JPH06102839B2 - 耐食性に優れたAl―Mn系めっき鋼材 - Google Patents

耐食性に優れたAl―Mn系めっき鋼材

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JPH06102839B2
JPH06102839B2 JP61112142A JP11214286A JPH06102839B2 JP H06102839 B2 JPH06102839 B2 JP H06102839B2 JP 61112142 A JP61112142 A JP 61112142A JP 11214286 A JP11214286 A JP 11214286A JP H06102839 B2 JPH06102839 B2 JP H06102839B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、Al合金めっき鋼材、特にAl−Mnめっき鋼材に
関する。
(従来の技術) AlもしくはAl合金めっき鋼材は優れた耐食性、美麗さ、
無毒性など、多くの利点を有していることは良く知られ
ている。しかし、このAlもしくはAl合金めっきは、水溶
液からの電析が不可能なため、溶融金属浸漬法、真空蒸
着法、そして有機溶媒浴あるいは溶融塩電解浴による電
気めっき法等によって実施されている。後述するよう
に、このうち現在では主として溶融金属浸漬法が使用さ
れている。
しかし、近年に至り後者の溶融塩電解浴によるAl合金の
電気めっき法が注目されている。ところが、この方法に
ついても従来から多くの提案があるものの、多くの問題
があり、工業的規模での実用化は未だ実現されていない
のが現状である。
(発明が解決しようとする問題点) すなわち、従来より、溶融塩電解浴によるめっき法での
Al−Mn、−Pb、−Cr、−Fe、−Ti、−Sn等のAl合金めっ
きが文献上公知であったが(特公昭43−18245号、特公
昭38−12821号、特開昭56−62986号、特公昭53−1212
号、特公昭38−6870号、特公昭46−13803号、特公昭46
−29362号)、本件特許出願人の追試実験結果によれ
ば、Al−Fe、−Pb、−Cr、−Sn等では電流密度を高くす
ると良好なめっき皮膜が形成されなかった。
すなわち、これらについては実用化された例はなかった
ため、十分確認されていないというのが現状であった。
また、一部得られたAl合金めっきについてもその耐食性
その他の特性はAl合金が本来有するような程度をはるか
に下回っている。
しかしながら、本件特許出願人は、これら一連のAl合金
について溶融塩浴めっきを行ったところ、特にAl−Mn−
Cr系合金が安定してめっきでき、得られるめっき皮膜も
満足する耐食性、密着性を有していること、およびAl−
X−Mn(X:Fe、Co、Ni、Zn、Sn)が高電流密度で安定し
てめっきであることを知り、先に特許出願した(特願昭
60−78876号および特願昭60−137168号)。
その後、さらに研究、開発をすすめていたが、Al−Mn−
X系のAl合金めっき層を有する軟鋼板に塗装を施こし、
塗装後耐食性を調査したところ、塗装端面や塗膜損傷部
で早期に赤錆が発生することが判明した。
よって、本発明の目的とするところは、Al合金めっき層
を有する鋼材の塗装端面や塗膜損傷部での早期の赤錆発
生を防止したAl合金めっき鋼板を提供することである。
(問題点を解決するための手段) 上述の早期の赤錆発生の原因について調査したところ、
めっき層の電位が軟鋼板より貴なことによることが判明
した。したがって、鋼材の電位をめっき層より貴にする
ためCr添加による鋼板の電位の貴化を検討した。つま
り、鋼材を貴にすることによりめっき層に犠牲防食性を
付与するのである。
その結果、裸耐食性、塗装後耐食性に優れた系および耐
食性とともに加工性に優れためっき合金系があることを
知り、本発明を完成した。
ここで、本発明の要旨とするところは、鋼材およびその
表面に設けたAl合金めっき層から成り、前記Al合金が、
重量%で、Mn:1〜30%、Fe、Co、NiおよびCrの1種また
は2種以上:合計で、0.5〜20%、およびAl:残部である
