法。
  12. 請求項1に記載の、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって、
    前記有機溶媒が、多価アルコールである前記方法。
  13. 請求項1に記載の、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって、
    前記有機溶媒が、エチレングリコール、プロピレングリコール若しくはグリセロールである前記方法。
  14. 請求項1に記載の、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって、
    前記形成された有機溶媒中の粉砕したセルロース材料の分散液を均質化する前記工程(iii)で形成される前記ナノセルロース分散液は、ナノセルロースオルガノゲルの形態であり、
    膨潤溶液中の前記粉砕したセルロース材料の分散液のコンシステンシーと比較したときに2〜25倍小さいコンシステンシーを有する、有機溶媒中の粉砕したセルロース材料の分散液を形成するように有機溶媒の量が選択される、前記方法。
  15. 請求項1に記載の、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって、
    前記形成された有機溶媒中の粉砕したセルロース材料の分散液を均質化する前記工程(iii)で形成される前記ナノセルロース分散液は、ナノセルロースオルガノゲルの形態であり、
    膨潤溶液中の前記粉砕したセルロース材料の分散液のコンシステンシーと比較したときに2〜10倍小さいコンシステンシーを有する、有機溶媒中の粉砕したセルロース材料の分散液を形成するように有機溶媒の量が選択される、前記方法。
  16. 請求項1又は2に記載の、ベースセルロース材料からナノセルロース分散液を製造する際の全体のエネルギー消費を低減する方法であって、
    前記膨潤したセルロース材料の分散液を低剪断又は中剪断によって粉砕して、粉砕したセルロース材料の分散液を形成することを、コニカルリファイナー又はダブルディスクリファイナーにおいて行い、及び/又は、
    前記粉砕したセルロース材料の分散液を高剪断又は高圧によって均質化することを、マイクロフルイダイザーにおいて行う前記方法。
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