組成を有するとともに、前記鋼材が少なくともCr:1%を
含有する鋼材であって、前記Al合金めっき層よりも電位
が貴であることを特徴とする、耐食性にすぐれたAl−Mn
系めっき鋼材である。
より好ましくは、本発明において裸および塗装後耐食性
が優れた系は、上記Al−Mn合金めっき層と、重量%で、
C≦0.03%、Si≦0.3%、Cu≦1.0%、Cr:2〜7%、Ni≦
1.0%で残部がFeおよび不可避成分からなる鋼組成を有
する鋼材の組合せである。
また、好適態様として耐食性および加工性に優れた系
は、同じく上記Al−Mn合金めっき層と、C≦0.01%、Cu
≦1.0%、Cr:2〜7%、Ni≦1.0%、Ti≦0.5%で残部が
不可避成分からなる鋼組成を有する鋼材との組合せであ
る。
このように、上記鋼材に前述のAl合金めっきを施こすこ
とにより裸耐食性は従来どおりで、塗装後の端面耐食性
(赤錆発生)や塗膜損傷部の赤錆発生のない高耐食性表
面処理鋼材が得られる。また鋼材自体がCr添加により高
耐食性(穴あき腐食)を有することから各々単独以上の
飛躍的に高い耐食性を有する。
ここに、上記鋼材は板材はもちろん、棒材、線材等いず
れの鋼材をも包含するものであるが、実際上は、通常、
鋼板を指称するものであって、以下にあっても鋼板を例
にとって説明する。
なお、上記鋼板は塩素イオンの存在する環境下での使用
に特に適しており、例えば海岸近辺の建材、自動車の車
体、NH4 +、SO4 2-、Cl-等が存在する自動車のマフラー用
等に特に適している。
(作用) 本発明において基地鋼材の鋼組成を上述のように限定し
た理由を以下に述べる。
本発明が利用するAl−Mn−X系の合金めっき組成のMn量
が1%未満であると、今日一般的に要求される20A/dm2
以上の電流密度で得られるめっき層のめっき性状が満足
できない。また、30%を超えるとその加工性が劣化す
る。X量が0.5%未満では、腐食電位が軟鋼板と同じか
それより卑であるが、耐食性が満足できない。20%を超
えるとその加工性が劣化する。好ましくは2〜6%であ
る。
合金めっき層の電位は、Mn量にあまり依存せず、Xが0.
5%未満では軟鋼板より卑であるがXが0.5%以上になる
と軟鋼板より貴となる。X量が4%位まで次第に貴にな
りそれ以上増加しても−0.5V(vsAg/AgCl)とほゞ一定
となる。
第1図はAl−20Mn−X合金中のX量と40℃の5%NaCl水
溶液中での腐食電位との関係を示すグラフであるが、X
がFe、Co、NiおよびCrいずれの場合にあってもほゞ同じ
傾向を示し、X:0.5%以上で軟鋼板より貴になり、この
まゝではむしろめっき層に対して軟鋼板の犠牲防食効果
が発揮される結果となってしまう。
一方、このようなめっき層の腐食電位変化に対し、Cr量
による鋼板の腐食電位を同様にして見ると第2図にグラ
フで示すようにCr添加に伴い次第に貴になる。しかもこ
の増加の割合は比較的高い。したがって、Cr1%以上の
鋼材を選択することにより、めっき層よりも腐食電位が
貴となるようにできる。
上記の場合Cr量が1%未満でもめっき層より腐食電位が
貴な範囲も存在するが、端面防食性および塗膜損傷部の
穴あき腐食性が軟鋼板よりやや良いか同程度である。7
%を超えても鋼材がめっき層に対し電位が貴である限
り、本発明の作用効果は発揮され、Cr量に特に制限はな
いが、好ましくはCr:3〜6%である。
次に、本発明の好適態様にあっては、上述のほかに、鋼
組成のC、Cr、Ni等が制限されるが、C量は加工性や溶
接部の耐食性から少ない方が良いが、低下するにはコス
トがかかることから0.03%以下が適当である。特に優れ
た加工性を要する時は0.01%以下とする。
Si量も加工性やめっき性から少ない方が良いが、コスト
面から0.3%以下が適当である。
Cu、Ni量についてはこれらの元素の添加によりコスト高
になるが、塗膜損傷部の穴あき腐食を改善する点から効
果がある。それぞれ好ましくは、0.2〜0.7%である。1
%を超えるとコスト高となり、改善効果が小さい。
加工性を特に要求する場合、前述のようにC量を下げる
とともにTi添加Alキルド鋼とする。Tiは0.5%を超える
と鋼板に圧延時、表面キズが多くでるため良くない。好
ましくは0.05〜0.3%である。
以上のように、本発明によれば、Al−Mn−X合金めっき
層を有したCr:1%以上のCr添加鋼から成る鋼材は裸耐食
性を上記合金めっき層で確保し、しかも塗装後の高耐食
性を該合金めっきの組成を選択することにより、さらに
はそれと腐食電位が貴であるCr添加鋼の使用と組み合わ
せることにより、該合金めっき層の犠牲防食性を十分に
発揮させることができる。加えてCr添加鋼それ自体の高
耐食性が加わり、従来にない高耐食性表面処理鋼材が得
られるのである。
次に、本発明を実施例にもとずいてさらに具体的に説明
する。
実施例1 厚さ0.8mmの各種冷延鋼板に第1表に示す溶融塩浴めっ
き条件にてAl−Mn−Xの合金めっきを10g/m2施こし、続
いてクロメート処理およびエポキシ系塗料とポリエステ
ル系塗料を各々厚さ10μm、15μm塗布した。
このようにして得た塗装鋼板を塩水噴霧テストにかけ端
面の赤錆発生時間およびカットキズ部のブリスター幅
(500hr経過後)を観察し、評価した。試験結果をめっ
き層組成とともに第2表にまとめて示す。
第1表 浴組成:AlCl3−NaCl−KCl 浴温度:210℃ 添加剤:Mn:MnCl2(浴中イオン濃度50〜6000ppm) X :X Cln浴中イオン濃度50〜6000ppm) X:Ni、Co、Fe、Cr 電流密度:30A/dm2 以上のようにCr添加鋼との組合せにおいて良好な端面耐
食性および耐ブリスター性が得られる。
本例の場合、母材が貴になっていることは第1図および
第2図の電位変化からも容易に分かる。
実施例2 厚さ2.6mmの酸洗熱間圧延板に第1表と同じ条件でAl−M
n−X合金めっきを施こし、通常のクロメート処理およ
び20μmのカチオン電着塗装を行った。これらに素地鋼
に達するキズを入れ、サイクル腐食テストを80サイクル
行い、腐食深さを測定し評価した。結果を第3表にまと
めて示す。なお、腐食サイクルは塩水噴霧(35℃×4h
r)、乾燥(50℃×2hr)、湿潤(50℃×18hr)を1サイ
クルとして繰り返した。
以上のようにCr−Cu−Ni系母材との組合せにより穴あき
腐食に優れていることがわかる。この系の鋼は腐食電位
が比較的高くほとんどの種類のめっき層に対しても貴に
なる。
実施例3 厚さ0.8mmの冷延鋼板(母材中Cr量5%)に第1表と同
じ条件でAl−Mn−X合金めっきを施こし、エリクセン張
出し加工(5mm張出し)を行った後、未塗装で端面をシ
ールしたサンプルを実施例2と同じサイクル腐食試験に
供し、赤錆発生5%に達したサイクル数で評価した。試
験結果を第4表に示す。
以上のように本発明のめっき材は優れた未塗装耐食性を
有するが、Mn:1%未満ではめっき性状が悪くなるため、
耐食性が劣化し、Xが20%を超える場合やMnが30%を超
える場合は皮膜の加工性が悪くなるため耐食性が劣化す
る。また、Xがゼロまたは0.5%未満では、耐食性が不
十分となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明において利用するAl合金の組成と腐食
電位との関係を示すグラフ;および 第2図は、同じく鋼板の腐食電位をCr添加量との関係を
示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼材およびその表面に設けたAl合金めっき
    層から成り、前記Al合金が、重量%で、Mn:1〜30%、F
    e、Co、NiおよびCrの1種または2種以上:合計で、0.5
    〜20%、およびAl残部である組成を有するとともに、前
    記鋼材が少なくともCr:1%を含有する鋼材であって、前
    記Al合金めっき層よりも電位が貴であることを特徴とす
    る、耐食性にすぐれたAl−Mn系めっき鋼材。
  2. 【請求項2】前記鋼材の鋼組成が、重量%で、Cr:1〜7
    %を含むものである、特許請求の範囲第1項記載の鋼
    材。
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